2019年03月23日

グリーンブック【映画】

思いっきりネタバレだらけなので。




ドクター・シャーリーにハグし、耳元でこっそり手紙の礼を言うドロレス。
泣いた。
このシーンが、なんかわーってきたわ。

黒人差別が色濃い1960年代。
天才ピアニストドクター・シャリーは、その才能を買われ、特別な待遇を受けていたドクター・シャーリー。
しかし、天才ピアニストという看板を外せば、黒人として差別を受ける。
南部ツアーでも、富裕層を相手に演奏し、喝采をあびるが、自分が演奏する会場のレンストランで食事を断られたり、トイレも黒人用の外にある粗末なものしか使わせてもらえない。

自分はなんなのか。
白人の運転手の車の後部座席に座り、農作業する黒人からは冷ややかな目で見られる。
演奏は拍手をもらえても、やはり黒人として差別される。

自分はなんなのか。
白人でもない、黒人でもない。

彼だけにしかわからない苦悩、孤独。

この物語は、白人運転手として雇われたガサツ粗暴なトニーとドクター・シャーリーの友情の物語ではあるが、その友情を育む過程で、「自分とはなんなのか」というアイデンティティーを取り戻していく物語でもある。

音楽、ロードムービー、コメディとおじさんの好きな映画要素をたっぷり盛り込んだ時点で、観る前からもう面白い。

もうトニーがいいね。
粗雑なおっさんなんだけど、江戸っ子並みに人情に厚い。
ケンタッキーフライドチキン食いたくてしょうがなくなるやんけ。

でも、こう見えて、差別の本質を見抜く目を持っている。
ドクター・シャーリーが、苦悩を乗り越えて変わっていくための支えになっている。
店を出て、車のに潜む悪者を追っ払うシーンは、なんておっちゃんかっこいいんだい。

もちろん、トニーもドクター・シャーリーによって変わっていく。
お互いが、化学反応を起こし、変わっていく過程が、こういう映画の醍醐味だよね。
掛いもとにかく二人の絡みが、あったかくておもしろい。

「グリーンブック」とは、当時、黒人が利用できる施設を掲載したガイドブック。
確かに、グリーンブックに載っているとこだけ利用すれば、黒人は、気兼ねなく安心して旅行できる。
でも、それじゃだめなんだという強い気持ちから、勇気を持ってはみ出すドクター・シャーリー。
あえて差別の色濃い南部へのツアーに臨んだのも勇気あること。

勇気を持って、変わらなきゃ、変えなきゃ。
そんな元気ももらえた。

ただもう、いいかげん「感動の実話」ってコピーはやめてほしいな。

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