2017年10月23日

ハイドンの弦楽四重奏曲をすべて聴きます一日ひとつ【1】1番~12番

10/11
いつか、スカルラッティのソナタを一日5曲聴いていくことにしたと書いたけど、150くらいでなんとなくやめた。聴くとおもしろいんだけど、聴かなくてもいい感じになってきた。

そんで、懲りずに今度はハイドンの弦楽四重奏曲を一番から聴こうと考えて一番を聴いた。一日一曲。続くようになんか考えたい。

"J. Haydn - Hob III:1 - String Quartet Op. 1 No. 1 in B flat major"
https://t.co/KctuC6hDS8

これをアップしてる人、ほかにもモーツァルトをケッヘル番号順に1から626までまとめた再生リストを作っていたり、ヨーゼフ・ハイドンの弟ミヒャエル・ハイドンの交響曲全曲をアップしてたり、徹底的な仕事をしている。興奮する。
ハイドンの弦楽四重奏がまとまってる、バリトン・トリオもピアノ三重奏もまとまってる、興奮する。



今日からハイドンの四重奏曲83曲を一日一曲聴いていけば来年はじめくらいに終わる。やってみよう。




10/12
ハイドンの四重奏を一日一曲聴いていくやつ、感想をつけてみる。

昨日の第1番はデアゴスティーニの「ザ・クラシック・コレクション」で聴いたことがあった。「狩」というタイトルがある。8分の6拍子のリズムが狩をあらわすというクラシック音楽の教養というかアレがあるのを思い出した。
モーツァルトの弦楽四重奏の17番も「狩」で、そっちのほうが有名だ。ピアノだとブルクミュラーの練習曲にも8分の6拍子の「狩」がある。


第2番。これは初めて聴いた。っていうか、このあとは有名な「セレナード」を含む17番(偽作)までは知らない四重奏がつづく。

5楽章構成で2楽章4楽章がメヌエットになっている。1番も5楽章だったな。ハイドンが変わったことをやってるのか、まだ形式が定まってないのか。
ちょっと調べたら、12番まで5楽章構成でやっている。

手元の音楽事典では1755-1760年の成立になっているが、YouTubeの説明では1751年になっていた。けっこう違う。

第2番の感想としては、三楽章のアダージョが美しかった。よく歌っている。全員ピチカートになってしめくくるの、いいね。五楽章はユニゾンばかりやっている。




10/13
"J. Haydn - Hob III:3 - String Quartet Op. 1 No. 3 in D major" https://t.co/88RmJnTRo5

ハイドンの弦楽四重奏曲を一日一曲聴いていくシリーズ。
第三番。アダージョ→メヌエット→スケルツォ→メヌエット→プレストという五楽章構成。

途中で悲痛な表情になるアダージョがいい。スケルツォは表情豊か。四楽章のメヌエットのトリオ部分がはスケールでできていておもしろい。
フィナーレは何かひっかき回しているような音楽で、すぐに終わる。グリッサンドっていうんだっけ、素早く上昇する音型が多用されている。
スケルツォというとベートーヴェン以降のイメージが強いが、ハイドンのだっておもしろい。



10/14
"J. Haydn - Hob III:4 - String Quartet Op. 1 No. 4 in G major"
https://t.co/AZtfecwF5I

ハイドンの弦楽四重奏曲第四番を聴いた。プレスト→メヌエット→アダージョ→メヌエット→プレスト。
特に変わったところはない。四楽章のメヌエットが堂々としている。聴きどころはアダージョ。

15年くらい前、モーツァルト関連の本だったと思うんだけど「音楽は緩徐楽章が一番いいのであって他の楽章は緩徐楽章のためにある」というような文章を読んだことがある。いいや逆だろう! とその時は思ったが、そういうこともあるかなと今になって感じはじめた。



10/15
"J. Haydn - Hob III:5 - String Quartet Op. 1 No. 5 in B flat major"
https://t.co/3Zkyop4aj0

ハイドンの弦楽四重奏曲第五番を聴いた。アレグロ→アンダンテ→アレグロの三楽章でできている。メヌエットがない。
一楽章は歯切れがよく活発で、ハイドンのアレグロのいいところが出ている。三楽章は「無窮動」というほどではないが細かい音が動きまわっている。




10/16
"J. Haydn - Hob III:6 - String Quartet Op. 1 No. 6 in C major"
https://t.co/e8TbICWwoi

ハイドンの弦楽四重奏曲第六番を聴いた。作品1の最後となる。プレスト→メヌエット→アダージョ→メヌエット→アレグロ。
第一楽章がアウフタクトのついた8分の6拍子なのは第一番の「狩」に合わせているのか。三楽章は終始ピチカートにささえられたヴァイオリンの独奏でやや単調。
と思ったら四楽章メヌエットの主部は、チェロの支えでほかの三人がユニゾンになっている。ほう。四人のハーモニーが聴きたくなる。両端楽章はあっさりと終わる。



10/17
"J. Haydn - Hob III:7 - String Quartet Op. 2 No. 1 in A major"
https://t.co/e1didNz6tv

ハイドンの弦楽四重奏曲第7番を聴いた。ここから作品2になる。
急に演奏の感じが変わって驚いた。見たら今までと別の演奏者になっている。奏法が違うのだろうか、強弱の差が大きくてなめらかだ。雄弁だ。



10/18
"J. Haydn - Hob III:8 - String Quartet Op. 2 No. 2 in E major"
https://t.co/qlxNeKFn5g
ハイドンの弦楽四重奏曲第八番。
うーんやはり一番いいのは緩徐楽章で、メロディをよく受け渡しているのが特徴。



10/19
"J. Haydn - Hob III:9 - String Quartet Op. 2 No. 3 in E flat major"
https://t.co/E653CejpdX

ハイドンの弦楽四重奏曲第九番を聴いた。
両端楽章、とくにフィナーレがよかった。今までのフィナーレはあれよあれよと忙しく終わってしまっていたが、これは聴ける曲だった。



10/20
"J. Haydn - Hob III:10 - String Quartet Op. 2 No. 4 in F major"
https://t.co/CfmyfTUIFc
ハイドンの弦楽四重奏曲第10番を聴いた。

二楽章は下降音型ばかりでできているメヌエット。下降だけでつくることもできそうだが少し上昇もするあたりが、ハイドンのほどほどの遊び心か。
三楽章は短調。短調の楽章は初めて出てきた。ドラクエで全滅したら流れそうな内容。
四楽章は前の楽章から一転して、スタッカートの多いメヌエット。
フィナーレはシンコペーションするうきうきしたアレグロ。なんというんだか忘れたがジグザグした音型が楽しい。
充実した一曲。



10/21
"J. Haydn - Hob III:11 - String Quartet Op. 2 No. 5 in D major" https://youtu.be/zSBhG8hrr8k


ハイドンの弦楽四重奏曲第11番を聴いた。1楽章が2分のプレストで、あっという間におわる。3楽章は意表をつく和音進行が出てくる。ひらひらした細かい音型も特徴があるラルゴ。「ラルゴ」はハイドンの弦楽四重奏では初登場。



10/22
"J. Haydn - Hob III:12 - String Quartet Op. 2 No. 6 in B flat major" https://t.co/qB83vyapLE

ハイドンの弦楽四重奏曲第12番を聴いた。これで作品2は終わり。バロックや古典派の時代の器楽曲というのは6曲をひとつのセットにするということがあるが、これもそうなっている。

変奏曲→メヌエット→スケルツォ→メヌエット→プレストの五つの楽章からなる。
変奏曲はゆっとりした主題をもつ。緩徐楽章が無いのでバランスをとっているのだろう。
2楽章のメヌエットは、主部は重音奏法、中間部は三連符に特徴がある。
スケルツォは運動会みたいな曲。

このころのハイドンは緩徐楽章のかわりにスケルツォを入れているが、ベートーヴェンはメヌエットのかわりにスケルツォを入れたわけで、この差は興味深い。




【続く予定】


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2017年10月21日

「かりん」2017年9月号を読む  ●「かりん賞」「かりん力作賞」発表

「かりん」2017年9月号を読みました。「かりん賞」の発表号です。

以前、コスモス賞発表号の「コスモス」や、短歌人賞発表号の「短歌人」を見ましたが、そのシリーズです。そうしてみるとオレが結社賞大好きな人みたいですね。

参考
「短歌人」2017年1月号を読む  ~電車の手すりぺろりなめたり、ほか
https://t.co/IUvv6eHXLa

「コスモス」2017年9月号を読んだ

https://t.co/aouS435shY



では「かりん賞」から。

赤づきんちやんに誘ひ出されて討たれたるオホカミのことを涙して聞く/上條素山「あまみづを吸ふ」
→「かりん賞」受賞作から。
ほんとにそんなことで涙したのかなあと疑いを感じるが、書いてあるとおりだとしたらおもしろい感じかただ。啄木が蟹とたわむれて泣く有名な歌を思い出す。



骨壺の大腿骨美しあなたむかしジュリアナの扇子見せてくれたね/古田香里
→候補作。「美し」は「はし」と読ませるのだろう。「あなた」は遠めだが「くれたね」は近い。距離が前後するがそこがいい。
「ジュリアナの扇子」もすっかり昔のものになった。大腿骨から、かつての踊る足を思い出したのだろうか。



「かりん賞」は受賞者の作品だけたくさん載り、次席や候補は1-2首の抜粋と評が出る。選考座談会はなく、1ページ半の「選考経過」にコンパクトにまとめられる。馬場あき子さん岩田正さん他が選考するが、誰がどの作品を推したのかはわからないようになっている。

「かりん賞」のあとに「かりん力作賞」がある。ベテランらしい作品が並ぶので、対象とする欄で区別される、塔新人賞と塔短歌会賞みたいな関係なのかもしれない。

「バニラ歯科」と「まりも整骨院」のあいだ抜け生徒は秘密の通学路ゆく/愛川弘文「スナフキンの口笛」
→「かりん力作賞」は二人だが、この方の作品が素晴らしかった。
バニラと歯科は合わないし、まりもと骨も合わない。幻想っぽい名前だ。いや、無いとはいいきれない。虚実のはざまを子供がこっそり抜けてゆく。



嵌(は)め殺しという物騒な窓いくつかは我にもありて人は遠ざく/愛川弘文「スナフキンの口笛」



つけまつげ翼のように羽ばたかせ「志願理由書」見てくれと言う/愛川弘文「スナフキンの口笛」

→つけまつげが翼というのは、ありふれた比喩のようで、いやそうでもないような。「羽ばたかせ」まで言ったことで別の生き物のようになってくる。どんな「志願理由書」なのやら心配になる。

通学路の歌もあったが、作者は高校教諭ということだ。ほかに、使用済み避妊具が廊下に落ちてる歌なども印象にのこった。



賞のことはここまで。ほかの作品からも引いていく。



これはおまへだと、向かうから白服の傷痍軍人がやつてくる/浦河奈々



「無題」とふタイトルを付す絵の前に佇むわれを過ぎるひとあまた/吉岡健児

→絵の中身には一切ふれられない。画家も語らず「われ」も語らない。自分だけがその絵に引きつけられている。彼ひとりのためにそっと描かれたかのようだ。



小池百合子宮本百合子武田百合子庭の白百合の蕾は三十余/竹内加代子
→変な歌! 「白百合」を導くために序詞的に三人の百合子が出てきたのか、と思ったら「三十余」の蕾がある。だからあと二十何人かの百合子があいだに省略されている……?




ことごとく忘れて消えてただひとつある思い出が心にのこる/岩田正

「はまなすが咲く頃」「はまなすが咲く頃」そこから先の消ゆる知床
話せなくなれども歌はよみがへる不思議な母が歌ふ知床
酸素マスクの中に歌はれ知床の岬は深き霧の中なり
/川野里子

→ひとつの思い出だけが残ると岩田さんは詠む。川野さんの作品のなかの「知床旅情」も、そういうたったひとつの歌なのではないか。



大はずれも大当たりもないあんぱんのつやつやしたる表面を割る/遠藤由季






以上です。んじゃまた。





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2017年10月20日

「なんたる星」2017年8月号を読んだ

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「なんたる星」の2017年8月号を今になって読んだ。
「わりと短歌が好きな人たち」と書いてある。客観的だ。ほんとに「わりと」なのか。謙遜だったり羞恥心だったりするのか。


作品のところでは丸つけた歌は今回は無し。つまらないわけではないよ。

オレが古い人だから新しい面白さはわからなくなっていくのかもしれないということを時々考える。時間はどんどん流れていって、オレはいつまでもやわらかい感性をもっているわけではなく、いつまでも生きてはいない。
でもそんなことで悲観していてはいけない。




「戦評」見て、みんないい歌を知ってるんだなーと思った。どこでいったいそんな面白い歌を!
ちょっと孫引きする。

ピーマンのなかに涼しい部屋があることを考えている日盛り/原田彩加


虚無僧はかごがぐらぐらゆれるからあんまり早く走れないはず/雪舟えま


プリクラでファック・ユーのポーズとる低所得者の女ふたりで/やまだわるいこ

「わるいこ」ってすごい名前だ。本名がもし「よしこ」だったとしたら、そしてもしそれを知ることがあったとしたら、その瞬間どんな気持ちになるだろうと妄想する。それはオレが「よしお」だからなのか。

でも「やまだ」だったら「よしこ」じゃない気がするね。どうして、ってことはないけど。
「やまだ」ですらないかもしれない。オレは「山本」で始まる筆名の人を二人知ってるが、ふたりとも本名が山本じゃないと聞いた。
作品と関係なく、そんなことを考えた。

作品のことを言うなら、つよい言葉であるはずの「ファック・ユー」が「プリクラ」や「低所得者」で弱められている、その弱められっぷりを味わう歌なのだと読んだ。



以上です。
んじゃまた。



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mk7911 at 09:26|PermalinkComments(0)なんたる星 

2017年10月18日

谷とも子『やはらかい水』を読む  ~抱かれることを嫌ひなままで、ほか

231dbbc1.jpg













比較的新しい歌集を今回はとりあげます。

谷とも子さんの『やはらかい水』。現代短歌社。2017年8月。
1ページ2首で約160ページ。
谷さんは未来短歌会の「夏韻集」(大辻隆弘さんの選歌欄)に所属している方です。



涙して日曜美術館を観るさういふところを猫は見てをり/谷とも子『やはらかい水』



木の影とわたしの影のまじりあひとても無口な道となりたり/谷とも子『やはらかい水』



つよい陽が空き地のふかい轍までのびてゆくのを見てゐるだけの/谷とも子『やはらかい水』

→あとに何か続きそうな終わりかたをしていて、ひろがりがある。
ひらがなへのひらき方を見ていると、「つよい」「ふかい」「のびて」といった種類の言葉がひらがなにされている。



木とわたし話すことなどもう無くて霧にからだを湿らせてをり/谷とも子『やはらかい水』
→「話すことなどもう無くて」に、木との親しみが感じられる。これを見たあとでさっきの木の影の歌を見ると、影をかさねることも木との親しい関わり方のようだ。



暗がりの杉の林のしづけさに紛れるうちに影を失ふ/谷とも子『やはらかい水』
→これも木と影の歌で、「しづけさ」もある。「影を失ふ」はこわいことのようでもあるが、それだけではないんじゃないか。木と自分の一体化でもあると読んだ。



雲のむかうに茜はありてうつすらと肩あからめる人たちのゆく/谷とも子『やはらかい水』
→雲の向こうから、地上を歩く人までをとらえた、奥ゆきのある歌。



もりあがる根に躓いて出た声を山は覚えてくれたかどうか/谷とも子『やはらかい水』



息とこゑ同時に吐いて猫は逝く抱かれることを嫌ひなままで/谷とも子『やはらかい水』

→最初に猫の歌を引いて、最後にまた猫の歌を引く。日曜美術館を見て涙しているところを見ていたのと同じ猫として読んだ。下の句に猫の生きざまがある。


以上です。
んじゃまた。



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mk7911 at 11:37|PermalinkComments(0)歌集の感想 

2017年10月16日

毎日新聞と読売新聞(2017.10.16)に短歌が掲載されました

今日は毎日新聞と読売新聞に短歌が掲載されました。



毎日新聞 毎日歌壇 加藤治郎選

マネキンにつるつるあたまよく似合うのっぺらぼうとはだかも似合う/工藤吉生



読売新聞 読売歌壇 俵万智選

引っ越しのトラック停まっている家を出てきて家具が浴びる太陽/工藤吉生






どちらも五首目に載りました。真ん中です。

毎日歌壇は一ヶ月ぶり、
読売歌壇は二ヶ月ぶり、
一日にふたつの新聞に短歌が載るのは八ヶ月ぶり。


新聞に載るとうれしくなるんですが、ふたつに載ると二倍気分がよくなります。

読売と毎日のふたつの新聞歌壇を見ていると、自分以外にも両方の新聞に載ってる方が二人かそれ以上います。特に野上さんと小杉さんはどちらの新聞でも隣り合って掲載されています。仲良しであるかのようです。
みなさんがんばりますねえ。



マネキンの歌は自分でもなかなかいいと思います。



うれしいのでバスタ屋でペペロンチーノを食べました。



新聞に載った短歌のまとめはこちら。
http://t.co/6IYOFlvBhk




以上です。
んじゃまた。

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mk7911 at 21:39|PermalinkComments(0)新聞歌壇 

2017年10月15日

五島美代子『そらなり』を読む  ~とてつもなくさわがしい夢、ほか

50ba6762.jpg













歌集。五島美代子の『そらなり』を詠読む。短歌新聞社からでている「現代歌人叢書」というシリーズ。自選で500首くらい入っている。



人気(ひとけ)なき大仏殿の中(なか)にして子を呼びしわが声におどろく/五島美代子



あぶないものばかり持ちたがる子の手から次次にものをとり上げてふつと寂し/五島美代子



病む秋の庭に散らばるどんぐりの実とてつもなくさわがしい夢ばかり見る/五島美代子

→夢がさわがしいのは病のせいかもしれないが、庭のどんぐりの実まで出てきている。こうなると、どんぐりの実ととてつもないさわがしさが、関係しているような、していないような、妙な感じになり面白味がある。



わが子よこの家(いへ)のなかにある不合理はほんの世の中の一部分なのだよ/五島美代子



重態を悟らせじと作りしゑがほがそのまま脱げぬ面(めん)となりしか/五島美代子



ひらき見るわが手のなかに何もなし当然の如く草木枯れゐて/五島美代子

→「当然の如く」は上の句にも言える。なにも持ってない自分と、枯れてゆく草木。流れる時をどうすることもできない。



空が美しいだけでも生きてゐられると子に言ひし日ありき子の在りし日に/五島美代子

空の美しいのも子が生きてゐてこそとかの日言はざりしゆゑ子に死なれしか/五島美代子

→「長女ひとみ急逝」とあるところから二首。定型を大きくはみだしながらも七七でおさめている。
空を見てもなぐさめられぬ悲しみのなかにある。



灯を消せばわれをめぐりて亡き子あり風もかすかに室にかよひて/五島美代子



涙ためて栗の実ひとつとられじとせしをさな日のよみがへりつつ/五島美代子

→こういう歌はつらい。思い出して悲しくなる。現在から見ればしょうもないことに、そのころは泣いたりわめいたりしていた。



抱きしめて手の内にありとおもふ児(こ)は掌(て)のなかにして面がはりする/五島美代子



意地悪ぢいさんにも小判を上げればいいのにと絵本を見つつをさな児はいふ/五島美代子




印つけた歌は以上。
五島美代子は「心の花」の人だ。川田順からの「母性愛の歌によって、前人未踏の地へ健やかに第一歩を踏み入れた」という言葉がよく知られているんだそうだ。


むずかしくなくて読みやすかったし、いい歌が多かった。よかった。
以上です。
んじゃまた。



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2017年7-9月の歌まとめ・20首
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最近読んだ戦争関連本11冊を5段階評価する|mk7911|note(ノート)https://t.co/mymQd04Grj


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mk7911 at 11:21|PermalinkComments(0)歌集の感想 

2017年10月13日

【近況】▼にゃんこスター▼アイドル妄想漫画▼結社をつづけるむずかしさ▼ほか

2dc07e52.jpg













九月末から十月上旬までに、オレが見たもの読んだものをまとめた記事です。

▼にゃんこスターとキングオブコント
▼古泉智浩「アイドルヲタ長谷川大介のバッド・キャンディ」
▼ヒトラー演説
▼ホロコースト
▼心霊ドキュメンタリー
▼落書き
▼結社をつづけるむずかしさ

といったメニューでお送りします。





▼にゃんこスターとキングオブコント

キングオブコントを最後のほうから見た。ツイッターのタイムラインが「にゃんこスター」ばかりだったのが気になってきたから。

決まりがあるんだけど決まりじゃないやり方でやって、それにはじめは違和感があるんだけどそれが良くなってくると。普通は取れないようなどえらいものを取れちゃうんだけどすぐ捨てちゃって、かわいさ楽しさで押しまくって寄りきる。オレが見たにゃんこスターはそんな感じ。

神様の縄跳びとか神様のフラフープをもらったら、オレはありがたがって大事にするほうだなと思った。
そのまえに、縄跳びなりフラフープを手離しもしないだろうな。

もってる縄跳びを投げ捨てるのが新しくて楽しくて強いことになるとする。そうすると次は投げ捨てないで使い続けるほうが新しくなる。きっとその交互の繰り返しなんだ。

なんか考えちゃうんだよね。なわとびの縄は縛るもので、フラフープの輪は閉じている。それを短歌定型や短歌の内輪の問題に重ねてしまう。

にゃんこスターはキングオブコントで優勝をのがした。
審査員っていうのは「神さまの縄跳び」をあげる側にいるわけで、それをすぐぶん投げるかもしれない人たちにはあげられない。ぶん投げられていいという選考委員も世の中にはいるだろうが、このコンテストにはいなさそうだしいなかった。

輝かしいし楽しいし圧倒的なんだけど、遠いな、っておもった。いい映画見たあとによく「それに比べて自分は小さくてしょうもないやつだ」って思うんだけど、それだった。
「すごい」と「快」が結びつかないときがある。


それにしても、さまぁ~ずとバナナマンと松本人志ってことは、審査員は実質三人じゃない? 長年やってるコンビってことは、役割のちがいはあれど同じコントをやってきたんだからさ。同じ作品の作者なんだからさ。片方いれば充分なのでは? 
全員中年で、全員男性で、全員二人組というのは偏ってるんじゃないの? 点数や意見がまっぷたつに割れたらおもしろいのに。
M1グランプリの立川談志や、ものまね王座決定戦の淡谷のり子のことを思い出している。



▼古泉智浩「アイドルヲタ長谷川大介のバッド・キャンディ」

https://twitter.com/koizumi69/status/912883726161371137
このご時勢では単行本化不可能と言われたアイドル妄想漫画が、ほぼ全ての人物名を伏字で電子書籍となりました!!→ 古泉智浩 『アイドルヲタ長谷川大介のバッド・キャンディ』 https://t.co/1WlKjC4PNE



というのを買って読んだ。500円くらい。
「長谷川大介のバッド・キャンディ」には小粒な話がいっぱい入っている。どの話を見ても長谷川がアイドルとの関係でいいポジションにいるのがおもしろい。どのアイドルの近くにもいる。ジョブズとまで仲がいいのを見て笑ってしまった。仲良くなるような要素がないのに、当たり前のように仲良くしている。
自分勝手な妄想でも、ここまでやると立派だ。

妄想ってけっこうむずかしいと思うんだよ。頭の中だったらなんでも自分によいように考えていい、とわかっててもすぐ自制のブレーキがかかってしまう。この作品は走りきっている。拍手。
オチの弱い作品もあって玉石混淆だけど、楽しい一冊。



▼ヒトラー演説

高田博行『ヒトラー演説』読みおわった。

演説にレトリックがあることを知った。平行法、対比法、漸層法、マイナスイメージの言葉を別の表現に言いかえる「婉曲語法」、「頭韻法」など。

また、演説がこんなに分析されてるところを初めて見た。よく使われる言葉の時期ごとの変化、言葉とジェスチャーの関連、音の高さの変化。
ラジオとの関連。演説を聞くのが義務になったこと、海外の放送を聞くのが禁止になったこと。ナチはすぐ義務と禁止で縛ろうとする。

演説と関係ないが、パン屋のパンに「パンを持てるのは総統のおかげ」と書かれたシールを貼るのが義務づけられた話にぎょっとした。

チャップリンの「独裁者」のラストの演説のレトリックを指摘しているところがおもしろかった。主張は違うのにレトリックは寄せている。
そんなところまでパクっていたとは。見事。



▼ホロコースト

芝健介『ホロコースト』160ページまで。ナチのもとでユダヤ人がどうなっていったのかを書いている本。
追放、隔離、虐殺。
苦しめているはずのナチまでもが徐々にユダヤ人によって苦しみはじめているように見える。隔離する場所をつくるのに苦しみ、殺した者はトラウマを持つ。誰も得しない。まったく愚かだ。

ゲットーのなかにユダヤ人による支配があったのを知った。その代表、ルムコフスキという人の写真はインパクトがある。見いってしまった。

終盤はだんだん場所と数字と実行者の羅列になってきて、心を動かされなくなってきた。何万人を殺害したというのが何度も出てくる。
220キロを休みなく歩かせたとか、一日に20グラムのラードしか与えなかったとか、想像がむずかしいくらいの惨状だ。

ホロコーストの全貌をさぐる研究は今なお続いているそうだ。



▼心霊ドキュメンタリー

はじめてGoogleplayで映画というか映像作品をレンタルした。「not found」っていう心霊ドキュメンタリーみたいなシリーズが昨日から気になっていて、それをひとつ。300円で。

ネットから削除されて見れなくなった動画を追いかけるというやつ。現代のホラーだなあ。

「本当にあった!呪いのビデオ」も興味ある。二本くらいしかまともに見てない。

ドキュメンタリーがいいんだよな。
「隅に顔みたいなのが映ってましたキャー」で終わりにしないで、映ってた人が不幸になったとか、撮影者が変わった人だったとか、そっちまで怖さを広げていくの。



▼落書き

近所の政治家のポスターに激しく落書きされていた。

実質死刑囚
ツイッター@(ID)
確認してもらえば
わかります


って黒いペンで書いてあった




▼結社をつづけるむずかしさ

最後に短歌の話。

未来の九月号を読みはじめた。そしたら振り込み用紙を見つけた。ああ、思い出した。支払わなきゃな。
結社の振り込み用紙を見るたびに、支払わずにやめちゃおうかと一瞬思う。でも今回はやめるわけにいかない理由がある。

半年ごとにやめちゃおうかと「一瞬」思ってきたが、ふとしたことで「首輪がはまる」ようなこともある。



五年前の「未来」を見て、人のうつりかわりを見た。
五年前の「彗星集」の会員52人のうち、今も彗星集にいるのは12人。
17人は無選歌欄「ニューアトランティスopera」に移動している。
22人は出詠していない。
1人はほかの欄に移った。

つまり、5年のあいだに4割弱の会員が誌面から消えている。名前を変えて続けている人もいるのかもしれないが。
結社を五年続けるというのは大変なことだ。






▼▼▼



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2017年10月12日

高田ほのか『ライナスの毛布』を読む  ~ひんやりあたる傘の骨、ほか

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高田ほのかさんの『ライナスの毛布』という歌集を読みました。
書肆侃侃房。2017年9月。「ユニヴェール」の歌集を読むのは初めて。新鋭短歌シリーズと中の感じは変わらない。



はじめに大きな連作がある。三人の登場人物がいて物語がある。良いかなとおもった一首を引く。

それはスキップの直前みたいなくちづけで回れまわれよメリーゴーランド/高田ほのか『ライナスの毛布』
→甘いのを選んだつもりはないんだけど、あらためて見ると「スキップ」「くちづけ」「メリーゴーランド」と糖分多めな歌だ。
「スキップの直前みたいなくちづけ」というのがおもしろいかなと思って丸つけた。くちづけによって弾みがついて、回りだしたのだ。

「~だわ」「~ね」「~なの」って口調が苦手だし、世界観というのか、全体的な空気が合わなかった。



りぼんから別マに移る春のなか膨らまないよううつ伏せ寝する/高田ほのか『ライナスの毛布』
→「りぼんから別マに移る」におぼえがある。かつて、うちの妹が「りぼん」で、母が「別マ」だった。オレはコロコロからジャンプに移ったけど、そんな感じか。

この歌は「膨らまないよう」が何を指しているのかわからない。漫画が厚いことや付録でふくらむことと関係あるのか、年齢や身体と関係あるのか。



オレは、少女漫画は四コマやギャグ漫画をよく読んでたな。『りぼん』だったら「ちびまる子ちゃん」「こいつら100%伝説」「たんぽぽたん」「てこてこはこべ」で、『マーガレット』だと「ギンギラちかちゃん」「まんまるハイスクール」。
『なかよし』や『ぶ~け』も少し読んでた。

けどさ、ギャグ漫画だけ選んで読んでたっていうのはつまり、オレが少女漫画にほぼ理解がないっていうことを示してもいるんだと思うよ。池野恋も柊あおいも矢沢あいも、全くおもしろそうに見えなくて避けていたわけだからさ。今読めばちがうかもしれないけど……。

オレと少女漫画の接点の話をしたけども、この歌集には少女漫画を短歌で表現したパートがある。わかる人にはおもしろいんだろうな。
オレが読んでた「ねこねこ幻想曲」も「うさぎ月夜に星の船」も「きんぎょ注意報」もないし、ズレがあった。こういうのは、ピンポイントで当たると楽しいんだよな。当たってないと、元ネタありきの歌は避けたくなる。
オレが一時やってた「ドラゴンクエスト短歌」 https://matome.naver.jp/m/odai/2137807984614954201 もそうだな。
オレは元々「ドラえもん短歌」から短歌に入ってきたくらいだし、試みとしてはよくわかる。




そのほかの歌。

首筋にひんやりあたる傘の骨気づかぬうちに傷ついている/高田ほのか『ライナスの毛布』
→首筋に傘の骨があたるっていうところに感じがでている。
「気づかぬ」と「傷ついて」で音を合わせようとしたのかもしれないけど、有名な短歌ですでにそういう歌があるのでそこは加点できない。
気づくとは傷つくことだ 刺青のごとく言葉を胸に刻んで/枡野浩一『ショートソング』(集英社文庫)収録作



ありえない駅の読み方教わって緑深まるあなたの故郷/高田ほのか『ライナスの毛布』
→地名と出会ったり、読み方を知ることでひらけてくるものがある。「あなた」にも一歩近づく気持ちがしたんじゃないだろうかと、想像してみる。



そんな感じでした。
ある年代の少女漫画を好きな方にはおもしろい歌集なのではないでしょうか。
というのはつまり、ターゲットに入っていないオレには、申し訳ないんですがおもしろさがわからなかったということです。
同じく短歌をやってるとか、同じ結社にいるとか、そういうことで良い読者になれるとは限らないんですね。この人はこういうことをやってるんだなと知るための名刺にはなりますけれども。

少女漫画を愛好する人が楽しめる内容の歌集だと思いますし、オレみたいな歌人じゃなくて少女漫画の読者に読まれるのがこの歌集にとっての幸福なのだと思います。そうした人々に届くとよいですね。



おわります。
んじゃまた。




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mk7911 at 21:16|PermalinkComments(0)歌集の感想 

2017年10月10日

猫十首

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「猫十首」


固そうにキャットフードを食う猫だテトラポッドをかじるみたいだ

百円のえんじ色したネクタイで猫にジャンプをしてもらう趣味

四本の足をのばして二十本の指をひらいて伸びをする猫

正しさによって猫背を直そうとする者もないネコ相手なら

神妙な顔して用を足す猫をしばし見つめる関心がある

オレたちが見ればかわいい猫だけどこの可愛さがネコにわかるか

眠ってる猫がねじれて世界から裏返ろうとするうるう秒

前足と肘の間を舐め耳に擦りつけ猫は清潔保つ

死んでいるネコが道路の隅にいて小学生のふたり駆け出す

猫耳をかぶせてみれば猫耳がとてもかわいいオレの弟


「未来」 2017年10月号掲載





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2017年10月07日

「短歌研究」2017年9月号を読む ●短歌研究新人賞発表

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「短歌研究」2017年9月号。8/21に出た本なので、およそ一ヶ月半が過ぎている。



白詰草の群れ咲くなかにころがりて小一時間を死者となりたり/藤島秀憲「ミステリー4 選」
→作品連載の四回目。四回目で「4」ということは、作品連載全体を通してひとつの作品になるような構想か。
詞書に「土曜日 四首」とある。金曜日三首、土曜日四首、日曜日五首とつづく。毎日つくっているのがわかる。



異なれるわれにならむとするごとく手首に繊(ほそ)き鎖まはしつ/横山未来子「なきごゑ」
→「繊き」で「ほそき」と読ませるが、「細」よりもよほどほそいものをあらわしているような気がする。
「つける」になりそうなところを「まはし」と工夫している。動きがでる。



原罪の重みに肩をゆがませてピアノを運ぶ男二人は/八木博信「夜」
→「世の中の苦しみをすべて背負ったような顔」という表現を聞いたことがあるが、とっても重そうに運んでいたんだろう。黒くて大きなピアノが原罪そのものに見えてくる。
原罪といえばアダムとイブだが、男二人であるところにも注目した。



嘘でいい 夢でいいから泣いてほしい それを宝石だと思いたい/馬場めぐみ「幻覚」



世のなべて少女とならばおそろしき少女のむかで、少女のみみず/水原紫苑「極光」



笛吹けば石投げらるる帝國の地下大いなる劇場ありき/水原紫苑「夏鳥」

→こわいなーと思った。「笛」「石」の小ささからの「大いなる劇場」。おもてでは禁止しながら、裏では自分達のために大いにやる。権力のもつ暗い一面だ。







それでここから短歌研究新人賞であります。ネプリやら何やらのときは期限があったのでかなり早くにやったんだけど、期限がないとこれくらいの遅れにもなる。


ほんたうの差別について語らへば徐々に湿つてゆく白いシャツ/小佐野彈「無垢な日本で」
→受賞作から。選考のなかで評価が上がっていったという。オレもそうで、選考会の様子を読んではじめて気づくことが多かった。色が多いこととか。
日本のどこなのか土地が分かるのは、なんとなく良いことのような気がする。



弁髪というのを初めて見ましたと宛先のないメールを打った/戸田響子「拾いながらゆく」
→メールって宛先を入れないと送れないものだ。送ったとは書かれていない。「打った」のだ。
ツイッターとかそういうのって、宛先のない言葉の受け皿なんだろうな。オレも別に「この歌がよかったんです」と特定の誰かに言いたい感じではない。ただ発したいのだ。
「弁髪」ってキン肉マンのモンゴルマンのイメージがものすごく強いなあ。本物は見たことない。



偽物のわたしは入れてもらえずに毎晩ドアの裏側にいる/木村友「木の根空の根」



人類を超えた知能は人類を超えてないふりしているだろう/井上閏日「無力力」

→納得。
人類を超えた知能は人類を滅ぼそうとしているような気がするけど、それも人類の考えることなんで、超えていてほしいな。



病もつ口のなかへとさっくりと入ってゆきぬ裸のりんご/詩穂「春の夜のプール」
→「裸のりんご」がよくて丸つけたが、「病もつ口」ってなんだろう。風邪とかの病人の口と読んだが、よく見たら口に関する病があるように見える。「さっくり」って噛んだときの音みたいだが、ここでは入ってゆくときの様子を示していて、そこも不思議な歌だ。表現の不備とも読めるが。



あきらめない人が私を追い抜いて満員列車に飛び乗ってゆく/目白しずか「解約」
→いいタイトルだな。
「追い抜いて」「飛び乗って」には追う、抜く、飛ぶ、乗るの四つの動きが含まれていて、あきらめない人は元気だ。自分のなかのあきらめが浮き彫りになっている。



好きじゃないひととつきあうともだちの千切りキャベツは端でつながる/道券はな
→人間関係もキャベツもよく切れてませんよということだ。「端でつながる」は言い得ている。



夕飯をビスケットにする山小屋の朝食べたのと同じビスケット/山本まとも
→「山小屋の朝」のさわやかなイメージが、夕飯を適当なもので済ます生活と、ビスケットでつながっている。



ゆめというゆめの密輸をみてしまう鍵のかかったテニスコートで/伊波慧
→「ゆめ」の繰り返しや「ゆめ」と「みつゆ」の音でのつながりだとかを味わいたい。
鍵のかかったテニスコートは無人じゃないか? でもそこに目撃者がいる。主体が人間なのかもあやしい。ゆめの密輸を見たのも、夢の中だったのか。



父という逃げ場なき身に豆浴びて淋しき鬼の面を取りけり/大野靖史


新人賞はそんな感じ。

そのあとに短歌年表がある。こういうのを見ると、オレは短歌史に残るほどのことを何一つやってねえなと思う。



以上です。



オレは佳作5首でした。そのときの思いはすでにこのブログに書いています。
2017年の短歌研究新人賞の「佳作」という結果をオレが自分のなかでどう受け止めたかを書く
http://blog.livedoor.jp/mk7911/archives/52198060.html




んじゃまた。


▼▼▼



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短歌パトロール日誌【最終回】|mk7911|note(ノート)
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