今期アニメ、初の最終回モノ。
そして、しみじみ。
「視聴切らなくて、よかったー!!!」

いやー、謎の感動。
んでもって、人にはちょっと奨め辛い(というか明らかに人を選ぶ)けれども、良作(たぶん)。

多少の取りこぼしはあったものの、
超展開で逃げることもなく、
物語的に破綻もさせずに、
伏線もほぼ拾い終わって、きちんと12話で話を畳んでくれた。


お見事。


~□~

Aパートは、羽田タカシによる、少年・ヨージの呼び戻しの巡礼。
心の傷に向き合ったところで、
小鳩ちゃんの呼びかけで、
本来の人格であるヨージが、浮上・コクピットへの着席を選択するところまで。


続く後半では、
最終的には、ヨージがコクピットに収まることで、
卒業後に病気治療に専念すること、
ともあれ一歩、自分の足で踏み出すことを決断したところをみせつつ、
サブ人格たちの培ってきた人脈にもまた、
きちんと逃げずに向き合おうと、
訪ねて回る。

こちらは、ちょっと、グッときた。
泣くほどではないけれども。


アレキサンダーの軽部狩男は相変わらず下ネタで盛り下げ、
英里ちゃんは1話同様に暴力(縦トレイ)で対抗する。

パル姉もまた、変わらぬ接し方で、
成田がいかに大切な友人であったかを伝えてくる。
アリスやマルチネスのツッコミは最後の見せ場、というご愛敬。

針生は意外と翔と仲良しだということを示しつつ状況に理解を示し、
京ちゃんは・・・・・・最後までわけわからないぜっwww

千歳の仕事先のひとつ、編集者の米田さんも、彼(ヨージ)を温かく受け入れ、
さらに齟齬のあったクラスメートの高内とも関係は改善される。

特にこの高内との関係改善は、隠されたポイントで、
羽田ヨージ(含む全人格)が、
他者から逃げず、ガチで、真正面から向き合うという姿勢を選択することで、
それまでの歪な関係が改善される(こともある)という、
これまで羽田ヨージ(とタカシ)の取っていたスタンスへの
解決策の提示ともなっている。

そう、相手の立ち位置というのは、自分の立ち位置の鏡でもあるわけだから。
自分が逃げていたり、腰が引いていれば、相手もそういう対応しかしないよ、
というわけだ。


そうして向かい合い、一歩踏み込むことで、
森里君にYFBの面々、そしてコーダインといったメンバーも、
改めて仲間として迎え入れてくれることが示される。


この巡回の締めが、明日香様のパンチ、ということで、
彼女に華を持たせているのも・・・コメディとして筋を通しているというかなんというかww。


ED代わりにOPを流しつつ、
ここでようやくDJコンドルの生存が確認。
彼の長台詞でまとめつつ、コンドル言うところの「チャンネル回せ!」は、
自分の足で歩み出した羽田鷹志への応援か、はたまた、
視聴者へのアジテーションか。
そのエールが、「たとえば、そーんな、メルヘン」で〆られ、
さらにCパートで1話アバンとほぼ同じシチュへと持ち込むことで、
世界が綺麗に完結する。

そう。
世界が平和でありますように、と。
少年・ヨージがTVを消すことは、彼が現実世界へと立ち戻ったことの印。


~□~

ラスト、Cパート。
最後の最後、肝心の、
女の子たちとはどうなった、の部分。

これは、ハーレムのようにも見えるし、
逆に、治療後へと結論を持ち越している、とも取れるよう、
解釈に任せたところも、上手い流し方。

各人格が、ひょっとしてまだ出てくれるかも、という期待。
女の子たちが皆泣かないで済むかも、という読み。

もちろん、そうかもしれないし、
あるいは、治療後、別の人生を選ぶかもしれないし、ということも
冷静に見ていればわかることなんだけれども。


エロゲ文化独特の、ハーレム構成をそのまま肯定することは、
一本道のストーリー構成を持つアニメにはやはり無理がある。
その無理を、何とか破綻させずにやりきった(このようなかたちでまとめた)のは、
無難とはいえ、制作陣の誠実さの反映だろう。

この難しい部分、ご都合主義に逃げなかっただけでも、
褒めていいと思う。


~□~

以下、個人的にお気に入りの(サブ)キャラたちへ。


翔君は、やっぱ、いい人だったのか、つか、
伽楼羅がホントに好きなんだな、貴様。www
まー、分かるけど。

で、伽楼羅はアレだけかいな。www


特に翔君は、何やかやで、
一番頑張って物語をすすめてくれた、功労者だと思う。

この翔君に限らず、
とにかくこの話、ものすごく登場人物が多かったが、
何気にどのキャラもイイ味を出していた。

特にに褒めたいのが、
DJコンドルや軽部狩男といった、コメディパートの基盤のキャラ達。
そして、
パル姉や米田さんといった、お姉さまキャラの立ち位置。
(さらに付け加えるなら、アレックス2の紀奈子&英里子の御二方)
幼女アリスもよかったけれども、
むしろこの作品としては、こうしたややエルダー組の女性陣の立ち回りが、
物語のリアリティを支えていたように思う。

つか、彼女たち、ふつーに付き合いたいと思うよ、うん。


~□~

最終話のラストが、1話の冒頭へとつながる、そのエンドレスっぷりが楽しく、
実は、見終わってから思わず、1話をまた再視聴。
さらに、続けて4話まで通して見てしまった。

んだが、
これが実に、きちんと整合性・一貫性を外していないつくりになっていて、
スタッフの丁寧な仕事を感じさせた。

(唯一全体を俯瞰できる立ち位置のヨージと、その視点、さらにそれを背景に敷いた上で、第二、第三、第四、第五人格といった主役たちが動くものの、そこに矛盾はなく、実にスムーズ)


~□~

とはいえ、不満もなくはない。

やはり、原作の長さを1クールにおさめるというのは相当に無理があったようで、
ヨージ関連の設定の幾つかは飛ばされているっぽいので、
12話Aパートの謎解きの部分は、かなり駆け足。
つか、正直ここ、説明パートでしかない。

あー、ヨージの心の病は、
小鳩ちゃんを庇ってお母さんを刺しちゃったからなのねー、
お母さんもビョーキの人で、小鳩ちゃんに複雑な感情を持ってたのねー、
的な理解をするのに精いっぱい。
なんせ、これまでヨージ関連の情報はほとんどなしだから、
彼にはどうあがいても感情移入は無理だし、
ここんところは読み物的にふーん、と流し観するしかなかったというか。


あとは、細かいところで、
鳳翔の妹萌え描写がなかったことや、
羽田タカシと森里君との学友描写の少なさで、親友云々の部分がワケワカメなのとか、
やはり随所で尺の少なさがマイナスに響いていた。


~□~

解離性同一性障害という、実在の、深刻な病気をテーマに取り上げて、
そこを設定としてきちんと踏まえた上で、
12話通してコメディで魅せてきたという、
その冒険心は、今回は吉と出た、と思う。
(原作はもっと良さげなんだよなあ、うーん・・・)


と、まあ。
ある意味難病モノの側面を持ちながらも、
これを泣きの物語ではなく、
笑いがベース、コメディものとしてきちんとつくりあげてくれた、
頑張ったスタッフ、関係者の皆さんに、感謝して。

あーりーがーとーおー!!!

(世界が平和でありますように!おわるよ!!)