永岡瑞季の毎日映画館!

映画館はびっくり箱です。 日常生活でいらいらしたことがあっても、 映画館に入ってチケットを買って、席について、もらったチラシを見ているうちに真っ暗になって予告編が始まる。 そうしたら、もう何もかも忘れてしまいます。映画館にはそんな魔力があります。 映画をこよなく愛する永岡瑞季の映画レビューを書いていきます☆DVDやスカパー!で観たものも入ったり、たまにはもう一つの趣味のドラマのことも書くかもしれません! よろしくお願いします。

不思議な時間が流れる映画

「めがね」4

めがね












監督・脚本 荻上直子
出演 小林聡美 市川実日子 加瀬亮 光石研 もたいまさこ 薬師丸ひろ子(「めがね」の友だち)
配給:日活 (2007/日本/106分/カラー)

観光名所も何もない、
やることといったら「たそがれる」しかない、
そんな南の島に集まった、
めがねをかけた5人の男女の物語。

春もまだ浅い日、初老の女性サクラ(もたいまさこ)が
島にやってきて深々と頭を下げる。
時を同じくして民宿ハマダにやってきたタエコ(小林聡美)。
携帯が届かないようなところに来たいと思っていた
タエコだったがそこでの生活になかなかなじめない。
朝早く起こしに来るサクラ、そして海辺で毎朝行われる
「メルシー体操」、食事はいつもみんなと一緒。
民宿の主人ユージもマイペースで
彼の書いた地図は限りなくファジー。

耐えられなくなったタエコは高校教師ハルナ(市川実日子)に
他のホテルに連れて行ってもらうが、そこでもなじめず、
自転車でやってきたサクラに拾ってもらって
二人乗りで民宿ハマダに帰ってくる。
タエコの知り合いらしいヨモギ(加瀬亮)も現れ、
5人の春はゆっくりと流れていくのだが…

永遠というものは一体あるのでしょうか。
この島に住んでいると、同じような生活が
永遠に続くような気がします。
でも、タエコとヨモギは旅人でしかありません。
旅は思い立った時に始められるけれど、
永遠ではない。そんなセリフと、生物教師ハルナの
プラナリアの話が重なって、心に残りました。
サクラは毎年春になるとやってきて、
雨が降り始めるといなくなってしまう。
でもそんな繰り返しが、
「永遠はない」といいながらも
「永遠」を信じている監督のメッセージを伝えているような
気がしました。

ユージの地図は本当にいいかげんで、
「道がないと不安になってから80メートルくらい行くと
右に曲がる道がある」・・・とか書いてあるので笑えます。
でも、そんな地図でもタエコは
民宿にすぐにたどり着くことができました。
ハルナが達成してから数年ぶりの偉業だそうで、
「ここにいる才能がある」とほめられます。
そのセリフが好きです。
初めは異分子にすぎなかったタエコが
少しずつ「たそがれる」ことを覚えていくのは、
必然だったのかもしれません。

サクラは海の家でかき氷を売っています。
「あのかき氷を食べてみると考え方が変わるよ」
そうユージに言われて食べてみたタエコ。
一口食べた瞬間、今まで見ていた海の風景が
全く変わったような、そんな表情をするのが
印象的でした。
あと、笑えるのはサクラが主導している
「メルシー体操」。
あまりのユルさに力が抜けます。

タエコがなぜ来たのか、
なぜヨモギに「先生」と呼ばれているのかが
はっきりと描かれていないところが
またいいですね。
そして、ハルナもまた
どこかからやってきたらしい。
ぶっきらぼうなハルナを市川実日子が好演していました。
そして、サクラはもちろんのこと
ユージでさえも過去に何をしていたのかは
描かれていません。
それなのに、5人とも
一本筋の通ったキャラクターをきちんとこなしていて
すばらしかったです。

特に大事件があるわけではなく、
島の生活はゆっくりと、ゆっくりと過ぎて行きます。
自然と、観客にも「たそがれる」ことを
覚えさせてくれるような
そんなゆったりとした気持ちにさせてくれる映画でした。

(DVDにて鑑賞)

http://www.megane-movie.com/

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おすすめ度:
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「俺たちに明日はないっス」4

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俺たちに明日はないっス




監督 タナダユキ
原作 さそうあきら
脚本 向井康介
出演 柄本時生 遠藤雄弥 草野イニ 安藤サクラ 水崎綾女 三輪子 ダンカン 田口トモロヲ
配給 スローラーナー(2008/日本/79分/カラー)

初潮で貧血を起こして倒れている少女に
遭遇してしまった峯(遠藤雄弥)、
オッパイの大きさならそんじょそこらの女の子に負けない
デブキャラ安藤(草野イニ)、
淡い恋心を抱いていた友野(三輪子)が
担任吉田(田口トモロヲ)と関係していることを
知ってしまったオレ、比留間(柄本時生)。
明日を考えることなくつっぱしる、
情欲と熱情に満ちた3人の高校生、
いや「ますらお」たちの
「17歳」というときを切り取った物語。

タナダユキ監督には「百万円と苦虫女」で
とても興味を持ったので、この映画も気になっていました。
でもチラシを観るとどうもテーマが微妙…。
わたしが観てどうなんだろう、って正直思いました。
でも、さそうあきらといえば、
昨日レビューを書いた「神童」を初めとして
今年には「コドモのコドモ」も映像化され、
かなり旬な漫画家でもあります。
それに、女性であるタナダユキ監督が
あえてどうしてこの原作を選んだのか、
そしてどのように彼女なりに原作を切り取っているのか
興味を持ち、ようやく今日観にいけました!
(東京・渋谷では公開はあさってまでです…!)

観た後すぐの感想としては、
なんだか爽快感がありました。
話題としてはひたすらセックスをしたい
少年の話なんですけど、
なぜだかそのテーマから想像させられるような
汗臭さ、さらに言ってしまえば(ちょっと恥ずかしいのですが)
精液くささがまったく感じられない。
そこは監督のセンスだと思いましたね。
原作はかなり汗みどろな雰囲気みたいなので。
(チラシに載っている原作漫画のシーンなどを見ると…)
あと、少年たちを主役にしながら、
かなり女性目線で描かれていたような気がします。
そこここに「男子ってバカね」って目が感じられる。
だから、情欲にまみれているオノコたちが、
なんだかかわいらしく見えて来てしまうのが不思議です。

逆に、女子たちの描き方がすごかったですね。
男親に育てられて性に対して
全く知識のなかったチヅ(安藤サクラ)が
実は峯君も未経験だと知った時の
嬉しそうな、いや、
勝ち誇ったとも言えるような目が忘れられません。
また巨乳の秋恵(水崎綾女)が安藤に近づいたのも
「○○○目当て」だし
(ここはネタばれにならないように伏字です・笑)
病弱でいつも日傘をさしていて、
普通なら清純そのもので描かれそうなキャラの友野も
すべてを知り尽くしたような目で比留間を見るし。
それぞれエグくて素敵な女子たちでした。

おもしろかったのは安パイこと安藤と秋恵のエピソードかな。
クスッと笑ってしまうシーンあり。
でもこれはネタばれしたくないので、
観てください。

きっと一番「フツウの男の子」なんだろうなあと思われる
比留間を演じる柄本くんがよかったです。
全然かっこよくないんだけれど、
動いているとなんだか魅力的に見えてきます。
写真で見るより映像で見るほうが
圧倒的にいい役者さんですね。
不器用でかっこ悪くて「バカ」な比留間を
好演していました。

海のシーンが圧倒的にきれいでしたね。
比留間がついに友野への思いを
遂げることができることになり、
海辺の掘っ立て小屋に彼女を連れ込むのですが、
そこが建てつけが悪くて
扉がバタンバタン音を立てて
開いたり閉ったりするんです。
開いた瞬間に、海が見える。
それが素晴らしく美しかったですね。
バタンバタンという音の効果とともに、
すごくいいシーンになっていました。
なんというか、風を感じられるんですよね。
こういうシーンがあるからこの映画は
後味がいいんだろうなあと思います。

この「17歳」という年は
本当に「明日がどうなるか」を考えないで
ただひたすら今を生きている時代。
そんなこと、忘れていたけど、
この映画を見て少しそれを思い出しました。
「今じゃなきゃ、ダメなんだ!」
そんなセリフもよかったです。
エンドロールにかかるパンク調の
「17歳」(南沙織の)が
劇中友野が歌う「17歳」と重なって
いい感じでした!

タナダユキ監督の作品を観たのは2作目ですが
かなり好きな感じです。
これからも追っていこうと思います。
ちなみに、撮影の山崎裕さんは
わたしの敬愛する是枝裕和監督の作品を撮っている
カメラマンさんです。
やはり、映像きれいでしたね〜。
迷いながらも観に行ってよかったです。
東京での上映はもうすぐ終わってしまいますが
東京以外にお住まいの方、これから行きますので
お楽しみに〜。
東京でも、またどこかでやるんじゃないかな?
もし興味を持っていただけたら
ぜひご覧になってくださいね。

 
http://oreasu.com/ 

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「犬猫」4

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犬猫



©2004「犬猫」製作委員会

監督 井口奈己
出演 榎本加奈子, 藤田陽子, 忍成修吾, 小池栄子, 西島秀俊
配給 ビターズエンド (2004年/日本/94分/スタンダード)


ぴあフィルムフェスティバルで企画賞を受賞したインディーズ作品を、井口奈己監督自らがリメイク。もともとは8ミリ映画の作品だそうです。 

同棲していた古田(西島秀俊)に愛想を尽かせて 
アパートを飛び出たスズ(藤田陽子)。 
友達の阿部ちゃん(小池栄子)のアパートに 
世話になろうとするが、阿部ちゃんは次の日から留学。 
その間留守番を頼まれたヨーコ(榎本加奈子)と 
共同生活をすることになる。 
どうやら、二人はもともと顔見知りらしい。 

ナチュラルぼけで屈託がないスズと 
愛想がなくて不器用なヨーコ。 
全く違う性格の2人だが、 
だんだんうまが合うようになってきた。 
しかし、古田がアパートに現れ、 
ヨーコが思いを寄せる三鷹(忍成修吾)が 
スズと知り合いになると、 
なんだか雲行きが怪しくなって…。 

藤田陽子の魔性っぷりと 
榎本加奈子のサボテン女ぶりが 
笑えます。 
悪い子じゃないのはわかってる。 
でも、あの子に勝てないのはもっと分かってる。 
でも、でも、なんで?なんでなの? 
そんなヨーコの叫びが聞こえてきます。 
うーん、この気持ちがわかっちゃうのはなぜなんだろう。 

井口奈己監督の作品は2作目です。 
永作博美と松山ケンイチの 
「人のセックスを笑うな」でも思いましたが、 
この監督の作品を見ていると、 
なんだか不思議な時間が流れるんですよね…。 
何か大きな事件が起きるわけじゃないんだけど、 
むしろ、微妙に飽きるんだけど、 
でも最後まで見てしまう。 
不思議な魅力を持った監督だと思います。 
でも好き嫌いはあるかな。 
映画館で観ていた人の話を聞いたら 
何人か途中で出て行ったそうです(笑) 

2作だけではまだまだポテンシャルがわからないので 
次回作も楽しみにしたいと思います。
いまのところ、わたしはこの監督は
好きなようです。

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出演:榎本加奈子
販売元:レントラックジャパン
発売日:2005-05-27
おすすめ度:4.0
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「人のセックスを笑うな」4

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人のセックスを笑うな






監督:井口奈己
出演:永作博美 松山ケンイチ 蒼井優 忍成修吾 あがた森魚
配給:東京テアトル (2007/日本/137分/カラー) 

山崎ナオコーラ原作の同名小説を井口奈己監督が映画化。 

美術学校に通う19歳のみるめ(松山ケンイチ)と 
リトグラフの講師ユリ(永作博美)、39歳。 
奇遇な出会いを重ねるうちに、 
ふとユリはみるめに言う。 
「モデルにならない?アトリエがあるの」 
誘われるままにアトリエを訪ねたみるめは 
当たり前のように服を脱がされ、 
そのまま二人は関係をもつ。 
ところが、ユリの家を訪ねると 
そこには「猪熊さん」という男がいて…。 

スキャンダラスなタイトルですが、 
観終わった後 
「穏やかな時間を過ごさせてもらったな」 
と思えるような作品でした。 
ラブシーンも、ほほえましいくらいラブリー。 
永作が元来持つファム・フェタールぶりと、 
松山ケンイチのキュートさがたまらなくマッチ。 
また、みるめをひそかに思うえんちゃん(蒼井優)も 
いい。 

セリフをあえて聞かせないような演出が 
当たっていました。 
アドリブかと思うくらい登場人物の演技は「素」。 
しかし、その「素」は永作や松山の「素」ではなく 
ユリやみるめの「素」になっていました。 
ある意味、究極の演技。 
そういうふうに演技させる監督は 
井口監督だけではなく、 
また失敗に終わることも多い。 
でもこの映画に関しては成功していると思いました。 
ユリが、年下の青年を誘惑しておきながら 
猪熊さんの前ではちゃんと妻であるところ、 
ちゃんと永作さんの中では「ユリ」のキャラクターが 
一貫しているところから、そう感じました。 

セリフは聞かせないのですが、 
だからこそえんちゃんの 
「みんなさびしいんだよ。だから 
さびしいなんて言うなんて意味ないんだよ。」 
という意味があるようなないようなセリフが 
心に残りました。 
えんちゃん、よかったですね。 
ダブルベッドの上をぴょんぴょんとびはねているシーン 
印象的でした。 

小道具の使い方がうまい監督ですね。 
ビーチサンダル、ハートのライター、 
自転車、マフラー、石油ストーブ、 
空気マットレス、こたつ、信玄もち、 
携帯電話、などなど。 
まだまだありそうな気がします。 

わたしはあまりカメラワークという目で 
映画を見ないのですが、 
この映画に関してはかなり特徴的なので 
気になりました。 
まず、遠景が多い。 
なのに急に人に迫ったり。 
また、固定カメラが多いですね。 
カメラが動かなくて登場人物が動くのが 
けっこうおもしろい。 
えんちゃんがユリの個展に行き、 
居場所がなくて壁際に座って、 
ずるずるとスクリーンのはじっこまで動くシーンが 
おもしろかったです。 
オフスクリーンにある何かに手をのばして、 
なんだろうと思ったらお菓子ぼりぼり食べてて。 
あと、カメラマンが一緒に動くので 
ずっと役者がスクリーンの真ん中にいる、 
というカメラワークもけっこう多くて、 
そばにいるみたいな感じがしました。 

タイトルの意味は最後の最後でわかりました。 
おもわずクスッとしてしまう感じ。 
みるめ、本当にかわいいです。 
ちょっと甘酸っぱいような、 
ワサビのきいたような、 
そんなハートウォーミングな映画でした。 
奇遇にも、みるめはすしはさび抜きでないと 
食べられなかったりします(笑)。 

http://hitoseku.com/

人のセックスを笑うな [DVD]人のセックスを笑うな [DVD]
出演:永作博美
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発売日:2008-07-25
おすすめ度:3.5
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永岡瑞季

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