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シークレット・サンシャイン1シークレット/サンシャイン2





監督・脚本:イ・チャンドン
出演:チョン・ドヨン ソン・ガンホ チョ・ヨンジン キム・ヨンジェ ソン・ヨンジョプ ソン・ミリム キム・ミヒャン
配給:エスピーオー (2007/韓国/142/カラー)

 

夫を亡くし、息子ジュンと一緒に 
夫の故郷密陽(ミリャン)に引っ越してきた 
シネ(チョン・ドヨン)。 
ソウルから密陽に来る途中に 
車の故障を直してもらったことがきっかけで 
知り合ったジョンチャン(ソン・ガンホ)は 
なにかとおせっかいをやいてつきまとうが 
シネは相手にもしない。 
どこか人と距離を置いているように見えたシネも 
少しずつ友達ができ、 
「ここの土地を買って不動産投資したい」と言い始める。 
順調に新生活が始まったと思ったそのとき 
息子ジュンが何者かに誘拐され、殺されてしまう。 
絶望に打ちひしがれたシネを救ったのは 
意外にも神の存在であった。 
信仰にすがり、犯人を許そうと決めて 
刑務所に面会に行くシネだったが 

本当の絶望に出合った時、 
人は人を許すことなどできないのかもしれない。 
シネは犯人を「許す」ことで 
自分が救われたかったのだと思う。 
「わたしはこれで幸せなのだ」 
そう思いたかったのだと思う。 
しかし人は本来人を裁くことなどできず、 
人が人を許すということは 
欺瞞であり自己満足に過ぎない。 
神が人を許すことができるのは、 
人を殺した者も、家族を殺された者も 
みんな平等に扱うからだ。 
けれど、人はそんなことはできるはずもないし 
する必要もないのだと思う。 

そして、絶望に出会ってしまった人を、 
人は「救う」ことなどできないのかもしれない。 
ただ、シネを見ていることしかできない、 
愚かで武骨なジョンチャンを見てそう思った。 
ジョンチャンはこれからもシネを見守り続けるだろう。 
行きたいところがあったらどこにでも連れて行くだろうし、 
髪の毛を切ると言ったら鏡を持っていてやるだろう。 
しかし、シネは永遠に救われることはない、 
そう思った。 

この作品でカンヌ映画祭主演女優賞を取った 
チョン・ドヨンの演技がすばらしい。 
2
時間以上の長い映画だが、 
観ている者をぐいぐいとひっぱっていく。 
どうやら、シネは密陽に来る前も 
幸せではなかったようだ。 
はっきりとは描かれないが、 
実の父親と確執があり、 
また夫も浮気をしていたことが示唆される。 
息子も、決してシネに心からなついているようでもない。 
ジョンの葬式の時、姑はシネをこう責める。 
「息子も孫もお前が殺した」 
シネは密陽に来るまでいったいどんな人生を歩んできたのだろう。 
知りたい気もするし、 
知るのが怖い気もする。 
息子の死はきっかけだっただけで、 
シネの人生の歯車が狂ってしまったのは 
必然だった、そんな気がする。
「密陽は好きよ。誰もわたしのことを知らないから」
そんな数奇な人生を歩んできたシネを チョン・ドヨンは見事に演じきっている。 

重いテーマながら、 
話は淡々と進んでいく。 
シネは決して「被害者」とは描かれないのだ。 
悲惨な事件に巻き込まれ、 
少しずつ壊れていくシネを見ていても、 
シネは特殊な人生を歩まざるを得なかった 
かわいそうな女性としては描かれない。 
むしろ、
「どんな人間にとっても、 
人生とはこういうものなのだ」 
という事実を突きつけられたような、 
そんな気がしながら映画館を後にした。

2009年1月1日 DVD発売開始予定

シークレット・サンシャイン [DVD]シークレット・サンシャイン [DVD]
出演:チョン・ドヨン
販売元:エスピーオー
発売日:2009-01-01
おすすめ度:5.0
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