永岡瑞季の毎日映画館!

映画館はびっくり箱です。 日常生活でいらいらしたことがあっても、 映画館に入ってチケットを買って、席について、もらったチラシを見ているうちに真っ暗になって予告編が始まる。 そうしたら、もう何もかも忘れてしまいます。映画館にはそんな魔力があります。 映画をこよなく愛する永岡瑞季の映画レビューを書いていきます☆DVDやスカパー!で観たものも入ったり、たまにはもう一つの趣味のドラマのことも書くかもしれません! よろしくお願いします。

風間杜夫

「インスタント沼」4

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インスタント沼






監督・脚本 三木聡
出演 麻生久美子 風間杜夫 加瀬亮 松坂慶子 相田翔子 笹野高史 ふせえり 白石美穂 松岡俊介 温水洋一 宮藤官九郎 渡辺哲 村松利史 松重豊 森下能幸 岩松了
配給 アンプラグド/角川映画(2009/日本/120分/アメリカンビスタ)

ひらけ、ぬま!
現実主義の不幸なOLがひょんなことから新しい人生を見つけていく。

沈丁花ハナメ(麻生久美子)は
母親(松坂慶子)から「ありえないものをもっと見なさい」
と言われてしまうほど現実主義のOL。
唯一の楽しみは毎朝飲む「シオシオミロ」。
彼女独自の配合の、ドロドロの沼みたいなココアだ。
しかし彼女の人生はどうもうまくいかない。
担当する雑誌は廃刊になるし、
いい感じになった男性カメラマンはイタリアに行ってしまう。
また、父は8歳の時に女を作って失踪、
そのときに家のそばにあった沼に捨てた
父親から貰った黒い招き猫がいつまでも気にかかっている。
たった一人の友達はクロウサギの権三郎、
でも彼も行方不明になってしまう。
「私の人生ジリ貧・・・?」
そう考えたハナメは出版社をやめ人生をリセットしようとする。

そんなとき、ハナメに見せようと思ったのか
母親が河童を捕まえに。しかし池に落ちて意識不明の重体に。
そんなとき、母が書いた昔の手紙が出てくる。
宛先は沈丁花ノブロウ(風間杜夫)。
池にポストが落ちてしまい、届かずじまいだったのだ。
ハナメはその手紙を観て驚愕。
なんと、そのノブロウが本当の父親だというのだ。
ハナメは父親を訪ねる。

ノブロウは放浪の旅を終え、今は奇妙な骨董屋を営んでいるが、
言動も不可思議。店の名前から「電球」と呼ばれている。
また、彼の周りをうろうろするパンクロッカーで
電気屋のガス(加瀬亮)もなぜかハナメをいらいらさせる。
そして、自分が娘だと言い出せないまま時が過ぎる。

ある日、ノブロウはまた旅に出るという。
そして、沈丁花家に代々伝わる蔵の鍵をハナメに買ってほしいという。
中にお宝が潜んでいることを期待して
大喜びで100万円を払うハナメ。
そして、蔵の中にあったものは…?

自分の目で確かめられないものは信じない、
かたくなでどちらかというと感じの悪いOLだった
ハナメが、電球とガスに出会うことによって
新しい人生を歩み始める。
そんなハナメにも、大事にしているものがある。
子供の時に見つけたさびた折れ釘だ。
ハナメにとってはすばらしいものなのに、
友達は誰も理解してくれなかった。
しかし電球は「これこそ理想の折れ釘だ」と絶賛してくれる。
また、ハナメが落ち込んだ時に
「困った時は蛇口をひねれ!」という電球のエピソードが
いい。
電球と二人で蛇口をひねるハナメの笑顔は
子供に戻ったかのように邪気がない。
この映画で一番印象に残るシーンの一つだ。

なんだかんだいいながら一番常識派で心優しい
パンクロッカー「ガス」を加瀬亮が好演している。
「スーパーウルトラアウティメットに自分勝手」な
沈丁花親子を陰で支える。

ハナメは父が去ってから気づく。
自分の人生がジリ貧だったのは
意地を張ってたからだったんだ…。
なんで父親だっていえなかったんだろう…。
そんなハナメが愛しく見えてくるから不思議。

ハナメの仕事仲間のライターを演じるふせえりは
同監督の「亀は意外と速く泳ぐ」にも出演、
独特の雰囲気を醸し出す。
ハナメのマンションのまえをしょっちゅう通りかかる
サラリーマンに温水洋一、
母の事故を担当する刑事に宮藤官九郎を使うなど、
脇役陣も豪華。

三木聡ワールドは不条理だけれど
細かいところまで凝っていて、
完璧主義者なんだろうなと思う。
そんな三木聡の映画をこれからも追って行きたいし
まだ観ていないものも観ていきたいと思えた。

タイトルの「インスタント沼」の由来は
ここでは書かないでおく。
淡々とストーリーが進む中で、
ラストは意外にもドラマティックで予想不可能。
観ているわたしたちに元気を与えてくれる
ごきげんなラストだ。
ぜひ映画館でご覧ください!

http://instant-numa.jp/

(新宿テアトルにて鑑賞)



 

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「異人たちとの夏」3

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異人たちとの夏




監督 大林宣彦
原作 山田太一
出演 風間杜夫 秋吉久美子 片岡鶴太郎 永島敏行
名取裕子
配給:松竹(1988/日本/108分/カラー) 

中年のシナリオライター原田(風間杜夫)は
妻子と別れて、オフィスビルの一室に一人住んでいる。
どうやら3階にも一人、住居として住んでいる人がいるらしい。
夜中に外から見ると、自分の部屋とそこの部屋だけしか
明かりがついていないのを見てさみしく思う原田。

一方仕事仲間の間宮(永島敏行)は
原田の元の妻に思いを寄せていたことを告白、
離婚を機にその思いを遂げたいという。
さらにはその妻から「あなたの荷物残っていたから
着払いで送ります。あしからず」という留守電が。
いらいらしていたところに、3階の住人である
若い女性(名取裕子)が、「ひとりでいられなくて」と
シャンパンを持って訪ねてくるのだが
冷たくあしらってしまう原田。
思えばそれが、あの不思議な夏の始まりだった…

ロケハンに行った帰りに、
子供のころ住んでいた浅草に行った原田は、
死んだはずの父親(片岡鶴太郎)に
そっくりの男に出会う。
ごく自然に「行くぞ」と話しかけられた原田が
連れて行かれたのは元の実家。
そしてそこで待っていたのは
やはり亡くなった母親(秋吉久美子)だった・・・

死んだ人をはじめとして、「会うはずのない人」との
邂逅というのは、大林監督が貫いているテーマの
一つだと思います。
この作品のテーマもまたその一つだと思います。
ただ、大林監督の大ファンであるわたしとしては
もう一歩食い足りない気がしました。
監督の魅力は、1シーン1シーンにかける
愛情だと思うのですが、
その思い入れが他の映画に比べると
少なかったような…。
と思っているところに、大林監督のコメントを読む
チャンスがありました。

「これは映像作家というより、
映画監督の作品だな。だから
大林作品は嫌いという人たちにも
広く受け入れてもらえました」

ここで監督がいう「映像作家の作品」が
何を指すかは不明ですが、
何となく私の物足りなさを納得させてくれる言葉でした。

でも、やはりすごいと思ったのは
女性の描き方ですね。
母親である秋吉久美子にしても、
父親と比べると息子に対する情念が強い。
そしてなんといっても名取祐子演じる「桂」。
終盤近く、女の執念とはここまで強いものかと
圧倒されます。
そのシーンについては賛否両論あると思いますが
わたしは大林監督の劇場映画デビュー作である
B級ホラーの名作「HOUSE」を彷彿させる、
アナログ的な怖さがあり、嫌いではなかったですね。
「HOUSE」はお勧めです。
怖いですけどね。

シナリオライター原田が描いたセリフに
「過去は取り返しがつかないというけれど
そんなはずはない。自分の過去なんだから
いくらでも取り返しはつく」
というのがありますが、
その台詞が効いていますね。
異人たちにとって、そして原田にとって、
人生は取り返しがついたのでしょうか…。

大林監督らしい抒情もあり、好きな作品ではありますが
監督への期待度と照らし合わせて、
迷いましたが敢えて厳しく三つ星にしました。
これを四つ星にしてしまうと、
もっといい監督の作品が紹介できなくなってしまうので。
新作「その日のまえに」公開に当たって
70歳の新人宣言をした大林宣彦監督。
これからの作品にも大いに期待しています。

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出演:風間杜夫
販売元:松竹ホームビデオ
発売日:2008-01-30
おすすめ度:4.5
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