ハイチ原画
 ハイチの国境なき医師団の方々と打ち合わせを進めながら、病院内に描く壁画の原画を制作しました。毎年この原画を描くのが一番大変で、苦しい期間なのですが、これが出来て初めてスタートという感じがあるので、今回も何とか生み出せたとホッとしているところです。

 今回壁画を描くにあたり、テーマにしたのはハイチの民話「魔法のオレンジの木」です。ハイチにはお話を語り継ぐメトル・コントという語り部がいて、このお話も18世紀頃から語り継がれて来たお話ということです。全体的に不思議なお話ですが、おなかをすかせた女の子が魔法のオレンジの木を手に入れ、天まで高く伸ばしたり、小さく縮めたりして、意地悪な継母を知恵でやり込めるという話です。読んでいるうちにハイチの豊かな森が情景として浮かんで来て、生命力に溢れ、病院に描くには良いテーマだと思いました。物語の舞台である森の中にいるかのように、壁一杯に森の植物を描き、たわわに実ったオレンジの木を象徴的に描きたいと思っています。植物の緑は「癒し」の効果があると言われ、豊かな森の中にいるような気持ちでリラックスできる空間にしたいというのが一番大きなコンセプトです。またハイチの人々にとって森は身近な存在ですが、近年貧困との悪循環で木が乱伐され、その多くは失われています。近年続いている自然災害も鑑みて、自然と共存するメッセージにもなればと考えています。

 この絵を現地のお医者さん、患者さん、スタッフの方々などと協力して描きたいと思っています。現在ハイチの情勢は思わしくありません。。。しかし何とか受け入れ態勢を作ろうとがんばってくれているので、それに応える絵を描きたいと思います!

壁画イメージ