永岡瑞季の毎日映画館!

映画館はびっくり箱です。 日常生活でいらいらしたことがあっても、 映画館に入ってチケットを買って、席について、もらったチラシを見ているうちに真っ暗になって予告編が始まる。 そうしたら、もう何もかも忘れてしまいます。映画館にはそんな魔力があります。 映画をこよなく愛する永岡瑞季の映画レビューを書いていきます☆DVDやスカパー!で観たものも入ったり、たまにはもう一つの趣味のドラマのことも書くかもしれません! よろしくお願いします。

邦画か〜こ

「空気人形」5



監督・脚本・編集 是枝裕和
原作 業田良家「ゴーダ哲学堂 空気人形」
出演:ぺ・ドゥナ ARATA 板尾創路 高橋昌也 余貴美子 岩松了 丸山智己 奈良木未羽 柄本佑 星野真里 寺島進 オダギリジョー 富司純子
配給:アスミック・エース(2009/日本/カラー)

「ワタシハ、ココロヲモッテシマイマシタ。」
本来持ってはいけない「心」を持ってしまった
空気人形をめぐる人々をとおして
人と人とのつながりを描く是枝ファンタジー。

空気人形「のぞみ」(ペ・ドゥナ)は持ち主秀雄(板尾創路)の
夜のオモチャ、「性的処理のための代用品」。
そんな空気人形がある日「心」を持ちはじめ…。

秀雄がいない間に彼女は様々な人と出会う。
そして、レンタルビデオ屋でバイトをする純一(ARATA)を
一目見たとたん自分と同じ何かを持っていると感じ、
恋に落ちる。
空気人形が出会う人々はみな、心の中に
どこか空虚感を感じている人ばかりだ。
昔代用教員をしていた老人(高橋昌也)、
新聞に載っている犯罪をすべて自分のせいだと
思ってしまう未亡人(富司純子)、
家ではひとりさびしく卵かけご飯を食べる
レンタルビデオ店長(岩松了)、
過食症に陥っている一人暮らしのOL(星野真里)、
年をとっていく自分を認められず、
自分の代わりになる人はいないのだと
自分に言い聞かせる受付嬢(余貴美子)、
マニアックなビデオを借りてばかりの浪人中の受験生(柄本佑)、
妻に去られた夫(丸山智己)とその娘(奈良木未羽)。
そして、純一は癒えぬ傷をかかえて、生きることすら疑問を感じている。

「ワタシミタイナヒト、ケッコウオオイミタイ・・・」

 そんなある日、純一と映画の話をしながらビデオを
整理していた空気人形は、釘に腕を引っ掛けてしまい、
中の空気が抜けてしまう。
必死で栓を探し、息で空気を満たしてやる純一。

空気人形が家に帰ると、「ハッピーバースデイ」の歌を歌っている
秀雄がいた。そう、彼は新しい「のぞみ」を買ってきたのだ。
やっぱり自分は誰かの代用品。
その事実を眼前に押し付けられた空気人形は
自分が作られた人形工場を訪ねる。

彼女を作った人形師(オダギリジョー)は優しく
「おかえり」と彼女を迎え入れ、こう問う。
「君が見た世界は・・・きれいなものはあった?」
「うん」「生んでくれてありがとう」
そう言って彼女は純一を訪ねてこういう。
「代用品でもいい。あなたが望むことなんでもしてあげる」
そして純一は彼女にしか頼めないことを頼むのだが…。

作中で、老人が空気人形に教える詩の中のことばが
非常に印象的でした。
「生命は その中に欠如を抱き 
それを他者から満たしてもらうのだ
世界は多分 他者の総和」

人は誰もが代わりなどいない存在で
そして人は他者を必要としている。
そんなメッセージが根底に流れている
すばらしい作品でした。
空気人形は空気を満たしてもらうことで
生きていける。
純一が空気人形のおなかの栓から空気を満たすシーンは
原作にもあるのですが、
是枝監督の目には「非常にエロティック」であり
なおかつ「非常に映画的」に映ったのだそうです。
だから、このシーンはメタファーとしての
セックスシーンなのだそうです。
そして、そのシーンは非常に印象的です。

そして、是枝監督は「人と人とのつながり」を決して
きれいごとだけで描いてはいない。
純一は、哀しい選択をします。
純一を救えなかった空気人形がとった道も
哀しいものです。
しかし、最後に拒食症の女性が見た外の風景は
空気人形が初めに見た世界と同じくらい
「キレイ・・・」なものでした。

非常に多くの伏線が張られていて
密度が濃い映画でしたが、ゆっくりと、ゆっくりと
空気人形が赤ん坊の心から大人の女へと成長していく、
そんな物語でもありました。

もう一度最初から観てじっくり考えたい作品です。

(2009年10月11日シネマライズにて鑑賞)

http://www.kuuki-ningyo.com/index.html
 

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「亀は意外と速く泳ぐ」4

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亀は意外と速く泳ぐ








脚本・監督 三木聡
出演 上野樹里 蒼井優 岩松了 ふせえり 村松利文 松重豊  緋田康人 岡本信人 温水洋一 伊武雅刀
配給:ウィルコ (2005年/日本/90分/カラー)

夫が単身赴任中で一人暮らしの主婦、スズメ(上野樹里)。
そこそこにおいしいラーメンが好きで、夫は中肉中背。
夫は電話をかけてきても
ペットのカメ太郎に餌をやったかどうかしか確認しない。
それでも毎日餌をあげ続けるスズメだったが、
公衆トイレでは洗面台から押しのけられた揚句に
オバサンにおならをされたり、
バスを待っていてもバスが止まってくれなかったりする。
「もしかして、私って見えてない?」
そんなスズメとは対照的に、
同じ病院で生まれてからずっと親友のクジャク(蒼井優)は
センスもあり、生き方もビッグで豪快でエキセントリック。
夢はパリのエッフェル塔の見えるアパルトマンで
フランス人の彼と生活すること。
そんな彼女と自分を比較するつもりはないけれど、
自分の存在意義を見失ってしまったスズメは、
小さい頃からの思い出のある「百段階段」で
偶然「スパイ募集」という小さなポスターを見つけ、
応募してみるのだが…。

主婦がスパイになるという斬新なアイディアで
おもしろかったです。
スパイになるということは、ひたすら平凡に見せかけながら
暮らすということ。
ファミレスに行ったら何を注文したか
ウェイトレスが忘れてしまうようなものを頼み、
スーパーでは一般の主婦が買うようなものを
3000円くらい買い、
(ここのシーンでは偶然会ったクジャクが
アーティーチョークを買っているのを見て
なんだか勝ったような気になっているスズメがかわいい)
サングラスを買うなんて言語道断。
そんな「スパイの極意」を習っているうちに、
自分の平凡な生活が楽しくなってくるスズメなのでした。

よかったシーンは、スパイ活動の動きがあるという
情報が流れた時に、会いたい人に会っておきなさいという
シズオ(岩松了)とエツコ(ふせえり)の忠告を聞いて
スズメがお父さん(岡本信人)に会いに行くシーンです。
「お母さんってどうしてお父さんが好きだったんだろうね?」
「わからないけど・・・笑うのが上手な人が好きって言ってた」
「笑ってみて?」
(笑う)
「上手かもしれない」
「それじゃあ、今度何するか考えてにこにこしてみるか」
「なにそれ?」
「お前もしてみないか?今度何するか考えてにこにこ」
そして二人でにこにこ〜、にこにこ〜とするシーンが
印象深いです。

高校時代の憧れの加藤先輩(要潤)のエピソードも
地味に笑えます。破天荒な性格のクジャクも
実は友達思いだということがわかる楽しいシーンです。

結局スパイ活動とは何だったのか、
そもそも彼らはスパイだったのか、
わからないままストーリーはエンディングに突入しますが、
「そこそこラーメン」のレシピのくだりは思わずほろりとしてしまいます。

なんとなく話は進んでいくようで、
ただのわき役だと思って見ていた登場人物が
意外なところでつながっていたりして、
ゆるい話のわりにはとても構成がしっかりしているところが
いいですね。
さすがテレビなどで活躍していた三木聡という気がします。
緩急自在なストーリー展開が楽しめる、秀作だと思います。

(DVDで鑑賞)

http://www.wilco-jp.com/kamehaya/

亀は意外と速く泳ぐ デラックス版 [DVD]亀は意外と速く泳ぐ デラックス版 [DVD]
出演:上野樹里
販売元:ジェネオン エンタテインメント
発売日:2006-01-25
おすすめ度:
4.0
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「嫌われ松子の一生」4

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松子









監督・脚本:中島哲也
原作:山田宗樹
出演:中谷美紀 瑛太 伊勢谷友介 香川照之  市川実日子  黒沢あすか 柄本明 木村カエラ 蒼井そら 柴咲コウ 片平なぎさ 本田博太郎 奥ノ矢佳奈(子役) ゴリ(ガレッジセール) 榊英雄 マギー 竹山隆範(カンニング) 谷原章介 甲本雅裕 キムラ緑子 角野卓造 阿井莉沙 宮藤官九郎 谷中敦(東京スカパラダイスオーケストラ) 劇団ひとり 大久保佳代子(オアシズ) BONNIE PINK 濱田マリ 武田真治 木野花 荒川良々 渡辺哲 山本浩司 土屋アンナ
AI 山下容莉枝 山田花子 あき竹城 嶋田久作 木下ほうか (登場順)

配給:東宝(2006/日本/130分/カラー)

公開中からずっと観たかったのですが 
結局映画館で観られずようやくケーブルテレビで観ました! 
映画館にいけなかったので原作を読んで、 
あ、これを中谷美紀がやって、しかもポップな感じで 
ミュージカルっぽくしたらこんな感じ?? 
と思いながら想像していましたが 
まさに想像ぴったりの映画で楽しかったです。 

「愛されたい」 
そう一途に願い、ただ幸せになりたかっただけなのに 
その思いが不器用にも空回り、 
終わってみれば波乱万丈、そしてただただ悲惨な一生を送った 
松子という女性のお話。 
その一生は本当に不幸なものなのに、 
なぜかその映画を観た人すべてが 
松子を愛するようになってしまう・・・ 
そんな映画でした。 

松子のからまわりっぷりが 
ポップな色彩と中谷美紀のミュージカルチックな歌と 
まさにはまっていて絶妙でした。 
タイトルロールとエンドロールが20世紀初頭の 
MGMのミュージカルみたいな字になっていて 
もうはじめから「あ、これはいける!」 
と思いました。 
原作ではけっこうヘビーな場面もあって 
どうなるのかなと思っていたのですが、 
展開の速さと歌でうまくまとめてました。 

原作は文庫本で2冊なのでけっこう長いのですが、 
2時間弱でまとめるために、ひたすら松子に 
焦点を当てた感じになってたかな。 
ただ、監督さんが原作をきっちり読んで 
組み立てなおしてる感じなので、 
原作とはだいぶ違うところもありつつ、 
全然原作のイメージを崩していない、 
という感じがして好感が持てました。 

ただ、松子にスポットを当てたことで 
松子が愛した男たち一人ひとりが 
かなり薄めになってて、それは残念だったかな。 
特に、松子の不幸の始まりとなった 
教頭との修学旅行下見の一件をとばしているので 
その分教え子龍洋一の描き方が 
多少物足りない。 
龍洋一は、 
「嫌われ洋一の一生」ができるくらい 
けっこう激動の人生を送ってることになってるので 
単なるチンピラっぽく描かれていたのは少し残念だったかな。 

しかし、松子ってすごいと思うのは 
好きになった男性遍歴を書いてみると 
谷原章介→宮藤官九郎→劇団ひとり→武田真治→ 
荒川良々→伊勢谷友介 
・・・って 
あまりにも節操がなくありませんこと?? 
でもそんな男たちにひたすら尽くす松子が 
現代のチェーホフの「かわいい女」みたいで 
いとしいです。 

そして、中谷美紀というキャスティングは 
ほんと絶妙! 
もっと不幸しょってる感じの女優さんだったら 
かわいそうになってしまうような一生だけど 
中谷美紀の、美しいんだけど軽妙な演技のおかげで 
その不幸さこそ愛すべきと思わされました。 

観ていない方よかったら観てみてね〜。

http://kiraware.goo.ne.jp/

嫌われ松子の一生 通常版 [DVD]嫌われ松子の一生 通常版 [DVD]
出演:中谷美紀
販売元:アミューズソフトエンタテインメント
発売日:2006-11-17
おすすめ度:4.0
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「崖の上のポニョ」4

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監督:宮崎駿
声の出演:奈良柚莉愛 土井洋輝 山口智子 長嶋一茂 天海祐希 所ジョージ 柊 瑠美 矢野顕子 吉行和子 奈良岡朋子
配給:東宝 (2008年/日本/101分/カラー)

人間になりたかったさかなの子ポニョ。宮崎駿が描く現代版
「人魚姫」。

崖の上に住む5歳の少年、宗介は岸に打ち上げられた
さかなの子を助け、ポニョと名付ける。
「ポニョは僕が守るからね」
そしてポニョは宗介を好きになってしまう。

もともとは人間だったポニョの父フジモトは
無理やりポニョをつれ返すのだが、
フジモトの「魔法のふた」をあけ、
またいもうとたちの助けを得て、
ポニョは女の子として宗介のもとに戻る。
しかし、生命の水がまき散らされたことにより
海と陸と月とのバランスが崩れ、
大洪水が起きてしまう…

この映画の最大の見どころは、
5歳児でありながらもう「男」である
宗介の凛々しさとかっこよさです。
アンデルセンの人魚姫の王子様は
ふがいないと思いませんか?
人魚姫が自分を助けたことに気づかず、
ほかのお姫さまと結婚してしまう。
それに比べて、宗介は初めから
「ポニョを守る」と決めて
5歳児とは思えないほどの責任感で
ポニョを守り抜きます。

15年くらい前の宮崎駿作品で
「飛べない豚はただの豚だ」のキャッチコピーで有名になった
『紅の豚』では、「かっこいいというのはこういうことだ」
というのを見せつけてくれました。
宮崎駿は「崖の上のポニョ」でも、
「男のかっこよさ」を別の形で見せてくれたんじゃないか…
そんな気がします。

また、宮崎駿は凛とした女性を描くのにかけては
右に出るものがいないですね。
宗介の母リサは、船長をしていて家をあけがちの
夫を持ち、一人で宗介を育てています。
ポニョが来たことによって、思いがけないことがたくさん起こるのですが、
それに動じずポニョに優しく接する強さを持ったリサは
魅力的です。
「魔女の宅急便」の絵かきと少し似ているところがあるかもしれません。
寄港が遅れた夫耕一と明かりを点滅することによって
メッセージを送るのですが、すねて「BAKA BAKA BAKA」
と送るところが女性らしいかわいらしさもあって素敵です。

タイトルロールはポニョで、確かに彼女の
無垢で純粋で、世の中のことを何も知らない姿は
かわいらしいのですが、
わたしはこの物語を宗介の物語だと思って観ました。
「宮崎作品にしてはつまらない」という前評判が多かったのですが、
わたしはそうは思いませんでした。
確かに、刺激を求める現代の子どもにとっては
物足りないかもしれません。
でも、こういう人間の優しさを描いた作品は、
宮崎駿しか作れないと思うのです。
こういう作品を「いい」と思う心を失いたくない、
と思いました。

http://www.ghibli.jp/ponyo/



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永岡瑞季

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