2016年04月

今日の午後、自分が所属している会社から、こんなプレスリリースが出ました。
【ニュースリリース】 「平成28年熊本地震」に係る被災者・被災地支援について
※自身は、会社の社会貢献担当の事務局も兼務しています。

--リリースからの引用----
当社では、被災者・被災地に対しまして、義援金並びに支援金として総額300万円の支援を行うことを決定いたしましたので、お知らせします。なお、支援金につきましては、当社の社会貢献活動である「ソーシャルビジネス支援プログラム」の支援先となったことがある団体・事業者を対象とし、災害ボランティア等を行うための活動資金等の寄付を行うことを予定しております。
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今回、私たちの会社として、初めて「支援金を提供する」ことになりました。

ちなみに東日本大震災の際には、同じ金額を「義援金」として提供。
今回も、最初は同じ流れだったのだけれども。
社内で色々と、提案したり、意見交換したり。で、こういう形になりました。
(リリースにある通り、「総額が300万円」というところまで公開されていて、内訳や寄付先はまた後日のお知らせです。)

この出来事を通じて、私個人が考えたこと、感じたこと。

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リリース文にはさらりと書いてありますが、「支援金」を出すという決断は、会社としては大きな一歩なんじゃないかと思うのです。

一般に、災害が起こったときに日本の大企業が取る多くの行動は、「義援金の提供」です。
それ自体は、とても素晴らしいことだと思います。
想定しない困難に直面して途方に暮れる方たちの、悲しみをそっと支える行為として。次の一歩を踏みだすことを応援する気持ちを届ける手段として。TVのテロップや新聞に毎日日本赤十字社や、赤い羽根共同募金会の名前が掲載される。そんな「義援金」という手法が定着している私たちの社会は、何だか愛しいし誇らしい。

でもやっぱり、それでは埋められないニーズがある。

既に多くのNPOやボランティア団体の皆さんが、被災地に直接赴き、専門性ある支援を行っていらっしゃいます。専門性の程度にはきっと様々あるけれど、それでも文字通り、困っている人を「ほっとけない」から被災地に行き活動されているわけです。お金の目途が有ろうがなかろうが、そんなことは後から、というケースも本当に多い。

緊急時、行政が全てのサポートに手が回らないことは、もう誰もがわかっていること。
隙間を埋める存在として、NPOやボランティアが大事な役割を果たしていることも、なんとなく知っている。
そして義援金には良い点もあるけれど、限界もある(例えば寄付をされてから、被災者に手渡される時期にはタイムラグがあること)っていうことも、説明を聞けば理解できるし、つらく悲しい災害があるたびに、報道され少しずつ知られてきている。

でも大企業が、義援金以外の選択肢をなかなか取りにくいのも事実です。
前例がなかったり、ほかの方法を知らなかったり、横並びの安心感があったり。
そんなことが理由なのかなと思います。

じゃあどうして、今回「支援金」の提供を決めることが出来たのか。
それは私たちの会社が、今までの取組を通じて、直接繋がっている団体が存在したっていうことがとても大きいと思います。
自分たちなりに取り組んできたことが積み重なって、もちろん今の熊本・大分の状況からすれば、金額にしたらごくごく小さいんだけど、それでも緊急時に割と早目にアクションを取ることができたのです。
(あ、これってNPOのファンドレイジングの基本なんじゃないかと思います。常日頃からの関係構築あってこその寄付。)

話が戻って。
小さい取組み。でも私はこれを誇りに思います。
なぜならば。

ひとつは「寄付すべき先がちゃんと存在していた」こと。

自分たちが協働してきた団体の皆さんのうちのいくつかは、いち早く熊本で支援活動を展開されていました。
いざ、という時にしっかりアクションを取られている皆さんと、会社としてお付き合いできていて、わずかな金額や機会であっても、そうした皆さんを支える側に回れていることがとても嬉しい。

もうひとつは、「プログラムの意味や、プロボノ社員の頑張りを間接的に再確認できた」こと。

当社の社会貢献プログラムは少し変わっていて、社員参加型・手上げ式の伴走支援が前提です。そういうプログラムを運営していて、今回のような支援金の提供を決断できたっていうことは、やっぱり参加して下さっている社員プロボノメンバーの頑張りがあってこそ。そこが上手くいっていなかったら、多少NPO団体との付き合いがあってもね、、、という程度にしかならず、こんな支援はきっとできなかった。だからプロボノメンバーにも本当に感謝だなあ・・・って改めて思ったわけです。

さいごに「積み重ねを実感できた」こと。
スモールステップで関係を作りながら、少しずつ関係を深めていく。
共感してくれる人を増やしながら、いいね、って言ってくれる人を少しずつ増やしていく。そうするとまた次、新しいことが出来る。ここぞというときに動ける。そうやって積み重なっていることが、なんだか実感できた出来事でした。

効率性を重視すれば、もっと違うやり方もあるかもしれない。
即効的なインパクトを重視すれば、違う道もきっとある。

遠回りにも思えることもある私たちの会社のプログラムですが、でも何だか、今回のことはとても嬉しかったのでした。

寄付先が決まったら、それぞれの団体の皆さんが、どんな風に頑張っていらっしゃるのか、また何かの形でお知らせしたいと思います。

     

「地域を支えるサービス事業体のあり方」について、研究会の報告書が公表されました。

(URL)http://www.meti.go.jp/press/2016/04/20160420003/20160420003.html


昨年11月から6回に亘り、プレゼンなども含めて議論されたものです。
私は数回ですが、オブザーバーとして研究会に同席させて頂きました。


私が知る限りでも、日本では今まで何度も「社会的利益」と「経済的利益」の両方を追求する上で適切な法人形態(法人格には限らない)が議論されてきました。

私たちが安心して暮らし・働き・学ぶ上で必要なサービスを、自らの手でどう創るか。

世の中にある社会課題を、自らサービスを作り出すことで解決したいと考える。そんなチャレンジャーの気持ちを支える仕組みをどう創るか。

そんなことが議論の出発点になっていると思います。


ただ、一口に「地域を支えるサ
ービス事業体」といっても、その中には相当多様なものが含まれることも事実。
報告書の例示でも、コミュニティ協議会と、雇用を産み対価を得ている事業者とでは、置かれている状況が違い過ぎますものね。
 

(そしてコミュニティ協議会やそれに類する取り組みに関する法制度上の課題については、別の検討の蓄積があるし、そちらをもっと理解し尊重せねばと個人的には思う。)

この報告書では、

1.事業ベース型か地域ベース型か

2.経済性両立型か社会性重視型か

の2軸で、「地域を支えるサービス事業体」を分類しています。


私自身の個人的な考えですが。

もちろん活動内容やミッションによる向き不向きや、そうした制度を作ることの功罪はあれど、CIC型の法人制度が日本に登場すると良いなあと考えています。

(法人格の新設に限らず、ですね。)


ここに書いてあることが全てではないだろうけれど、報告書は、多くの方が読まれるといいなあと。
そして事業者サイドからも利用者サイドからも、投資家サイドからも、今の日本に必要な法制度や仕組みは何か、もう少し議論が深まるといいなあと思います




震災からの復興の時にも、きっと「地域を支えるサービス事業」を、そこに住んでいる人が作り出す必要性、きっと出てくる。だって東北には既に、ソーシャルベンチャーが数多く産まれてるのだから。それと同じことが起こるし、起こしていけたらいい。
 

報告書作成にあたっては、海外の法制度など、僅かながら知見提供させて頂きました。
皆様、ぜひぜひご一読を。
 

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