2016年07月01日

たまご豆腐にオレの短歌が!!

こんなことがあった。


https://twitter.com/tankana/status/748463656631885825




Screenshot_2016-06-30-20-09-13





檀可南子さんのツイートと写真。



びっくり!!!



「万葉の里 あなたを想う恋のうた」YouTube動画で講評をいただきました : ▼存在しない何かへの憧れ https://t.co/NyJW4YjtPH
この短歌の詳細です。賞金もらって、賞状もらって、作品集に載って、大会での講評がYouTubeにアップされて、そのうえ豆腐にまで!!

あと何年かするとこの大会の入賞作品集が書籍にもなるようなので、そこにも載るのでしょう。ありがたいですね。



そういえばこの短歌大会、見たことないような種類の誓約書を書かされたなあ。
だいたいこういうコンテストって、入賞作品の権利が主催者に帰属するって約束になっているものだ。実際にこうして使われてみると、面白いからどんどんやってくれと思う。(知らせてくれるともっとありがたいけども)


あと、入賞した感想を書くための400字詰め原稿用紙が送られてきたりもしたのだった。こんなコンテストは初めて。まあ書いたけどさ。
変わった大会だなあと思ってはいたのよ。でも、こうくるとは思わないよねえ。



調べた。2005年にも、たまご豆腐に短歌が書かれていたらしい。
https://t.co/AkiyYyMLKh



本当にたまご豆腐だけなのかなあ。気になる。


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2016年06月30日

「みずつき5」を読む  ~夢のなかまでりうりうと、ほか

「みずつき5」を読む。

ツイッターで短歌をやってる人達(いわゆる「短歌クラスタ」)を中心とした、「水」がテーマの合同歌集であります。
もっとくわしく知りたい方は、こはぎさんのブログをどうぞ。
http://kohagi-orz.jugem.jp/?eid=2325




わたくしの夢のなかまでりうりうと真夜中色の雨は降りをり/有村桔梗「みを」
→雨のオノマトペとして「りうりう」はユニーク。どんな雨か、わかりそうでわからない。夢の中に降る雨だから、実際のとはちがう降り方なのかなあ。
「真夜中色」もそう。黒とも違う色なのだろう。立ち止まらせる表現がある。


閉じられた二指の間をこじあけて夏へと誘うビーチサンダル/うさうらら「水圧」
→なるほど、夏の海の解放感のいくらかは足の指がひらいてることによるのかもしれないな。
細かいところから夏のさわやかさを引き出した。


異国から持ち帰られたノオトには雨粒ばかり記されていた/河野瑤「まだ雨を探している」
→雨粒を言語とする国があるかのようで幻想的だ。「ノオト」の表記も異世界を感じさせる。
ただ一連全体を見ると「プチ○○」とか「ストリートビュー」といったカタカナ語もあり、雰囲気がばらけている。


少しくらいわたしの話も聞いてくれ一級河川は名前だけかよ/福山桃歌「川のある街」
→とんでもない八つ当たりで、突き抜けていた。
一連全体を見ると川を大切にしていることがわかる。


まだだれもしらない雨のはじまりを運命線にうけるてのひら/ゆき「みづのうた」
→これからの運命を左右する雨だというのか。なにか起きそうでドキドキした。


言えたかもしれない言葉あったかもしれないあの日 雨がやまない/吉川みほ「水の中から」
→「かもしれない」の繰り返しから、終わったことを思い悩んでいるのがよくわかる。やまない雨は心理的なものでもあるだろう。








オレの出した短歌はつぎの通り。



工藤吉生「泉ヶ池のことなど」


泉区の泉公園内にある泉ヶ池に今朝のしずまり

カモを見る 今押されたらこの池に落下することなども気にして

カモが二羽いてここで写メ。カモが二羽さらに来て四羽になって写メ。

毛づくろいしている池のカモからの絶え間なく出続ける波紋だ

風が出て泉ヶ池にうすうすと恋の予感のようなゆらめき

ここまでは音のない川ここからは音のある川ひかり集めて




「未来」に掲載されたものを構成しなおしました。何人かの方から感想をいただきました。ありがとうございます。



オレの短歌をもっと読んでくださる方はこちらから。
https://note.mu/mk7911
noteに作品をまとめていますのでご覧ください。


んじゃまた。


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2016年06月29日

NHK短歌テキスト2016年6月号を読む  ~私の初恋はいま、ほか

「NHK短歌テキスト」2016年6月号。
だいぶ遅くなった。



わが生(せい)はかくのごとけむおのがため納豆(なつとう)買ひて帰るゆふぐれ/斎藤茂吉『つきかげ』

ファンファーレ響け深紅の緞帳(どんちょう)よ開け私の初恋はいま/玉川萌

→なんだか全然ちがう雰囲気の歌をつづけて引いた。ファンファーレの歌は「初恋」の二席。
いかにも輝かしい。引き込まれる。初恋っていいな。なんかうらやましい。


頑張りたいかなと思ひますなどと言ふなよ頑張ると言へよ卵よ/阿部功
→「卵」はいまの若い人の意味ととったが、ほんとの卵だったらそれはそれでおもしろい。「頑張る」っ臭い言葉で、思っててもなかなかストレートには言いづらい。


ゆで卵ふたつくらゐの寂しさを残して君はしづかに去りぬ/熊谷純
→つまりどれくらいさみしいのだろう、と思わせる。が、さみしさなんてそもそも計量できるものではないのだ。
真っ白いゆで卵は、そう思って見るとなんとなくさびしい。よく真っ二つになって切断面を見せて置かれていたりもする。


直球の応援だったガンバレと昆布で書いた母の弁当/姉野もね
→母の心を読み取ってしみじみすればよい歌なのかもしれないが、昆布の文字でありながら直球だというのを面白く読んだ。

オムライスふわとろのやつ作るから死にそうなんて言わず踏ん張れ/あんず
→これに感じたおもしろさも、たぶん昆布の歌と同じ種類のもの。



外塚喬さんが「結社誌・同人誌の現在」で結社誌の若手について書いている。
自分の所属以外の結社誌をいくつも熱心に読んでいて、すごいと思った。



会いたさはやがて遠退く人知れず森で朽ちゆく着物のような/立花開「三月の無題」
ジセダイタンカから。会いたい気持ちが森のなかの着物に例えられている。
森の中になぜ着物が放置されているのだろう。何があったのか。そこにドラマを感じた。



さびしさを忘れむためにくりかへしおむすび百円セールを叫ぶ/熊谷純
→また同じ人の歌だ。さっきはゆで卵ふたつくらいの寂しさだったが、こんどは忘れるためにおむすび百円セールを叫んでいる。
さびしさが身近な食べ物とつながっている。うるさい店員も、さびしさのあまりそうしていると思えば許す気になるが……。







オレの歌は一首載った。「短歌de胸キュン」の「もう少しで入選de賞」だった。

題「はげます」 栗木京子選
励ましのつもりで書いた便箋の二枚目の3分の2は愚痴/工藤吉生




んじゃまた。






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あやまちのbot|mk7911|note(ノート)https://note.mu/mk7911/n/n149e3d9ee772
noteの有料記事を更新しました。おかした過ちについてです。


noteで「工藤の有料マガジン」やってます。こちらは500円でさまざまな記事が読めます。例えばこんな内容です。

【第一回石井僚一短歌賞】に落選した連作 20首
https://t.co/jVQrn5C2Ln

第57回短歌研究新人賞候補作「仙台に雪が降る」全30首
https://t.co/2qhYBXq6hv

2ちゃんねるに書かれているオレに関する疑惑について答える
https://t.co/7bl0976ewb

どうしたら短歌の絵を描いてもらえるんですか問題について
https://t.co/x7uF5emd7k

「いいね」されない短歌/一人称のこと
https://t.co/VnGb7jdktI

オレに関する恥ずかしいツイートを見つけてしまった
https://t.co/mApcvnOrZ8

「文学じゃない」と言われたこと
https://t.co/4Vx9ROeMQ5

工藤、投稿サイトで短歌に厳しいコメントを書かれる
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16のサイト・アプリに短歌を投稿した結果を比較する
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歌合 大学短歌バトル2016のこと
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ブログにきたひどいコメントシリーズ 
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2016年06月27日

河北新報の「河北歌壇」(2016.6.26)に短歌が2首掲載されました

河北新報の河北歌壇(2016.6.26)に短歌が2首掲載されました。

2首はほんとにひさしぶり。3度目。


花山多佳子選
ポケットの中でこぶしをあたためるたまにこっそりチョキにしてみる/工藤吉生


佐藤通雅選
わたくしをあげますあなたをくださいと読めるポーズでフィギュアが終わる/工藤吉生


20首載るうちのそれぞれ6首目、9首目。
近頃は14~16首目くらいの位置に載ることが多かったので、すこしは上向いてきたのかなという手応えです。それより、ここ二回は仙台文学館や震災の歌で、だいぶ河北新報に「寄せて」いたのです。いつもの自分の短歌で載ったことで気分的に楽になりました。

載らないでいると、載せてもらいたいあまりに自分っぽくないものを出し始めてしまうんですよ。それが新しい可能性に繋がることもありそうですが、だいたい苦しくなります。できればそういう方向に行かずにいたいです。


短歌の内容で言うと、「フィギュア」はフィギュアスケートのことですが、人形のフィギュアのようにも読めてしまうかもしれませんね。まあわかるだろうということでこれでいきました。



ありがとうございました。






宮城やそのあたりの地域の新聞である河北新報の「河北歌壇」は花山多佳子さんと佐藤通雅さんの選でそれぞれ20首ずつ計40首載ります。毎週日曜日の掲載。


以上、報告でした。

新聞に載った短歌のまとめはこちら。
http://t.co/6IYOFlvBhk






地元のほうでは最近こういうイベントに参加して記事にしました。

仙台文学館「第十九回ことばの祭典 短歌・俳句・川柳へのいざない」に行ってきた https://t.co/UYVVO4FE0z







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mk7911 at 20:12|PermalinkComments(0)新聞歌壇 

2016年06月26日

「短歌研究」2016年6月号を読む  ~少しずつそしてある夜完璧に、ほか

短歌研究6月号。待ってる人はいないだろうが、遅くなったのをオレは気にしている。



服を着て生まれた人を裸にする、おれにはそれほどのことでした/雪舟えま「柑橘を産む」
→服を着て生まれた人がいるわけなくてイメージの新しさに驚いた。脱がすとなってまた驚いた。裸で生まれた我々はみんなかんたんに服を着るようになるが、その逆はむずかしそう。皮膚を剥ぐようなこともイメージした。
「おれ」と男性的な一人称になっているところからも想像がひろがる。



有害図書のやうな雲だぜ血の色を腹のあたりに染みこませては/佐藤通雅「自動扉」
→「エロ本」と比べて「有害図書」は危なそうな言葉だ。「だぜ」も危なさにつなってくるんだろう。
血のような赤さを含む雲だったんだろう。



少しずつそしてある夜完璧にいふこときかなくなりしエアコン/佐藤通雅「自動扉」
→「完璧」がおもしろい。出来上がったときに使うような言葉だ。
人間と決別したようにも見える。「ある夜」の効果か。



梅雨ふけて思想なき蟇(ひき)のだらしなく裏返りたればわが憎みけり/前川佐美雄『捜神』



最終の息する時まで生きむかな生きたしと人は思ふべきなり/窪田空穂『清明の節』



もう逢へぬ その事がいま秋の空とめどなく広く深くしてをり/砂田暁子『季の風韻』

→逢えない気持ちを感じながらも客観的でもある。
「とめどなく」がいいな。さっきの佐藤通雅さんの「完璧」もだけど、ほんのすこしわかるかわからないくらいにズレた言葉の使い方が歌をおもしろくすることがある。



逆光にシャッター押すをためらひぬ友等の顔の陰影深くて/阿部恵子『累日』
→そういうときって「こっちだとうまく写らないので別の場所から撮りましょう」みたいになるんだが、ためらったところをこの歌は切り取った。
「陰影深くて」は言外になにかありそうだ。友等の顔にただの陰ではないものが含まれているみたいだ。



以上。






オレは短歌研究詠草1首。今年初の1首。

真剣に話していても嘘っぽく見える人がいてカズヨシもそう/工藤吉生

おもいっきり連作にしたんだが、一首目だけに終わった。これだけではさほど意味をなさない。



うたう★クラブは佳作の星無し。

ウゥッとかオオアッだとか得点や失点のたび言うようにした/工藤吉生
→これはそんなに悪くないと自分では思っている。「オオアッ」ってなかなか出てこないやつだと思うんだがなあ。うーむ。




っていう感じです。






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弱気|mk7911|note(ノート)https://t.co/2GggatsP1X

有料マガジン更新。



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2016年06月24日

ネットプリント毎月歌壇2016年6月号に短歌が掲載されました/一首評

ネットプリント毎月歌壇 2016年6月号で、谷川電話さんの選で短歌を載せていただきました。



妹に買ってもらった緑色かぶって暗い一年だった/工藤吉生


(評)
妹に買ってもらったのは、緑色のなんだったんだろう。かぶるものだから、帽子かな。仮に「緑色の帽子」だとして、なぜ「緑色」のほうを残し、「帽子」のほうを省略したのかというと、当人にとっては、それが「帽子」であることなんかどうでもよく、「緑色」であることこそ重要、というか、そのことしか意識にのぼってこなかったからだ。これを他者に理解してもらうために無理に「妹に買ってもらった帽子」としてしまうと、この歌の魅力は半減してしまう。「妹に買ってもらった緑色」という認識こそが、作中主体の内的な真実なのだ。ぼくはこの真実に感動した。そのまま歌にてくれて、ありがとう。
(略)



長いのと、全部見せるのがもったいないので後半は略したが、このように長い丁寧な感想をもらえるのが「毎月歌壇」の魅力だ。






ほかにはこんな歌が印象にのこった。
鰭もつばさもないはなびらが三月の蜂を追ふのだ、それが恐怖だ/紆夜曲雪

鰭(ひれ)とかつばさっていうのは生物を動かすための体の部位だ。それがないってことは動けないわけで、動けないものの動けないことが強調されている。それが飛び回る蜂を追っているという。
蜂のほうが花に寄ってきているようで、それが逆転している。

この逆転から、酒を飲んでるつもりが飲まれてるとか、金を使ってるつもりが金に支配されているとか、欲求に動かされる命ということを思う。人間に引き寄せたけど、鰭やつばさがないのは、人間もおなじだから。
欲求に飲み込まれていくさまが恐怖なのかなあ。

三月の蜂とはなびらというところから、欲求のなかでもそういう種類の欲求なのかなあと想像する。







このネットプリントには、前回のこれが発行回数81回、投稿数51首とある。投稿数はあんまり増えなくてもいいから発行回数は増えてほしい。でもまあこの二つは連動してくるだろう。




まだこのネットプリントはコンビニで出すことができる。ツイッターから発行番号をコピペしておく。


【ネットプリント毎月歌壇〈六月号〉】

セブンイレブン
→プリント予約番号【07568395】

サンクス、セイコーマート、ファミリーマート、ローソン
→ユーザー番号【XAWDJ4K35G】

A4/白黒/1枚/20円/6月26日 23:59まで



略された評のつづきもだけど、ほかの入選歌をぜひご覧ください。







宣伝。
短歌俳句川柳を自解する|mk7911|note(ノート)https://t.co/Lg9JihMZzD

有料マガジン【500円】を更新しました。6/19発表のものに関して、どんなふうにして短歌俳句川柳をつくったかを書きました。
この有料マガジンは500円でいろいろな記事を読むことができます。


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「岡大短歌4」を読む  ~あの日見たひかりは蛍だった、ほか

「岡大短歌4」を読む。
往復書簡の企画などあり、前号より充実している。



眠そうな君はとなりであの日見たひかりは蛍だったと話す/川上まなみ「ぬばたまの」
→「眠そうな」がいきている。「あの日見たひかり」が夢のなかのことのようだ。
この「君」は寝起きなんだとはじめは読んだ。寝ている間に「あの日」の蛍に思いあたったんだと。


暗闇に目が慣れてきて落胆は海より深い青だとわかる/藤原奏「イミテーション」
→真夜中に部屋で目覚めてしばらくしたら部屋のものが見えてきたとか、そういう歌だと思って二句までを読んだら、三句以降で迷ってしまう。
この「暗闇」はそんな意味ではなくて、心理的なものなんだろうな。海もでてくるから、海底にいるような感覚にもなる。落胆に色がついて見える感覚がいい。
自分の心をじっと見つめてなにかを見出だすというの、好感を持てる。


教科書がない教室がわからない濡れた自転車きょうも行けない/水嶋晴菜「青」
→三つのことからできている。ひとつひとつは些細なことだ。自転車くらい拭いたらいいじゃん、と思ったりもする。
でもそのしょうもないようなことが解決できない気がして心配でたまらなくなることがある。夢のなかの学校かと思った。



灰皿の中身のような街でまたベビーカステラ買えるだろうか/山田成海「生命線が短いきみに」
いや、正確には「こゆびくん」が詠んだ歌だということになるんだろうか。

「こゆびくんとやくざくん」という山田成海さんと石原ユキオさんの往復書簡があって、これがおもしろかった。
そこから引いた。

こゆびくんがなんだか可愛いキャラクターで、やくざくんと必ずしも噛み合ってないような気もしたけど、離ればなれになるというのはそういうことかもしれないなあ。お互いを思っていることには変わりない。


それから、川上まなみさんと大森静佳さんが口語の自然詠について連作をつくり書簡を交わしている。

川上さんの連作を読んで気づいたのは、字余り字足らずが増えたなということ。連作八首のときは8首中6首は57577だったけど、こちら口語自然詠では15首中3首だけが57577だ。

初句六音が五首あって、そのうち四首は助詞をつけた結果そうなったものだ。
初句はわりと余っても違和感が少ないと言うね。助詞を省く違和感のほうが大きいことがある。


眠る山は丸みを帯びて今日の夜雪が降るかもしれないと思う/川上まなみ「明るい雪」
→直接は雪っぽくない「眠る山」や「丸み」から雪の予感がでてくるところを良いと思った。
ふと、雪の最初のひとひらが落ちてきそうだ。

以前「あおきカフス」という連作の冊子をここでやった。大森さんの講座に川上さんが参加していたけど、そこからこの往復書簡につながってるんだな。トンネルが開通した気分。



<木星>(ジュピター)の名をもつサンプリングマシン 父を断ち切る音をください/正岡豊
一首評では、この正岡さんの歌がいいなと思った。
そうか、親子の軋轢なのか。オレはてっきり物理的に父という人体を真っ二つに断ち切る「ギュルルルルル」みたいな音かと思った。

言われるとそっちに鞍替えしたくなる読みというのがあって、っていうことは、その前に思ってたのはダメな読みなんだろうけど、ダメなりに捨てられない。



これはおせっかいかなあと思いながら言うんだけど、一首評の『』のなかは歌集、著書のタイトルですよね。ってことは、木下さんの『小道具の月』とかは違うでしょう?
書くスペースが大きいんだから、出版社名やいつごろ出た本なのかとか、本や出典の説明があると親切かなと思った。


これは誰も悪くないけど、「主体」「作中主体」って言葉を連発されるのはどうも苦手だなあ。「作者」も「主人公」もなんか違うし、ほかにいいのがないからオレも使うことがあるけど、どうもなあ。なんかないものかなあ。
たとえば塔なんかだと「作者」を使う評を見る。病気の歌だと、作者の回復を願うような言葉が評に含まれていたりする。


日記では、加瀬さんの「サンバのリズムで鼻くそでもほじりたい気分」がオレのなかでヒットした。
でもオレは焼プリン派。



岡大短歌、いい感じになってきましたね。終わります。
んじゃまた。


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2016年06月20日

仙台文学館「第十九回ことばの祭典 短歌・俳句・川柳へのいざない」に行ってきた

イベントで短歌俳句川柳をつくり、短歌と川柳で佳作をいただいたことを書く。



6/19、仙台文学館で「第19回 ことばの祭典 短歌・俳句・川柳へのいざない」というイベントが開催された。
オレは初めて参加した。







10時に短冊が配られて「ことばの祭典」が始まった。題は「小、または、山」。
短歌俳句川柳の短冊がそれぞれ配られて、11時半までに提出することになっている。三つのジャンルすべて作ってもいいし、一つでも参加できる。各ジャンル一作品まで。

参加している方たちは60代以上と見られる方が8割くらい。

「合同吟行会」ときいていたので、みんなして外に出るもんだとばかり思っていたが、けっこうみなさん館内でつくっていた。電子辞書や広辞苑など使って、あるいは相談しあって作っている。オレのように外へ出る人は少ない。
オレが勘違いしてるのかと思ったが、「吟行」を調べると「吟行とは季語の現場に立つこと」とか「名所を巡って和歌や俳句を作ること」とある。

でもまあ、おかげでゆったりとしずかに外を歩くことができた。オレは文学館の前の岩に座って鯉を見たり、歩き回ったりした。普段から散歩しながら短歌を作っている。

短歌はすぐできた。川柳もなんとか作った。時間が余ったから俳句にも挑戦した。今の季語ってなんだろうと思いスマホで調べたら、「ででむし(かたつむり)」が出てきたのでそれを題材につくった。提出。

11時半に締め切り。






11時半。昼食。
12時半に作品が貼り出されて投票が始まる(選者による選と一般投票による「あじさい賞」がある)。
それまでの一時間が昼食の時間となる。

文学館の「ひざしの杜」という店の500円のお弁当を食べた。とてもあっさりしていて、高齢者になったらこういうのを食べる機会が増えるんだろうなと思った。オレには物足りない。わびしくなる。でも胃にやさしそう。


ゆるいイベントだ。なにかするたびに空き時間がたくさんできる。





12時半、作品が貼り出されて「あじさい賞」の投票がはじまった。
短歌俳句川柳、それぞれ80~90程度の作品がある。これが並ぶと、なかなかの眺めだ。各ジャンル二作品に票を入れることができる。

ここで痛感したのは、字の大きさや濃さ太さだ。
ペンで書いたものが拡大コピーされてそのまま貼り出されるので、字が小さいと存在感がない。読みづらいとハンデになる。
さまざまな筆跡があり、見てると楽しい。筆跡と作品の内容がリンクしていると感じる場面もあった。

この筆跡の話は「ことばの祭典」に限ったことではないだろう。短歌を投稿する際にハガキや原稿用紙にペンで書く機会が多いわけだが、選者はそのたびさまざまな筆跡に対峙するわけだ。字で不利になってはもったいない。いやむしろ有利になるくらいの字が書きたい。
今までもそれなりに気をつけてはきたが、これからはいっそう読みやすく書こうと思った。


このあたりでミスに気づいた。
俳句に題(「小、または、山」)を入れ忘れた。季語にばかり注意がいってしまって。
季語をつけて題を入れてなおかつ五七五って、こんなきつい縛られ方は初めてだ。






13時15分投票終了。14時の結果発表までまた時間が空いた。

楽しく談笑してるグループがあって、その近くにいた。そのグループは盛り上がっていた。誰の作品が新聞に載ったとかNHKで放送されたとか。シニアの方々にとって投稿がどんなものなのかわかった気がする。
この方々は、選ばれたとか選ばれなかったとかをバネにしてみんなで楽しくやっている。楽しいほうが正解ならば、これも正解だ。

投稿は、同人誌や結社誌や依頼されての発表や歌集やなんかより程度の低いもので、当落に一喜一憂するのはみっともないことなんじゃないか、そればかりやっているオレはいかにも下級ではないかと最近は思っていた。だが別の見方もあるんだなと思った。投稿の当落でこんなに人生の後半を充実させている人達がいて、それがどうしてみっともないことなのか。
投稿がみっともないんじゃなくて、オレの取り組み方と価値観がそう見せているのだ。






14時になってようやく選者の方々があらわれた。
オレはこういう時には必ず前のほうの席に座る。

賞の発表があった。オレは賞にはならなかった。残念。
賞状や記念品の授与があった。なるほどいい作品が多くて、心から拍手を送った。


各ジャンルの約90作品のうち「ことばの祭典賞」が各ジャンルから1作品選ばれる。
そのほかに
特選1 秀逸2 佳作5(×選者二名)、
「小池光館長賞」各ジャンル1作品、
投票による「あじさい賞」各ジャンル1作品がある。

オレの作品は、短歌が梶原さい子さんの佳作、川柳が大石一粋さんの佳作となった。


4e230d18.jpg












選者のみなさんから優秀な作品への講評があった。
俳句や川柳の方の評の言葉を間近で聞けたのがよかった。有名な人がいるってだけでドキドキする。
しかも、大石一粋さんはオレの川柳へコメントしてくれた。テンション上がった。



小池光さんに会うのはこれで三回目。いい感じで枯れてるなあ。必要最小限のことしか言わないしやらないんだけど、ぶっきらぼうなようで、しかしあたたかみがあって、いいなあと思う。

帰りに駐輪場のところでばったり会った。まだ会場周辺で談笑してる人達もいたのに、小池光館長ははやばやと一人で外に出てきたのだ。
だけど、話しかけたりはできなかった。オレの人生の何%かは「話しかけられない」でできている。







ではオレの作品。

短歌
百円玉らしき光へにじり寄るオレの歩幅の小さい水辺/工藤吉生

川柳
銃の音、なのか小さな鯉の口/工藤吉生

俳句
文学館床のカパカパかたつむり/工藤吉生





佳作の記念品は小型のノートだった。まあ、タダで楽しく参加したのだから、おおもうけだ。



帰りにネットプリント「ネットプリント毎月歌壇」を出して帰った。そのことは次の記事で。


んじゃまた。


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2016年06月19日

日本経済新聞「歌壇」(2016.6.19)に短歌が掲載されました

2016年6月19日の日本経済新聞の「歌壇」、いわゆる日経歌壇に短歌が掲載されました。穂村弘さんの選。


悲しげな声で鳴いてる犬がいた塀の向こうの昨日の夜に/工藤吉生


五席で、穂村さんによる評があります。

(評)
○工藤吉生氏。「塀の向こうの昨日の夜に」という語法の面白さ。「昨日の夜」という時間が場所のように感じられる。


ですよねえ。オレも変な日本語だと思います。自分の感じたものをもっと正確にもっとリアルにあらわそうとして、このような表現になりました。




この歌を含んだ、新聞に載った短歌のまとめを更新しました。
http://t.co/HGIHUKNZ1i






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https://t.co/2qhYBXq6hv
500円で読める有料マガジンをやってます。
ネットにこれを出すのは初めてです。ネットではここでしか読めない連作です。



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mk7911 at 22:12|PermalinkComments(0)新聞歌壇 

2016年06月18日

(短歌bot)@tanka__bot にオレの短歌が登場した

殺人をしてしまったら殺人をしてない人に憧れそうだ/工藤吉生

https://twitter.com/tanka__bot/status/744034090727411712





オレの歌がついに瀬戸夏子さん作成の(短歌bot) @tanka__bot に登場した。
ついにきたな。待ってた。

前にこの歌が瀬戸さんにイイネされたので、もしかしたらと思っていたが、予感があたった。

このbot、かなり守備範囲が広くて、しかも収録歌数がとても多い。なにかの時評で言及されているのも最近見かけた。
有名な歌人の短歌の多いbotで、そこにオレの名前があることにテンション上がった。岡野大嗣さんと井辻朱美さんにはさまれていた。



あんまりこういうことで喜ぶとみっともないんだが、4リツイート17イイネだった(現時点までで)。
これは、他の歌と比較してもなかなか多いほうだ。
そして、イイネしている人を見ると、いずれも全然知らない人だ。歌人でない人にも届いているということだろう。豊かなことだ。







この「殺人は~」の歌は、まだ短歌をはじめてそれほどたっていない2012年3月に、 #7days100tanka という、一週間で100首をツイッター上で発表する企画に参加したときに作った歌。98首目。ちなみに25時間で100首つくった。今では無理だな。

7days100tanka・七日百首に挑戦した【101首まとめ】 : ▼存在しない何かへの憧れ http://blog.livedoor.jp/mk7911/archives/51964771.html

読み直すとあちこちひどい。このころは下ネタ多かったなあ。
一応これが初出ということで貼った。







オレもツイッターでいろんな人の歌をツイートしている。
その定期的なまとめである「ぬらっと!短歌大賞」またの名を「2016上半期短歌大賞」を今月末にやる。まだなんにも準備してないけど。この半年にどんな短歌に出会ったのか、振り返るのが楽しみだ。発表するオレが一番楽しみにしている賞だ。


んじゃまた。


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