永岡瑞季の毎日映画館!

映画館はびっくり箱です。 日常生活でいらいらしたことがあっても、 映画館に入ってチケットを買って、席について、もらったチラシを見ているうちに真っ暗になって予告編が始まる。 そうしたら、もう何もかも忘れてしまいます。映画館にはそんな魔力があります。 映画をこよなく愛する永岡瑞季の映画レビューを書いていきます☆DVDやスカパー!で観たものも入ったり、たまにはもう一つの趣味のドラマのことも書くかもしれません! よろしくお願いします。

大林宣彦

「異人たちとの夏」3

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異人たちとの夏




監督 大林宣彦
原作 山田太一
出演 風間杜夫 秋吉久美子 片岡鶴太郎 永島敏行
名取裕子
配給:松竹(1988/日本/108分/カラー) 

中年のシナリオライター原田(風間杜夫)は
妻子と別れて、オフィスビルの一室に一人住んでいる。
どうやら3階にも一人、住居として住んでいる人がいるらしい。
夜中に外から見ると、自分の部屋とそこの部屋だけしか
明かりがついていないのを見てさみしく思う原田。

一方仕事仲間の間宮(永島敏行)は
原田の元の妻に思いを寄せていたことを告白、
離婚を機にその思いを遂げたいという。
さらにはその妻から「あなたの荷物残っていたから
着払いで送ります。あしからず」という留守電が。
いらいらしていたところに、3階の住人である
若い女性(名取裕子)が、「ひとりでいられなくて」と
シャンパンを持って訪ねてくるのだが
冷たくあしらってしまう原田。
思えばそれが、あの不思議な夏の始まりだった…

ロケハンに行った帰りに、
子供のころ住んでいた浅草に行った原田は、
死んだはずの父親(片岡鶴太郎)に
そっくりの男に出会う。
ごく自然に「行くぞ」と話しかけられた原田が
連れて行かれたのは元の実家。
そしてそこで待っていたのは
やはり亡くなった母親(秋吉久美子)だった・・・

死んだ人をはじめとして、「会うはずのない人」との
邂逅というのは、大林監督が貫いているテーマの
一つだと思います。
この作品のテーマもまたその一つだと思います。
ただ、大林監督の大ファンであるわたしとしては
もう一歩食い足りない気がしました。
監督の魅力は、1シーン1シーンにかける
愛情だと思うのですが、
その思い入れが他の映画に比べると
少なかったような…。
と思っているところに、大林監督のコメントを読む
チャンスがありました。

「これは映像作家というより、
映画監督の作品だな。だから
大林作品は嫌いという人たちにも
広く受け入れてもらえました」

ここで監督がいう「映像作家の作品」が
何を指すかは不明ですが、
何となく私の物足りなさを納得させてくれる言葉でした。

でも、やはりすごいと思ったのは
女性の描き方ですね。
母親である秋吉久美子にしても、
父親と比べると息子に対する情念が強い。
そしてなんといっても名取祐子演じる「桂」。
終盤近く、女の執念とはここまで強いものかと
圧倒されます。
そのシーンについては賛否両論あると思いますが
わたしは大林監督の劇場映画デビュー作である
B級ホラーの名作「HOUSE」を彷彿させる、
アナログ的な怖さがあり、嫌いではなかったですね。
「HOUSE」はお勧めです。
怖いですけどね。

シナリオライター原田が描いたセリフに
「過去は取り返しがつかないというけれど
そんなはずはない。自分の過去なんだから
いくらでも取り返しはつく」
というのがありますが、
その台詞が効いていますね。
異人たちにとって、そして原田にとって、
人生は取り返しがついたのでしょうか…。

大林監督らしい抒情もあり、好きな作品ではありますが
監督への期待度と照らし合わせて、
迷いましたが敢えて厳しく三つ星にしました。
これを四つ星にしてしまうと、
もっといい監督の作品が紹介できなくなってしまうので。
新作「その日のまえに」公開に当たって
70歳の新人宣言をした大林宣彦監督。
これからの作品にも大いに期待しています。

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出演:風間杜夫
販売元:松竹ホームビデオ
発売日:2008-01-30
おすすめ度:4.5
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「その日のまえに」5

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その日のまえに





監督 大林宣彦 
出演 永作博美、南原清隆、筧利夫、宝生舞、柴田理恵、風間杜夫
配給:角川映画(2008/日本/140分/カラー)

重松清原作の7編の短編群を
大林宣彦監督が1編の長編に紡ぎあげています。

死を目前にしたとし子(永作博美)と
その夫健大(南原清隆)の物語を縦糸にしながら、
死に直面した様々な人々の物語が 横糸のように絡み合います。
そして、現在と過去が交錯する構成は
まさに大林監督の真骨頂だと思いました。

なぜか、始まって5分くらいで すでに涙腺がゆるんでいました。
まだそんなに悲しくないシーンなのに、
一つ一つのセリフが心にしみこんできてしまって。
「かわいそう」という陳腐な涙じゃないんです。
映画の初めのほうで、 病院からおそらく最後になるであろう
外出を許されたとし子は 健大とともに、結婚してから2年間住んでいた
浜風という街を訪れます。
外出から帰ったら新しい療法を試してみようと いうことになっているので、
「思い出をたどるため」ではなく「これから始める」 という気持ちで。
でもやはりどこかで思い出をたどってしまうのですね。
まだ映画の初めで、登場人物たちに それほど思い入れがないはずなのに、
不思議と観ている者にまで その思い出を共有させてしまう。
すごいと思いました。

健大はイラストレーターなのですが、
とし子の病気が発覚する直前に 鉛筆をころころころがしてしまい
足で拾おうとするんですね。
「俺が鉛筆を転がしたから、
足で拾おうとしたから罰が当たったんだ」
というセリフぐっときました。
その鉛筆は映画を通じて何度も登場します。

チェロの弾き語りをしている 「くらむぼん」。
宮沢賢治の「永訣の朝」という有名な詩の
「あめゆじゅとてちてけんじゃ」 というフレーズが繰り返し歌われます。
賢治の妹は奇しくもとし子という名前です。
二人の「とし子」の死が交錯していくのも
まさに大林監督の宇宙ですね。

途中からは涙が止まらなくなってしまいました。

大ラスはすこし長いかなと思いましたが、
あれがあったから大林ワールドから現実に
戻れたかもしれません。
それが計算ずくだったとしたら、
大林監督ますますすごいと思いました。

原作を読んでからもう一度観にいきたくなりました。



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