2009年06月26日

ホテル・ワルツ

ホテル・ワルツ
 『20年の不在、手紙に託された秘密
 トリノのホテルにうごめく血と金と愛の円舞曲


 コチラの「ホテル・ワルツ」は、全編85分をワンカットで撮影した「グランド・ホテル」形式のイタリア映画です。ヴェネチア映画祭で国際映画記者賞、東京国際映画祭で最優秀芸術貢献賞を受賞しています。

 主人公のアッスンタ(ヴァレリア・ソラリーノ)は、ホテルのメイドとして働く女性。彼女のモトに、元同僚ルチア(マリナ・ロッコ)の父親(マウリツィオ・ミケリ)が訪ねてくる。彼は刑期を終えて、娘に会いに来たのだけど、彼が生きる支えにしていた娘からの手紙は、実はアッスンタが書いていたものだったのです。

 なぜ?アッスンタはそんなことをしたのか?そして、ルチアはどこにいるのか?そんな2人のやり取りが行われているホテルでは、イタリアのサッカー界の重役たちがなにやら怪しげな会議を開いている。教授(エウジェニオ・アレグリ)曰く、サッカーは世界的な宗教だそう。日ごろの憂さを晴らしているようで、むしろ暴力的に人々を向かわせているんだそう。

 なんだか、恐ろしい会話が延々と続いているのだけど、その一方、アッスンタとルチアの父親の会話も進む。この辺り、ワンカットとは言っても、回想シーンまであったりして、結構見せるのだけど、やっぱりその繋ぎって、ちょっと舞台的というか、ホテルという限られたシチュエーションなのもあって、舞台を観ているような感覚かなぁ。

 うん、映画を観ているというよりは、舞台を観ているような感じですよね。なんとなく、今着替えてるのかなぁ?とか、ついつい想像しちゃったりして( ´艸`) 狭いホテルの廊下を登場人物たちが歩き回るのを追いかけるカメラワークや、ワンカットなので、当然カメラをパンすることも多く、ちょっと目が回りそうになりますけどね〜(´▽`*)アハハ

 でも、ワンカットって大変だよね〜。きっと。それを想像するだけでも、なんか面白いし、メイキングが入ってなかったけど、ちょっと観てみたかったなぁ。まぁ見せぬが華ってことかもしれませんけどね。だけど、なかなか工夫されていて、ワンカット撮影したってだけの映画に終わってないのですよね。

 ただ、ワンカットで撮る必要ってあるのかなぁ?と一方で冷めた見方をしてしまうところもあったりして。お話的に、ワンカットである必要があまりないせいなのかなぁ?って気がするのですが、個人的にはこのワンカット撮影で撮られた映画を観たのは、多分初めてなんじゃないかなぁ。

 気づいてないだけで観てる可能性はあるけど、多分初めだし、まぁそれを意識して観たのは間違いなく初めててなんですよね。なので、そういった意味では結構面白く観れたかなぁとは思います。ちょっと他にもそうやって撮られた作品が観てみたくなりますね。

◆ title: VALZER(2007/イタリア)
◆ date: 2009.06.23
◆ director: Salvatore Maira
◆ performer: Valeria Solarino/Maurizio Micheli/Marina Rocco/Graziano Piazza/Eugenio Allegri/Zaira Berrazouga/Giuseppe Moretti

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この記事へのコメント

1. Posted by Kaz.   2009年06月26日 21:33
ワンカットで撮る必要性は無いと思うんだけど、やっぱそこは監督のこだわりだろうね〜。 そそ、舞台を見てるような感覚になるもんね。 でも、このワンカットは素晴らしく技術が高いよ〜〜!(・ω・)bグッ
2. Posted by miyu   2009年06月26日 22:01
>Kaz.さん
まぁ意味がなくったっていいんだけどね。
ふとなんで?って思っちゃっただけです。
他にもワンカットで撮られた映画観てみたいです♪
3. Posted by plum56   2009年06月26日 22:57
確かに言われてみれば演劇的でしたね〜。
サッカー関係者の会話なんて、
モロに舞台劇の雰囲気がありましたし。

もしかしたら監督は
舞台劇では再現不可能な
実際の建物を使った演劇を観客に見せたくて、
ワンカット撮影にしたのかもしれませんね〜。
生の演劇でやると、
ゴルフのギャラリーみたく
観客をぞろぞろ連れて移動しないといけませんからね…。
4. Posted by miyu   2009年06月26日 23:04
>plum56さん
なるほど〜。
確かにゴルフのギャラリーみたいになっちゃいますよね(´▽`*)アハハ
それはそれで面白い舞台になりそうですね。
5. Posted by みたよ   2012年09月06日 02:03
最後の方で、私は会っても気づかないし、ルチアも私に気づかないなんて話をした直後に、すぐ隣でサッカーで良い成績を残した商品として提供される女性、ルチアですよね。こんなとこにいましたよ〜。目の前にいるよ〜ルチアが。
サッカーのお話の締めで、こういうお遊びにつながっていたとは。

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