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2019年08月21日

《歌集読む 209》小川佳世子『ゆきふる』  ~ナイフかと思う角度に、ほか

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歌集読む 209

小川佳世子『ゆきふる』。2015年の第二歌集。

砂子屋書房の「現代短歌文庫」から。



ナイフかと思う角度にケイタイを持ってこちらへ来る中学生
/小川佳世子『ゆきふる』

→ケイタイがナイフっていうのがいいし、角度っていうのがいい。刺されるような恐怖を感じているんだろう。



時々は滝もベッドに横たわりたいと思いはしないだろうか
/小川佳世子『ゆきふる』

→横たわったら滝じゃないんだけど、滝の気持ちはわからない。「ベッドに」がいい。夢でも見そうだ。
打たれて修業する人がいたり、厳しいイメージがついてくるのが滝だ。そのイメージをひっくりかえす。



便せんの罫線の間が広すぎてさむい 夏には気付かなかったが
/小川佳世子『ゆきふる』

→狭くなると文字と文字が身を寄せ合うかたちになってあたたかさが出てくる、その逆ということかな。下の句から、一年のあいだによく手紙を書く方なのかと想像した。



おとなしい人やと噂されしのち落ち込んでいるということになる
/小川佳世子『ゆきふる』

→人の噂には尾ひれがつくものだ。おとなしいのと落ち込んでいるのは、似ているようでだいぶ違う。なにか悪いことがあったことになった。



手術室の中で聞こえる器具の音は気まずい家庭の食卓に似る
/小川佳世子『ゆきふる』

→器具のふれあう感じで家庭の雰囲気もわかるかもしれないね。
手術を受けている様子だけど、そうなると、自分の体が医師たちに食べられているかのようで、おもしろいようなこわいような。



ワイパーに押し潰される雨滴かな 大きな水玉に戻りたい
/小川佳世子『ゆきふる』

→さっきの滝がベッドに寝る歌みたいに、声のない者の願いを聞いている。



丸をつけたのはそういう歌でした。
この歌集おわり。
んじゃまた。




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mk7911 at 08:34│Comments(0)歌集読む 

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