夢飛行





















                                                               『夢飛行』

キャンディの夢























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『キャンディの夢』

                                                      尾崎 亜美 作詞・作曲



いたずらな目が 涙でくもる

キャンディ 泣いちゃいけない

ほら 見えるだろう 丘に咲いてた

花を 髪に飾ろう

さあ 目を閉じて ベッドの船は魔法の船

さあ 走れるさ 風の中で踊ろう

キャンディ ンー キャンディ

すき通るからだ きっと 守ってあげるよ



熱にうなされ 僕の名を呼ぶ

キャンディ 負けちゃいけない

今日(きょう)はふたりで 雲のお城へ

それとも 虹のかなたへ

もう一度だけ もう一度だけ 笑顔見せて

まだ 行かないで だれにも渡しはしない

キャンディ ンー キャンディ

夢の中でさえ ほほえむことを知らない



キャンディ ンー キャンディ

すき通るからだ きっと 守ってあげるよ


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 今年もあれよあれよという間に6月が過ぎ、梅雨も明けてすっかり真夏の気候になって参りました。去年は「ジューン・ブライド」に因んで結婚の歌をとりあげました(http://blog.livedoor.jp/miyataatsushi-origami/archives/31215817.html)が、今年は恋人たちの歌をとりあげてみたいと思います。


 この『キャンディの夢』という歌は、シンガーソングライターの尾崎亜美(おざき・あみ)が作詞作曲したもので、『NHKみんなのうた』に収録されたことから、今でも根強い人気のある歌になっています。

 ただ、この歌は『みんなのうた』で放送されたものの、内容はあまり子供向けのものとは言えません。私は初めてこの歌を知った時、題名から考えて

   「甘いもの好きの子供が飴玉の夢を見るような歌だろう」

と勝手に解釈しておりましたが、とんでもない勘違いでした。

 実際には、この歌は歌詞を読んでおわかりの通り、

   「重病に冒された少女を、その恋人が懸命に励ましている歌」

であり、極めて悲しい深刻なものであったのです。尾崎亜美も、この歌があまりにも悲哀に満ちた歌なので、コンサートなどで歌う場合には歌詞と曲を明るくアレンジした(ほとんど別の歌と言ってよい)『キャンディの夢』を歌っていて、今回紹介した歌詞のバージョンは『NHKみんなのうた』でしか聴けないようになっています。インターネットでは、つい最近まで YouTube で『みんなのうた』放映当時のアニメーションと共に視聴できたのですが、残念なことに現在は削除されています。尾崎亜美がライブで歌っているバージョンの『キャンディの夢』であれば、今でも YouTube のサイト(https://www.youtube.com/watch?v=ImIcdSGZ_38)で聴くことができますので、お聴きになってみてください(『キャンディの夢』は 0:53 - 4:05)。上でも書きました通り、歌詞も曲もかなり異なっていますが、大まかな雰囲気は味わって戴けることと存じます。

 考えてみれば、当時のNHKはよくこの歌を『みんなのうた』に加えたものだと感じざるを得ません。曲も歌詞と同様に哀調を帯びたものになっていて、子供にとってはやや悲しすぎる感が否めないように思います。そのせいか、この歌が好きな人は「大人になってから改めて聴いて、その深刻な内容に衝撃を受けた」という人が多いようです。実は私もそうでした。人によっては、同じく『みんなのうた』に入っている『秋物語』(http://blog.livedoor.jp/miyataatsushi-origami/archives/35430054.html)と同様に、「泣ける歌」としてこの歌を挙げて賞賛することでしょう。

 特に、身内に難病で苦しんでいる人がいる場合には、この歌はまさに深い共感をもって受け入れられるに違いありません。その点、私を含めた医療関係者にとっても、この歌は特別な感慨をもたらすものと言えます。

 歌詞から察するに、この『キャンディ』という少女は、おそらく進行性の悪性疾患に罹っていると思われます。特に、『すき通るからだ』と表現しているところから考えますと、高度な貧血を伴う急性白血病のような病気ではないかと推定されます。しかも2番の歌詞を見ますと、恋人である少年は、少女の命がもう長くはもたないであろうことを既に悟っているようです。

 物語の結末は明らかにされていませんが、悲しいものであることだけは間違いないでしょう。はっきり書かれていないだけに、ここはなおさら涙を誘うところです。


 この歌で表現されている

   「病室のベッドの中でも、想像でならどこへでも自由に行ける」

という発想は、他の童話などでも出てくることがあり、私も大いに共感するところです。背景は全く異なりますが、米米CLUB(コメコメクラブ)のヒット曲である『浪漫飛行(ろまんひこう)』(https://www.youtube.com/watch?v=3eycWDzGl-c)にも通じるような開放感、自由さが感じられ、気分を高揚させる魅力にあふれていると思います。

 この『キャンディの夢』でも、少女が例え想像の世界であったとしても恋人と自由に旅行を楽しめるよう願わずにはいられません。


 写真の折紙は、この『キャンディの夢』に寄せて、二人を乗せたベッドが大きな鳥となって自由に想像の世界を飛翔する様子を「つなぎ折紙」で表現したものです。長方形の和紙1枚に切り込みを入れて折ったものですが、部分的に紙の重なりがかなりできてしまうので、ごく薄手の和紙を使わないと、見栄えよく折り上げるのは困難でしょう。



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