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 今回も国家間の周年行事の一つとして準備を進めているのですが、やはり神経を使うことが多く、書類を作ったりメールを書く作業に日々謀殺されています。ふと、自分は絵描きなのに何をやっているんだろう?と思うこともあります。
 プロジェクトを実現させるためには「プロジェクトの意義」を強調する必要があり、エクアドルのためとか、子供たちのためにという言葉を多用しますが、本当は「僕が描きたい」という気持ちが一番先であり、大切にしているところです。しかし目の前の状況を打破していくうちにいつの間にかひっくり返っていることが多々あり、その度にずーんと重い気持ちになります。。。このプロジェクトに置いては、一番楽しい「壁に絵を描く作業」は、最後の最後にようやくやってくるのです。

 しかし世界の巨匠でもない限り、公共の場所に好きな絵を描くことは許されません。それに自分が好き勝手に絵を描きたいのなら、アトリエでキャンバスに描けばいいだけの話で、なにも異国の、それも複雑な問題を抱えている場所に描く必要はないのです。そういう意味では絵を描くまでのプロセスは、自己表現と現実社会とのギリギリのラインを探る作業になります。僕は表現者として今の世界と繋がっていたいという思いがあるので、苦しいですがこの「準備段階」も大切な作業だと割り切って取り組んでいます。

 今回は刑務所内の壁に描きます。普通絶対に行けないロケーションです。その地に立った時に僕が何を描くのか、今は想像もつきません。想像もつかないチャレンジができること、それが僕がこのプロジェクトを続ける一番大きなモチベーションだと思います。