「鍵泥棒のメソッド」をBSでやっていたので何の予備知識もなく観ました。
大好きな俳優の香川照之が出ているようなので面白いかな…と。
この映画は2012年公開の映画です。
映画の題名は観終わった後からでもちょっとピンときませんねえ…。
主演は堺雅人ですが、やはり完全に香川照之が食ってましたね!
私は観ていないのですが、今話題らしい半沢直樹シリーズの原点になった映画だとか?
予想以上に面白かったです!
堺雅人演じる貧乏な役者志望の男と、金持ちそうな謎の男が銭湯での事故で入れ替わることに。
貧乏男は金持ち男が気絶しているのをいいことに、彼のロッカーのカギと自分のカギを入れ替えて金持ちになりすますことに…。
まあ、そういう入れ替わりの映画ってたくさんありますよね!
貧乏と金持ちの映画ではエディ・マーフィーとダン・エイクロイドが演じた「大逆転」(1983年)はとても面白かったです。
最近では「君の名は。」(2016年)が話題になりましたね!
「転校生」というのもありました。
この映画で香川照之が堺雅人を食っていたというのは、彼は実質一人三役こなしていたからです。
高級車に乗った謎の殺し屋。
記憶を失って自分を貧乏役者と思い込み、必死に努力する男。
そして、もう一人の本当の彼。
それを見事に演じ分けていたと思います。
さすがの名優です。
努力をする男に惹かれるちょっとだけ婚期を逃して結婚願望を強く持っている女性を広末涼子が好演していました。
出てくる大道具、小道具もなかなかシャレてました。
貧乏役者が住むアパートはよく探したな…と思える本気のボロアパート。
金持ち男が乗るクライスラー300C。
分かりやすいメルセデスとかに敢えてせず、乗ってるのが謎の殺し屋ですから、車種はわかりにくいけど高そうなクルマにしたのでしょう。
ベートーヴェンの弦楽四重奏第14番やピアノソナタ31番も効果的に使われていました。
広末涼子のお父さんのタンノイのスピーカーを始めとしたオーディオシステムもアンプ類の機種まではわかりませんでしたが、かなりよさげでした。
そして「胸キュン」の効果音の使い方。
そういうところに制作者のセンスを感じました。
最後、クライスラーは電柱にぶつかってしまいますが、ほんとはきっと壊していないと思います。
泥臭い暗黒方面の方に行くストーリーかと思ったら実はそうでもなく…で、柔らかく明るめに仕上げられていて観終わって満足感の残る映画でした。
監督、脚本の内田けんじさん、なかなか凄腕ですね!
ちょっと、注目です。