_MG_0694_MG_0695_MG_0696_MG_0697_MG_0698日曜日は久しぶりに神室山に出かけてきた。最上町の白川林道を辿り根ノ崎沢から十里長峰経由で神室の本山を極める目論見だ。仙台からの最短コースであり以前はそこから天狗森経由で小又山を回り隣の大又沢登山口に周回したものだ。陽の短くなった晩秋、せめて神室山までを往復してみたい。林道には途中通行止めの表示が二枚掲げられていた。途中でスライドした軽トラの土地の方からテープのあるところまでは通行が可能だと言われた。最初の掲示のところで新潟ナンバーの車が一台、二枚目のところでもう一台が止まっている。構わずにテープで塞がれたところまで進み車を止める。
7時17分にスタートする。すぐに沢水で林道の崩壊した箇所を通過する。ほどなく大又沢登山口を過ぎて沢を渡る洗い越しのコンクリートにさしかかった。本来は下を沢水が通る橋なのだが、水害で土砂で詰まってしまい、上面を水が流れているのだ。踵まで水没したが大した被害ではなかった、往路では。
7時35分登山口に入りこんで行く。しばらくは沢沿いに進み小沢を渡ると、いよいよ胸を突く急登が始まる。ナイフリッジのような急峻な尾根を攀じ登ってゆくのだが、今日はおまけに道が落ち葉で隠されていて足場の確保に困難を極めていた。
トラロープに掴まりながら登ってゆくが息も絶え絶えになってきた。
_MG_0700_MG_0701_MG_0703_MG_0704_MG_0706地獄のような最初の400mを過ぎて傾斜は緩んできて左右を見渡せるようになった。
息が上がっているので三合目の標識のある平坦なところで腰を下ろして休憩した。やはり神室の棒尾根はどこも辛く飯豊並だった。予報に反して空は高曇りで日差しに恵まれずあたりの風景もくすみがちだ。
ようやく左手に小又山へと連なる稜線が見えてきた。
_MG_0708_MG_0709_MG_0710_MG_0712_MG_0713森林限界を超えて眺めはさらに良くなって神室山山頂も望まれるようになってきた。ところが最初の急登がこたえたのか両方の大腿が攣ってきた。こんな人のいない深山幽谷では歩行困難になることは恐ろしい。
10時40分標高1100mのところで立ち止まり思案した。あと上り250mほどだが今の体力でこの先の痩せ尾根を渡って山頂往復をしたら2時間ほどだろう。うまく下山できたとしても日没の4時ギリギリとなってしまう。そういうわけでここで引き返すことにした。
11時20分に三合目にもどり昼食休憩をする。まだ左足の脹ら脛は痺れて痛いし心拍数も落ち着かない。
_MG_0715_MG_0716_MG_0718_MG_0719_MG_0722下りラストの200mは落ち葉で滑りやすくなった急坂をトラロープにしがみつきながら下った。左右は谷底で一歩のステップを間違えたらアウトだろう。
登山口までの道のりがとても長く感じた。最後に林道に降り立ち、例の水に覆われた橋を渡ったが、朝よりも水量が増していて足首まで浸かってしまい、流れに持ってゆかれそうになった。とにかく三途の川を渡りあの世から戻ってきた感じがした。
14時22分に「私設」駐車場に戻ることができた。
標高1350mの神室山は2650mの燧ヶ岳を遥かに凌駕する困難な山だとあらためて思った。例の水没した橋は早晩流れてくる堆積物で通行不可能になりそうだった。