……成程。それで夜も添い寝を。
「こ、紺が言ったんか!」
……。
「いや、その、つまりな……」
……。
「ゆ、湯たんぽ代わりに丁度ええと思て……」
……。
「いやあの~紺は雷が苦手でな、ピカッゴロゴロ、キャー、っと……」
……茄子娘かっ!
「いや、どっちか言うたら天神山……」
……やかましいっ。結局同じことでしょうっ。
まるで剣客商売みたいだな。
まあ、要するに。
……若くて綺麗な奥様が自分のいない間に変な男に引っかかったり、若い男を家に入れたら、とか考えたんでしょう。
「そ、そないなこと考えるかっ!」
私が御隠居と舌戦を繰り広げている間に、紺ちゃんは桜色の小紋に白い割烹着姿になり、猫達におやつをあげている。
……御隠居様。紺ちゃん使って大貧民でイカサマやったり、色々悪さするの、止めた方がいい気がしますが。
「いや、それは……」
……紺ちゃん可哀想じゃないですか。
「そ、そやな……」
やはり、紺ちゃんには弱い御隠居である。
……つーか、随分と歳の離れた御夫婦で。
「あほっ! 俺はいつだって26だっ!」
……靴のサイズでしょう。
気だけは若い。


(続く)