戦法と評価などについてまとめました。
記事「定跡について」よりも人間(プレイヤー)向きだと思います。 

示している評価値は、「先手側から見た、大体のもの」です。 
まず、初期配置がどのくらいの点数か、ということで戦略も異なります。
+100と想定して定跡を作られているソフトとなにをやっても0に近い値に収束するというソフトでは、選択の幅も異なってくるでしょう。

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相居飛車

矢倉 (0)
定跡の駒組みが続いた本格的といわれる将棋は、評価値の揺れ動きが少なく、終盤で評価値が突然急落するという展開が現れやすい。そのため、指した手が正しいのか判断しにくい。(解析しにくい)

急戦調の指し方も有力で、特に左美濃から6筋を狙って攻めてくる指し方への対応はとても難しい。
5手目▲66歩に△85歩と突き、▲77銀と上がらせてから△62銀△64歩・・・と駒組みを進めていけば、後手がペースを握りやすい。左美濃を指しこなすコツは、角道を止められずに銀・桂・歩で攻め込んでいくことと、勢いよく飛車を切っていくこと。それと、「▲23飛成と23の地点に竜を作られることを恐れないこと」
終盤で▲23飛成と角頭を突破されても、案外二の矢が飛んでこないので、その形で放っておけばよい。
http://member.meijinsen.jp/pay/kif/meijinsen/2015/10/13/C1/8293.html
そのことを理解できていなかったため、48手目に△32金打と指してしまったが、△78銀と踏み込んでおけば先手に有効手がなかった。(上記URL 参考棋譜 ▲堀口△千田)
※玉が一段目にいるときには、自玉位置から桂馬の動きで行ける場所の相手の竜の価値はおそらく低い。(自玉周りに自分の駒の利きが多いときや持ち駒があるとき)攻めようとすると23にいる竜に駒が当たってしまうので、決め手に欠けるときは上手く攻め続けられない。

矢倉は難しい。

角換わり腰掛け銀 (0~+100
同型を避けるかどうか、端歩を受けるかどうかが最初のポイントとなる。
一般的な定跡書の見解を鵜呑みにする必要はないものの、一気に悪くなってしまう変化は多いので、その点に注意が必要である。
42173(よにいなさん)の順も、35歩~45歩の順も、45歩同歩同桂44銀75歩の順も難解。
いちばん良くない展開は後手で受け身になり続けることで、一方的に玉に直接攻められるような展開は評価が悪く出やすい。
ponanzaが用いる▲48金型△62金型は、自陣に角の打ち込みの隙のない陣形で、有力な指し方。

相掛かり(+20)
様々な形があるものの、どのソフトも高い評価は出にくい。
歩の合わせから、76や34の歩を取りに来る展開が、ソフト同士では多く見られる。

中原流▲37銀戦法のように銀の進出を狙われても、下手に受けの形を作らず、角交換をして△22銀と上がっておけば先手の攻めの継続は難しい。
http://member.meijinsen.jp/pay/kif/meijinsen/2016/02/09/C1/8349.html
△73銀△82飛△51玉型がポイントで、玉が6筋方面に逃げられるようになっている。この場合は95の位もとっているので、玉がさらに広い。玉の広さ・安全度と、飛車が自陣によく利いているということの理解が大事。(※形勢は難解)

横歩取り(+50)
AperyやGPSの値が先手に大きく出やすいところがあるので、研究や定跡作成のときは注意が必要。
いずれの形も+70点以内には収まる、と考えておくほうが無難。青野流に関しては、研究で決まってしまうような危ない変化が多いので要注意。▲58玉に△62玉と上がれば研究は避けられると思うが、その形を指しこなせるかという問題はある。

角交換拒否(△44歩) +20+50
通常の角換わりの進行の△77角成のところで、△44歩と突く手も有力。△22銀から3手角や矢倉を目指す手もあるが、雁木の評価も悪くない。

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振り飛車
基本的に振り飛車は損になりやすい。居飛車と比べて50~100点損をする。飛車を振ってからの指し方がまずいと、もう少し点数が下がる。
なるべく勝率を下げずに振り飛車に拘りたいのであれば、先手中飛車と向かい飛車(角道を開ける)に絞るのが好ましい。また、穴熊に組ませないようにすることがポイント。
意外なことに、△32金と上がった形の振り飛車の評価が良い。技巧やponanzaにその傾向が見られる。以前は、このような傾向がみられる棋譜は殆どなかった。 


石田流 (先手)0~-50
悪い戦法ではないようだが、角交換をしてから待機戦術をとられると打開は難しいようだ。
また、左美濃や右四間飛車で対抗するのも有力のようだ。

先手中飛車 0~-30
咎めることは難しい。

角道の空いた先手向かい飛車 ±30
先手中飛車以上に咎めにくい。

角交換四間飛車 振り飛車先手 -100 後手+150

ゴキゲン中飛車 +120
※超急戦で危ない変化が潜んでいることや、超速37銀であまり良くない評価値をあらわすことから、指さないほうが無難ではあると考える。
ただし、超急戦は先手にも危険なところは多く、ソフトでも見解は異なる。
超急戦以外の形だと、上手くいけば+100以内で収まることがある。(ソフトによって異なるが、おおよそ+100から+200くらい)超速37銀には、銀対抗も32金もどちらも有力。銀対抗の場合は、美濃囲いでなければ評価が落ちる。(72金型は+200以上になる)

四間飛車 vs 居飛車穴熊 居飛車先手+200 後手-100 銀冠で端歩の交換は振り飛車側に+70~+100くらい。
四間飛車vs銀冠穴熊 0
ただし、振り飛車側が駒組みでミスをすると、居飛車側が100点ほど良くなる。

相穴熊 居飛車先手+150,後手-100

中飛車vs糸谷流 振り飛車側が100~150点ほど良いが、差が詰まりやすいような気がした。
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Aperyで定跡を編集したり解析したりされる方がいらっしゃると思いますが、序中盤で過大評価をすることがあるので要注意です。(横歩取りなど)
あと、そのうちAperyなどで編集した棋譜のファイルの公開をしようと考えています。手を入れているものや、途中図から対局させただけのファイルなど、色々なものが混じっています。