「そのうち子供を……」
……。
「まだまだいけるっ!」
……何を根拠に。
「26センチ!」
……だから靴のサイズだって。つーか、明らかに嘘だし。しかも、サイズは問題じゃないでしょう。

それにしても。
生きてる猫のぬいぐるみといい。
凶暴な猫といい。
人間に嫁いだ狐といい。
たまには普通の動物はいないのか。
こうしてみると、御隠居宅の鶉が普通の鶉かどうか、非常に心配になって来る。
……まさか、ね。
鶉は鶉、の筈だ。
そうであって欲しい。



数日後。
散歩から帰って来た奴の首には、風呂敷包み。
……誰からだろう?
包みを開けてみれば。
少し大きめなフランクフルトとアメリカンドッグ。
手紙が1枚入っていた。

『靴を履かせること』

……。

私は短い手紙をしたためて、奴に託した。

『靴を履かせる為には腰紐が必要ではないかと』

暫くあのお宅には近づかないようにしよう。
コートを着て靴をぶら下げた人が、家から出て来て出迎えるなんて嫌だ。
奴を送り出して、私は固く心に誓った。



(終わり)




(あとがき/言い訳に続く)