2017年09月13日

海辺の生と死【映画】

奄美の精霊たちに守られて暮らす人々。
島の人々にとって、隊長さんたちは、平穏な生活に紛れ込んだ異物でしかなかった。
トエの家で、飲み騒ぎ軍歌をがなり立てる様は、静かな島の夜には似つかわしくない。

隊長さんは歌わないのですか。
というトエの問いに対し、島の歌が聞きたいと、朔(隊長さん)は自ら島に歩み寄る。
自然体で少しずつ島の人々に入り込む朔。
子どもたちにも受け入れられ、必然のようにトエとの愛も深まる。

見つからないように潮の満ちた海岸を泳いで潮焼き小屋までたどりつくトエ。
いずれ特攻で死を迎える朔は、どんな思い出トエの愛を受け入れ、自らも愛そうとしたのか。

島には、生と死を司る精霊が在る。
死の匂いも、生の輝きも、島そのものに委ねられる。

異物である朔が、いろんな偶然の重なりで特攻に赴かずにすんだのは、島に、精霊たちに認められたからなのではないか。
生命力と霊力をたたえた島の大自然をみていると、朔の命を留めたのは、そういうことではないかと思ってしまう。

島の自然に圧倒される映像は、この映画のみどころ。
そしてなんと言っても満島ひかり。
自らのルーツである奄美の島に命を吹き込まれたかのような強さ。
そして、本領発揮の島唄。
もうこれ以上のキャスティングはない。

原作が気になりつつ、未読なのでぜひとも読まなければ。

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