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異人たちとの夏




監督 大林宣彦
原作 山田太一
出演 風間杜夫 秋吉久美子 片岡鶴太郎 永島敏行
名取裕子
配給:松竹(1988/日本/108分/カラー) 

中年のシナリオライター原田(風間杜夫)は
妻子と別れて、オフィスビルの一室に一人住んでいる。
どうやら3階にも一人、住居として住んでいる人がいるらしい。
夜中に外から見ると、自分の部屋とそこの部屋だけしか
明かりがついていないのを見てさみしく思う原田。

一方仕事仲間の間宮(永島敏行)は
原田の元の妻に思いを寄せていたことを告白、
離婚を機にその思いを遂げたいという。
さらにはその妻から「あなたの荷物残っていたから
着払いで送ります。あしからず」という留守電が。
いらいらしていたところに、3階の住人である
若い女性(名取裕子)が、「ひとりでいられなくて」と
シャンパンを持って訪ねてくるのだが
冷たくあしらってしまう原田。
思えばそれが、あの不思議な夏の始まりだった…

ロケハンに行った帰りに、
子供のころ住んでいた浅草に行った原田は、
死んだはずの父親(片岡鶴太郎)に
そっくりの男に出会う。
ごく自然に「行くぞ」と話しかけられた原田が
連れて行かれたのは元の実家。
そしてそこで待っていたのは
やはり亡くなった母親(秋吉久美子)だった・・・

死んだ人をはじめとして、「会うはずのない人」との
邂逅というのは、大林監督が貫いているテーマの
一つだと思います。
この作品のテーマもまたその一つだと思います。
ただ、大林監督の大ファンであるわたしとしては
もう一歩食い足りない気がしました。
監督の魅力は、1シーン1シーンにかける
愛情だと思うのですが、
その思い入れが他の映画に比べると
少なかったような…。
と思っているところに、大林監督のコメントを読む
チャンスがありました。

「これは映像作家というより、
映画監督の作品だな。だから
大林作品は嫌いという人たちにも
広く受け入れてもらえました」

ここで監督がいう「映像作家の作品」が
何を指すかは不明ですが、
何となく私の物足りなさを納得させてくれる言葉でした。

でも、やはりすごいと思ったのは
女性の描き方ですね。
母親である秋吉久美子にしても、
父親と比べると息子に対する情念が強い。
そしてなんといっても名取祐子演じる「桂」。
終盤近く、女の執念とはここまで強いものかと
圧倒されます。
そのシーンについては賛否両論あると思いますが
わたしは大林監督の劇場映画デビュー作である
B級ホラーの名作「HOUSE」を彷彿させる、
アナログ的な怖さがあり、嫌いではなかったですね。
「HOUSE」はお勧めです。
怖いですけどね。

シナリオライター原田が描いたセリフに
「過去は取り返しがつかないというけれど
そんなはずはない。自分の過去なんだから
いくらでも取り返しはつく」
というのがありますが、
その台詞が効いていますね。
異人たちにとって、そして原田にとって、
人生は取り返しがついたのでしょうか…。

大林監督らしい抒情もあり、好きな作品ではありますが
監督への期待度と照らし合わせて、
迷いましたが敢えて厳しく三つ星にしました。
これを四つ星にしてしまうと、
もっといい監督の作品が紹介できなくなってしまうので。
新作「その日のまえに」公開に当たって
70歳の新人宣言をした大林宣彦監督。
これからの作品にも大いに期待しています。

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出演:風間杜夫
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発売日:2008-01-30
おすすめ度:4.5
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