MIYAZAKINGDOM

ミヤザキケンスケ オフィシャルブログ

2018年09月

 初めての南米から帰ってきて、家族との時間を過ごすうちにあっという間に日常に戻るものの、時差ぼけだけは少し残っているのか、やけに朝早く目が覚めるようになりました。もしかするとエクアドルで40歳を迎え、朝方の生活スタイルに体が変わってきているのかもしれませんが。。。
 久しぶりにゆっくりと湯船につかり、長めの入浴をして新しいTシャツを着ようとした時に、ふと「無地のTシャツを買わなきゃ」と思いました。ここ数年ずっと考えていたことで、毎年夏に新しいTシャツを買っても、一年通して着てしまうのでヨレヨレになってしまいます。だから上着を着る季節には無地のTシャツを着ようと決心したのですが、なかなか実行に踏みきれていませんでした。それにしてもなぜお気に入りのTシャツを上着の下に着てしまうのか?何となくそれについて今日は考えていました。。

それは「もしかしたら」の可能性を考えてしまうからだと思います。年齢を重ねるにつれ、無駄なことは省くようになります。冬場にTシャツになるという低い確率の「もしかしたら」は計算に入れない方が効率の良い日常を過ごすことができます。。でも、確率や効率では人生の幸せは計れないものです。

 僕にとってのOver the Wallはまさにその「もしかして」の積み重ねでした。いつも遠い夢みたいな理想を胸に持って、街にあふれるいろんなものや人と出会い、偶然から一つ一つが繋がっていき今の形になりました。そう思うと、いつも「面白いことがあるかもしれない」と自分に期待しながら、お気に入りのTシャツを上着の下に来て外出することも必要なことなのかもしれません。プロジェクトから日常に戻り、そんなことを思った日でした。

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撮影:小野慶輔




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 ついにエクアドル最後の日になりました。直さんがせっかくだからと赤道記念館に連れて行ってくれ、観光を満喫しました。日本人らしく赤道の北と南で名刺交換をしている記念撮影をし、その後様々な赤道アクティビティとエクアドルの歴史を勉強した後、キト名物のクイ(天竺ネズミ)を食べたり、この度初めて普通の観光をした気がしました。42289011_1701584436619423_4180285780796637184_n

 夕方にはイルマさん家族に会い、涙の別れをして、その後内田さんご家族、エドウィンさん、いずみちゃんらとキトの夜景が見えるレストランで食事をしました。最後の最後にゆっくりこの国を見ることが出来て、とっても充実した時間を過ごすことが出来ました。思えばこの一ヶ月常に予定に追われ、まったく余裕がありませんでしたが、改めてこの国を見てみて本当に素敵な国だなと思いました。世界遺産第一号に認定された旧市街地の眺めもさることながら、ジャングル、沿岸部、山、ガラパゴスなど多様な顔を持っていること、インカ文明やそれ以前の生活スタイルの面白さ、もっともっと知りたいことは山のようにあり、また必ずエクアドルに帰ってきたいと思いました。42254719_2198537163719686_6703847116105580544_n 2

 夜カサエマウスに帰り、荷造りをしているとウーゴさんが迎えに来てくれました。この一ヶ月ずっと送り迎えをしてくれたウーゴさん、「コモエスタ?ケタール?ケタール?」と早口のスペイン語のイメージしかない彼が、最後にまさかの流暢な英語で話しだしたのにはビビりました。。
 エクアドル、最後まで不思議で奥深い国でした。荷物を預けてチェックインし、朝5時の便で経由地のエルサルバトルへと飛びたちました。一ヶ月以上に渡るエクアドル壁画プロジェクト、これにて完結です。日本に到着するまで丸2日かかるので、トランジットの時間などにプロジェクトのこぼれ話なども更新する予定です。この日記を楽しみにしていてくださった皆様、最後まで呼んでくださってありがとうございます。英訳してくれたなんちゃん、お疲れ様でした!

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 昨日の作品の展示、表彰式、日本からの絵のプレゼント交換会は素晴らしいものになりました。そして僕たちがハラミホで行った絵画教室の9月17日を「アートの日」と設定して、これから毎年ハラミホではその日に子供達と一緒に絵を描くプログラムを持つと言ってくださいました。すごいことだと思います!
 世界中どこでも子供たちのクリエイティビティは素晴らしいです。ここハラミホでも子供たちの創作意欲はとどまることを知らず、きっと彼らが素晴らしい世界を作っていってくれると確信しました。固定概念を吹き飛ばして、新しい価値観を創造して欲しいです。
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撮影:Changuhun Lee

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 今日、ハラミホでの子供たちの絵の展示、表彰、そして日本の子供たちの「花火の絵」の贈呈を行い、全てのプロジェクト日程を終了しました。最後ぐらいは、ということでリゾートホテルをとったのですがあまりに疲れていたのですぐに寝てしまい、全然満喫できませんでした(笑)。
 変な時間に起きてしまったので、少しだけ今回のプロジェクトを振り返りたいと思います。今回はこれまでで一番しっかりと準備をして望んだプロジェクトでした。日本から参加した人数も多かったし、現地で参加してくれた人も過去最多だったこともあり、終始にぎやかな雰囲気でした。ただ、Over the Wallは「楽しい」だけのプロジェクトではありません、過酷な作業と過密スケジュールで、体を相当酷使します。実際かなり体重も落ちます。。。
 そんな過酷な状況でも、プロジェクトを実現させようと支えてくれる仲間がいます。僕は欠点の多い人間ですが、自分が持っている一番の能力は「人と出会う運」だと思っています。今回も全日程を共にしてくれた撮影部隊のチャンハンとミヌク、立ち上げたばかりの事業を任せて来てくれた福井君、最高の写真を撮るために駆けつけてくれた慶輔、過酷なスケジュールでも献身的に通訳をしてくれたイサベル、最後のセレモニーを運営してくれた美貴さんと影山さん、一番大変な中盤を支えてくれたムータン、立ち上げの業務を全て引き受けてくれた山田さん。そして日本でウェブを更新してくれている後閑君、毎日の文章をガーナから翻訳してくれたなんちゃん、Over the Wallをデザインしてくれている伊藤さんともえちゃん、広報担当の岩見さん、現地との交渉をしてくれたYujin、サチさん、契約書類を作ってくれたバブさん、後方支援をしてくれているはるちゃん、ゆきちゃん、愛ちゃん。
 一人一人と人生のあるタイミングで出会い、Over the Wallという形になりました。一年に一度彼らと知らない世界に壁画を残すのは、ちょっとした冒険のようです。それぞれが自分の能力を持ち寄りミッションに挑むスタイルはONE PIECE的であり、ドラクエ的であるのですが、目的は敵を倒すのではなく友達を作ることにあることにおいて、Over the Wallは夏休みのドラえもんの映画のようであると考えています。そしてドラえもんの映画と同じように、物語の最後は皆が日常に戻ります。

 僕らも帰国後はそれぞれの仕事に戻ります。まるでこの一ヶ月が夢だったかのように日々に負われるのだと思います。それでもこの旅で出会った直さんや力さんやいずみちゃん、イルマさんにジャスミンにジュリー、パティ。シャーウィンの仲間たちやジェシカ先生、一緒に壁画を描いた仲間との思い出は一生心に残るはずです。
 
 マンタのビーチで波の音を聞きながらプロジェクトを振り返り、改めて素敵な旅だったなと思っています。旅はあと少し続きますが、明日はゆっくり写真などアップしたいと思います。
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 昨日は疲れ果てて寝てしまいましたが、ハラミホの子供たちにワークショップを行いました。4歳から12歳ぐらいまでの子供約100人と絵を描いたのですが、みなこの日をとても楽しみにしていてくれたみたいで、子供も大人もとても気合いが入っていました。
 ハラミホは沿岸の小さな街で、2年前の地震で大きな被害を受けた地域です。今回子供たちのワークショップの場所を選ぶ際に、被災地の子供たちと一緒に絵を描きたいという思いがありました。見たところ町に震災の爪痕を感じることはありませんでしたが、子供の中には地震で揺れた町を描いている子もいました。

 ワークショップの始めには毎回「オンリーワンゲーム」を行います。これはテーマに合わせて一分間で絵を描き、誰ともかぶらない絵を描いた人が勝ちというゲームです。ゲーム性を持たせると子供たちはドンドン手を動かし、自分のオリジナリティを証明しようと意欲的になってくれます。それはエクアドルでもその通りで、非常に盛り上がりその後の絵画制作でも個性あふれる素敵な絵をたくさん描いてくれました。
 絵画制作の後は、高学年の子供たちとフラッグ制作を行いました。最初にウクライナの子供たちが描いてくれたフラッグの制作過程を見せて、次のハイチに向けたフラッグ制作の過程を説明。人数が少なかったからか、主旨を理解してくれたからか、みな本当に真剣に取り組んでくれました。次のハイチのプロジェクトはまだはっきりしてない部分が多いのですが、彼らが真剣に描いてくれたフラッグを届けたいという思いから、必ず実現させたいという気持ちになりました。

 今日は午後に子供たちの作品展示と表彰式を行います。これが本当に最後の仕事、かなり体力的に限界が来ていますが最後の力を振り絞ってがんばってきます!
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 今日は午前中に壁画の写真を撮りに刑務所に行き、夕方から最後の目的地マンタへ移動しました。お披露目会では雨が降ってしまいいい写真が撮れなかったのですが、今日は午前中よく晴れてくれ、小野先生がいい写真を撮ってくれたと思います!写真のお披露目はまた後ほどさせてください。
 刑務所では受刑者のお母さんたちと話す機会がありました。あるお母さんは、僕たちに本当に感謝していると伝えてくれ、一ヶ月かかって編んだマットをプレゼントしてくれました。とても器用で絵も上手だったので、出てからこういう仕事をすれば?と聞いたら、そんな仕事はエクアドルでは難しい、といい自分の身の上話をしてくれました。

 彼女はコロンビアに生まれたそうです。彼女が住んでいたコロンビアの街はとても治安が悪く、彼女自身銃で足を撃たれた経験があると言っていました。12歳の時に母親とエクアドルに渡り、ストリートで生計を建てていたそうです。何とか16歳までは学校に行っていたものの、そこからは生活のために道ばたで物売りをし、そのうち妊娠をして、その子供を育てるために麻薬の販売に手を出し捕まってしまったそうです。家族は誰もおらず、面会は誰もいないと言っていました。あと1年で出所できるものの、出てからどうやって子供を育てればいいか全く分からないと言っていました。

 その話を聞いて、何一つ希望を与える言葉を伝えることが出来ませんでした。一人で子供を育てるために、彼女はまた犯罪に手を染めるかもしれません。そうでない生き方を見つけて欲しいけど、きれいごとだけでは語れない現実がそこにはありました。僕たちが描いた壁画が、受刑者にとってどんな影響を与えていくかは分かりませんが、少しでも希望を与える力になってくれればと願ってやみません。

 そして今日でメンバーの半分が帰国しました。美貴さん、影山さん、慶輔、イサベル、前半の山田さんとムータンを入れると6人が帰国したことになります。最後は沿岸の街、ハラミホで子供たちにワークショップを行います。夜にマンタ行きの飛行機に乗り込み、協力者のサラさんの家に泊まらせてもらっています。明日から二日間、ワークショップがんばります!

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 一日更新が遅れましたが、昨日はオフだったのでエクアドルの富士山、コトパクシへ向かいました。コトパクシの標高は5,897m、富士山よりだいぶ高いですがその4900m地点まで歩いたのですが、かなり空気が薄くクラクラしました。残念ながら雲がかかっていたので頂上はちらっとしか見えませんでしたが、その雄大な景色は圧巻でエクアドルの自然の豊かさを体感することが出来ました。
撮影:Keisuke Ono
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 帰りはマウンテンバイクで山を下るというツアーだったのですが、当然アスファルトではなく、ずるずるの砂利道で命の危険を感じました。なかなか出来ない経験が出来、とても楽しかったのですがせっかくの休日に全力で体力を削るという訳の分からないストイックさを出してしまい、みんな体調を崩し気味です。。。ギリギリまで追い込むのがOver the Wallの悪いところ、少しはゆっくりしなければと反省しています。
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 このあともう少し登って氷河を見に行きました!




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 今日はついに壁画のお披露目会でした。あいにくの雨で最初のセレモニーは室内になりましたが、この3週間で出会った様々な方が来てくださり、本当に嬉しい時間でした。雨が降ったのは残念でしたが、逆にこれまで雨が降らなかったこと、そして昨日雨の中強行で絵を完成させたことは、本当にラッキーだったと思いました。キトはこれから雨期に入っていくそうです。
 お披露目会ではスピーチの時間がありました。山田さんからのリクエストで、スペイン語でスピーチを行うことになっていたので、この数日間何度も原稿を読み返して今日に備えていました。最初の挨拶から続けてスペイン語で話したので、お母さんたちはビックリして大ウケ。もちろん流暢ではありませんが意味は伝わったらしく、話し終わると大きな拍手を頂きました。その後、力さんたちがライブで会場を盛り上げてくださり、会は非常に楽しく、厳かに進行しました。41741356_737996519872423_3777928395489280000_n

 お披露目会には野田日本大使もご出席していただき、僕たちの活動に対してお礼の言葉を言っていただきました。その後壁画の前に移動して、みんなでテープカットを行ったのですが、代表アーティストの僕はとにかく41730532_2234314663480194_5302328798417518592_n (1)
たくさんの方と写真を撮り、人生で何度目かのモテ期が来たようでした(笑)。
 日本側の出し物のお礼に、お母さん方がお礼のダンスを踊ってくれました。これは壁画を描いている間中練習している声が聞こえてきていたのでだいたいの内容は分かっていましたが、お母さんたちは楽しそうに踊ってくれ、とてもきれいでした。
 こうしてとてもオープンな会で、皆が壁画を本当に愛してくれ、最高の時間を過ごすことが出来ました。とても嬉しかったのは、法務省の方が今回の壁画制作を見て、他の刑務所でも地元のアーティストとコラボレーションして壁画制作をしたいと考えていると言っていました。もしも今回の壁画が何かのきっかけになり、これからエクアドルの刑務所の雰囲気が変わっていけばそれはすごいことだと思います。日本からはるばる来たエクアドルの地で、多くの人に受け入れてもらい、最高の絵を残すことが出来、本当に幸せでした。お世話になった全ての皆様、ありがとうございました!
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 これまでOver the Wallの活動を通して様々な経験をしてきましたが、今日はその中でもとびっきりのドラマが生まれました。

 昨日雨に降られたこともあり、朝からハイペースで絵を描いていきました。30メートルの壁は想像以上に大きく、まったく休むことなくとにかく描き続けました。17時までというタイムリミットは刑務所という場所がら絶対に守る必要があり、まさに一分一秒を惜しんで壁画の端から端まで駆けずりまわって描いていました。15時をすぎたところでお母さんたちが集会所に集まり、僕たちの活動を紹介する時間が設けられました。時間がない僕は仲間に説明を任せて、その間も壁画と向き合っていました。最後の挨拶だけということで、集会所に行き、挨拶とお礼をのべ、すぐにまた壁画制作を始めました。しかしドラマはここから始まりました。。
 僕の挨拶の後、お母さんたちに壁画を描いた感想を聞いたそうです。すると少しずつ、お母さんたちが話をしてくれました。


「壁画を描いてもらえるだけでも嬉しいのに、私たちも参加できるなんて思っても見なかった!」

「殺風景だった場所に、心が華やかになる壁画を描いてくれてとても感動している」

 
 そんな中、一人の女性が何かを決意したかのように話しだしました。

「私は花を選んでといわれた時、花を選ぶことが出来ませんでした。その時の私はとても落ち込んでいて、とてもそんな気分にはなれなかったからです。だから私は壁画を描いていません。ですが毎日毎日美しくなっていく壁画を見て、少しずつ気分が晴れていきました。このような壁画を描いてもらったお礼に、そして私の気持ちを晴れさせてくれたお礼に歌を歌わせてください」

といって歌を歌いだしました。
涙ながらに歌う彼女の姿を見て、みな涙をこらえることが出来ませんでした。いつのまにか会場みんなが泣いていて、感謝と感動とやはり刑務所という隔離された場所にいる寂しさがこみ上げてきたのか、みな声を上げて泣いていました。
 
 残念ながら僕はその場面を見ていません。後にいろんな人からその場面の感動を伝え聞くのですが、その時僕はひたすらに絵を描いていました。絵の具を取りにいくにも走り、とにかく早く早く早く描ききることだけを考えて筆を動かしました。しかし神様は僕に試練を与えます。なんと昨日とまったく同じように、大雨が降ってきたのです。。。
 しかし今日だけはそれで辞めるわけにはいきません。すぐにビニールシートを持ってきて、皆が雨の中体を張って画面を守ろうとしてくれました。ミヌクは画面に垂れようとする水滴を一滴残らず拭き取ってくれ、慶輔やみきさんや福井君は脚立を利用して即席の屋根を作ってくれました。その中で僕は最後の作業を進めました。
 正直に言うと、今回の絵はこれまでにないほどいろんな人の手が入っていたので、最後は出来るだけ自分で手を入れて、自分の手で仕上げたいと考えていました。しかしこの雨でそんな青写真は吹っ飛び、とにかく絵を終わらせることだけしか考えることが出来ませんでした。みんなに画面を守ってもらいながら最後の一筆を入れ、5時ギリギリに刑務所を出た時、何ともいえない達成感が生まれました。

 この壁画は特別なものになりました。それぞれが与えられた画面をギリギリまで描ききったところで終了になったのです。一緒に描かせてくれたと泣いていたお母さんたち、毎日壁画を一緒に描いてくれた仲間たち、そして僕が絵を仕上げるために必死で画面を守ってくれたみんなの想いが、全てこの壁画に詰め込まれているんだと思いました。これ以上描くところはないし、今完全にこの壁画は完成したんだと思えました。

 壁画を完成させることが出来た安堵感と、心から満足できた自分に大きな喜びを感じると共に、一緒に描いてくれた仲間に、刑務所のスタッフに、日本で支えてくれた人たちに、大きな感謝を伝えたいです。最高の壁画を残すことが出来ました、ありがとうございました!
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撮影:Kensuke Ono


 明日、泣いても笑っても壁画制作最後の一日になります。今日は昼にSherwin-Williams の工場見学をして、さあこれからという時に雨が降ってきました。次第に雨足は強まり、雹になり、とても作業を続けれる状態ではなくなりました。ここまで良いペースで描き進んではいましたが、それはあくまでも進行状況であり、自分自身の満足度は必ずしも伴っていません。今回は多くの人との共同作業だったこともあり、自分自身が壁に向き合えた時間が少なく、今日このタイミングで雨に降られたことは本当に辛かったです。何も出来ないまま一時間壁を見つめ続けながらいろんなことを考えました。

 今回の壁画はこれまでで最長の準備期間がありました。様々なシュミレーションをして、スタッフが完璧な段取りをして、現地側も最高の準備をしてくれました。それに応えるために一分一秒を惜しんで制作に取り組んできたつもりです。しかしまだ自分自身が納得できていません。本当にこれ以上はないというところまで描ききらなければ、とても晴れやかに完成披露なんて迎えることが出来ません。

後悔しないために、明日一日は死にものぐるいで描きたいと思います。

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