水野ねじブログ

シンガーソングライター、水野寝地のブログです。

あらぬ方向に曲がって生きていると思っていた思春期。同級生が誰も知らないような洋楽の入ったMDを通学カバンにぎっしり詰めて、教科書なんて一冊も入っていない。リバティーンズだかのライナーノーツでヘッドホンのカールコードを身体に巻き付けて街を歩く描写があって、その只者ではない感じに憧れて真似して登校しては悦に浸っていた。根拠もなく同級生を見下して、なんならどんなにチャラい奴でも話せば良いやつなのは分かっているから話しかけられても無視をするという徹底ぶり。自分がブレるので嫌いでいたかった。痛い。でもそんな高校生、最高だな。

不器用で、頑なで、今思えばそれこそ真っ直ぐ生きているということで、カールコードを身体に巻き付けることもなくなった今の僕にはそれが眩しすぎるんだな。


髪の毛を小綺麗な感じにセットするたびに、スタイリッシュなカフェで洒落た注文をするたびに、ヘッドホンを装着せずに歩けるようになったその一歩ごとに一人僕が死ぬ。その死が歌で報われるといいな。

決まっているライブ、どれも予約可能です。詳細は近々ホームページにあげますね。死んだ僕も死んだあなたも、報われないわけがないよな。

12/21(月)渋谷ラッシュ
1/7(木)高円寺ウーハ
1/18(月)東高円寺ufo club
1/24(日)久米川 太陽と月灯り-山本狼煙レコ発-







実家が営む居酒屋に備え付けてあるカラオケや人と行ったカラオケで歌を聴いて、大物アーティストのコンサートさながら感動することがある。常連の酔っ払い、若干テンションのあがった母、友人、好きな人。その人の歩んできた人生や心境が声になり歌と絡まって僕の中の"本人"を超えてしまう瞬間というのは確かにあって、そうして心揺さぶられた時僕は内緒でiPhoneの録音アプリを開いている。変態やん。

そんな盗み録りした音声を聴いて心底うんざりするのが自分の声で、間奏、黙ってりゃ良いのに録音ボタンを押したことも忘れて
「すげえ良いわ〜!!泣きそうだわ〜!!」
なんて、素晴らしい歌声の余韻を台無しにするようにバッチリ記録されている。
その声は軽薄で、嘘つきで、頭が悪くて、嫌いな自分が濃縮されているようなTREBLE、MIDDLE、BASS。どんなツマミを回せばこんな声になるのだろう。良いと思う気持ちや涙腺の緩みは本当なのにな。

とか思いながらそのまま聴いていると録音を切り忘れたのか、そのまま僕が歌い出したりする。これで自分の歌声は結構気に入っていて、メロディ?なにが違うのだろう。結構誠実な良い男の声をしている。

歌うように喋れれば良いのにといつも思う。それがどうしても出来ないから歌うのだろうか。なにかと不器用でこれは死ぬまで治らなそうだけど、歌っている時だけは本当の意味で喋れている気がするんだな。






銀杏BOYZの新譜が自分の期待を上回るものじゃなかったって銀杏BOYZの音楽が心臓を守る一番大事なところの血肉になっているのは間違いないし、銀杏BOYZを想う気持ちは変わっても銀杏BOYZを愛した日々はなんにも変わらない。

というようなことを書いたり消して書いたり消して発売から二週間もたってからツイートしちゃうあたり、やっぱり銀杏BOYZって大きな存在なんだな。

最近好きなお笑いコンビ、空気階段のラジオで鈴木もぐらさんがめちゃめちゃコアな銀杏BOYZファンだというのを今更知った。公式BBSにまで入り浸っていたと聞いて「あのもぐらか!!」と、当時同じようにゴリッゴリに公式BBSに浸かっていた僕の中の点と点が線で結ばれたような、遠い空の下同じ思いでしょっぱい青春を消費していた同志の活躍がたまらなく嬉しかった。

銀杏BOYZがファーストアルバムを発売して16年、僕が「songwriter」を発売して2年、本当に本当に色々なことがあった。あの日灯った炎は大きくなったり小さくなったり、色を変えてもまだ灯り続けている。かつてのしょっぱい僕らのため、今画面越しに繋がるあなたのため、とっておきの歌を届けたいんだな。ずっとエモい俺。






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