中島みゆきを聴き直す★6「singles」(3枚組・3枚目) - 『おもいで河』ほか中島みゆきを聴き直す★8「生きていてもいいですか」 - 『うらみ・ます』ほか

2010年12月10日

中島みゆきを聴き直す★7「おかえりなさい」 - 『あばよ』『この空を飛べたら』『しあわせ芝居』ほか

79年。16枚目に発売したアルバム。
他のアーティストに提供した曲を自分で歌ったアルバム。

この頃は研ナオコや桜田淳子などに楽曲を提供していた。



ジャケットはみゆきさんの顔のアップ。赤みがかっている。CDの歌詞カードの中を見ると、廊下に手すりがあり、場所は病院のようにも見える。



1.あばよ

研ナオコに提供された。研ナオコは3分台であっさり歌ってたと思う。ここでは6分以上ある。

同じ音の繰り返しから始まる。だんだん落ち込んだ打ちひしがれた音楽になってゆく。
歌のメロディーもいじけたような感じだ。

嘘をつかれたり、知人を通して別れを告げられたりしている。「あたし」は、他にも男はいる・あの人は自分に似合わないんだ、と自分に言い聞かせる。「あばよ」は傷心を隠す気取った挨拶だ。





2.髪

ギターのしんみりした歌。

「あなた」が長い髪が好きだというから髪を伸ばした、しかし「あなた」は離れていき、今夜旅立つ。「私」は「あなた」に似せて髪を切る。しかし「あなた」に似ることはない。

好きな相手に少しでも近づきたい気持ちが伝わってくる。写真も残らず、影を彼に見立てるのが特に悲しいと思った。





3.サヨナラを伝えて

音楽としてはやや華やかな感じ。

別れた時に「恋の身代わり」を紹介される、珍しいパターン。ちょっと考えられない。この時代はそういうことがあったんだろうか。
花と花言葉が出てくる。





4.しあわせ芝居

思い通りになってくれる男性がいる、しかし自分が一方的であることに気づく。

「浮気の予感」系、といっていいのかな。この系列では「夏土産」が印象深い。





5.雨…

エコーのかかったピアノ。

過去に裏切られた経験からか、彼を「氷芝居」でだましてしまう。氷芝居とは、わざと冷たくするんだろうか。素直になれずに後悔する。

雨、雨、雨、雨、で音階が下がっていくのが印象的。





6.この空を飛べたら

加藤登紀子に提供した曲。加藤登紀子はいい歌を歌うイメージがある。

空を飛ぶことと、彼が戻ってくることを重ね合わせている。不可能と知っててもあきらめきれないことを歌う。
サビで「人は昔鳥だったのかもしれない」と論理が飛躍する。それだけに印象深いサビになっている。


2番が終わった後に、呪術か骸骨の舞踏を思わせるような音楽が始まり、加速してゆく。迫力ある。





7.世迷い言

のんきな歌。
珍しく中島みゆき以外の人が作詞した歌。阿久悠の作詞。

男にふられると風邪をひくジンクス。最後に「ヨノナカバカナノヨ」という回文が出てくる。

回文といえば、ネット上には面白い回文がたくさんある。
一例。

『住まいは田舎がいい、森と日溜まりでひと寝入り、飛ぶ鳥、稲と日照り、まだ独りもいいが、家内はいます』

『なんてしつけいいこ、いいけつしてんな』

『世の中ね、顔かお金かなのよ』





8.ルージュ

「あの人」と別れて自分が変わった、という内容。「時は流れて」とつながりそうだ。
ルージュをひくたびにつくり笑いがうまくなったのがわかる。オレは塗ったことないけど、そういうものか。

落ち着いた曲調。




9.追いかけてヨコハマ

「ルージュ」の前日譚みたいにも読める。
この時は「あの人」を必死に追いかけている。

中華街があるからか、それっぽい音楽になっているのが面白い。

フェイ・ウォンが「ルージュ」をカバーしたが、こちらの歌の方がアジアっぽい。




10.強がりはよせヨ

前曲の終わりから再び浮かび上がってくるような、不思議な始まり方のイントロ。

ツンデレの悲しみ。強がってしまうが、本当は素直になりたい。

クヨクヨした音楽。最後にしては、わりと短い。





▽おわりに

まさに「わかれうたうたい」という感じのするアルバム。不幸な恋の歌、失われた恋の歌で全曲ガッチリ固められている。

1.6.9が刺激的でいい。しみじみとした8.もいい。





中島みゆきを聴き直す
★1「私の声が聞こえますか」
★2「みんな去ってしまった」
★3「あ・り・が・と・う」
★4「愛していると云ってくれ」
★5「親愛なる者へ」
★6「singles」(3枚組・3枚目)



 


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