初子






監督・脚本 タナダユキ
原作 松田洋子
出演 東亜優 塩谷瞬 佐野一真 坂井真紀 桐谷美令 鈴木慶一 鈴木砂羽 浅田美代子 大杉漣
配給:スローラーナー (2007/日本/100分/カラー)

父(大杉漣)は幼い頃蒸発、その借金を返すために
働いて母(鈴木砂羽)は亡くなり、
高校を中退して工場で働く兄(塩谷瞬)と二人で
文化住宅に住む宇野初子(東亜優)、中学3年生。
お互いにほのかな恋心を寄せ合う同級生
三島(佐野一真)には
進学校である東高に一緒に行こうと言われ
一生懸命勉強しているが、参考書どころか、
電気代も払う余裕がないほどの極貧生活。
クラスメイトにもなじめず、いつも無表情な初子の
微妙な心の移ろいを描いた作品。

「赤い文化住宅」とは、文化住宅自体が赤くもあるが、
彼女の母が大好きだった「赤毛のアン」とも重なってくる。
赤毛のアンはいつも夢想に耽っていて、癇癪持ち。
なのに、みんなから愛される。
そんなことあるわけない。
アンに反発を覚えながらもことがあるとその本の一節を
朗読してしまう初子。
初子自身もいつも夢想に耽り癇癪持ちでもある。
そんな自分と重ね合わせて、
本当はアンにあこがれていたのだ。
そのいじらしさが観る者の心を打つ。

風邪をひいた初子に赤いマフラーをくれる三島。
そのマフラーを二人で巻いておんぶをしてもらうシーン、
夜寒くなって赤いどてらとそのマフラーを巻くシーン、
そのマフラーがほつれてしまい、その毛糸で
兄とあやとりをするシーン…。
赤を象徴したそれぞれのシーンがどれも印象的。
そして、ラスト近くのシーンもまた赤を象徴する。

無表情ながらも初子の微妙な心理を表現している、
綺麗な瞳が印象的な東亜優がいい。
また、さりげない優しさで初子を包む三島役の
佐野一真、やさぐれてはいるけれども
父が蒸発しなければいい兄になったはずであった
塩谷瞬など、若手俳優がみんな好演している。
また、生徒にまるで興味のない担任を演じる坂井真紀、
なぜか初子に親切にしてくれる浅田美代子など、
ベテラン女優たちも若い俳優たちを支えている。

初子自身はみんなに愛されていないと思っているけど、
そのけなげな生き方を三島も兄も理解して、
本当は愛しているんだよ、そんなメッセージを送りたくなる
温かい映画だった。今度こそ、「大人になったら結婚しよう」
という夢がかなうといいね、そう思った。


(DVDにて鑑賞)

公式ホームページなし

赤い文化住宅の初子 [DVD]赤い文化住宅の初子 [DVD]
出演:佐野和真
販売元:JVCエンタテインメント
発売日:2008-01-25
おすすめ度:
4.0
クチコミを見る


 


        ←人気ブログランキングに参加中です♪クリックお願いします!
にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←映画評論・レビューランキングにも参加中です♪こちらもよろしくお願いします!