永岡瑞季の毎日映画館!

映画館はびっくり箱です。 日常生活でいらいらしたことがあっても、 映画館に入ってチケットを買って、席について、もらったチラシを見ているうちに真っ暗になって予告編が始まる。 そうしたら、もう何もかも忘れてしまいます。映画館にはそんな魔力があります。 映画をこよなく愛する永岡瑞季の映画レビューを書いていきます☆DVDやスカパー!で観たものも入ったり、たまにはもう一つの趣味のドラマのことも書くかもしれません! よろしくお願いします。

2009年01月

「赤い文化住宅の初子」5

初子






監督・脚本 タナダユキ
原作 松田洋子
出演 東亜優 塩谷瞬 佐野一真 坂井真紀 桐谷美令 鈴木慶一 鈴木砂羽 浅田美代子 大杉漣
配給:スローラーナー (2007/日本/100分/カラー)

父(大杉漣)は幼い頃蒸発、その借金を返すために
働いて母(鈴木砂羽)は亡くなり、
高校を中退して工場で働く兄(塩谷瞬)と二人で
文化住宅に住む宇野初子(東亜優)、中学3年生。
お互いにほのかな恋心を寄せ合う同級生
三島(佐野一真)には
進学校である東高に一緒に行こうと言われ
一生懸命勉強しているが、参考書どころか、
電気代も払う余裕がないほどの極貧生活。
クラスメイトにもなじめず、いつも無表情な初子の
微妙な心の移ろいを描いた作品。

「赤い文化住宅」とは、文化住宅自体が赤くもあるが、
彼女の母が大好きだった「赤毛のアン」とも重なってくる。
赤毛のアンはいつも夢想に耽っていて、癇癪持ち。
なのに、みんなから愛される。
そんなことあるわけない。
アンに反発を覚えながらもことがあるとその本の一節を
朗読してしまう初子。
初子自身もいつも夢想に耽り癇癪持ちでもある。
そんな自分と重ね合わせて、
本当はアンにあこがれていたのだ。
そのいじらしさが観る者の心を打つ。

風邪をひいた初子に赤いマフラーをくれる三島。
そのマフラーを二人で巻いておんぶをしてもらうシーン、
夜寒くなって赤いどてらとそのマフラーを巻くシーン、
そのマフラーがほつれてしまい、その毛糸で
兄とあやとりをするシーン…。
赤を象徴したそれぞれのシーンがどれも印象的。
そして、ラスト近くのシーンもまた赤を象徴する。

無表情ながらも初子の微妙な心理を表現している、
綺麗な瞳が印象的な東亜優がいい。
また、さりげない優しさで初子を包む三島役の
佐野一真、やさぐれてはいるけれども
父が蒸発しなければいい兄になったはずであった
塩谷瞬など、若手俳優がみんな好演している。
また、生徒にまるで興味のない担任を演じる坂井真紀、
なぜか初子に親切にしてくれる浅田美代子など、
ベテラン女優たちも若い俳優たちを支えている。

初子自身はみんなに愛されていないと思っているけど、
そのけなげな生き方を三島も兄も理解して、
本当は愛しているんだよ、そんなメッセージを送りたくなる
温かい映画だった。今度こそ、「大人になったら結婚しよう」
という夢がかなうといいね、そう思った。


(DVDにて鑑賞)

公式ホームページなし

赤い文化住宅の初子 [DVD]赤い文化住宅の初子 [DVD]
出演:佐野和真
販売元:JVCエンタテインメント
発売日:2008-01-25
おすすめ度:
4.0
クチコミを見る


 


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「大丈夫であるように-Cocco 終わらない旅-」3

Cocco







監督 是枝裕和
出演 Cocco 長田進 大村達身 高桑圭 椎野恭一 堀江博久

Coccoに届いたあるファンからの手紙。
「助けてください」とある。
Coccoは知らなかった。
青森六ヶ所村にある核再生処理施設のことを。
沖縄に生まれて、沖縄の新聞を育って、
沖縄の新聞を読んでいたから
他の人が苦しんでいることを知らなかったのだ。
ひめゆりで生き残ってしまった「おばぁ」たち、
神戸の震災に出会ってしまった人たち、
青森の六ヶ所村の人たち…
全国ツアーで廻った地で出会ったそんな人々の
「悲しさ」をCoccoがどう受け止めたのか、
そんなドキュメンタリーだった気がする。

Coccoというミュージシャンのライブには
一度だけ行ったことがある。
まだブレイク前で、ほかの2人のミュージシャンと一緒の
ミニライブだった。
わたしは彼女のことを全く知らなかったので
その不思議ちゃんぶりに驚いて、
(はっきり言ってちょっと怖い!という印象だった。
ファンの方ごめんなさい。
でも、メジャーになって かなりマイルドになったと思う。
ほんと、こんな子いるんだ〜という不思議ぶりだった。)
そのあとの破天荒な音楽にも驚いて、
けっこう気にはしていたら、そのうち世に出てきた。
で、今ドキュメンタリーまで作ってもらえるくらい
メジャーになっているわけなのだけど。

彼女の語り口は特徴的だ。
口下手というわけではないらしい。
ぺらぺらよくしゃべる。
でも、なんだか言葉が拙い。
だからたまに何がいいたいのか
よくわからないことがある。
でもなぜかそのMCにはひきよせられるものがある。
是枝監督はそれに重々気づいていて、
ドキュメンタリーにありがちな、
「いいセリフをしゃべらせる」手法をほとんど使っていない。
CoccoのMCだけで十分伝わるものがあるからである。
「大丈夫じゃないかも知れないけど
大丈夫であるように」
そう願っている彼女の心情は、
彼女自身の言葉でしか 伝わらない。
だからそのまま使う。
そんなドキュメンタリーだったと思う。

思い切ってこのドキュメンタリーのテーマを
一言で言ってしまうと「反戦」なのだけど、
本当は一言で言ってはいけないのだと思う。
なぜなら、一言で言えるようなものを作ろうとしたら
このようなドキュメンタリーは生まれなかったからだ。
例えば、六ヶ所村の核再生処理施設の是非を
わかりやすく訴えるなら
監督はCoccoがそこを訪れたときの映像を入れると思う。
なのに、敢えて入れていない。
Coccoの「語り」だけで表している。
そして、その「青森の女」(とCoccoは呼んでいる)の手紙は
最後燃やされてしまう。
なぜ?と余韻が残るシーンだった。

Coccoの「もののけ姫」についての見解も
けっこうおもしろいので、
これは観てのお楽しみ。

あっと目を引くようなシーンは
沖縄のジュゴンの映像くらいなもので
あとはひたすら人間Coccoの「心情」のみを
淡々と描いていったこの作品を
どう切り取るかは、観た人次第なのだと思うし
監督もそう期待しているのだと思う。

(渋谷ライズエックスにて鑑賞)

http://www.dai-job.jp/


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「クィーン」4

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監督 スティーブン・フリアーズ
脚本 ピーター・モーガン
出演 ヘレン・ミレン マイケル・シーン ジェイムズ・クロムウェル
配給:エイベックス・エンタテイメント(2006/英仏伊合作/104分/カラー)

【第79回アカデミー賞】主演女優賞受賞
【ゴールデングローブ賞】主演女優賞、脚本賞受賞
【英国アカデミー賞】作品賞、主演女優賞 

国民に愛されていたダイアナ元皇太子妃の突然の死。
すでに民間人となっていたダイアナについては、
英国王室は何もコメントをする立場にあるわけではなかった。
しかし、このスキャンダラスな事故死に際し、
エリザベス女王(ヘレン・ミレン)と
ダイアナの不仲説がクローズアップされ、
そしてダイアナの死に対して半旗も出さず
追悼の意も表わさない王室への
民間人からの反感が高まっていく。
その溝を埋めようと、就任したばかりの
ブレア首相(マイケル・シーン)は
心を砕くのだが…。

まず、アカデミー賞主演女優賞を受賞したヘレン・ミレンの
気品あふれた、また毅然とした女王ぶりを称賛したい。
苦悩しながらも決して誇りを失わない彼女が
森の中で美しい鹿を見て涙を流すシーンが印象的だ。

また、ブレア首相の描き方もいい。
初めは自分の立場を守ろうとしていた彼が、
エリザベスに母親のような情を感じ始め、 
エリザベスが必死で守ってきた王室の誇りを
称える気持ちになる過程が見どころだ。
ダイアナに同情し、エリザベスをはじめとした
王室の冷たさを強調する声が多い中、
この映画を観ると、エリザベスは決して
冷たいだけの人間ではないということが感じられる。
むしろ、民間人となったダイアナの死に言及することは
正しいことだったのか?という気持ちにまでさせられる。
彼女は女王であると同時に、一人の人間である。
そして、一人の人間であると同時に女王である。
それが彼女の苦悩を深めるのである。
しかし、彼女が恥辱を受けたのはほんの1週間であった、
というブレア首相のセリフがまたいい。
この事件を通じて生まれたエリザベスとブレアの
絆は美しく、またこの映画をさらに深いものにしている。 

ダイアナの死後、鹿狩りに行っていたロイヤルファミリーが
帰ってきたとき、民衆の前に現れる。
ダイアナに手向けられた花束には王室を責めるメッセージも
多々書き込まれていた。その中で、小さな女の子が
「This is for you」といってエリザベスに花束を渡すシーンは
エリザベスも観ている者も救われた気持ちになる
すがすがしいシーンであった。

様々な賞を総なめにしたのが納得できる秀作。

(スカパー!にて視聴)

http://queen-movie.jp/

クィーン<スペシャルエディション> [DVD]クィーン<スペシャルエディション> [DVD]
出演:ヘレン・ミレン
販売元:エイベックス・エンタテインメント
発売日:2007-10-24
おすすめ度:
4.0
クチコミを見る


 

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「蛇イチゴ」5

蛇イチゴ











監督・脚本 西川美和
プロデューサー 是枝裕和
出演 宮迫博之 つみきみほ 平泉成  大谷直子 手塚とおる 絵沢萠子 寺島進 笑福亭松之介
配給:ザナドゥー(2002/日本/108分/カラー)

明智倫子(つみきみほ)の家族はごく平凡な家庭。
まじめ一徹のエンジニアの父(平泉成)、
夫に尽くし、痴呆の進んだ義父を介護するおとなしい母(大谷直子)、
認知症が進み心臓も患った祖父(笑福亭松之介)の
4人家族である。祖父の奇行に悩まされることはあるが、
母と祖父の信頼関係も厚く、
心配することはない…と思っていた倫子だった。 
倫子は同僚で資産家の鎌田(手塚とおる)と近く結婚することになっており
今日は鎌田がはじめて自宅を訪問する日だった。
温かく迎えられる鎌田を見て、これからも幸せを
確信する倫子だったのだが、
祖父の死をきっかけに勘当された兄(宮迫博之)と再会、
そして家族一人一人が持っていたほつれが
一気に明らかになっていく…。

「ゆれる」の監督西川美和の初期作品です。
うまく行っていたかのように見えた家族の、
長い年月一緒にいたことによって
少しずつたまってきた鬱積や信頼関係の崩れが
一気に放出する姿を描いた見事な作品です。
「平凡な家庭」「温かい家庭」などというものは
もしかしたら幻想で、ほんとうには存在しないのではないか
とまで思わせるほどの恐ろしい作品になっています。
登場人物一人一人の描き方が、非常に冷めて現実的です。
失業したことを隠し借金をためまくった父親は
見栄っ張りで愚痴っぽく、鎌田の前では笑顔を見せながら
帰ったとたん悪口を言ったりします。
義父の介護に一人耐える母親がその死に関わり、
死後にほんの少し壊れていく姿も強烈です。
「いつも正しい」と言われてきた倫子は
母親が兄に「倫子は真面目すぎて息苦しい」と言っているのを
立ち聞きしてしまい今までの自分をいきなり否定されます。
そしてあまりの乱交ぶりに勘当された兄が
いきなり救世主のように現れ、
父親も母親も兄にすがるようにするのを見て、
自分の存在意義を無くしてしまいます。
家族が崩壊していく過程が、
真綿で首を絞めるように、じわじわと、そしてゆっくりと
描かれて行きます。

「うちがおしまいになっちゃう前に、
お兄ちゃんに出て行ってもらおうよ」
そんな台詞が印象的です。

「いつも正しい倫子」はいつも正しいわけじゃなかったことも
示唆されるところが深いと思いました。
小学校の教師をしている彼女は、生徒の一人が
うそをついたと決め付けるのですが、
一人の生徒にこう言われてはっとします。
「本当に、お母さんが病気だったんじゃないんですか」
そして、本当に「いつも正しい」「でたらめをいったことがない」
倫子はどこにもいなかったことが暗示されるような、
倫子の今までの生き方を否定するような、
そんな悲しみもあります。

「雨上がり決死隊」の宮迫博之が
いいかげんな兄を好演しています。
正直、ここまでうまいとは思いませんでした。
父親に最後の解決策を言い出すときの目が
忘れられません。
ちなみに、相方の蛍原も一瞬ですが出演していましたね。

家族、とくにきょうだいの葛藤を描いているところは
「ゆれる」と重なるところがあります。
これからも、西川監督は
いろんな家族を描いていってくれるのでしょうか。
ラストシーンの鮮やかな色彩が心に残る作品です。

(DVDにて鑑賞)

http://www.kore-eda.com/hebiichigo/#

蛇イチゴ [DVD]蛇イチゴ [DVD]
出演:宮迫博之
販売元:バンダイビジュアル
発売日:2004-04-23
おすすめ度:4.5
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あけましておめでとうございます☆

皆様

明けましておめでとうございます!
永岡瑞季です。
いつも「永岡瑞季の毎日映画館!」を
応援してくださりどうもありがとうございます。

11月から始めたブログですが、
皆さまからのコメントに励まされ、
これからも頑張って続けて行こうと思います。
いい映画があったら皆さんにお知らせし、
同じ映画に感動した方がいたらその感動を分かち合うことが
わたしの幸せです☆
これからもどうぞよろしくお願いいたします。

わたしの1月に観たい映画は次の通りです♪
邦画
Cocco 大丈夫であるように
ハッピーフライト(いまさらですが)
うん、何?
トウキョウソナタ

外国映画
ハピネス(韓国)
英国王給仕人に乾杯!(チェコ)
懺悔(ソヴィエト)
最強彼女(韓国)
そして、私たちは愛に帰る(ドイツ=トルコ)
チェチェンへ アレクサンドラの旅(ロシア=フランス)

まだ忘れているのがあるかもしれません。
お勧めがありましたら教えてください!
わたしにしては外国映画が多いです♪

それでは、これからも一緒に映画を楽しみましょう☆


 


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