なんたる星

2018年01月19日

「なんたる星の100のやつ」で遊んだよ【30首】

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去年11月に「なんたる星の100のやつ」で遊んだ。
お題が100個あって、そこから短歌などをつくる遊び。「題詠ブログ」「題詠マラソン」を知ってる人は、あれのもっとくだけたやつだと思ってもらうとわかりやすいかも。
お題がかなりユニークで、創作意欲を刺激された。短歌じゃなくてもいいんだけど、オレは短歌にこだわった。30首をツイッターに投稿したので、それをここにまとめる。


「なんたる星」または「なんたる星の100のやつ」については

なんたる星10月号(2017年)
http://p.booklog.jp/book/118063

なんたる星1月号(2018年)

http://p.booklog.jp/book/119652

にくわしいので、いまの説明でよくわからなかった方はご覧ください。








16 へいへーい

へいへーいなんて言いつつ青森のキャベツ積んでたあの日の小野は



18 お題「首都」で何か書いてください

ブラジルの首都ブラジリア オレだって人間だよと言わなきゃよかった



21 青いコンビニエンスストアについて

近さには拘束力があるらしく今日もローソン明日もローソン



23 王様ゲーム

やったことないが王様ゲームってひどく封建的らしいじゃん




24 返してほしいもの

図書室で借りたまんまになっていた「リンカーン伝」読んでもいない



30 題詠 わかめ

湯をかけてみろよみるみる増えるぞとわかめが言えばオレはたじろぐ



33 だれも知らなそうな地名

妹が教えてくれたブルガリアの濡れて破れたみたいな地名



39 ひゃん歌

強風に舞う紙屑が美由紀ちゃんの顔に当たった酒井美由紀ちゃんの



42 ばよえ~ん

誤って倒したドミノのゆくすえの見せちゃいけない富士山みごと



44 家からいちばんちかいコンビニに行って帰ってくるあいだにできたもの

不覚にもまた年をとりローソンでロールケーキを160円



47 500円でいける町

間違えて循環バスに乗車して元の場所まできて五百円



48 どこかひとつかならず間違えてください


間違いを探すつもりで見てる絵の猫の水玉シャツ似合わない



49 居合い抜き


斬られちゃう or 斬っちゃうのどちらかに追い込まれてメラメラしてる人



50 内容がティッシュ一枚くらいの軽さの歌

クリネックスティシューをお使いでもないし鬼でも天使でもなく工藤



59 お酒の思い出

小便を廊下にしてた父のこと冷蔵庫にしていた父のこと



60 みじかい日記

四行の日記が書けるノート買い毎日のこる余白二、三行



67 ラジオから聴こえてきた短歌

ラジオネーム・はるママさんからいただいたリクエストです「涙のキッス」



69 「冬の海」でなにか書いてください

冬の海 ぜんぜん行ったことがない思い浮かべる紺とグレーと



73 円周率の最後の数字

円周率が無限であれば含まれる191945450721の列



82 題詠 かまいたちの夜

全身が青い人たち集まって腹さぐりあうかまいたちの夜



83 !!!以上!!!!!!!以下

あ!い!う!え!お! 竹中直人の表情をそれぞれ一時停止する夜



88 曜日感覚

曜日感覚がないと言ったら俺も俺も僕も僕もで部屋盛り上がる



89 ガッツの感じられる短歌

笑ってはいたがほんとのところではよくわからないオッケー牧場



90 穴埋め短歌
母親の○○○○○○○ニューヨーク○○○○○○○信じられずに


母親の皇潤皇潤ニューヨーク青汁青汁信じられずに

91 穴埋め短歌
デモニッシュ○○○○○○○走り出す○○○○○○○存在するな


デモニッシュグルコサミンが走り出すコサミンコサミン存在するな



94 角のあるもの

赤鬼は角が一本青鬼は二本あるいはその逆でしょう



97 スキヤキソング

丸美屋のすきやきふりかけかけていたフォロワーふたり減った朝にも



98 方言

「がんばっぺ!宮城」の文字がはずかしいオレの気持ちをオレは支持する



99 身体が一日中半透明

一日中半透明な身体(しんたい)になっても食っていかねばならぬ



100 やり終えた感想を一言(短歌で)

適当にやっていたから終わっても感慨のない一生だった



以上です。おもしろかったです。



▼▼▼



お読みいただきありがとうございました。
noteのほうでは、ブログでは読めない内容の記事をたくさんアップしています。

「未来」の新年会に行ってきたぞ【前編】
https://t.co/TmIGkTjzob

未来賞をいただいて、いま書きたいこと
https://note.mu/mk7911/n/n0b1f389aea2f

2017年12月のオレの短歌とその余談(未来賞のことをもっと書く)
https://note.mu/mk7911/n/n4bd278ad4661

第57回短歌研究新人賞候補作「仙台に雪が降る」全30首
https://t.co/2qhYBXq6hv



などなど、
500円ですべての記事(約100記事)が読めます。よろしければどうぞ。



去年の角川短歌賞の予選通過作品 50首|note(ノート)
https://note.mu/mk7911/n/nd28a52e005c7
50首連作を200円で公開しています。


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2017年10月20日

〈結社誌読む 106〉 「なんたる星」2017年8月号

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「なんたる星」の2017年8月号を今になって読んだ。
「わりと短歌が好きな人たち」と書いてある。客観的だ。ほんとに「わりと」なのか。謙遜だったり羞恥心だったりするのか。


作品のところでは丸つけた歌は今回は無し。つまらないわけではないよ。

オレが古い人だから新しい面白さはわからなくなっていくのかもしれないということを時々考える。時間はどんどん流れていって、オレはいつまでもやわらかい感性をもっているわけではなく、いつまでも生きてはいない。
でもそんなことで悲観していてはいけない。




「戦評」見て、みんないい歌を知ってるんだなーと思った。どこでいったいそんな面白い歌を!
ちょっと孫引きする。

ピーマンのなかに涼しい部屋があることを考えている日盛り/原田彩加


虚無僧はかごがぐらぐらゆれるからあんまり早く走れないはず/雪舟えま


プリクラでファック・ユーのポーズとる低所得者の女ふたりで/やまだわるいこ

「わるいこ」ってすごい名前だ。本名がもし「よしこ」だったとしたら、そしてもしそれを知ることがあったとしたら、その瞬間どんな気持ちになるだろうと妄想する。それはオレが「よしお」だからなのか。

でも「やまだ」だったら「よしこ」じゃない気がするね。どうして、ってことはないけど。
「やまだ」ですらないかもしれない。オレは「山本」で始まる筆名の人を二人知ってるが、ふたりとも本名が山本じゃないと聞いた。
作品と関係なく、そんなことを考えた。

作品のことを言うなら、つよい言葉であるはずの「ファック・ユー」が「プリクラ」や「低所得者」で弱められている、その弱められっぷりを味わう歌なのだと読んだ。



以上です。
んじゃまた。



▼▼▼



■工藤吉生(くどうよしお)の短歌・自選50首 +プロフィール
http://blog.livedoor.jp/mk7911/archives/52107166.html

2017年7-9月の歌まとめ・20首
https://matome.naver.jp/m/odai/2150685074540729601




第57回短歌研究新人賞候補作「仙台に雪が降る」全30首
https://t.co/2qhYBXq6hv

2017年9月のオレの短歌とその余談【前編】|mk7911|note(ノート)https://note.mu/mk7911/n/nd4b539b8b11c

2017年9月のオレの短歌とその余談【後編】|mk7911|note(ノート)https://note.mu/mk7911/n/n1f14c362a021

二件のいやがらせについて|mk7911|note(ノート)https://note.mu/mk7911/n/n73db516286bb


「工藤の有料マガジン」は500円ですべての記事(約100記事)が読めます。
よろしくお願いいたします。


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2017年05月21日

〈結社誌読む 98〉 「なんたる星」2017年4月号  ~ひ ひ ひ ひとをころした夜、ほか

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「なんたる星」2017年4月号。日記号。



終バスの座席の下に 届くかな 折りたたまれて 馬券になった/はだし「きいている」
→バスの整理券かと思った。「終バスの座席の下に」あるものといったら、まずはそれかなと。落っこちた整理券を、手を伸ばして拾おうとしている。手が届こうとするところで「折りたたまれ」る。どういうこと? 整理券じゃなかったか、と思ってると「馬券になった」。
「なった」ってことはそれまでは馬券じゃなかったんだ。あるいは馬券じゃないつもりでいたんだ。整理券だと思って拾おうとして馬券になったんだとしたら、じゃあ整理券はどうなったのか。っていうかこの馬券こそなんなのか。
夜中の暗がりで何かが起こっている。

折りたたまれてひらいたら別の紙になっていた、ってことだとしたら手品っぽくてそれもいい。




滝のおもちゃ メモに書いてあり おもちゃ屋のまんなかで耳をすました/迂回「滝のおもちゃ」
→メモを持っておもちゃ屋に来ている。「このおもちゃを買ってきて」とメモを渡されたのか。滝のおもちゃってあるのか。滝のおもちゃは滝の音がしているだろうから、音でわかるかと耳をすましている。そう読んだ。

おもちゃ屋のがちゃがちゃした音の向こう側から、ドドドと滝の音がしてきそうだ。滝の音は、自然の中にいるときの清らかですがすがしい気分を思い出させる。



ひ ひ ひ ひとをころした夜に飲むホットミルクのゆげのしつこさ/加賀田優子「すきなひといないの」
→「ひ ひ ひ」だけでもうおもしろい。「ひとをころした」を導いている「ひ」だ。殺された者や発見者の声か、それとも殺してしまった者の驚愕の「ひ」なのか。笑い声にも見える。縦書きにしたときに、湯気の形に見えなくもない。

ミルクから命を導くような読み方は、言うとアレなのでまあいいとする。

「ゆげのしつこさ」。殺人者って、なにもかもに追われているような感覚でいるんだろうな。ゆげからもしつこくされたくない。
ひらがなへのひらきかたもいいんじゃないでしょうか。



気分はもう気分はもう落ちているパンひろって晩ごはんにする気分/加賀田優子「すきなひといないの」
→「落ちている」は気分でもあり、パンでもある。パンって落ちてるかな。落ちてたら食べてしまいそうなくらいの気分だ、というふうに読んだ。
拾って食べるのは良くない、とも感じなくなっている。とにかく下にしか目がいかない。
665665? もう短歌の形に整えようという気もないほど落ちている。



特集の日記は、スコヲプさんのがおもしろかった。変といえば変だけど、オレの日記もわりとこういう感じだからリアルに感じる。
一日のなかで気になるものや日記に書きたくなるものって、限られている。知らない人が見てもわからないような書き方するのもオレと同じだ。
水かさ、色、死骸。物語の予感がする。



「なんたる星」四月号はこちらから読めます。

http://p.booklog.jp/book/114187






以上です。
んじゃまた。


▼▼




短歌パトロール日誌【3】|mk7911|note(ノート)https://t.co/1XaAOUsqu8
有料マガジンを更新しました。





2017年4月に掲載された/発表した短歌のまとめ【22首】
https://note.mu/mk7911/n/n3afc09ed83de

2017年4月にあった出来事についてあれこれ言う
https://t.co/iWmOlpRjpS

帰ってきた汚染歌人
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短歌と公募と賞金のこと|mk7911|note(ノート)https://note.mu/mk7911/n/n47a017bcce69


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2017年03月17日

〈結社誌読む 94〉 「なんたる星」2017年2月号  ~その後の川遊び、ほか

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なんたる星2017年2月号。



「なんたる星」はこちらから読める。
http://p.booklog.jp/book/112996
画像使わせてもらったけど大丈夫かな。ほかの本でも、記事にするときは表紙の画像を使うようにしています。そのほうがブログもたのしいし、読者に「自分もこれを読んでみたい」という気持ちになってもらえるからです。



ビーサンは流されてって その後の川遊びって感じだ、しごと/はだし「酪農」
→川遊びをしていて、うっかりビーチサンダルを流されてしまう。そのあとにもつづく川遊びが、まるで仕事のようだという。

オレも過去にあったことを思い出す。釣りしてて釣りざおを流されてしまって、気分が重ーーくなったことがある。

ビーチサンダルの略され方「ビーサン」はオレはたぶん口に出したことないな。字で見ることもあまりないが、あまりなくてもわかる言葉だ。
ビーサンは確かに仕事っぽくない履き物だ。略したからさらに仕事っぽくない。
ビーサンが無いと、遊んでいてもしごとのようになる。遊びとしごとの境目にビーサンは流れている。



お守りで押さえたカップヌードルのふたが開いてる あったかそうに/はだし「酪農」
→見たことがある歌だ。ツイッターで見たのだったか。そのときもいいなと思った。

カップヌードルに湯を注いだら、ふたを閉めて待つ。ふたは普通には閉まらないから上にものを置いたりする。日清のカップヌードルには専用のシールがついているが、オレは好まない。

たまたまそばにあったのか、お守りをのせたと。でも押さえ方としては不十分だったのか、ふたは空いていた。あったかそうなのは、あたためられたお守りか。

悪霊がとりついているとかで、何かにおふだを貼りつけることがある。それが剥がれると、とても不吉だ。立て続けに交通事故とか起こる。キョンシーならば動き出す。そんなふうに、神聖な力でふさいだものがふさぎきれていないのはとても恐ろしいことのように思える。
しかしそれを打ち消すように「あったかそうに」がある。ほのぼのしている。お守りが幸せそうですらある。角度によって、恐ろしくなったりほのぼのしたりする。



いっせーのせーので指を上げあって知らない人のその指も指/迂回「起立斉唱知人サンバ」
→あの遊びは「指スマ」と呼ぶのがもっとも通りがいいらしいんだが、スマップの前にもあったし、オレはあんまり納得していない。世の中には、これといった決まった名前の無いものがある。それぞれで名付けて、どれも定着しない。
だから「いっせーので決めようぜ」と言って親指を出してみせたりする。

時々は、よく知らないやつとそれをやることもある。友達の友達とかと。
それでも「いっせーの」すれば指は勢いよくビーンと上がるわけで、そんな知らない人の指に違和感をおぼえたという、そういう歌と読んだ。だとすればその感覚はわかるなと。



宇宙塵となった身体できみの乗るシャトルの窓を叩きに行くよ/スコヲプ「宇宙ガラス」
→ぐるぐるまわる文字で連作が編まれている。
スマホから読んだが、読もうとしてスマホを回していくのは面倒だがちょっとおもしろい体験だった。これはその最後の歌。
とってもロマンチックな歌にも見えるし、執念深さがやばい歌にも見える。
さっきのお守りの歌もそうだけど、やばく見えるしやばくないようにも見える歌をおもしろく思う。



中島みゆきのアルバム「生きていてもいいですか」
7曲目の「エレーン」に
行く先もなしにおまえがいつまでも
灯りの暖かに点ったにぎやかな窓を
ひとつずつ のぞいてる

とある。
8曲目「異国」には
百億粒の灰になってもあたし
帰り仕度をしつづける

とある。


ものは言い方で、「きみ」とか「シャトル」とか「宇宙」とか言えばなんだかいい感じにもなる。
粉々になっても意志は死なず、宇宙までいってもついてくるとは、すごい愛のようでもあるし、「生きていてもいいですか」的な執念・怨念でもある。そのどちらなのかは「きみ」次第だ。

このぐるぐるは、ブラックホールにでも飲まれていくのか。幸せな宇宙旅行ではなさそうだ。



企画は「戦評」
歌合の一種ですね。2ターンあるのと、時間が決まっているのと、その場にいない人の歌をとりあげるところが特徴か。判者が入れ替わるのも特徴かな。

空気がおもしろかった。相づちに独特なものがあって。これは「なんたる星」ならではのものでしょう。待ち時間がおもしろい。嫌味にならない程度のほどほどなおもしろさの変な言葉を放り込んでくるセンスがうらやましい。



以上です。









成人病予防健診に行って、最悪だった話|mk7911|note(ノート)https://note.mu/mk7911/n/n825cec319cde

2017年2月の工藤吉生の短歌すべて見せます|mk7911|note(ノート)

https://t.co/e37EDuY9fQ
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2017年02月10日

〈結社誌読む 87〉 「なんたる星」2016年12月号  ~あだ名にはならない位置、ほか

「なんたる星」2016年12月号。ヤンキー号。



あだ名にはならない位置に三つめの目ができてから行く同窓会/迂回「駅で思う」
→同窓会が出てくるけど、学生は身体的特徴からあだ名をつけがちだ。目立つ場所ならあだ名になりやすい。三つめの目は目立たぬ位置についたのか。それとも、シャレにならないような、引いちゃうような場所なのか。どこだろうなあ。
でもほんとにあだ名にならなかったのは、それが「目」だったからかもしれない。目って大人になってから「できる」ものなのか。こわい。



エアホッケーあるでしょ 打ち返してくれる人がいないとああなっちゃうよ/はだし「いま宗教きたら」
→相手のいないエアホッケーは、簡単に得点できてしまい、全く一方的な試合になる。
「あるでしょ」は例え話としてエアホッケーを出してきたと読める(離れた場所にエアホッケーの台があってそれを指してるようにも見える)。例え話だとすると、ひどく一方的な何かがそこで起こっている。



先輩に借りた漫画の先輩は後輩にむちゃくちゃ好かれてた/加賀田優子「友達がブルーシートにくるまれた可能性とその春のからあげ」
→二回「先輩」が出てくる。最初の先輩は自分の先輩で、二番目の先輩は漫画のキャラクターだ。でもあえて同じ言い方をすることによって、漫画の中と外が曖昧になっている。

タイトルである
友達がブルーシートにくるまれた可能性とその春のからあげ
はその次の歌。連作のタイトルを短歌にした場合に、タイトルそのままの短歌が連作に出てくるケースは初めて見た。ありそうだけどね。でも初めて見た。

一字あけも記号もない場合に、短歌を575+77みたいにオレは読みがちなんだけど、そうした場合は「友達がブルーシートにくるまれた」で切れるわけで、相当なショックがくる。「可能性」とくるからショックが緩和される。そして「からあげ」でじわっとした気持ち悪さがよみがえる。

「グモる」って言葉がしばらく前にあったんだけど、電車とかで人身事故があると遺体にブルーシートがかけられる。
遺体の画像が「オグリッシュ」とかそういうサイトにアップされたんだが、からあげみたいに体がちぎれていたりする。



読み物のなかでは恋をしているさんの「バイク」が面白かった。貼り紙のくだりがよかった。指名手配犯の写真のなかに鹿の写真があるからそれを警官に指摘したらバイクの写真に変わったというところ。
「神アプリじゃー」もすごい。
罵倒としての「宇宙のしきたり」も良かったな。

「神アプリ」に関しては、間違ってないんじゃないかとすら思った。
言葉の意味は時間のなかで変化してゆくけど、ババアのなかでものすごい時間が経過したために「神アプリ」が「信頼できるもの、好きなもの」みたいな意味に転じたんじゃないかと。


「走り去る猿ごきげん町、とぅもろーねばーのーずです」という文言を書いた布を巻きつけたバイクに乗っているので、あだ名がバイクになっているババア(もうその時点でキル)が初めて友人の結婚式に招待されるというので近所に住んでいる高校生の僕にそのことを相談してきた。/恋をしている「バイク」
というのが出だしのところだ。

「走り去る猿ごきげん町、とぅもろーねばーのーずです」
意味はともかくやたら調子がいいフレーズだ。ラジオのCMみたいだ。ラジオのCMって、声の良さや滑舌の良さや、そして語呂の良さで勝負してくる。




そんな感じです。
こちらから読めます。
http://p.booklog.jp/book/111926


んじゃまた。


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2016年12月13日

〈結社誌読む 83〉 「なんたる星」2016年10月号  ~モノマネ芸人の四平ちゃん、ほか

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「なんたる星」2016年10月号。

http://p.booklog.jp/book/110300/read




ビッグコミックスピリッツなど買った日も寿命は待ってくれないだろう/スコヲプ「チックとタック」
→なにをしていても時間は経過するということは、わかってるけどいちいち意識しなくて、言われるとキツいなーと思う。「スピリッツ」から魂を連想するなどした。


世界中を敵に回しても守りたいコンビニ袋の水平がある/スコヲプ「チックとタック」
→世界中を敵に回しても、はJ-popにありがちな歌詞だ。「水平がある」というおさめかたは変にキリッとしている。「絶対に負けられない戦いがそこにはある」というのがそうであるように。

ビジネスホテルに泊まる夜のコンビニは最高に楽しいんだけど、ビジネスホテルに辿り着くまでは命がけだ。普段買わないモノを買うから、水平の感覚が分からない場合が多いのだ。だから、ゾンビが目の前にいても、そのまま踏む。
というのが、この歌への「なんたる星」 @nantaruhoshi さんの評というか感想というか関連したツイートだ。
これにくらべるとオレはとても野暮なことを言っているのはわかるんだが、野暮なところから起こしていかなきゃいけない気がしている。

コンビニ袋の水平が守られないということは、袋の中の弁当やなんかが片寄るということだ。その程度のことに世界中を敵に回して云々と言っているところがおもしろい。さっき言った理由で「がある」も効果的。



いきものの死体を埋めたことのない人がマイクをぽんと叩いた/加賀田優子「庭のあるおんなのこたち」
→これもたぶん何回も書いているんだけど、一首のなかにふたつの事柄を入れると、そのふたつが関連しはじめる。いきものの死体を埋めることとマイクを叩くことが関連しはじめる。反応が起こる。

死体を埋めるとは死を悼むとか、そういうことだ。「生き物」ではなくひらがなで「いきもの」とされていてそこにニュアンスが生じる。「物」じゃない。

マイクを叩くのは、物の扱いがちょっぴり雑だという程度のことだ。が、いきものの死を置いたことで、雑が大きくなり虐待や暴力にまで近づく。
マイクを叩いた音がマイクに乗ると「ぽん」が拡大されて「ボンッ!!」になる。いきものを殺した音を聞くようだ。



臓器移植カードを栞にしたままで返却されてゆく本 二冊/加賀田優子「庭のあるおんなのこたち」
→どうしてそうなったのかが気になるし、このあとどうなるのかも気になる。
うっかりそうしてしまったんだと読んだが、二冊だったら確信があってのこととも読める。二人の臓器が果てしなく遠くへ行ってしまうようで不安になる。



気にしなくていいよふたつの春巻きをひとりで食べる電気つけない/はだし「おしゃべり」
→これも「ふたつ」だ。「二冊」とか「ふたつ」には推測したくなるものがある。
なんらかの理由で、ふたりで食べるものをひとりで食べている。気にしなくていいよと言いながらも、部屋を明るくしようとしないところに気持ちがあらわれている、ように見えた。



ゴミ箱にヘッドスライディングじゃ、って感じでかなり失恋でした/はだし「おしゃべり」
→ゴミ箱にヘッドスライディングするとどうなるかというと、頭からゴミをかぶることになる。失恋だけど「じゃ」もあって漫画的だ。

野球でホームベースにヘッドスライディングすれば、得点する可能性が上がるわけだが、相手がゴミ箱ではどうにもならない。アウトもセーフもない。成功する可能性のないところに全力でいくような失恋、それは「かなり」の失恋だ。



10月号は「焼きそば号」ということで焼きそばの短歌がいくつか載っていた。

真夜中のピッチャーマウンドで食べる焼きそばの濃いとこ濃いとこ/ナイス害
→奇妙な光景だ。ベンチでも客席でもなくピッチャーマウンド。奇妙なうえに字足らずもある。
「濃いとこ」はなんだろう。外角高めを狙って攻める、みたいな気持ちで「濃いとこ」を攻めてるのか?



「一平ちゃんのモノマネ芸人の四平ちゃんが昨夜ひき逃げに遭いました」/ナイス害
→一平ちゃんのモノマネっていうけど、一平ちゃんって誰なんだよって話だ。焼きそばの名前ではあるけど、人の名前のようでいてそういう特定の人物はいない。以前は松村邦洋がコマーシャルで「一平ちゃん」を演じてたけど、今は違う。

だから四平ちゃんは元々が誰なのかよくわからないようなものをモノマネしていたわけだ。似てるのかもわからない。昨夜亡くなったのなら、もう確かめられない。

「四」は「死」みたいだし、「二平ちゃん」「三平ちゃん」が抜けてるのも気になるところだ。
そして、よくわからないものを真似する、聞いたこともないような名前のモノマネ芸人を、轢いた者も逃げていなくなってしまった。なにもかも闇のなかだ。鍵括弧に入ったニュース音声だけがある。



そのあとに散文などが置かれた自由なページがある。
ナイス害さんの「こんな焼きそばは嫌だ」は大喜利の上質な部分を見せてくれる。大喜利にも連作みたいなものはあるのだろうな。より大きくウケるような並べ方とか。
スコヲプさんの「焼きそば歌集」の文章は逆に、ひとつの大きなもののために助走をつけていく文章で、これも面白かった。



「ネット大喜利からきました」みたいなことは言うけど、ネット大喜利ってなんだ、どんなサイトがあってどんな人がいて何が起こってるのか、みたいなことはほとんど彼らは言わないんだよな。短歌の人はきかれなくても「こういう場所でこんなことしてます」ってすぐ言いそうな気がするけど、どうかな。


そんなことをを考えながら終わります。


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2016年09月16日

〈結社誌読む 77〉 「なんたる星」2016年8月号  ~ないはずの思い出、ほか

なんたる星 2016年8月号

ひさしぶりに「なんたる星」をこのブログで扱う。


まちなかのぬりのこしが目立ちはじめる 指をさす だれとでも目が合う/加賀田優子「平和」

フレンチトーストにおしょうゆ入れますか入れませんか銃殺刑ですか/加賀田優子「平和」

→句切れはズレているけどいずれも31音に近い。

ひとつ目に引いた歌はスプラトゥーンを思い出したが、それは置いておこう。きちんとされていない状態を示しているんだろう。目が合うのは存在を認識されていることでもあり、危険な匂いもする。

フレンチトーストにおしょうゆっていうのは非常識ということで、それゆえ銃殺刑にされてしまう、タイトルとはうらはらに物騒なところだ。
でもほんとにそれ非常識なのかとちょっと心配になって検索してみたらクックパッドがたくさんヒットするし、アリといえばアリらしい。単に好みや習慣の問題か。



ないはずの思い出がある噴水に噴き上げられていたことだとか/スコヲプ「橙色の葬列」
→オレもないはずの思い出がある。噴水ではないけど。なにかで見たことが自分自身の思い出のように記憶される。あるいは。


Tシャツと胸の隙間にごくうすく宇宙保ってベランダにいる/佐藤聖「月(つきだな)棚」
お名前は知ってたけど、この方の作品をまとめて読むのは初めて。
→八月号ってことで、夏の夜空を見てるのかなと思って読んだ。ごく近くに宇宙がある。「保って」がいいんじゃないでしょうか。


以上です。
簡単に終わらせちゃったけど、これくらいの分量だと気軽に読めていいなあ。


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2016年04月07日

〈結社誌読む 65〉 「なんたる星」2016年3月号  ~ダメになろうと喜んで行く、ほか

「なんたる星」3月号。



弾丸はでも届こうよ楽勝のいくさのように音楽が来る/山中千瀬「花図鑑(抜粋)2」
→むずかしい作品だった。
「弾丸」と「楽勝のいくさ」、「届こうよ」と「来る」がなにか関係あるのか。
上の句。「でも届こうよ」は、ひどくためらっている者にかける言葉に見える。弾丸なのに弱々しい。
下の句は音楽がひどく軽々しいということか。
届いていこうとしない弾丸に、軽々とくる音楽。そこに対比があるようで、この歌は一応すこし読めた気分になれた。


人をダメにしちゃうソファがあると聞きダメになろうと喜んで行く/スコヲプ「ミナトアラウンド」
→ダメになりたい欲望が人にはあるのかもしれない。潜在的なところをすくいとっている。
直接関係ないけど、「ソファ」って名前の響きがすでにもう、すごく気持ちよさそうで、人をダメにしてきそうだなあ。


土曜日の仕事をいやがってた人の車のライトもうあんなとこに/はだし「だめなやつと雪」
→いやがってはいても、仕事だから行くわけだ。車に乗ると速く移動できてしまうもので、気持ちとは無関係にすぐに遠くにいってしまう。
人間が光に変身したみたいなおもしろさもある。


なんとなく不利だと思うタバコ屋が改装しててなんとなく不利/迂回「コードネームおでかけ日和」
→タバコ屋というのは古くさいほうが雰囲気があって良いものだから、改装して新しくするとかえって客足が遠退いて売り上げが落ちるのではないか。
と意味の上では読める。
「なんとなく不利」という曖昧さを含む言葉の繰り返しにも注目したい。
おそらくこの人はタバコ屋の前を通過した通行人なので、有利とか不利とかはないはずだ。でもタバコ屋にとっての「不利」を「なんとなく」感じ取っている。

あるいはタバコ屋にとっての不利ではなく、自分にとっての不利なのかもしれない。「黒猫が横切ると不吉」みたいに、見慣れたタバコ屋が改装されていることが自分のなにかを悪い方向に動かしている予感がしたのかもしれない。

四首目のタオルと虫歯の歌、五首目の挫折と魚屋の歌なんかを見ていると、日常風景に自分の苦しみが関連づけられているようだし、「タバコ屋の改装→自分が不利」という読みもあながちデタラメではないと思えてくる。



ナイス害さんの連作はおもしろい試みだった。
もうちょい57577に近くてもいいのかもしれないなあ。そのへんの判断は人によっていろいろあるとは思うんだけども。
ナダルは「いい声で」言うんでしょう。名詞を変えるだけじゃないでしょう。短歌に声は聞こえないけど、それに相当する何かがあるような。



以上です。

なんたる星はこちらから読めます。

https://t.co/vvNlETbVZr








今度はオレの宣伝。
noteで有料マガジンやってます。500円払った人だけが読める記事を週二回以上を目標に書いています。
最近はこういうのを書きました。


工藤、投稿サイトで厳しいコメントを書かれる|note
(ノート)https://t.co/6PHizcAv0g

厳しいコメント内容と、それに対する自分の気持ちを書きました。
よろしくお願いします。



んじゃまた。


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mk7911 at 22:13|PermalinkComments(0)

2016年02月06日

〈結社誌読む 61〉 「なんたる星」2016年1月号  ~とうてい分からない花の唄、ほか

なんたる星 2016年1月号


「なんたる星」はここから読めます。
http://p.booklog.jp/book/103870



コーヒーをぶっかけられてコーヒーをぶっかけ返す三十六歳/ナイス害「シャッターチャンス適齢期」
→結句に年齢をもってくるのは高齢者がよくやるやつです。三十六歳はあまりやらない。今のオレと同じ年齢なので他人事と思えません。
オレもやられるとカッとなるんで、やり返さないと約束はできません。でも、やったらそれはそれは恥ずかしい。年齢をつけると大人気(おとなげ)なさが強まります。

いい大人が飲み物かけあってたらいけませんよねえ。我慢のひとつも知らないと。
オレはコーヒーかけませんけど、これに類いすることをやってはいないだろうかと反省してしまいました。



シャッフルで音楽を聴く だいぶいい かなりいい 素手でさわりたい/恋をしている「ひかりのくに」
→「シャッフル」というと曲をかき混ぜているわけで、かき混ぜられるのに触れることができないとは、これいかに。
音楽が「音」でしかないことが不思議に思えることがあります。



無神経 泣きそうで目が開かなくてとうてい分からない花の唄/恋をしている「ひかりのくに」
→いやよくわかんないんですよ。目をあけると泣きそうだから開かないのか、もっと違う理由で開かないのか。分からないのは見えないから分からないのか。
でもこの連作全体がそうなんですが、ひかりにあふれていて、なにか強く感じるものがありました。

泣きそうな気持ちがあって、開かない目があって、花があって唄があってわからなさがあって。
それって、生まれてくる時とか、幸せに死ぬ時なんじゃないかなあ、と思いました。

「無神経」はわかりません。他者との関わりのなかで出てくる言葉ですが、花の唄が無神経なのでしょうか?? 傍若無人という意味の「無神経」ではないのかもしれません。

この歌に関しては語りきれていないという気持ちが強くて、昨夜夢にまで出てきました。
オレは好き放題に感想を言ってはいますが、それでもうまくいかないこともあれば、失敗を気に病むこともあります。



卒業をするためのぼる階段の十三からは振り向かずゆく/スコヲプ「しんではいけないがっこう」
→十三と階段というのが死刑執行を思わせて不吉ですが、もっともっと先があるということは、別に死ににいくわけじゃないのか。振り向かないその決意は何に向かっているのでしょう。気になった歌でした。



寝れなくていつかの神社をおもいだしてた、やきとりが落ちてた神社/はだし「だれだ」
→寝れないとき、脈絡なく、過去のことを考えたりします。うれしいこともかなしいこともあれば、なんでもないようなことがいつまでも記憶に残っていたりもします。
やきとりと神社。思い出すにはちょうどいい謎です。



春の船、それからひかり溜め込んでゆっくり出航する夏の船/堂園昌彦
→季節がゆっくりと移り変わるのが感じられて、いいですね。この歌しらなかったです。

「デザイン短歌」のコーナー、よかったです。図式的にするよりは丁寧で、イラスト化まではいかない。
流行ったらおもしろいと思いました。



体内は正確に赤まひるまの地蔵の頭きれいにつかむ/迂回

「しりとり短歌」から。こないだも言ったと思うけど、そういう遊びに対してはオレはわりと冷たい人なんです。
いい歌かそうじゃないか、で見る。しりとりだからエライスゴイ、という見方はしてないのです。
それでも作者の異なる四首が正方形になるのは、ちょっと面白かったです。きれいじゃないですか。
もしかすると見る方よりやってる方が面白いのかもしれません。

その中で丸つけたのはこの一首だけです。
体内が赤いのは生き物である印ですね。お地蔵さまの体内は赤くない。内部の色というところから、命のあるものと命のないものの絶対的な違いをあらわしています。
「きれいにつかむ」は表面でのつながりです。手のひらにしっくりくる大きさと丸さですかね。

地蔵って念のこめられたものなので、命のなさ、だけで割り切るのもアレですかね。 ひらがなの「まひるま」が人間と地蔵の接触になんらかの作用を及ぼしていると読んでみたくなりました。




以上です。んじゃまた。


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mk7911 at 20:55|PermalinkComments(0)

2015年12月12日

{短歌の本読む 70} ナイス害「なんたる害」  ~そこから370度ターン、ほか

「なんたる害」はナイス害さんの作品集です。18ページです。


一番特徴的なのは大喜利と短歌が半分ずつ載っていることです。右のページが大喜利で、左のページは短歌なのです。

大喜利って、そうですあれです。IPPONグランプリとか、ああいうやつです。本の半分がそれなんです。
ですが、オレは大喜利を語る言葉を持ってないんです。下手に語るとダメにしちゃうというか。「面白い」としか言いようがないんです。



いつものように短歌を引きます。


玄関で交通事故を起こしてるサンダル達に見せる抱擁/ナイス害「なんたる害」
→サンダルを急いで脱いだからぶつかりあって、それが「交通事故」なんですね。ぶつかるサンダルが感情のたかぶりをあらわしています。



ユニクロの看板の上に座ってるおばさんのような不安な顔め/ナイス害「なんたる害」
→ユニクロうんぬんは長い比喩で、これらが「不安な顔」にかかってきます。
高い狭いところに一人でいれば不安になるでしょうね。なんでそれがユニクロの看板なのか、おばさんなのか、どういう状況なのか、そういったところに謎があります。



新しい苗字を呼べば振り向いてそこから370度ターン/ナイス害「なんたる害」
→どういうことなのかしばらく考えてしまいました。振り向いてからの370度は、またこちらを見ているんですね。まだ呼ばれ慣れていない名前を呼ばれる、激しい喜びのターンなんでしょうか。



新たに丸をつけた歌は、そんなところです。
以前ご紹介した歌もいくつも入っています。といっても知らない方もいるでしょうから再びご紹介します。



なんと俺、短い名前がだいすきで「手」と名乗る女の胸を揉む/ナイス害

違うこれでもない、これでもない、違う、と言いながらティッシュを出し続ける/ナイス害

フェデラーのバックハンドの勢いで手を振り払う 肩脱臼す/ナイス害

12位で「ラッキーカラーは白です」と言われてオレは死ぬんじゃないの/ナイス害




あらためて害さんの歌を見ると、ここに収録されなかった面白い歌もいくつもあります。
ページ数が足りないというか、もっともっと読みたくなる量です。


また、いろいろ実験的な歌もあるはずなんですが、「なんたる害」にはほとんど反映されていません。
パーレンを多用した歌、逆さまに読む歌、文字の打ち間違いをそのままにした歌、長いタイトルつきの連作……。そうした数々の試みはいったん無しになっています。
まあそれは「なんたる星」で見れるものなので、その代わりにここでしか読めない大喜利を入れたのでしょうね。


最後にプロフィールがあります。害さんはオレと同じ1979年に生まれています。2010年まで何もなかったことになっているのが一番よかったです。自分の生涯から何を選びとるかは大事ですね。



この本はこれで終わります。
んじゃまた。


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mk7911 at 09:51|PermalinkComments(0)