2019年03月26日

洗骨【映画】

みんな大変なんだな。
いろんなものを抱えて、日々、生きている。

だから、
がっちりと鎧に身を固めて武装して、ことさら強く大きく見せていたり、
魂を抜かれたように呆然と日々の時間を潰すことに精一杯だったり、
これからどうやって生きていこうとびくびく怯えるばかりだったり。

家族だから、ことさら、気持ちをさらけ出せないこともあるし、
家族だから、ことさら、相手の痛みに無頓着だったりすることもあるし、
家族だから、ことさら、わかりすぎているゆえに許せないこともある。

でもやっぱり、最後は、家族。

洗骨という風習を初めて知った。
沖縄の人だって今や知らない人も多いということなので、失われゆく風習なのかもしれない。
聞いただけでは、ちょっと引いちゃうし、いざ見てみるるかと言われれば、びびる。

でも、あの洗骨のシーンはよかった。
風葬した棺桶を取り出し、再び死者と対面する。
丁寧に遺骨を洗うことで、どういった気持ちになるのだろう。

死者を送る場での出産。
生と死の象徴的な場面だけれど、コミカルな演出と演技でとってもあったかい。
いやもう、大島蓉子さん、最高。

この映画のツボは、この大島さんと、鈴木Q太郎さんなのではないかと思う。
彼の役が、イケメンだったらつまらない。
といっても、あの風貌が納得して受け入れられるのは、美容師という役柄だからという絶妙のキャスティングと設定。

ガレッジセール・ゴリとハイキング・ウォーキングのQ太郎というお笑いの強力タッグがあってこそ、この映画が成り立っていると思う。

法事は、亡くなった人が、縁ある人たちを引き合わせ、自分たちが生きてあることを考えさせる場であるという話を、坊さんから聞いたことがある。
まさにそうであるなあと、この映画を見て思う。

死者を弔うことで、今ある自分を見つめ直す、周りの人たちのことを考える。

泣いたり笑ったりひやひやしたりどきどきしたり、それはまあ、忙しい映画である。
涙の後には、なにかすっきりした爽やかさが残る。
エンディングの古謝美佐子さんの「童神」が心地よい。

すっかり浄化されてしまった。

14e1c5c0c15ac5d3 copy