受け継がれるもの-3





































受け継がれるもの-1





















                                                      『受け継がれるもの』

心とハート




















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『心とハート』

                                                       石田 恵梨佳 作詞
                                                       秦  光賢   作曲



物心ついた時から 励まし合った私と私のハート

嫌いになった事など ただの一度もない

それより何故か いとおしくて 頼もしかった そして切なかった

どんなに疲れ 枯れ果てても どんなに苦しくても



私を支えてくれた 画面に映るあなたは

いつも不安で脅えて 最後の力を振り絞って 震えていた



絶え間なく続く耳鳴りと 眩しさに耐えられない瞳と

曲がってゆく背中 骨になる足と 割れていく爪を見つめながら



負けてたまるか! 泣いてたまるか!

がんばるぞ! 生き抜くぞ! もうひとふんばり!

負けてたまるか! 泣いてたまるか!

励ましあい闘ってきた 私のハート



長い間 ありがとう おつかれさま そして さようなら



力強い鼓動が 私の心を再び打つ

新しい命の贈り物 私のハートを再び打つ



生きて!生きて! 生き抜いて

これから仲良く 頑張ろうね

生きて!生きて! 生き抜いて

あなたの心とハートが 命を繋いでくれた



今日から 精一杯生きるから 仲良くしてね どうか よろしくね



ハートtoハート ハートtoハート 大切にするからね

ハートtoハート ハートtoハート 本当に本当にありがとう

胸の傷は命ある証(あかし) 心とハートを繋いでいるよ


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 今回は、やや深刻な歌をとりあげてみたいと思います。

 この『心とハート』は、詞をお読みになってわかりますように、心臓移植をテーマにした歌です。インターネットでも YouTube のサイト(http://www.youtube.com/watch?v=xG-ieE8VSKI&feature=youtu.be)で聴くことができますので、ぜひ一度お聴きになってみてください。

 私がこの歌を初めて聴いたのは、2~3年前の学術講演会に出席した日のことでした。その講演会は主に臓器移植を扱っていて、その後引き続いて行われた懇親会にて、バック・グラウンド・ミュージックとしてこの『心とハート』が流されていたのです。

 会場が騒がしかったこともあって、最初はあまり関心を持たなかったのですが、喧噪に混じって聞こえてくる歌詞の中の『おつかれさま そして さようなら』という部分からただならぬものを感じ、大いに興味をかきたてられたのです。そして、よく聴いてみると『負けてたまるか! 泣いてたまるか!』という力強い歌詞と、コーヒーカラーの仲山卯月(なかやま・うづき)(『人生に乾杯を! ~別れの曲~』(http://www.youtube.com/watch?v=prmXQaZtdg4)で有名)を思わせる感情豊かな歌声が強く印象に残り、忘れられなくなってしまいました。

 後になって「あの時 CD を買っておけばよかった」と後悔しましたが、当時は曲名も歌手名もわからず、そのままになってしまいました。最近、ふと思い立ってインターネットで調べて、ようやくこの歌に辿り着いたのです。


 この歌は、先天性(生まれた時から)の心臓病(拡張型心筋症)のため、19歳の時にドイツで心臓移植を受け、元気にお過ごしになっている石田恵梨佳さんが詞を作ったもので、何とそれに(執刀医ではありませんが)現役の心臓外科医でいらっしゃる秦光賢先生が曲を付け、同先生が自ら「いぶくろ(医袋)」というユニット(Vocal : 秦光賢, Chorus : 廣瀬稔祐)を組んで歌っていらっしゃるのです。

 私はこの事実を知り、未だに移植医療に関してはアメリカやドイツに依存している日本の医療の現状を改めて意識するようになりました。

 日本では長い間、15歳以上でなければ臓器の提供者になれない(例え生前の意思表示があっても)と法律(臓器移植法)で決められていたため、小児患者に対する臓器移植は全く行えない状況でした。ごく最近(2010年7月)になってようやく臓器移植法が改定され、15歳未満であっても条件を満たせば提供者になれることになりましたが、脳死判定の厳しさや家族の同意を得にくいなどの事情があり、依然として臓器移植の数は非常に少ない(心臓移植に関して言えば、アメリカが約2000人/年、ドイツが約500人/年に対して、日本は 0~数人/年)状態が続いています。そのため、移植以外の手段では救命できない患者は、多額の費用を調達して海外で移植を受けるか、さもなければ延々と提供者が現れるのを待つしかないのが現状なのです。しかも、日本は大金を用意してでも移植を希望する患者が多く、そのため外国の患者が代わりに待たされる事態も発生しかねず、大いに問題になっているのです。

 私たちは、(相応の費用を払っているとは言え)貴重な臓器を提供してくださっている外国の方々に深く感謝しなければなりません。

 私は不勉強にて存じませんでしたが、ドイツでは大勢の有名なスポーツ選手たちが臓器提供の意思を表明していらっしゃり、移植医療の発展に貢献されているそうです。臓器移植を推進する非営利団体である „Sportler für Organspende“(http://www.vso.de/)の活動も盛んです。

 ところが、日本ではNPO法人「ハート to ハート・ジャパン」(http://www.heart2heart-npo.jp/)や「日本臓器移植ネットワーク」(http://www.jotnw.or.jp/)があるものの、世間一般の関心が高いとは決して言えず、忸怩(じくじ)たる思いを抱かずにはいられません。


 私は移植医療に直接携わったことはありませんが、臓器移植は(人造臓器が開発されない限り)必要な治療手段であると考えており、私自身も臓器提供をしたいと考えています。

 そこで、『心とハート』の感銘を伝え、少しでも移植医療の推進に役立てたいとの思いから、今回のつなぎ折紙『受け継がれるもの』を作りました。

 『受け継がれるもの』とは、具体的には当然「心臓」を表しているわけですが、それだけではありません。

 科学的に正式に認められたわけではありませんが、臓器移植には「記憶転移」と呼ばれる現象があると言われています。これは、臓器提供者の記憶などが患者に移るというもので、心肺同時移植を受けたクレア・シルヴィアという女性の例が挙げられます。こういったことも含め、心臓の元々の持ち主の想いや力も、臓器とともに「受け継がれる」ものだと私は考えたいのです。

 この折紙は表裏が金と赤の2色になっている正方形の折紙用紙1枚に切り込みを入れて折ったもので、形を安定させるために一部に針金を接着してあります。上のハートの中の鶴は心臓に秘められた「提供者の想い」を表現しています。ハートは伝統折紙の「舟」を応用して折りました。和紙を使えば簡単に折れるものですが、洋紙の場合はつなぎ目がちぎれやすく、また、ハートを作るときに紙が破けやすいので注意が必要です。

 構造がわかりにくいかと存じますので、ハートを閉じた状態から開いた状態への変化を再度写真でお目にかけることと致します。


受け継がれるもの-3







































受け継がれるもの-5







































受け継がれるもの-1


























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