短歌の総合誌読む

2019年11月22日

『短歌研究』2019年12月号「短歌研究年鑑」で歌集歌書展望(中期)を担当しました

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短歌研究12月号・短歌研究年鑑の「’19 歌集歌書展望」2019年度・中期を担当しました。20冊の本について少しずつ書いています。



短歌研究12月号・短歌研究年鑑の「’19 歌集歌書展望・中期」で取り上げたのは次の20冊です。
【1】宗形光『スマトラトラ』
【2】小坂井大輔『平和園に帰ろうよ』
【3】松木秀『色の濃い川』
【4】川野里子『歓待』
【5】瀬戸夏子『現実のクリストファー・ロビン 瀬戸夏子ノート 2009-2017』
【6】戸田響子『煮汁』
【7】大野とくよ『あしたに向きて』
【8】小野雅敏『アルゴンキン』
【9】内田康夫・早坂真紀『愛と別れ 夫婦短歌』
【10】上澄眠『苺の心臓』
【11】吉岡太朗『世界樹の素描』
【12】奥村晃作『八十一の春』
【13】三枝昂之『遅速あり』
【14】石田郁男『ハクナ マタタ』
【15】吉川宏志『石蓮花』
【16】曽川文昭『スイッチバック』
【17】小谷陽子『ねむりの果て』
【18】梅原ひろみ『開けば入る』
【19】馬場昭徳『夏の水脈』
【20】𠮷田恭大『光と私語』








作品展望で藤島秀憲さんから一首とりあげていただきました。ありがとうございます。受賞後第一作から。

9月号で〆になるので、9月号の作品や特集はその年の短歌年鑑の対象で、10月号の作品や特集は翌年の短歌年鑑の対象となります。
2018年10月号に掲載された受賞後第一作は2019年の年鑑の対象となります。こまかい話です。



年刊綜合歌集は2019年7月号の作品20首「バラバラ事件」から5首選んでいただきました。


歌人1000人アンケートは万葉集の名歌でした。よく知らないから無回答で提出したんですが、アンケート結果を見ると上位は知ってる歌ばかりでした。やっぱりちょっと知ってました。



名簿は例年通りに掲載していただきました。本など送ってくださるかたはどうぞ。このブログ等で取り上げます。







今年は巻頭のカラーページのエッセイがなくなっていました。
それと、論文の抄出のページがなくなってました。
評論展望と特集展望が合わさってひとつになってました。作品展望が前期後期の二期から前期中期後期の三期になったんですね。
特にあたらしいページが加わったわけではないので、ページ数は去年より二十数ページ減っています。厚さを定規で計ったら(何をしてるんでしょうオレは)一ミリくらいスリムになっていました。


短歌研究詠草の上位の賞品というか特典がいつのまにか図書カードになってました。








2019年は、
3.4.5月号に歌集歌書評共選を書かせていただいて、
6月号の男性歌人特集に呼んでいただき、
7月号では作品20首を載せていただき、
そしてこの12月号では歌集歌書展望を担当いたしました。
ほんとうに短歌研究さんにはお世話になっています。

そのたびに「自分はこの程度なのか、こんなものを出したらもう呼ばれなくなるのではないか」と思いながら、できる限りのものを書いています。




今回はそんな感じです。
んじゃまた。




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2019年11月18日

第七回 現代短歌社賞に応募して佳作をいただきました

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このたび、第七回 現代短歌社賞で佳作をいただきました。

現代短歌社賞というのは現代短歌社から出ている短歌雑誌『現代短歌』の賞です。
300首によって審査され、受賞作品は歌集として出版されます。

ここを見るとわかりやすいです。現代短歌社さんのページです。
http://gendaitanka.jp/award/



「現代短歌」2020年1月号に抜粋10首と選考委員のみなさんの評が掲載されています。この雑誌は本屋であまり扱われないうえ、Amazonにもないようです。オレはメールで現代短歌社さんに問い合わせて購入しました。



さて、オレの作品「ぬらっ」300首は、点数では全体の五番目でした。

1位10点、2位9点……という配点で、四人の選考委員によって点数がつけられました。
瀬戸夏子さんの7点、
松村正直さんの5点、
黒瀬珂瀾さんの3点、
の合計15点をいただきました。阿木津英さんからは点数をいただいてません。

選考座談会でいろいろ言っていただきまして、それについてはこれから考えてみたいです。ご意見がありがたいです。







変な話かもしれませんが、オレは短歌研究新人賞の受賞者でして、短歌研究さんには大事にしていただいています。

力と運を試してみたくて・歌集が出せるのなら出してみたくて現代短歌社賞に挑戦してみましたが、短歌研究社さんのことを考えるとこうしたことは今後は控えたほうがよいと思っています。短歌研究新人賞の受賞者の多くは、短歌研究社から第一歌集を出しているのです。

今回は全力でぶつかっていってその結果がでましたので、気が済みました。
この結果を受けて今後も頑張っていきます。



なお、オレが応募した300首は、このブログですでに「工藤吉生ブログ歌集」として発表しました。そちらを合わせてご覧ください。

工藤吉生ブログ歌集
http://blog.livedoor.jp/mk7911/archives/cat_10056389.html

工藤吉生ブログ歌集(NAVERまとめ版)

https://matome.naver.jp/m/odai/2157164429244451101
こっちのほうがよくまとまっていて見やすいかもしれません。




このことについてもっと突っ込んだ記事を、有料ですが書きました。

リニューアルした『現代短歌』と、BR賞と、現代短歌社賞で選考委員のみなさんから指摘を受けたことについて書いた5000字の記事
https://t.co/qOGHtTZhtT
工藤の有料マガジン【500】




以上です。んじゃまた。



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2019年10月23日

『短歌研究』2019年3月号「歌集・歌書評・共選」  

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ブログ十周年記念企画・その2として、『短歌研究』2019年3.4.5月号の「歌集・歌書評・共選」に執筆したものをブログにアップする。短歌の本の書評のページだ。

今回は一回目として、『短歌研究』2019年3月号掲載ぶんを載せる。短歌総合誌での初めての書評となる。










十谷あとり『風禽』


2018.7.30 いりの舎
第二歌集

 自転車のタイヤの影が存在感を放っているモノクロの表紙に、この歌集の世界があらわれている。

ゴミ袋ゆたかに満たす紙屑の色に暮れゆくおほさかの空

剝落を飾りとなして西壁に「塩」一文字の看板は旧る

泣いてゐるひとのこころとおもふまで星のひかりを見つめてをりつ

 さびれた風景、わびしい風景に力がやどっているのは、比喩表現の力なのだろう。

ブラインド指にたわめて離すときけものの耳の小さきはたたき

抱きあふ腕を持たざる一対の椅子 無人なるカフェの窓辺

夜をこめて雲へゆく鳥 コピー機のトレイにしづむ紙の幾百

 物のなかに命が吹き込まれている。ブラインドは獣となり、椅子は恋人たちに変わる。三首目は反対に、生物が紙と化してゆく。魔法だ。

人あまた列なさしめていきいきとATMは故障を為せり

電器店と法律事務所のあはひより大正琴の聞こえきてやむ

 現代の仕組みへのひそかな抵抗なのだろう。金銭、電気、法のあいだをすり抜けていくものたちが描かれている。

同じ苗字のこども五人(いつたり)ぎこちなく指に抜きあふスペードのA

継母の後姿(うしろで)美しとわれ見をり古き絵本の挿絵のうちに

「脱いだ靴は揃へなさい」と叱るこゑつめたかりけりなつかしからず

 円満ではない家族関係をうかがわせる歌も印象的だった。一首目はババ抜きか。同じカードが行き来しても数字は揃わない。出口の見えない時間が続く。








齋藤栄子『微睡(まどろみ)の中で』


2018.10.1 七月堂
第二歌集

ぷはぷはと鼻が詰まりて苦しかり命をかけてキスをしている

ぷっくりとふくれた夜はとろとろになるばかりです餅のみにあらず

とがらせても音の鳴らない唇は君に預けてしまえばいいさ

 恋の歌が多く収められているが、なかでもユーモアのある歌に注目した。一首目は下の句のおおげさな物言いが、二首目は結句が読者の微笑を誘う。三首目は口笛を吹く口の形がキスへと自然につながる。放り投げるような言い方がたのしい。

あなたから翼が消えてしまったと夢で泣きしを思いて泣きぬ

残り陽を集めて燃える夕空にあなたの髪がなびくといいな

 もちろん、楽しいばかりではない。一首目、元々人間に翼はないが、夢の中では翼が大切なものだったのだ。涙が夢と現実をつないでいる。二首目、なんとささやかな願いであろうか。

夜に降る雨の向こうで自販機がわれの住む窓見張りておりき

救急車の音が近づき右折せり夜半のベッドにひとり聞きおり

 ひとりでものを思う夜の歌。ほんのりと孤独感がにじんでいる。

弱き者と思いて生きるわれなれどまだ逆上がりができると信ず

われの手に餌(えさ)なき知れば鳩たちは離れてゆけり何もないのだ

五本指の靴下を履く母なりき年々可愛くなりてゆくなり










中井豊枝『但馬牛と共に五十年』


2018.10.10
第一歌集

 牧場を家族で経営し、牛の世話をしてきた作者。

牛の値の「安くて困る」と愚痴(ぐち)言えば 答える仔牛のつぶらな瞳

牛市に売られ行く仔牛はふり向いて「めえー」と一泣き最後の別れ

 まずは、牛の歌から。二首目の「めえー」が印象的だ。牛といえば「モー」と鳴くもんだと思っているが、ずっと近くにいる作者にはこう聞こえている。牛の精一杯の鳴き声、いや、泣き声なのだ。

栗の実をこっきりさらう猪も生きんが為なら私と同じ

泥靴を小川で洗えば濁りたりいつしか水は澄みて流れる

 一首目「こっきりさらう」の表現も良いが、動物への心の寄り添いがある。二首目は観察の歌。下の句が暗示的。川では時がすべてを透明にしてゆく。

そよ風と萌ゆる若葉になごめるにテレビの画像は脱線大惨事

盆の夜のビンゴゲームに肉一キロ当てんと村の人の渦まき

 一首目。テレビには事故の様子が映っている。「脱線大惨事」はD音とS音がくりかえされる、力のある表現だ。結句九音が五七五七七のレールをはみだしている。二首目。肉一キロのために村の人たちが集まっている。「渦まき」は欲望のかたちだ。









長勝昭『白玉』


現代短歌社
第二歌集

往きは上り帰りは下る往還の道に呼吸を日々確かめる

言うほどのことにあらねば今日ひとつ叶いしことを秘めて寝入りぬ

卓上に花の一つも飾りたし夏の夕べに思いたること

 しずかな老いの日々の歌。道を歩き、喜びを秘め、花を思う。

わが部屋で意味不明なる絵を描きて捨てないでねと孫は置き去る

みそ汁に殻を閉じたる貝ありて孫はしきりにその訳を問う

孫二人して作りたる雪だるま三日目にして首をかしげぬ

 ときおり登場する孫には活気がある。よく遊び、よく知りたがる。三首目の「首をかしげぬ」は発見の歌。溶けかけて崩れつつある雪だるま。なんらかの疑問がわいたのだろうか。人もまた、衰えのなかで物を思う。

箸持てず髭も剃り得ぬ日の果てに蛇口の水をシャツ濡らし飲む

飲みたくなれば私の顔を思いだせと断酒の会の古参の人は

 思うようにならず苦しんでいる一首目。二首目に見られるようなアルコール依存症と断酒の歌はくりかえしあらわれる。歌集タイトル『白玉』は牧水の名歌と関わりがある。

橋脚にスプレーで書かれし手の込んだ落書きのあり冬の涸れ川

爪楊枝銜えしままに開く歌誌穂村弘も歌人の一人










古屋祥子『地上根』


柊書房 2018.11.15
第五歌集

もの投げて収まるこころにもあらず食器は音を立てずに洗ふ

「断崖」の絵に見入るわれの後ろ方ひそやかに人の立つ気配せり


 静けさの歌から。「音を立てずに」「ひそやかに」の向こう側に心がある。あるときは憤りであり、またあるときは転落の予感だ。

乾電池替へてリモコン反応す 心たやすく入れ替へならず

天指して伸びゆく欅そのいのち思ひてわれの息深くなる

 上の句には経験したことや見たものがあり、下の句ではそれに対する自分自身がある。一首目では反発しあうが、二首目では溶け合う。欅の呼吸と「われ」の息がひとつになってゆく。

言ひわけも見栄も要らない 杖持てば老婆の覚悟確(しか)とさだまる

もう間なくわれも無名の生終へむ 無名も確かなる生なれば

親も子もみなまつくろな猫一家ちからある順にゑさに食ひつく

 老いや生命へのまっすぐな眼差しが感じられる。そのどっしりとした確かさは、歌集名『地上根』にもあらわれている。

「苦労かけた」ただ不器用に言ふのみぞ老いたる妻を労(ねぎら)へる人

かなしみはわれに未だ来ず、なきがらの夫を離れて歯をみがく朝










足立香子『蝸牛』


砂子屋書房 2018.11.15
第一歌集

拾われぬことは楽しいこととして川面のキララは遊んでいます

微風という弱とは違う風のことわかっているけど出来ないんです

どかどかと踏みつけられている駅の階段です元気をもらっています

 「です」「ます」を多用しながら、人間以外のものの気持ちを表現している。何に成り代わっても同じ口調で、ただひとつの世界が底によこたわっている。

「おもてなし」と整えられておりましたテーブルクロスはもちろん裏側

ビフォアーとアフターの間に眠らせる「ドリーム」という名の美容室

 口調はやわらかくとも、社会へ向ける視線は鋭い。夢から覚めると、そこにはどんな「アフター」が待ち受けているのだろうか。

ことばなど危ういものよおさなごの「いやっ」と小さな自由いいよね

松の木は夜来の雪を被りつつ雫を滴らす あき らめ あき らめ







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2019年08月11日

[総合誌読む 135] 『短歌研究』2019年5月号  ~花に溺れて、ほか

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総合誌読む 135


短歌研究 2019年5月号



表紙からしてなかなか古典の色が濃い内容なんですが、そうでもないと古典について触れる機会がかなり少ないので、勉強と思って読みました。




水泳の苦手なわれは夢のなか花に溺れてワッと目覚ます
/栗木京子「鈴振るやうに」

→夢の歌ってけっこう好きでわりと丸をつけます。
水泳の得意不得意が夢のなかにまで影響している。花のなかでも水泳のスキルがものをいうようだ。得意だったら目覚めることなく泳いでいたろうか。



青空よミスを重ねし人間がAIに面罵さるる日来るや
/栗木京子「鈴振るやうに」



びっくりと言って頭上に栗の絵を思い浮かべている女子会で
/武田穂佳「エンジェル」

→「びっくり」と言ったってことは、びっくりしている自分を自分で把握できているので、ほんとに驚いてるのとはちょっと違うんだろうね。しかもそのことじゃなくて栗のこと思い浮かべてるし。この栗は実物じゃなくて絵なんだね。

ノートに丸をたくさん書いて怒られた中学校の晴れていた外
/武田穂佳「エンジェル」

→怒られたってことは教室で授業している。外が晴れていてたくさんの丸っていうと、シャボン玉みたい。
丸を書いてるし、外が晴れてるっていうし、この歌もその場からちょっと外れている歌だ。上の空な歌ふたつに丸をつけていた。



身をのべてまた身を折りて思ふなり棺よりややベッドは広し
/稲葉京子『紅を汲む』

手足なきものはつくづくさびしけれましてキャベツのまなこなき貌
/稲葉京子『紅を汲む』

「稲葉京子全歌集」を読む特集があった。60代から晩年の歌がおもしろく感じた。



眠りゐし黒猫が起(た)ちてゆきたればその下に繊(ほそ)くありたる亀裂
/真鍋美恵子『玻璃』



店頭のテレビのプロレス見る吾らクラクションにも道開けざりき
/小野雅敏『アルゴンキン』



ガラスへとぶつかったあと目を覚ましきっと何度も忘れるメジロ
/くろだたけし

→「うたう★クラブ」から。



丸をつけたのはそういう歌でした。

この5月号では歌集評を3ページぶん書きました。

この本おわり。
んじゃまた。



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【こっちもおすすめ】

noteのほうでは、ブログでは読めない内容の記事をたくさんアップしています。




依頼こなし日記 2019.6/4-7/10  ~思考ロックとメッセージ
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2019年1月のオレの短歌とその余談  ~「おもらしクン」「大きなSNSの下で」ほか
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2019年2月のオレの短歌とその余談  ~文体そのものが行為になり得ている
https://t.co/Y6OCQ0tyUY

2019年3月のオレの短歌とその余談
https://t.co/GjAJRlbjWL




などなど、
500円ですべての記事(約120記事)が読めます。よろしければどうぞ。




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2019年07月10日

[総合誌読む 134] 角川「短歌」2019年4月号 ●特集・穂村弘

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総合誌読む 134


角川短歌2019年4月号。

穂村弘特集なので買った。





冬の日に顔をさらして眠りゐし父は丸太のやうな腕組み
/時田則雄「カムイミンタラ」

※「ラ」は小文字




ひとつめの特集は「穂村弘 世界の更新」。印つけたところを書き抜く。

インタビューでの穂村さんの発言から。
「歌のパターンとか、同じ言葉を使っている歌とか、一人の歌人の過去の歌とか、それらを知らなければどんなに鋭いロジックがあっても短歌の批評は書けないから。」

「穂村弘のかばんの中」しっかり見てしまった。他にも総合誌でそういうページがあるけど、見ちゃいけないものを見るようで、ちょっと悪いなーと思いながらも見てしまう。見ていいものしか出してないんだろうけど、それでも。


「眼鏡拭きは無くしやすいとエッセイに書いたところ、トークイベントで大量にプレゼントされた」に人気を感じる。

論考がいくつかある。江戸雪さんの「オリジナリティの強度とは」が特によかった。
「わがままについて」からの引用は読んだおぼえのない文章で、オレは「わがままについて」を読んでないかもしれない……。




お徳用ダブルクリップ22個ここのつ減って春立ちにけり
/さいとうなおこ「物差し」





二つ目の特集は「わたしが考える良い歌」。花山多佳子さんが「短歌が変質していくことへの危機感」について書いていた。
「自然が全く出てこない歌はざらで、出てきたとしても言葉として、観念、アイテムとしてである。意味だけの歌も多い。」
「全体には言葉、観念の世界への志向が強いように感じられる。言葉で人間や身体、物、などの存在を超越していくことに疑問がある。」


以前、「日々のクオリア」で花山周子さんに書いていただいたことを、長いこと気にしているんだけど、たぶん同じことを花山多佳子さんは書いているんだと思う。
https://t.co/xAgg9gTWSg

同じことなんだろうなと思いながら、オレにはどちらもちゃんとはわからないし、どうしていいかもわからない。
オレに書けることをオレなりに書いて、それを見て誰かがさびしくなったり疑問を感じたりしている。



まあ親子で死んで良かったねと煎餅齧りながらニュースに母は
/郡司和斗





「私は歌人のキャリアを信じない。すべての歌人が次の一首に向かう時、ゼロからの勝負だと思う。昨日までどんなにいい歌が作れても、今この瞬間に飛べなければ駄目だ。とても苦しいが、それが表現者だ。」
水原紫苑「次の一首のために」



佐藤通雅さんの「可能なかぎりゼロに」と染野太朗さんの「読者という変化」は、選歌における迷いが書かれている。その真摯な態度に感銘をうけた。



ふた月ぶりの雨よ雨よと待ちいしが嘘泣きほどで止んでしまえり
/勝井かな子「転びかた」



隠し事をしてゐるのでせうくすぐれば炭酸となるあなたの体
/岸並千珠子「菜の花ざかり」



いつのまにか巻末の投稿欄が500回を突破している。40年以上やってるんだ。すごい。
この本おわり。

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2019年07月07日

[総合誌読む 133] 『短歌研究』2019年4月号  ~何でも抱え込みすぎる貴女よ、ほか

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総合誌読む133

短歌研究 2019年4月号。



酒鬼薔薇聖斗のなかに薔薇ありて日ごと怖れきあかき夕雲
/小島ゆかり「花束とピストル」



ツイッター止めてと念を送りつつ口に出さない日々は過ぎゆく
/穂村弘「一太郎」



想定内ではあるけれど想定をしなかったので想定外だ
/俵万智「密林の風、負け犬の空」

→そういう流行語があったなと思って検索したら2005年だった。
屁理屈みたいだが、こんな感じでマイナス面が隠されて出回っているものがあるんでしょう。



。わたしにはやりたいことは、やりかただ。どうにも右折が苦手なら

五分早く家を出、三回左折すればいい。情報を集め分析すれば、少し

/斉藤斎藤「私がオバさまになっても」

→1首単位で引かれることを嫌がっている作品だなと思いながら引いた。
詞書にはなにやら皇室関係のことが書かれている。この二首のあいだには
「緊張を隠せなかったようだ。乾杯のときに手袋をしたままで一気に少量の杯を空けられ、皇太子よりも早く杯を降ろされてしまった」
とある。
事情のわかっている人がそういうことを書くんだろうけど、なんとも息苦しい。一挙手一投足をどうこう言われてしまう。現代にこういうものがあることにギョッとした。
詳しく知るとかつぶさに見るってことは、間違えると「乾杯のときに手袋をしたままで」「皇太子よりも早く杯を降ろされてしまった」と書いて発表するみたいなことになるよなって思った。誰も幸せにならないよこれは。

右折が苦手でもそれがしきたりで決まった道筋ならば、左折三回でというわけにはいかないだろう。息苦しい。

短歌の部分をつなげて読んでみると、短歌を始めたところから書き起こされているから作者が自分のことを言っているのかと思うけど、だんだんそうではなくて、皇室に入った人の言葉に見えてくる。
「わたしは、じぶんの希望は、ない。」
「わたしは、じぶんの意見は、ない。」

内容もそうだが、句読点の不自然さも、まるで人間じゃないものがしゃべっているみたいだ。
もっと考えたけどこれについてはここまで。



子の前にはいてごらんとくつを置く時代が終はるといふ朝(あした)にも
/澤村斉美



福のなき世かさまざまな福袋そのふくらみを指で押す人
/馬場あき子

→しょうもないハズレの福袋もあるもんだから、買うほうも疑いをもってしまう。「福袋」という名前はありがたそうでたのしそうなんだけど。



大きな桃抱えられたのおばあさんなんでも抱え込みすぎる貴女よ
/高橋よしえ

→「うたう☆クラブ」の佳作から。
「抱える」ということで上の句と下の句がつながっている。昔話の嘘っぽさを言っているようで、誰かほかの女性をいたわっているようでもある。
おばあさんと「貴女」が同じ人っていう線も考えてみたけど、つかめなかったな。「なんでも」っていうけど、別にほかの何かを抱え込んでる様子がないから、昔話のおばあさんと同じ人とは思わなかった。
昔話のおばあさんから今くるしんでいる誰かへ飛躍するのをおもしろく読んだ歌。




ってところでこの本おわり。

歌集評のページにオレの文章が載っています。といっても四月号はもう書店にはないことでしょう。



んじゃまた。




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【こっちもおすすめ】

noteのほうでは、ブログでは読めない内容の記事をたくさんアップしています。





依頼こなし日記 2019.5/6-5/16  ~日記とカレンダー
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2018年12月のオレの短歌とその余談  ~鋭く突いた怪作です、ほか
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2019年1月のオレの短歌とその余談  ~「おもらしクン」「大きなSNSの下で」ほか
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2019年2月のオレの短歌とその余談  ~文体そのものが行為になり得ている
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2019年06月10日

[総合誌読む 132]『短歌研究』2019年3月号  ●現代代表女性歌人作品集

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総合誌読む 132



短歌研究 2019年3月号




音のこと光のことを語る人家電量販店に集へり
/島田幸典「浅き水」

→たしかにそういう話をする場所だ。それを語るために集まってはいないんだけど、そうなっている。上の句が抽象的で、まるで宗教の本のなかの一行のようだ。



二十分あまりにてみかんひとつ剝く子供の時間は木立の時間
/山木礼子「花籠に花」

→みかんひとつ剥くのに二十分あまりかかる。いつまでやってるのか、と思うのは大人だからで、子供には別の時間が流れている。「木立の時間」という表現がゆたかだ。



友だちはできたかと子に問うてゐる友だちをらぬ母はさびしく
/山木礼子「花籠に花」





3月号の特集は、現代代表女性歌人140人作品集。テーマは「節目」になっている。そういえば男性は「進路」だった。
そこから引いてみましょう。


海いろの絨毯の上(へ)に骰子(さい)を投げ朱点ひとつの行方見てゐつ
/春日真木子「待つ」

→なんの数字が出るかな、ではなく赤い一の目だけを見ている。「海いろ」に「朱点」があって色あざやかだ。朱点を日の丸に見てもいいんだけどあんまりそういう読みの方向にはいかないようにしたい。



きのう踏み今日踏む落葉の感触のややに異なり冬深みゆく
/奈賀美和子「これからの話」



見つめ来る犬の居らねば命令形声にすること一生(ひとよ)なからん
/長澤ちづ「触媒」



牡蠣フライ壊れる音す言い訳をせぬと決めたる口の中にて
/松平盟子「牡蠣フライ」



三分の電子レンジを待ちながらこの三分の行方の知れず
/森藍火「単純明快」

戻らざる時間くるくる手繰るごと姑は虚空に指を回せる
/武下奈々子「くるくる」

→時間の歌をふたつ。見えないものをつかまえようとしている。



惑星の水はときおりしゃっくりを起こして虹とホエールを吐く
/井辻朱美「宇宙とは眩しきところ」

→作者名がなくても井辻さんとわかりそうな歌だなあ。
虹はレインボーにはしなくて、ホエールは鯨にしない。このあたりの使い分け。



目をあけてセーター脱げば編み目たちきゃあきゃあいいながら上昇す
/雪舟えま「くものすグラフ」

→こういう題材の歌はなぜかけっこう丸をつけてしまう。
それにしても独自なものがある。「目をあけて」で始めるところからすでに。編み目に「たち」をつけるところ。「きゃあきゃあ」もそうだし「上昇する」もそう。編み目がたくさんのかわいい生き物みたい。



焼畑のソバ粉のソバの挽きたての打ちたて茹でたて塩でいただく
/俵万智「時の消印」

→「山鳥の尾のしだり尾の」みたいな連想をするわけだけど、調子を保ったまま、どこにも飛躍せずにソバの話をつらぬいた。



パーテーションの隙間に見えるてのひらがマウスを包(くる)むオフィスの頃は
/小島なお「オフィスの頃」



曇天とちらちら光るアスファルトどちらが嘘とより親しいか
/馬場めぐみ「電気毛布と嫉妬」

→曇天もアスファルトもグレーだ。白黒どちらともつかないところに嘘があるということか。色は似ている一方で、状態はまったく異なるふたつだ。空高くつかめないもの、地面の硬いもの。
「より親しい」にも注目したい。曇天もアスファルトも嘘そのものではない。親しさから嘘の状態が探られていみたいだ。



特集からは以上です。うたうクラブからひとつ引いておわります。

豆電球ほどの閃き明日には忘れてしまうほどの悪口
/青山祐己

→うまいことを言えればそこにポッと灯りがついたようになる。悪口のちっぽけさや暗さ、あるいはさびしさが「豆電球」から感じられた。



この本おわり。


歌集評のページにオレの書いたものが3ページ載っているが、文章がへたくそで恥ずかしい。恥ずかしいけど、これが実力なのだ。



んじゃまた。




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2019年05月26日

[総合誌読む 131] 『歌壇』2019年2月号  ●歌壇賞発表

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総合誌読む 131


『歌壇』2019年2月号。歌壇賞発表号。



まぶしいと言えないままにすぎてゆく日々へわたしを運ぶ地下鉄
/高山由樹子「灯台を遠く離れて」



出しすぎてしまった芯をもどすとき感情が粉になって落ちる
/高山由樹子「灯台を遠く離れて」

→シャープペンシルを使うとそういうことがあるんで、ああ、あるなあと思って読んだ。感情というのはいったん人前で出しすぎてしまうと、やっぱり引っ込めるといっても完全に元通りにはならない。感情的に何か言って、しまったと思って取り繕ったのかと読んだんだけども。
戻るには戻るんだけど、でもちょっと、っていうこまかいところを、シャーペンの粉でうまく表現したなあと思った。

東さんが選考で「怒りのようなもの」をこの連作に見ている。この出しすぎて戻した感情も怒りとかそっちのほうの感情かな。



霧はすき人がひかりに見えるから呼吸をするみたいに手をのばす
/高山由樹子「灯台を遠く離れて」



散らばったかばんの中身の手鏡に映るわたしのものとわかる手
/椛沢知世「切り株の上」



口内にブドウの皮をひそませて傷つきたくて見ているドラマ
/椛沢知世「切り株の上」

→ブドウの皮のように、あとに残っていて、それでいて隠された、そういう感情があるのだろうか。



泣いているときもつめたい二の腕に頬を寄せたらかすかににおう
/椛沢知世「切り株の上」

→生きていること、肉体があることのどうしようもなさ、みたいなもの。



父の船に乗せられて見し沖からの小さきわが家あまりに小さき
/逢坂みずき「鯖の缶づめ」

→海のあるふるさとと家族の一連。体操服とかふでばことか黄色いトレーナーとか本棚にアルバムとか、道具がいいなあ。
この歌は、心細い気持ちになる。こういう思い出って忘れないものだ。



都会にはもうヤッホーと叫んでもいい場所はなくお釣を受け取る
/戸田響子「境界線の夢をみる」

→山のてっぺんで思いっきり叫ぶ、意味という意味はない言葉「ヤッホー」。受け取った小銭はこまかいが、こうである必然性がある。仕組みがある。



いけないと思うほどつい食パンの断面に指をしずめてしまう
/戸田響子「境界線の夢をみる」

→どれくらいしずめたかっていうのが「いけないと思うほど」という主観的な表現になってるのがよかった。いけない、っていうのはなんだろ。食パンに穴をあけちゃうってことか。
怒りがそうさせたのだろうか? それともパンのやわらかさを求めているのか。



ビルとビルの間に隙間があったかを思い出せない急に気になる
/戸田響子「境界線の夢をみる」



自販機の取り出し口から手が伸びて手をつかまれる気がしてならない
/戸田響子「境界線の夢をみる」

→「世にも奇妙な物語」の「自販機男」という話にちょこっとそういう場面があった。

ここまで引いた歌、どれも狂気に近いところにいる。そういう「境界線」か。



どうしても救われたくて飛び乗った地下鉄 ちがう 濁流 これは
/佐巻理奈子「水底の背」



パレードのごとき深夜のさっぽろを映してなんの予言だ川面は
/佐巻理奈子「水底の背」



柘榴を割る視野が端から赤くなる赤だけになる赤は綺麗だ
/岩田怜武「いのち」

→思いきった連作タイトルだ。
繰り返される「赤」を最後に「綺麗だ」という。赤につかまってしまったようでおそろしい。



自転車を押す間だけ空くサドルでも、ああ、そうか、そうでもないか
/岩田怜武「いのち」

→なにがだよ! っていう歌。下の句でなにか考えたり考えなおしたりしているが、それは読者には見えない。空いているサドルが意味ありげだ。



あのへんが海だったころ嘘つきはただ一滴のしずくであった
/辻原僚「スプリング・ブーケ」



ゆるされてしまう予感に耐えかねて天の写生をするこどもたち
/白川麒子「天景」




ここまでが歌壇賞。



冬ながら網目模様の太股がわれに近づく坐りてをれば
/島崎榮一「日常派」



痛くなくじょうずにお願いしたいです小包丁も林檎も言えり
/浜名理香

→上の句がこどものような口調でたのしい。林檎も実を切られたら痛いと言うんだろう。

開けて閉め閉めては開きのぞきこむいちばん楽しいところ冷蔵庫
/浜名理香「ばちかぶり」

→これも無邪気な感じがいいなあ。ちなみに、あんまり楽しくない冷蔵庫もあるんですよ、給料日前は特にすかすかで……。



怠惰なる日々にまとひし身の脂恥ぢて農夫の友と湯に入る
/山中律雄「風の言葉」



お手伝いお駄賃ねだり励む子の中が透けてる黄の貯金箱
/佐々木孝逸

→読者歌壇の特選作品。透けていてしかも色があるのがいい。いくらぐらい入っているのかなと想像させる。子のがんばりを親も見ているわけだ。
上の句にはぎこちなさがあるけども。



そんな感じで「歌壇」2月号はおわり。





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2019年05月21日

『短歌研究』2019年6月号の男性歌人作品集に7首掲載されています!

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みなさんこんにちは。

こっちはけっこう雨が降ってたんですが、みなさんのところはどうでしたか。


短歌研究新人賞の締め切りが5/20だったんですが、今年は出しませんでした。
なんて。






短歌研究6月号が発売になりました。
「現代代表男性歌人130人作品集」という大きな特集があるんですが、そこに「あの女」というタイトルで短歌7首を出しています。
性別で分けられている特集でして、性別のことを意識しながらつくりました。



短歌を始めて間もないころから見ている特集なので、おー、ほんとにここにオレの名前と作品が載ってるんだー、へー、ってまじまじと見つめてしまいました。

隣に永井祐さんがいました。すごい人ばっかりいる特集です。ほんとにオレでいいのかって感じです。いいんですけども。


男性歌人特集はおおむね年齢順の掲載になっています(エッセイの有無で多少前後します)。オレはケツから11番目という順番でした。若くもなんともありませんね。

一昨年の同じ特集では、1980年以後に生まれた歌人は4人だけだったのですが、今回は10人います。4→10ですから、若い人を増やしてきたなっていう印象です。人数も増えています。
(去年と比較したかったんですが見つからなかったので一昨年と比較しました)



短歌研究6月号にはほかにもいろいろ特集があって、1180円でちょっと高いんですが、よかったら手にとってみてください。




宣伝でした。



ネクスト工藤ズヒントは


一ヶ月後に20首


です。


んじゃまた。





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2019年05月12日

[総合誌読む 130] 『現代短歌』2019年2月号  ~未来などぬらぬらとして、ほか  ~

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総合誌読む 130

『現代短歌』2019年2月号

総合誌はひさしぶり。角川の11月号以来。

現代短歌2月号には作品13首「大きなSNSの下で」を出しております。よろしくお願いいたします。

表紙の女の人、よく見たら幼く見えて印象が変わった。旅館で不倫……みたいな写真かと思っていたら。





未来などぬらぬらとして雲と雲重なりながら影の蠢(うごめ)く
/中川佐和子

→巻頭の二人五十首は中川佐和子さんと松村正直さん。交互に歌が並んでいて、互いに少しずつつながっている。

この歌の詞書には仙台の勾当台公園のことが書いてある。仙台で未来でぬらぬら。他人事と思えない。

それはそれとして、雲と雲がかさなりあい流れるさまを「ぬらぬらと」「蠢く」と表現していて、まるで雲が生き物のようだ。雲のうごきが未来をあらわしているように見えたのだろう。



朝四時のファミリーマート おにぎりを並べるひとの首がふりむく
/松村正直

→なんでもないような歌。「首がふりむく」に最低限の接客っぽさが出ている。いらっしゃいませもあったり無かったり。それ以上でも以下でもない、この時間のコンビニの様子だ。朝四時って、あんまり歌に出てこない時間と思う。深夜ってほどでもなく、朝というには早い。



卓上の灯のうすらぎて窓外の空気したたるごとき夜明けぞ
/鵜飼康東


特集は「第一歌集の頃」。自選五首と文章。





バックアップバックアップと唱えつついつも何かに備えるわれら

あっぷあっぷ年末進行北山が白く近しくなりゆく季節
/永田紅「腐葉土」

→となりあう2首を引いた。こういう歌のつなげかたがあるんだな。バックアップからのあっぷあっぷ。たのしい。



シカゴステーキ〈オーロラ〉に来て抑へがたく抑へがたくライスお代わりしたり
/山下翔「開栓」

→オーロラからの食欲だ。三句から四句にまたがった抑えがたさ。



わが国の首相というはいつの間に汁男優(しるだんゆう)になったのだろう
/松木秀「あとがき」

→汁男優にルビがある。なかなかルビのつかない言葉だ。
みっともない脇役、チョイ役という意味だろう。多くの場合はブリーフ姿で脇で一人でしていて、一瞬登場していなくなる。



馬走り1コーナーを過ぎるころ静かにゲートかたづける人
/松木秀「あとがき」

→さっきとぜんぜんちがう感じの歌のようだがよくよく見ると、ゲートをかたづける人というのは熱狂的なレース、「本番」と直接関わらない脇役だ。
人身事故を処理する人の歌、札幌の都市をどうでもいいという歌もあるが、そうした脇のほうを見つめている歌が並ぶ。




そんな感じでこの本おわり。



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