料理もイリヤもほっておいて、エロゲの話ばっかってどうよ? 
と、俺、ぢぶんにツッコミたくなってきているんだが、
先日『ef-a fairy tale of the two.』について話していたら、
なんだか『ピリオド』(Littel Witch)について、触れたくなった。

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(こちらが『ピリオド』本編パッケージ。ヒロインみんなかわいいお!)

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(ファンディスクの『ピリオドsweet drops』パッケージ。ヒロインさらに3人追加だお!)


(さすがに、『Fate/stay night』と『ef』の比較ってのは、無理があるんで)

……お気づきの通り、
小さい女の子が大好きな「(大きな)お兄ちゃん」御用達の、Little Witch作品である。
(2007年)
なんか俺の嗜好がモロばれのチョイスなんで、
ちょっとウツムキ加減なんだが。

いや、小さい女の子が好き、というか、
(それは否定できないにせよ、それだけではなく)
大槍葦人さんの描く、圧倒的な美と、繊細さのある、あの絵が好き、
ということなんだが。
特に、大槍さんの初期作品の絵は、圧倒的にスバラシイ。


んで、また旧作というかなんというかだが、
この作品も(ファンディスク含めて)、
まあ娯楽的に見れば、元が取れたかな感があること、
あとは何より、
Little Witchの、残念でならない、活動停止のことを考えると、
(やっぱこれはショックだったから、、、大槍さん……)
その支援にもなれば、
ということを、ちょっとだけ思いながら、
エントリー化してみる。


ただし、まあ
万人向けとは言い難い面があるのは確かだし、
それと、
飛びぬけた良作というには、
そこまで言い切れるかというと、もにょる面はあるものの。
(良作ということで言えば、LWの出発点、『白詰草話』の方がふさわしいかも、と俺)

ただまあ、俺は結構気に入っているんだぜ、ということで
つらつらと。



内容としては、
(大槍さんの、あの美麗な美麗なつるぺた美少女たちによる)
定型的な学園エロゲ。


で、
俺の独断と偏見で言うと、
ヒロイン8人(ファンディスクではさらに3人追加)の中で、
俺の激押しなのが、加賀宮 鈴(りん)たん。
次点で、沢渡 琴ちゃんだ。
(……ああ、小さい女の子好きで悪かったな……)

琴ちゃんについては、
千尋の中の人つながり(まきいずみサンだよー)というのも大きい。
けれども、それがなくても、
クレープをぱくついているイベント絵に、やられた。
あれは、反則☆
かわいすぎ♪
小学生のような外見で保健室の先生って、それ、どんな幼女嗜好よ?


で、鈴たんである。
作劇的にはやや欠点もある鈴ルート、なんだが、
俺がこの作中で唯一泣けるのが、このルート。
とにかく、何度やっても、必ず、泣く。
(逆に、制作側が一番キアイを入れていたであろう朝姫ルートは、ちょっと微妙だったかな、と)


鈴かわいいお、鈴。
やっぱ、鈴たんである。
俺にとっての、『ピリオド』は。

「隣にいるのが私でなくてもいいから、幸せになってください」とかって、
好きな人に、死の間際に言われたら、
泣くよ、俺。

ちなみに俺、ファンディスクのifストーリーの方が、より好きだったりする。※
本編の方は、主人公がアホすぎて、ちょっとイライラするから。
(あと、えちシーンが、ファンディスクの方が濃厚だというのもある)



さて。
どうして『ef』ゲーム感想を書いてて『ピリオド』を思い出したのかと言うと、
(『.』つながりということではなく、)
『ピリオド』って結構、トンデモない設定をいくつもぶっ込んでる作品、
なんだ、が。
ストーリー展開を観ていくと、
話の流れというかその対応が、実に現実的だから、というのに
素直に納得したから、なんだ。

まあ、『ef』(ゲーム版)とは逆のパターンかも、と。

設定だけで言えば、
近未来ということでもって、
登場人物たちも、
SFめいた、異星人か異世界人かというヒロイン(つづみん)もいれば、
背中に羽のあるヒロイン(小羽ちゃん)もいれば、
完璧すぎるスーパー先輩(幸奈センパイ美人だお! しかもつるぺただよ☆)もいれば、
とか、
見てみると結構イレギュラーテンコ盛り。
(幸奈センパイに関して言えば、エロゲにありがちなお約束設定だが)

なんだけれども、にもかかわらず、
基本的には、
平凡な主人公(ややハイスペックかもしれない)が
現実的に、身の丈に応じた行動を取り続けることで話が展開していくというのが、
なんとなく作品の作劇的な方法として柱が通っており、
読みやすい。
あまりご都合主義的な展開はなされないんだよな、これが。


実は、鈴ルートが8人の中では一番ご都合主義が多いかな、
という弱さがあるのは、認めるにしても。
彼女の設定自体が8人の中でもかなりイレギュラー性が高いこと、
(学生でありながら既に小説家としてデビューしていること、
重篤な疾患を持ちながらもそれを隠して学生生活を送っていることなど)
さらにはドラマの盛り上げとしてこの病気を活用することなど、
鈴のかわいさに目のくらんだ俺は騙されているが、
そうでない人には、正直、鼻につく可能性もある、とは思う。

ただしそれに対する主人公の行動はというと、
これが実に、ひたすら、平凡な対応に終始している。
なんの飛び道具も出てこない。

鈴たん自身にしても、
個人的に抱えている問題、
(小説家として続けられるのかという不安と、健康上の問題)よりも、
むしろそうした(主人公との交流に代表される)「平凡な世界」の素晴らしさに
目覚めていく……という構成は、
イレギュラー成分を盛り込み続けないと物語を転がすことができなかった
efと比べると、
明らかに別のベクトルを持つものじゃないかと思う。



背中に羽のある小羽ちゃんルートに至っては、
その羽は、
彼女の美しいビジュアルを引き立たせるだけのものでしかない、
というところにまで、作中での扱いは小さい。
(もっと展開のしようがあったとも思うんだが、逆に)

物語世界の中では、
羽のある人間に対する差別感情もあるという世界なんだが、
それらを、
平凡な人間が、
平凡な人間なりに地味な努力を重ねることによって、
振りかかる困難を乗り切ってく、
という物語構成を外していない。
(まあ、主人公を平凡というかどうかは微妙だが、
少なくとも彼の取る行動に関して言えば、その手法は極めて凡庸だ)


他のヒロインたちは、あまりそういうイレギュラーな設定はなくて、
普通に幼馴染みだったり、クラスメートだったり、といったところ。

あ、琴ちゃんの外見(見た目小学生、でも先生)
ってのは、どうなんだ、
というのはあるかもしれないが。


ちなみに、efで目立った「死者」によるトラウマ設定は、
ただ一人のヒロイン(朝姫。と、主人公と共通の人物について)のみに存在。
それもその人一人のみで、しかも完全に過去形。
あとは「死」を小道具にしたドラマの盛り上げは、
この朝姫ルートの最後と、
鈴たんの病気のクライマックスくらいなもの。
(2つでも、多いっちゃー多いかもしれないが)



ただまあ、正直、処女と童貞での初エッチ、というのを
正味8回も繰り返すっつーのは、
さすがにワンパターンで、飽きた。
青姦率、高いし。
いくら大槍さんの画力をもってしても、さすがに、無理はある。

もっとも、エロがあってもなくても
大槍さんの美麗な絵が見られるのならば無問題、
という俺にしてみたら、
そこはスルー出来る範疇の問題。



あと、やっぱり触れておきたいのは、音楽。
主題歌、挿入歌、BGM、いずれも作品世界にとってもマッチしている。
特に、BGMだった『バロック』なんか、ツボだった。
(これを鈴ルートで使わなかったのは、残念でならない。歌詞なんかもぴったりなのに)

こと音楽という点だけで言えば、
『Fate』よりも『ピリオド』の方が満足度が高い。
(Fateは一部楽曲が飛びぬけているけれども、そうでない曲が……ビミョーでな……)
(負けるな、言峰……)

基本、LWは、
こと音楽については平均して高クオリティだと思う。
今でも忘れられないのは、『白詰草話』のイントロBGMのカッコ良さ。
あれには、本当に度肝を抜かれたもんな。

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(『白詰草話』(たぶん通常版)パッケージ。結構きちんとSFしてた、良作)



ああ、鈴たんのこと含めて、まだいろいろ言いたいことはたくさんあるんだが。 
(efゲーム版にはあれだけ冷淡だったのにな、俺)

唐突だが、眠いので、今日の話はここまで。


あ、次はきちんとFateネタに戻る方向で、調整中。


※・あとは何より、本編よりもファンディスクの方が、鈴たんの不幸度が低いというか、不幸の度合いが抑えられているから。鈴と千尋の共通点と言うか、俺のツボというか、「幸せでない女の子がいるのが嫌なんだ、だから彼女は幸せにならなきゃいけないんだ」、という辺りで、やっぱ、彼女にやられたっぽい、俺。