人を惹きつける言葉ってのは、人を惹きつける人が発するからこそのものだ。
言葉だけでは、人を惹きつけることはできない。

聴くものが皆熱狂したラストシーンの演説。
言葉だけとってみれば、ただの大仰な煽り文句としかとれない人もいるだろう。
あの言葉が生み出した熱狂は、発する者の”人となり”があってのものだ。

ウインストン・チャーチルは、自分の弱さもみっともなさも含めて多くの人に愛され、受け入れられた。
失敗さえも、武器に変えた。

妻クレメンティーンや秘書のエリザベスが、彼に惹かれ愛し、また愛されたのも、チャーチルの”人”のよさだ。
彼には、何か「ほっとけない」ところがある。
女性にとっては、それが”魅力”なんだろう。

そして、チャーチルの聴く耳。
民衆の声を聴く耳をもち、それを真摯に受け止める。

それらは全て、自分の弱さを知り、かといって、虚勢を張らずにそのままの自分をさらけ出すチャーチルの人間性のなせるわざだ。

無謀にも思える決断が成功したのは、結果論かもしれない。
しかし、結果の如何を問わず、チャーチルの下した決断は、厚い信頼をもって受け入れられただろう。

ゴールデンウィークの混雑を避け、シネマ5でゆっくり映画を観ようと訪ねた。
あれ?
ロビーにごったがえす人、人。

これは、この映画の評判が人を呼んだのか。
それともGW景気なのか。

普段と違う景色のシネマ5も、たまにはいいじゃないか。

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