永岡瑞季の毎日映画館!

映画館はびっくり箱です。 日常生活でいらいらしたことがあっても、 映画館に入ってチケットを買って、席について、もらったチラシを見ているうちに真っ暗になって予告編が始まる。 そうしたら、もう何もかも忘れてしまいます。映画館にはそんな魔力があります。 映画をこよなく愛する永岡瑞季の映画レビューを書いていきます☆DVDやスカパー!で観たものも入ったり、たまにはもう一つの趣味のドラマのことも書くかもしれません! よろしくお願いします。

人間をじっくり描いた映画

「キャラメル」5

キャラメル3





監督:ナディーン・ラバキー
出演:ナディーン・ラバキー、ヤスミーン・アル=マスリー、ジョアンナ・ムカルゼル、ジゼル・アウワード、アーデル・カラム、シハーム・ハッダード、アジーザ・セアマーン
(2007/フランス=レバノン/96分/カラー) 

ベイルートの小さなエステサロンに集う女5人。 
オーナーのラヤール(ナディーン・ラバキー)は不倫の恋に悩み、 
ヘア担当のニスリン(ヤスミーン・アル=マスリー)は婚約者への秘密を抱え、 
シャンプー担当のリマ(ジョアンナ・ムカルゼル)は客の黒髪の女性に心を寄せ、 
客で元女優のジャマル(ジゼル・アウワード)は自分の老いに直面できず、 
初老で独身のローズ(シハーム・ハッダード)は奇行を繰り返す姉を抱え 
自分の人生をあきらめていた。 

しかし、少しずつ彼女たちの人生が動き始める… 

監督で主演のナディーン・ラバキーの色香に 
女性なのにメロメロになってしまいました。 
心に残るシーンはたくさんあるのですが、 
中でもリマが心を寄せる女性の髪の毛を洗うシーンは 
甘美!! 
洗髪という行為でこんなにも官能的になるなんて。 
それから、ラヤールに片思いをする警官が、 
エステサロンの前にあるカフェで彼女を覗き見して、 
窓際で不倫相手と楽しそうに電話するラヤールと 
自分が話している想像にふけるシーンも印象的。 
また、すでに老いておしゃれもしない 
仕立て屋のローズの恋が切ない…。 

「キャラメル」のタイトルの由来は、 
脱毛するときにキャラメルを熱くしてワックスのように 
使っているところからきているようです。 
サロンを訪れた不倫相手の妻の脱毛を 
恨みをこめて思いっきり熱くて痛くなるようにやる 
ラヤールが愛しく見えます。 

ベイルートという街は普通の生活をしていたら 
想像もしないようなところなのに、 
女性たちの悩みや憂いは日本の女性と共通していて 
親近感を覚えたのが驚きでした。 
人生の葛藤を抱えるすべての女性に観てほしい映画です! 

渋谷・ユーロスペース他で絶賛上映中!
(筆者は東京国際映画祭@六本木で鑑賞)

http://www.cetera.co.jp/caramel/ 

追伸:久しぶりに更新ができました。
1月中旬から何かと忙しく
映画が見られない毎日が続いていました・・(涙)
これからは少しは時間ができると思います。
マイペースで更新していきますのでこれからもよろしくお願いいたします。 


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「大丈夫であるように-Cocco 終わらない旅-」3

Cocco







監督 是枝裕和
出演 Cocco 長田進 大村達身 高桑圭 椎野恭一 堀江博久

Coccoに届いたあるファンからの手紙。
「助けてください」とある。
Coccoは知らなかった。
青森六ヶ所村にある核再生処理施設のことを。
沖縄に生まれて、沖縄の新聞を育って、
沖縄の新聞を読んでいたから
他の人が苦しんでいることを知らなかったのだ。
ひめゆりで生き残ってしまった「おばぁ」たち、
神戸の震災に出会ってしまった人たち、
青森の六ヶ所村の人たち…
全国ツアーで廻った地で出会ったそんな人々の
「悲しさ」をCoccoがどう受け止めたのか、
そんなドキュメンタリーだった気がする。

Coccoというミュージシャンのライブには
一度だけ行ったことがある。
まだブレイク前で、ほかの2人のミュージシャンと一緒の
ミニライブだった。
わたしは彼女のことを全く知らなかったので
その不思議ちゃんぶりに驚いて、
(はっきり言ってちょっと怖い!という印象だった。
ファンの方ごめんなさい。
でも、メジャーになって かなりマイルドになったと思う。
ほんと、こんな子いるんだ〜という不思議ぶりだった。)
そのあとの破天荒な音楽にも驚いて、
けっこう気にはしていたら、そのうち世に出てきた。
で、今ドキュメンタリーまで作ってもらえるくらい
メジャーになっているわけなのだけど。

彼女の語り口は特徴的だ。
口下手というわけではないらしい。
ぺらぺらよくしゃべる。
でも、なんだか言葉が拙い。
だからたまに何がいいたいのか
よくわからないことがある。
でもなぜかそのMCにはひきよせられるものがある。
是枝監督はそれに重々気づいていて、
ドキュメンタリーにありがちな、
「いいセリフをしゃべらせる」手法をほとんど使っていない。
CoccoのMCだけで十分伝わるものがあるからである。
「大丈夫じゃないかも知れないけど
大丈夫であるように」
そう願っている彼女の心情は、
彼女自身の言葉でしか 伝わらない。
だからそのまま使う。
そんなドキュメンタリーだったと思う。

思い切ってこのドキュメンタリーのテーマを
一言で言ってしまうと「反戦」なのだけど、
本当は一言で言ってはいけないのだと思う。
なぜなら、一言で言えるようなものを作ろうとしたら
このようなドキュメンタリーは生まれなかったからだ。
例えば、六ヶ所村の核再生処理施設の是非を
わかりやすく訴えるなら
監督はCoccoがそこを訪れたときの映像を入れると思う。
なのに、敢えて入れていない。
Coccoの「語り」だけで表している。
そして、その「青森の女」(とCoccoは呼んでいる)の手紙は
最後燃やされてしまう。
なぜ?と余韻が残るシーンだった。

Coccoの「もののけ姫」についての見解も
けっこうおもしろいので、
これは観てのお楽しみ。

あっと目を引くようなシーンは
沖縄のジュゴンの映像くらいなもので
あとはひたすら人間Coccoの「心情」のみを
淡々と描いていったこの作品を
どう切り取るかは、観た人次第なのだと思うし
監督もそう期待しているのだと思う。

(渋谷ライズエックスにて鑑賞)

http://www.dai-job.jp/


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「クィーン」4

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監督 スティーブン・フリアーズ
脚本 ピーター・モーガン
出演 ヘレン・ミレン マイケル・シーン ジェイムズ・クロムウェル
配給:エイベックス・エンタテイメント(2006/英仏伊合作/104分/カラー)

【第79回アカデミー賞】主演女優賞受賞
【ゴールデングローブ賞】主演女優賞、脚本賞受賞
【英国アカデミー賞】作品賞、主演女優賞 

国民に愛されていたダイアナ元皇太子妃の突然の死。
すでに民間人となっていたダイアナについては、
英国王室は何もコメントをする立場にあるわけではなかった。
しかし、このスキャンダラスな事故死に際し、
エリザベス女王(ヘレン・ミレン)と
ダイアナの不仲説がクローズアップされ、
そしてダイアナの死に対して半旗も出さず
追悼の意も表わさない王室への
民間人からの反感が高まっていく。
その溝を埋めようと、就任したばかりの
ブレア首相(マイケル・シーン)は
心を砕くのだが…。

まず、アカデミー賞主演女優賞を受賞したヘレン・ミレンの
気品あふれた、また毅然とした女王ぶりを称賛したい。
苦悩しながらも決して誇りを失わない彼女が
森の中で美しい鹿を見て涙を流すシーンが印象的だ。

また、ブレア首相の描き方もいい。
初めは自分の立場を守ろうとしていた彼が、
エリザベスに母親のような情を感じ始め、 
エリザベスが必死で守ってきた王室の誇りを
称える気持ちになる過程が見どころだ。
ダイアナに同情し、エリザベスをはじめとした
王室の冷たさを強調する声が多い中、
この映画を観ると、エリザベスは決して
冷たいだけの人間ではないということが感じられる。
むしろ、民間人となったダイアナの死に言及することは
正しいことだったのか?という気持ちにまでさせられる。
彼女は女王であると同時に、一人の人間である。
そして、一人の人間であると同時に女王である。
それが彼女の苦悩を深めるのである。
しかし、彼女が恥辱を受けたのはほんの1週間であった、
というブレア首相のセリフがまたいい。
この事件を通じて生まれたエリザベスとブレアの
絆は美しく、またこの映画をさらに深いものにしている。 

ダイアナの死後、鹿狩りに行っていたロイヤルファミリーが
帰ってきたとき、民衆の前に現れる。
ダイアナに手向けられた花束には王室を責めるメッセージも
多々書き込まれていた。その中で、小さな女の子が
「This is for you」といってエリザベスに花束を渡すシーンは
エリザベスも観ている者も救われた気持ちになる
すがすがしいシーンであった。

様々な賞を総なめにしたのが納得できる秀作。

(スカパー!にて視聴)

http://queen-movie.jp/

クィーン<スペシャルエディション> [DVD]クィーン<スペシャルエディション> [DVD]
出演:ヘレン・ミレン
販売元:エイベックス・エンタテインメント
発売日:2007-10-24
おすすめ度:
4.0
クチコミを見る


 

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「歩いても 歩いても」5

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歩いても歩いても







監督・脚本 是枝裕和
出演 阿部寛 夏川結衣 YOU 高橋和也 田中祥平 樹木希林 原田芳雄
配給:シネカノン (2007/日本/114分/カラー)

是枝裕和監督の最新作。神奈川の海辺の近くに住む 
老夫婦と、その家を家族とともに訪ねてくる息子と娘の 
1日を描いた物語。 

ある夏の日、年老いた両親(原田芳雄、樹木希林)のもとに 
娘ちなみ(YOU)とその弟良多(阿部寛)が 
家族とともに訪ねてくる。 
ちなみはいずれ二世帯住宅を建てて 
親と同居しようと計画するなど、両親とは 
そこそこいい関係を築いているように見えるが、 
良多は親の家を訪ねるのが気が重い様子だ。 
失業中ということもあり、また 
妻ゆかり(夏川結衣)は前の夫と死別しての 
再婚なので、親もそれほど気にいっていない様子なのだ。 
連れ子のあつし(田中祥平)もいまひとつ 
自分になついてくれず、まだ「良ちゃん」と呼ばれている。 
しかし、その日は集まる理由があった。 
海でおぼれかけた子供を助けようとして 
命を失った長男、純平の命日だったのだ…。 

是枝監督は、一見何でもないような人々の 
何でもないような一日を淡々と描いていく。 
しかし、それぞれの胸の内には 
さまざまな思いが渦巻いている。 
引退しても家長ぶりを発揮したい父は 
何かにつけて純平と良多を比較し、 
ついには良多のしたことも純平の思い出として 
語ってしまったりする。 
ずっと専業主婦だった母は一見すると 
いいおっかさんに見えながら、 
蔭ではゆかりやあつしを悪く言ったりするし、
夫の若いころの浮気を根に持っていたりもする。 
良多は良多で、死んでしまった兄を 
ますます美化する父母に反発を覚える。 
しかし、親と子は決して思いあっていないわけではない。 
むしろ、思いあっているからこそ 
反発するのである。
しかし、父の後継ぎとして期待を一身に背負った 
長男純平の死は、15年たった今でも 
この家族にのしかかっている。 

樹木希林演じる母は良多の妻ゆかりを評してこういう。 
「生き別れならいいのよ、嫌いあって別れたんだから。 
死に分かれはだめよ」(セリフは正確ではないです) 
この言葉は後になって効いてくる。 
もし純平が生きていたら、本当は親の後を継がず 
親元を離れていたかもしれない。 
でも死んだからこそ「大事な跡取り息子」として 
伝説のように生き続けてしまうのである。 

「冬を越えた黄色いモンシロチョウ」が 
象徴的に表れる。 
墓参りの帰りに見かけたチョウが 
家に迷い込んできて母が錯乱するシーンが 
印象的だ。樹木希林の目が泳ぎ、 
カメラもともに揺れる。 
純平が亡くなったことによって基盤が失われた 
この家族の揺らぎを表しているかのようだった。 

純平が助けた子供(今はもう25歳だ)を 
毎年命日に呼ぶというエピソードも忘れ難い。 
母は彼に優しく振舞い「来年も必ず来てね」というが 
これは思いやりから出た言葉ではない。 
もちろん、純平の死について彼を責めることはできない。 
しかし、「一日くらいつらい思いをすればいいのよ」 
と言い捨てる母のセリフが衝撃的だ。 
突然愛するわが子を失った親の思いというのは 
おそらくこういうものなのだということに 
軽いショックを覚えた。 

ゆかりの連れ子あつしを演じる田中祥平もいい。 
冷めた演技をしながらも瞳はこの上なく 
澄んでいるのが非常に印象的だ。 
彼もまた、実の父を忘れられず、 
父の職業であったピアノ調律師になりたいと 
思っている。 
夜に星に向って父に語りかけるシーンも忘れ難い。 

母が何かの拍子に話に出た昔の相撲取りの名前が 
どうしても思い出せない。 
しかし、帰り道、バスの中で良多は 
急にその名を思い出す。 
「いつもちょっとだけ間に合わないんだ」 
そして、 
父とのサッカー観戦の約束も、 
母との「自分の車に乗せる」という約束も、 
結局間に合わないのである。 

一人一人の心のひだが非常に繊細に 
表現されているのが素晴らしい。 
日常の中の非日常を表現したら 
右に出るものがない是枝監督の 
真骨頂を表した作品だと言えよう。


歩いても 歩いても [DVD]歩いても 歩いても [DVD]
出演:阿部 寛
販売元:バンダイビジュアル
発売日:2009-01-23
おすすめ度:5.0
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