工藤吉生

2018年10月29日

【工藤吉生の短歌・総まとめ】

2018.10.29 リンク追加、プロフィール追加




工藤吉生の短歌のまとめページです。


【第61回短歌研究新人賞受賞作「この人を追う」30首】
2018年に大きな賞をいただきました。



中心となるまとめは三つです。


自選50首+プロフィール
まず主な歌をご紹介している、はじめましての方向けのページです。


【さらに100首】
主な50首を読んだうえで、もう少し読んでみたいというありがたーい方へのページです。こちらは近作が中心です。


工藤 吉生 短歌集【ブログ版】
比較的初期のほうの作品を中心としたまとめはこちら。140首くらいありますが、画像が多いので見やすいと思います。






新聞に載った短歌まとめ
新聞歌壇に掲載された歌をまとめているページで、掲載されるたびに更新されています。


「塔」に載った短歌まとめ
2013年から2015まで所属していた結社「塔短歌会」の結社誌に掲載された歌をまとめたページ。


「未来」に載った短歌まとめ
2016年から作品が掲載されている結社誌「未来」(彗星集)の短歌をまとめたページ。






以下は、おおよそ三ヶ月を区切りとして時期別に歌をまとめたページです。三ヶ月ごとに追加される予定です。


第一期【2011年8月-10月】20首
121首を発表。短歌を始めたばかりのころ。「歌のある短歌コンテスト」向けに百首以上の歌を作ってツイッターに流した。

第二期【2011年11月-12月】25首
226首を発表。もっとも多作だったころ。「ドラえもん短歌2011」へ投稿。それ以外はツイッターで発表しブログにまとめた。

第三期【2012年1-3月】25首
254首を発表。「うたのわ」での発表を開始。「うたらば」への投稿を開始。短歌の総合誌(短歌研究)を初めて買う。

第四期【2012年4-6月】15首
82首を発表。「ダ・ヴィンチ」、角川「短歌」に投稿を始める。新人賞への応募を開始。「うたつかい」に出詠を開始。ネット上の歌会に参加。

第五期【2012年7-9月】15首
110首を発表。大阪へ行き、初めて歌会に参加(「天下一短歌会」)。結社「塔短歌会」に入会。それと同時に名前を「くどうよしお」から「工藤吉生」とした。

第六期【2012年10-12月】20首
140首を発表。「角川短歌ライブラリ刊行記念 わたしの一首コンテスト」で大賞を受賞(吉川宏志選)。
「短歌研究詠草」準特選(佐佐木幸綱選)。
「歌会たかまがはら」へ投稿を開始。
連作「ドラゴンクエスト3」制作。

第七期【2013年1-3月】20首
65首を発表。「角川全国短歌大賞」秀逸(馬場あき子選)で、初めて短歌で賞状をもらう。
自作のbotをつくって流し始めた。

第八期【2013年4-6月】20首
42首発表。NHK短歌へ投稿を開始。
「空き瓶歌会」に参加した。
塔から歌集評の執筆依頼がきた。初めての原稿依頼。

第九期【2013年7月-9月】20首
65首を発表。天野うずめ主催「東北歌会」参加。
加藤千恵編集「ハッピーマウンテン6号」に連作などで参加。

第十期【2013年10月-12月】20首
64首を発表。結社「塔」で最初の一年を終えて二年目になり、「若葉集」から「作品2」欄へ移る。

第十一期【2014年1-3月】20首
69首を発表。所属結社である「塔」の歌会に初参加。
新聞歌壇への投稿を開始。

第十二期【2014年4-6月】20首
63首を発表。合同短歌集「みずつき3」参加。
与謝野晶子短歌文学賞入選(伊藤一彦選)。
NHK短歌に入選(永田和宏選)、テレビ放送。
地元の文学館のイベントで穂村弘などを見て刺激を受ける。

第十三期【2014年7-9月】20首
61首を発表。河野裕子短歌賞「愛の歌・恋の歌」部門で入選(池田理代子選)。
現代歌人協会主催・全国短歌大賞で佳作第一席(田村元選)。
短歌研究新人賞で連作「仙台に雪が降る」が候補作に選ばれた。

第十四期【2014年10-12月】20首
77首を発表。短歌研究の特集「新進気鋭の歌人たち」に参加した。初めての総合誌からの原稿依頼。
しんくわ・田丸まひるによるネットプリント「ぺんぎんぱんつ ジューシー」に連作で参加。東北大学短歌会の歌会にお邪魔した。

第十五期【2015年1-3月】20首
57首を発表。32ページからなる「工藤吉生短歌集」を作成、印刷する。歌集の批評会に初めて参加した。

第十六期【2015年4-6月】20首
57首発表。「歌壇」誌に初掲載。「みずつき4」参加。

第十七期【2015年7-9月】20首
71首を発表。「うたの日」に一時参加。河北歌壇で一席を二度いただく。昨年につづいて「東北歌会」に参加。

第十八期【2015年10-12月】20首
83首を発表。「NHK短歌」一席。角川全国短歌大賞で特選。「塔」退会。「未来」入会、彗星集に参加。

第十九期【2016年1-3月】20首
107首を発表。結社誌「未来」で短歌の発表を開始。「万葉の里 あなたを想う恋のうた」入賞。「NHK短歌」年間大賞受賞。短歌と俳句の文学誌「We」参加。

第二十期【2016年4-6月】20首
合同歌集「みずつき5」参加。仙台文学館「ことばの祭典」参加。「ネットプリント毎月歌壇」への投稿を開始。

第二十一期【2016年7-9月】20首
「現代短歌」誌の「読者歌壇」で初の特選。「短歌研究」誌の「短歌研究詠草」で工藤吉生としては初の準特選。短歌で遊ぶフリーペーパー「バッテラ」05号に参加。

第二十二期【2016年10-12月】20首
同人誌「短歌ホリック」の「推し短歌」に参加。角川短歌賞で予選を通過。「せんだい文学塾」の穂村弘さんの回に参加。歌集評が「かばん」に掲載される。「未来賞」の候補に残る。

第二十三期【2017年1-3月】20首
「未来」入会二年目になった。四年半つづけた短歌研究「うたう★クラブ」への投稿をやめた。「公募ガイド」初掲載。「仙台っこ歌壇 俵万智賞」準賞受賞。

第二十四期【2017年4-6月】20首
「マストドン」で短歌の発表を開始。「山形歌会」参加。小説雑誌「野性時代」で始まった「野性歌壇」第1回で特選。

第二十五期【2017年7-9月】20首
NHK短歌テキスト「ジセダイタンカ」に掲載。詩歌SNS「poecri」の「poecrival2」掲載。

第二十六期【2017年10-12月】20首
「みんなでつくる短歌bot」@minna_no_tanka 始動。質問箱をつくり、質問すべてに短歌で答える。「二〇一七年度 未来賞」受賞。

第二十七期【2018年1-3月】20首
「未来」の新年会に初参加。79年生まれの歌人によるネットプリント「ゆふぎり」参加。タウン誌「仙台っこ」第11回 仙台っこ歌壇・俵万智賞の準賞をいただく。

第二十八期【2018年4-6月】20首
https://matome.naver.jp/odai/2153075149267385401
中城ふみ子賞に初めて応募。ツイッターアカウント「短歌に季語はいらないよ委員会」@kigo_nakutemoii 作成。角川「短歌」6月号の時評で作品を紹介される。

第二十九期【2018年7-9月】20首
https://matome.naver.jp/odai/2154077861728101201
中城ふみ子賞の次席に入選。短歌研究新人賞を受賞、授賞式に出席。受賞後第一作30首を発表。




【プロフィール】

工藤吉生(くどうよしお)


仙台市在住。2011年に枡野浩一さんの「ドラえもん短歌」の影響で短歌を始めました。

▽短歌雑誌「短歌研究」「角川短歌」「現代短歌」などの読者投稿欄、
▽新聞歌壇「毎日新聞」「日本経済新聞」「読売新聞」「河北新報」
▽テレビ「NHK短歌」
などで作品を発表してきました。

短歌結社「塔短歌会」に2012年から3年間所属していましたが退会し、現在は「未来短歌会」彗星集に所属しています。

▽2012 角川短歌ライブラリ刊行記念「わたしの一首」コンテスト大賞受賞。
▽2014 第57回短歌研究新人賞候補。
▽Eテレ「NHK短歌」年間大賞(2016年3月、佐佐木幸綱選)。
▽2017年度 未来賞受賞。
▽2018年 第8回中城ふみ子賞次席。
▽2018年 第61回短歌研究新人賞受賞。


▼ツイッターアカウント

工藤吉生(くどうよしお) @mk7911
工藤吉生の短歌bot @mk7911_bot
枡野浩一のbot @masunobot
チェーホフ @bot_anton
みんなでつくる短歌bot @minna_no_tanka
そのほか多数

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mk7911 at 07:20|PermalinkComments(4)

2018年10月18日

■工藤吉生(くどうよしお)の短歌・自選50首 +プロフィール

工藤吉生(くどうよしお)の短歌・自選50首+プロフィール



工藤吉生(くどうよしお)の短歌、自選50首をここにまとめます。






「枡野浩一と杉田協士の歌 歌のある短歌コンテスト」予選通過作〈枡野浩一選〉


ラララララ ラララララララ 字だけでは 伝わらないが すごい歌です



あの人を呪い苦しめ狂わせて後悔させる歌を教えて





ドラえもん短歌


もし君が
石ころぼうし
かぶっても
僕は見つける
君だけを見る
(枡野浩一選・ドラえもん短歌2011 入選)







一方で
ジャイ子はのび太を
あきらめて
漫画を描いた
ずっと一人で








教室の聞こえよがしの非難から逃げたトイレの壁は冷たい



学級会 トイレでズボンを脱がされた話にみんなで耳すます午後



憎しみを社会に向けて人に向け自分に向けてそこで落ち着く



戦いに行きはしないが深刻なポーズをしてるガンプラとオレ



安全を求めるうちに狭い方暗い方へと追われる獣




膝蹴りを暗い野原で受けている世界で一番素晴らしい俺







「こんにちは」「さようなら」という10文字の中から愛を探すしかない



あの人の中に私は太陽の黒点ほどの染みを残した




ダ・ヴィンチ「短歌ください」入選作〈穂村弘選〉


このオレの入浴シーンを謎として見る猫アリス牝7ヶ月



桜の木見上げて写真を撮るひとの片方曲げた足がよかった



精子以前、子のない頃の父の食う牛丼以前、牛や稲穂や




うたらばブログパーツ〈田中ましろ選〉


解答欄ずっとおんなじ文字並び不安だアイアイオエエエエエエ



眠れるか不安はないかと繰り返す親の手紙のような調査だ



ああ人は諭吉の下に一葉をつくり英世をその下とした




組み立てた線路に汽車を走らせる少年の背を陽が包み込む



短歌研究「うたう★クラブ」



歴史上すべてが大事教科書をキラキラさせる君のイエロー


ヒョウ柄の強そうな人を後ろから見ているオレの柄はチェックだ





角川「短歌」


眠ってる赤子に青いミニカーを握らせ思い直して奪う



針の穴を通った糸はそれまでの糸よりやる気を感じさせるぜ



小さな子小さな足をのせている小さな車いすはゆっくり
(角川短歌ライブラリ刊行記念「わたしの一首コンテスト」 吉川宏志選・大賞)



祈っても祈りきれない祈りありコップのふちに蝿うずくまる
(第4回角川全国短歌大賞 馬場あき子選・秀逸)



ごじゃごじゃにからまってるがはじめからこんなつもりでいたか巨木よ
(第7回角川全国短歌大賞 馬場あき子選・特選)








プロ野球選手のシールを集めるがG.G.佐藤ばっかり当たる



ブロッコリー並べるオレに歯の抜けた話始める少年がいる



シューティングゲームのうまいやつが来て雨粒全てよけて帰った



ぼくは汽車、汽車なんだぞー! と駆けてきた子供がオレにぶつかって泣く


殺人をしてしまったら殺人をしてない人に憧れそうだ



幸せなあちらのオレが今ここのこのオレを思いぞっとする夜
(第43回現代歌人協会主催 全国短歌大会 田村元選 佳作第一席)



人生をやってることにはなってるがあまりそういう感じではない



帰り道ぴったり揃う歌声がおうちに着いて終わるのがいや



戦場に細川たかしの笑い声ハッハッハッドカーンハッハッハッドカーン



匙なんぞ使わず直に飲みほしてなんぼのものだ煮え湯というのは
(2014.7.20放送 NHK短歌 永田和宏選「飲む」)



生命を恥じるとりわけ火に触れた指を即座に引っ込めるとき
(平成27年度 NHK短歌・年間大賞 佐佐木幸綱選「いのち」)



朝起きて「おやすみなさい」のメール見てそれに答える日本語がない



リセットを押しながら切る電源のように最後は目をつむりたい





新聞歌壇〈毎日・加藤治郎選、 読売・俵万智選、 日経・穂村弘選〉


Aだねと言われてBへ歩み出すオレの進路は危ういだろう
(毎日新聞 特選 2014.4.13)



ばらばらのブラスバンドの演奏のそのばらばらに聞き入って春
(毎日新聞 特選 2014.7.14)



ぱぴぷぺのポップコーンに固いのがあって口からいま出すところ
(読売新聞 三席 2014.10.6)



思い詰めた顔の少女の目の先は夜の電車の平凡の床
(日本経済新聞 一席 2016.2.21)



柔道の授業で早く負けようとやわらかく踏む畳のみどり
(日本経済新聞 二席 2016.3.20)



悲しげな声で鳴いてる犬がいた塀の向こうの昨日の夜に
(日本経済新聞 2016.6.19)







震災後二度目の夜にラジオから「こども音楽コンクール」 切る



濁流に飲まれた渡部から聞いたタオルのラクなしぼり方とか


祈りとは声も指先も届かない者にダメ元で伝える手段



泣いているある時点から悲しみを維持しようとする力まざまざ
「仙台に雪が降る」



そこここに空を見ている人がいて青さを喜び合っている夢
「仙台に雪が降る」









以上50首です。



もっと読んでみてもいいという方は
比較的初期のほうの作品を中心とした
工藤 吉生 短歌集【ブログ版】
http://blog.livedoor.jp/mk7911-kasyuu/archives/3129824.html

近作を中心とした
「工藤吉生(くどうよしお)の短歌【さらに100首】」 http://blog.livedoor.jp/mk7911/archives/52107180.html
もどうぞ。



プロフィール
工藤吉生(くどう よしお)
1979年生まれ。仙台市在住。2011年に枡野浩一さんの「ドラえもん短歌」の影響で短歌を始めました。

短歌雑誌「短歌研究」「角川短歌」「歌壇」「現代短歌」の読者投稿欄、
新聞歌壇「毎日新聞」「日本経済新聞」「読売新聞」「河北新報」、
テレビ「NHK短歌」
などで作品を発表してきました。

短歌結社「塔短歌会」に2012年から3年間所属していましたが退会し、現在は「未来短歌会」彗星集に所属しています。

▽2012年 角川短歌ライブラリ刊行記念「わたしの一首」コンテストで大賞を受賞しました。
▽2014年 連作「仙台に雪が降る」が第57回短歌研究新人賞の候補作となりました。
▽2016年 Eテレ「NHK短歌」年間大賞(佐佐木幸綱選)。
▽2017年 連作「うしろまえ」で2017年度の未来賞をいただきました。
▽2018年 連作「この人を追う」で第61回短歌研究新人賞をいただきました。

ツイッター @mk7911
短歌bot @mk7911_bot






お楽しみいただけましたでしょうか。お付き合いいただきありがとうございました。





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mk7911 at 12:54|PermalinkComments(9)

2018年04月05日

工藤吉生(くどうよしお)の短歌まとめ・第二十七期【2018年1-3月】20首

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三ヶ月ごとに短歌20首を自選しているシリーズです。今回で27回目となります。



▼この時期の主な出来事
「未来」の新年会に参加
79年生まれの歌人によるネットプリント「ゆふぎり」参加
タウン誌「仙台っこ」第11回 仙台っこ歌壇・俵万智賞の準賞をいただく

〈1〉
衝動のままに深夜の暗黒をスマホで撮ってみたよ手軽に

〈2〉
ウインカーつけて曲がってゆく車 しずかな夜を眠れずにいる

〈3〉
55を20と20と15とに分解してる雪道のうえ

〈4〉
母の目玉さがす夢から覚めてなおしばらくさがす母の目玉を

〈5〉
釣り針に小さな虫をつけている時は器用に見えていた父

〈6〉
「こう蹴ればもっと上手になりますよ」などとしゃべるか未来のボール

〈7〉
ロッテリアのバケツポテトをつまむ昼バケツから食う人間オレは

〈8〉
九時を知らすチャイムが鳴って気がついて見上げた時計今まさに九時

〈9〉
見れなくて涙流したこともある「となりのトトロ」のテレビ放送

〈10〉
文化的で人間らしい生活と耳に聞いても聞こえないふり

〈11〉
クリスマスの灯りぼんやり点してる家のDVをドラマは映す

〈12〉
参考書見てる女性の背後からのぞいたオレのちんぷんかんぷん

〈13〉
水泳はちょっと頭が痛いから休むと言えば「ちょっと?」が返る

〈14〉
オレに対し決定的な一言を持っていそうな沈黙の人

〈15〉
無愛想だった郵便局員が今日はにこやか。その理由とは?

〈16〉
君からの電話を待って待って待って今日は川辺で半月を見た

〈17〉
「引」と書いてあるけど押してもひらくのが分かっちゃったし肩からいくぞ

〈18〉
貼り紙に近づいてみるとまったくの白紙 窓から誰か見ている

〈19〉
夜だから道路で変な顔をした急ブレーキがぎゅうと聞こえた

〈20〉
ニャンちゅうのものまね一度やってみるすこし似ていてまったく惨め


〈1〉〈5-6〉読売新聞「読売歌壇」
〈2〉公募ガイド「短歌の時間」
〈3〉野性時代「野性歌壇」
〈4〉ネットプリント毎月歌壇
〈7-11〉未来
〈12-15〉ネットプリント「ゆふぎり」
〈16〉あなたを想う恋のうた
〈17-18〉poecrival3
〈19〉NHK短歌テキスト
〈20〉うたの日


▼▼▼



【こっちもおすすめ】
noteのほうでは、ブログでは読めない内容の記事をたくさんアップしています。

2018年2月のオレの短歌とその余談
https://note.mu/mk7911/n/n0aed2acd22f7

続・2018年2月のオレの短歌とその余談 https://t.co/1sxiZAmFo1

未来賞をいただいて、いま書きたいこと
https://note.mu/mk7911/n/n0b1f389aea2f



などなど、
500円ですべての記事(約100記事)が読めます。よろしければどうぞ。


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mk7911 at 20:12|PermalinkComments(0)

2017年11月10日

ほんとの話  ~「未来」2017年11月号掲載

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「ほんとの話」工藤吉生

残念な人と言われることもある生きてるかぎり死なないかぎり

傀儡のライという字の右側の歯を見せた口みたいな三つ

宮城県聴覚支援学校を覗くと広い校庭がある

今だって昔でしょうよドーナツを買おうとしてる長い行列

十本の指は両目を覆うとき不満になってズレようとする

何をしても誰かの真似になる不安とっくのとうに言い尽くされた

なんにでも呼び名があってオレみたいなやつを「赤ちゃん中年」と呼ぶ

工藤にも生きる権利があるという嘘みたいだがほんとの話




「未来」彗星集 2017年11月号掲載。8首。



『未来』に載ったオレの短歌のまとめはこちら。
http://matome.naver.jp/m/odai/2145087691179204501




▼▼▼



■工藤吉生(くどうよしお)の短歌・自選50首 +プロフィール
http://blog.livedoor.jp/mk7911/archives/52107166.html

2017年7-9月の歌まとめ・20首
https://matome.naver.jp/m/odai/2150685074540729601




さっそく角川短歌賞のことを書こうじゃないか、または、オレと新人賞の六年間
https://note.mu/mk7911/n/n6b6c4aca0c22

第57回短歌研究新人賞候補作「仙台に雪が降る」全30首
https://t.co/2qhYBXq6hv

2017年10月のオレの短歌とその余談|mk7911|note(ノート)https://note.mu/mk7911/n/n19f14f84b358

二件のいやがらせについて|mk7911|note(ノート)https://note.mu/mk7911/n/n73db516286bb


「工藤の有料マガジン」は500円ですべての記事(約100記事)が読めます。
よろしくお願いいたします。



去年の角川短歌賞の予選通過作品「ピンクの壁」50首|note(ノート)
https://note.mu/mk7911/n/nd28a52e005c7
一年経ったので200円に値下げしました。よろしくお願いします。


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mk7911 at 09:08|PermalinkComments(0)

2017年09月15日

オレの名前がウィキペディアに載りましたよ

みなさんこんにちは。工藤吉生です。




っていうふうに始めると、かえって新鮮な感じだ(書いてるオレは)。


みなさん、ウィキペディアってご存じですよね。Wikipedia、ネットの百科事典ですよ。


なんとこのたび、このブログがウィキペディアからリンクされました!!!


わーわー


ウィキペディアに「工藤吉生」の項目ができたわけではないんですよ。残念ながら。
このブログがある項目の「出典」として挙げられていたのです。



まずは見ていただこうではありませんか。

梶原さい子さんのウィキペディア。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E6%A2%B6%E5%8E%9F%E3%81%95%E3%81%84%E5%AD%90



うれしくなってスクショ撮ってしまいました。



b444807c.png














オレのブログもウィキペディアに出るようになったかーって感じです。自分の名前で検索してたら出てきたんです。
ほんとに無断で突然くるんですね。いいですけど。

要するに、歌集『ざらめ』の出た時期や出版社についてはオレのブログが出典になっていますよということですね。
ってことは、実際の歌集を見ないで書いてるんでしょうね。オレは実際の歌集を見て、そこに書いてあるとおりのことをブログに書いたのです。


参考にしてもらって信用してもらうのはありがたいんですが、もっとちゃんと調べたらいいのにと思います。ネット情報だけじゃなくて。歌人のウィキペディアを書くのに第一歌集も読んでないとは。

あと、オレのブログは「工藤吉生の短歌ブログ」って名前じゃないんです。「▼存在しない何かへの憧れ」ってタイトルなんです。
書くんなら
工藤吉生「▼存在しない何かへの憧れ」
になるはずなんです。
前田康子さんのウィキペディアを見たら、山田航さんのブログが
山田航「トナカイ語研究日誌」
という表記になったましたもん。このようであるべきでしょう。

でも、こういうことになってみると「工藤吉生の短歌ブログ」のほうがよいのかもしれないという気にもなってきます。
いやいや、そうすると短歌以外のことが書きにくくなるから今のままでいいんです。「工藤吉生」とか「短歌」を目立たせるとアクセスが落ちるんです。「存在しない何かへの憧れ」は2009年10月から使ってるタイトルです。
「▼」は1年くらいたってから入れました。目立たせるためです。モーニング娘。の「。」みたいな感じでしょうか。



ところで梶原さい子さんのWikipediaを編集したForourinfoという人は何者なのだろうと思って、辿ってみました。

たどってみると、このように「Forourinfo」さんの「投稿記録」がでるんです。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E7%89%B9%E5%88%A5:%E6%8A%95%E7%A8%BF%E8%A8%98%E9%8C%B2/Forourinfo

これを見ると、ほかの歌人や短歌に関する項目には一切関わっていないユーザーだとわかります。あちこちの大学に関するものが多く、気仙沼に関する投稿もぽつぽつ見られます。


Yahoo知恵袋にこのブログのURLが貼られたときには訪問者が増えたんですが、今回はどうでしょう。増えるならうれしいんですが、いまのところ増えてません。



このブログへのリンクは自由に貼っていただいてけっこうですので、そうしたい方はどんどんやってください。ただし、このように記事にしてヤイヤイ言うことがあるのはご承知おきください。



そんなこんなで、みなさんが今読んでくださっているこのブログはWikipediaからもリンクされているブログなんですよ。だからどうってわけでもないんですけども。少しはハクがついたように見えるといいのですが、どうでしょうね。
長くやってるといろんなことがあります。


以上です。読んでくださってありがとうございました。

んじゃまた。



▼▼▼



#2017上半期短歌大賞 50首 Togetterまとめ https://togetter.com/li/1126231
今年の上半期に読んだすべての短歌から50首選んでまとめました





第57回短歌研究新人賞候補作「仙台に雪が降る」全30首
https://t.co/2qhYBXq6hv

2017年8月のオレの短歌とその余談【前編】|mk7911|note(ノート)https://t.co/wu2trBY3LV

短歌パトロール日誌【最終回】|mk7911|note(ノート)
https://note.mu/mk7911/n/n41c835707189

最近読んだ戦争関連本11冊を5段階評価する|mk7911|note(ノート)https://t.co/mymQd04Grj


「工藤の有料マガジン」は500円ですべての記事が読めます。
よろしくお願いいたします。


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mk7911 at 19:55|PermalinkComments(0)

2017年06月15日

■工藤吉生(くどうよしお)の短歌【さらに100首】

工藤吉生(くどうよしお)の短歌【さらに100首】


ようこそおいでくださいました。
自選50首 http://blog.livedoor.jp/mk7911/archives/52107166.html
以外にさらに工藤吉生の短歌をお読みくださるという、ありがたい方のために、近作を中心にどーんと!100首ご用意しました。

・短歌総合誌への投稿作品
・結社誌「塔」「未来」
・新聞歌壇
・ツイッターでの発表作
・ドラゴンクエスト3短歌
・第57回短歌研究新人賞候補作「仙台に雪が降る」
などといった内容です。



2017/6/15に更新しました。半年か一年ごとに更新し歌を少しずつ入れ替えています。





工藤吉生の短歌【さらに100首】




連作「眠り男」10首
(「ハッピーマウンテン 6号」2013年)



問題に取り組むよりも問題を忘れることで生きのびてきた



欲望が背中で床を這ってきてこちらのオレをがっかりさせる



CGで作った顔は病的だしかし上手にサッカーをする



少年が繰り返す「イブ」みずからの名前を一人称にしていた



3個入りプリンを一人で食べきった強い気持ちが叶えた夢だ



出てきてはいけないものが出てくると思えばやはり出る夢の中



つぶやいている場合だが重要なことをしている場合ではない



夕焼けの赤紫っぽい方を日付の変わるころにとりだす



つかのまのドサクサがありあのひとと乾杯のカチンを交わせない



寝るほどに疲れるようだ 起き上がりぼんやりとしてもう一度寝る




連作「雨傘」6首
(「みずつき4」2015年)



一滴がひらたい石の床に落ちそれが聞こえるくらいに孤独



公園の池の中にも苦しみが映って雨粒など受け止める



水上に鳥は集まり話し合うこともないまま真昼をうごく



エサをやる男がいれば鳥たちは群がってゆき奪いつつ食う



雨傘を杖のつもりで使おうと試みやめた数秒の間に



離れると水の流れる便器から聴いた気がする舌打ちの音



連作「音だけになって雨は」抄
(「みずつき3」2014年)



雨模様ではあるけれど明るさは残ってオレが散歩している



すぐにやむお天気雨だそのような気持ちではない気持ちとかじゃない



晴れた日は見えてる山が雨の日はさぼってるんじゃないの? みたいな



カーテンを閉めれば雨は音だけになってどこかで泣きだすおんな





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短歌研究「うたう★クラブ」


太ってる女性の座っていた席に別の太った女性が座る



泣きながら叱ってくれる人は去り笑ってごまかす歯の真っ黄色



学校のチャイムが鳴った。そのことでやめた遊びの面白かろう





「短歌研究」 短歌研究詠草


現実をある一定の角度から揺さぶるさまを犯罪と呼ぶ



窓の外を見ている時は硝子見ず硝子を見ている時は外見ず



用のない者は中へと入れない門の向こうがオレの母校だ



メロディーをつけてあくびをした時の下降しようとするそのちから



「星野監督はこの表情」とうどん屋のテレビが言えば客の振り向く



右耳と左耳とが聴いている虫のそれぞれ愛かもしれず



コーヒーのつもりで飲んだ一口が紅茶だったし世の中おかしい




角川「短歌」 公募短歌館


座ってはならぬ規則のあるように男がオレを影として立つ



貧乏になりやすい者の特徴に合致ししかも貧乏である



自転車に乗ってるオレと目が合ってボール蹴るのをやめた少年



屋根の上にソーラーパネルを置いている家の子供の歯科矯正具



どうしても勝てない敵と戦ってドサと倒れる ではまた明日



かわいそう 窓全開の車から大ボリュームで流された歌



美しく映る鏡があるならばそれには映らないよう走る





「歌壇」読者歌壇


追い越していいよっていうスピードに落としてあげてもうだいぶ経つ




「現代短歌」特別作品



蹴飛ばした椅子に近づき立て直しまた蹴りたくなる前に立ち去る





結社誌「塔」


思い出すために振ってるサイコロの1の目、そんな国もあったね



被害者の知人女性が心情を吐露し画面はその胸映す



子供らの踊るテレビの棒立ちのひとりとオレの目が合っている



半袖にしてもずるずる降りてきて長袖になるオレの生活



醜さのバリエーションと思うまで総合百貨店の人ごみ



足払いネコにかけても転ばない 裸になれるデブはいいデブ



雨のたび水の溜まりやすい場所のようなくぼみを精神に持つ



足だけを鏡に映す 片寄った情報だから注意なさいよ



透明なガラスのせいで進めないふりが上手くて行かないで済む



オレん家(ち)にオレが入ってゆく夜の忍び込んだという心持





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結社誌「未来」


かなたよりジグソーこぼれ現代の一兆ピースに生き埋めの君



鳴き声が省略形のこの犬を ゥ ゥ 真似したくなる ゥ ゥ



まっすぐな木とかたむいて生えた木がならんでオレにもの思わせる



ここまでは音のない川ここからは音のある川ひかり集めて



このシャツは薄くてちょっと透けるのだオレの乳首ようれしいだろう



自転車が徐々に大きくなりながらこちらにやってきていやらしい



すべり台を寝そべりながらずり落ちる君たちの無限の可能性



宮城県公安委員会指定奥羽自動車学校も朝



点滅の青信号に止まろうとするオレ、突っ走ろうとする君





「ダ・ヴィンチ」短歌ください 穂村弘選


女子バレー見慣れたころに男子バレー見ると驚く見慣れるまでは



ストローで飲み干した後しばらくはスースースースー吸う男性だ





大会・コンテスト


楽曲が人間ひとりの一生と感じられればその死まで聴く
(第20回与謝野晶子短歌文学賞 入選 伊藤一彦選)



のたれ死にしたことがある気がしてる照らされてオレンジの歩道橋
(現代歌人協会主催 第四十三回全国短歌大会 佳作)



おのおのの枝ひんまがる木の下で言われるままの愛であったな
(第3回河野裕子短歌賞 池田理代子選 入選)





日本経済新聞 日経歌壇 穂村弘選


このへんの人はどこまで買い物に行くのと母が二度言った道



ワンタンメン専門店の前を過ぎ唱えるわんたんめんせんもんてん



毎日新聞 毎日歌壇 加藤治郎選



レコードのなかでは雨が降っているこちらよりややしっとりとした



まっさらな心に石を投げ入れた波紋のひとつ、(ひとつ)、((ひとつ))



ちいさめの大人が乗ったブランコが前後する申し訳程度に





河北新報「河北歌壇」 佐藤通雅・花山多佳子選


薄型のテレビが毎朝映し出す日本列島なめらかな島



ぴかぴかなボールを壁に当ててる子壁は避けずに受け止めかえす



楽天の銀次が打席に立つ時の何かしでかしそうな真顔よ



だぶだぶのシャツは干されて一年中きみだけずっと休んでてよし



カップ麺を持ち運ぶとき手の中にほんの小さな波の音する





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ツイッターその他での発表作


精神科デイルームにて四十代男四人で語るフーゾク



雨男世界選手権最優秀鉄砲水賞受賞者溺死



1988年ファミコンで見た青空を今も愛する



愛の裏の裏の裏の裏の裏 君守るため握ったナイフ



ばれなけりゃいいさと風呂で小便をすればなぜだかいつもより濃い



ノイシュバンシュタイン城を取り囲む木々もあるいはまた城である



子を抱いた母親、男、警官のいずれも黒くして夜がくる



「どうでもいい男ばかりが言い寄ってくる」と聞こえてズタズタになる



歌壇賞ぽとりと落ちて掛からない箸と棒とで持ち上げろ寿司



ワ.タ.ク.シ.ハ.ア.ナ.タ.ヲ.オ.ッ.テ.ユ.ク.シ.カ.ナ.イ.ド.ン.ナ.ス.ガ.タ.ニ.ナ.リ.ハ.テ.ヨ.ウ.ト



「美味しんぼ」第一回で山岡が水三杯を飲み干すところ



おみこしになって元気な人達にかつがれたいな年に二回は



秋が来る 床屋の椅子に重大な秘密があってほしいと思う




「ドラゴンクエスト3短歌」から


となえればさまようよろい既に亡くホイミスライムやわらかいこえ



おうごんのカンダタこぶん 見てごらん夕陽が海にゆっくり沈む



あやしいと思えばあやしくせつないと思えばせつないかげのA、B、



みかわしのふくを吹き過ぐ春風にいのりのゆびわの破片が混じる



この世から悪を滅ぼし永遠にその名を刻む勇者ああああ





連作「仙台に雪が降る」抄
(「短歌研究」2014年)




目覚めてもゆるくみじめだ今積もり始めた雪のしとしとしとと



クイズショー不正解者の心地する顔面もろに雪風を受け



三人で歩いていれば前をゆく二人と後ろをゆくオレとなる



あわよくば世界を覆い尽くそうと上へ左右へ命は伸びる



   ・ ・ ・ ・
四拍のゲンパツイラナイ
   ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
七拍のキレイナミヤギヲトリモドソウ



仙台の町にウサギとサンタいて看板を持つ「原発NO」の



打ち出され釘に転がる銀玉の特にあっさり消えたものへの



震災にヤマザキ春のパン祭り景品皿に傷ひとつなし



近づけば夜のマンホールさざめいていつかは海になりたい汚泥





▼▼▼





以上です。
お読みいただきありがとうございました。お疲れさまでした。100首も読んでいただけるとは、ありがたいですね。
これからもあちこちで発表してまいりますのでよろしくお願いいたします。



この記事は近作が中心でしたが、初期作品を中心としたまとめはこちら。

工藤 吉生 短歌集【ブログ版】
http://blog.livedoor.jp/mk7911-kasyuu/
こちらは画像によって縦書きでも読めるようになってます。

ほかに、ツイッター @mk7911 もやってます。
短歌bot @mk7911_bot もあります。

noteやマストドンなど、あちこちでいろいろやってます。



ありがとうございました。

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mk7911 at 10:18|PermalinkComments(2)

2017年03月04日

「未来」2017年3月号に掲載された短歌9首

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未来 2017年3月号







予備校をのぞいてみるに勉強に必要なのは白色である

右からはラ・カンパネラ左からラップ聴こえる日常の昼

出したくない四千円をさしだすと野口英世は同一の顔

ぶっ飛ばすとテッペイ君に言われたよ痛くないならぶっ飛びたいな

あきらかに・まぶたのつもりで・一匹の犬を・閉じてる人・おるよねえ

「いちご」って答えて急に恥ずかしくなった中学一年のころ

エスカレーターの手すりをむっと見ていると汚れがあって気にすればなる

千円札二十一枚持っていて消費者になりたい是が非でも

待ってなきゃいけないものがあるようでふすまに描かれた草を見る夜







『未来』に掲載された短歌のまとめはこちら
- NAVER まとめ https://t.co/eRZcF0GiGt


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2017年01月07日

◆工藤吉生(くどうよしお)の短歌まとめ・第二十二期【2016年10-12月】20首

三ヶ月ごとに20首ずつ主な短歌をまとめてます。今回は第二十二回目。2016年10月から12月までの20首です。



工藤吉生(くどうよしお)の短歌
まとめ・第二十二期【2016年10-12月】20首


《出来事》
同人誌「短歌ホリック」の「推し短歌」に参加。角川短歌賞で予選を通過。「せんだい文学塾」の穂村弘さんの回に参加。歌集評が「かばん」に掲載される。「未来賞」の候補に残る。





〈1〉
石ころが海の底へと落ちてゆくさまを思うよ今日のおわりに

〈2〉
三日月の欠けたところに腰かけるみたいにオレを知ろうとするな

〈3〉
108ピースパズルでつくる富士山の頂上ふたつのピースより成る

〈4〉
メガホンを持って応援する者のメガホンの中にある口うごく

〈5〉
自販機のペプシコーラに汗だくの頬で触れたよ青春みたく

〈6〉
注意され、注意されたくないことがわかる返事をしてはずかしい

〈7〉
ソング・フォー・なんにもしたくない夜にスマホを触ってるこの感じ

〈8〉
捨てるのが下手なんじゃなく集めるのが上手いと言ってほしい本棚

〈9〉
「同」という漢字みたいな顔をしたおじさんのいるたこ焼き屋さん

〈10〉
秋が来る 床屋の椅子に重大な秘密があってほしいと思う

〈11〉
スイカ割りをやった記憶は目隠しに覆われていてあの声は父

〈12〉
全力でユリの香りを嗅ぐオレは人間のまま玄関にいる



〈13〉
N君の家が床屋であることをどうして笑ったんだろオレは

〈14〉
まぶしがる顔といやがってる顔の似ていてオレに向けられたそれ

〈15〉
立ち並ぶ夜の桜の一本の一部を特に照らす街灯

〈16〉
うるせえと注意している声だけがオレの耳まで無事たどりつく

〈17〉
何をしても間違っているような夜に縄跳びの音、それも二重跳び

〈18〉
金属が金属を打つ音が五回、六回あってあとは暗闇

〈19〉
母親に今日は三千円貸した春の酸素が鼻から入る

〈20〉
たくさんの子供がしがみついている巨大遊具を正面に立つ





〈1〉現代短歌「読者歌壇」
〈2〉〈9〉読売新聞「読売歌壇」
〈3〉富士山大賞
〈4〉短歌研究「うたう★クラブ」
〈5-6〉未来
〈7〉すっきりソング短歌
〈8〉NHK短歌テキスト
〈10〉うたらばフリーペーパー
〈11〉河北新報「河北歌壇」
〈12〉ネットプリント毎月歌壇
〈13-20〉角川短歌賞予選通過作「ピンクの壁」


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mk7911 at 19:43|PermalinkComments(0)

2016年07月09日

工藤吉生が選ぶ 2016年上半期短歌大賞 55首【4】ツイッター部門ほか

第5回ぬらっと!短歌大賞 ( #2016上半期短歌大賞 )
三つ目の「その他歌集歌書部門」のつづきからです。



このブログではコメントつきで紹介しますが、歌だけをまとめたものもあります。
#2016上半期短歌大賞 55首 - Togetterまとめ https://t.co/X60WvjAcKc
歌だけのまとめはこちら






ついに来ぬ人を待ちつつ待ち場所を少しずつ右にずらせてゆく/光栄堯夫『ゴドーそれから』
#2016上半期短歌大賞 38/55


ここから四首は黒瀬珂瀾さんの『街角の歌』から引きます。
全然聞いたこともないような知らない歌人の歌集のおもしろい歌が紹介されていて、刺激を受けました。
「→そのままどこへ行くのか。まさか帰ってしまうのか。いいや帰れないし、どこにも行けないだろう。会える確率はいよいよはてしなくゼロに近づいていく。
ベケットはオレも読んだ。」

と以前書きました。
舞台作品となると、いよいよどこにも行けなさが強くなりそうです。



駅前は自自自自自自公公社民民主主主主共恋人は来ない/大野道夫『冬ビア・ドロローサ』
#2016上半期短歌大賞 39/55

「→同じ字がつづくと楽しい。こどもかよって感じだけど。
「共」が「今日」みたい。平成12年の歌集だが、今とそれほど政党の勢力は変わってないような。」

と以前書きました。今でも同じことを書くと思います。



七階からみおろす午後の がらくたのあ のごみどもの 虫けら達の ああめちゃめちゃの東京の街
#2016上半期短歌大賞 40/55

「→七音ずつきっちりはみ出してくる。そして意味が重複している。こういう余らせ方もあるんだなあ。過剰さが憎しみを伝える。」
と少し前のオレが書いてます。



あ 雨の匂い 日暮れの舗装路を閑かに多数派が埋めていく/勝野かおり『Br 臭素』
#2016上半期短歌大賞 41/55

「31音だけど、上の句は一字空けの位置によってふつうじゃないリズムになる。一字空けの前後の母音が揃えられている。あ→雨、匂い→日暮れ。舗装路を→閑か、もそうか。
一字空けられていてもつながっているというか、自然な感じがする。」

と以前書きました。

「閑か」をオレは「のどか」と読んだからそう書いたんですが、「しずか」とも読むようです。これについてはYahoo!知恵袋に複数質問が上がっていてそれぞれいろんなことが言われています。

しずかでものどかでも、「多数派」のそれはいつか大きな声や行動に変貌しそうな予感がします。



ここからは『桜前線開架宣言』から5首引きます。これこそ2016上半期に読む本って感じです。

一枚の水つらぬきて跳ね上がるイルカをけふの憧れとせり/横山未来子
#2016上半期短歌大賞 42/55

→「水が「一枚」とされる。うすい壁のようだ。単位を変えると性質が変わる。
「けふの」と時間を限定されている。その短さもまたよい。明日には明日の憧れがあるだろう。」

と書きました。
「憧れ」って言葉が好きなんですよ。



なにもかもがゆめみたいだねー
そうかゆめか

それでがてんがいった

わかった
/今橋愛
#2016上半期短歌大賞 43/55

「→ここは夢か、それとも夢みたいな現実なのか。みるみるさめてゆく。
空いている行がこわい。こちらには何もないように見えても、きっとここで様々なことが考え合わされて結論が導かれている。」

と書きました。この作者のほかの歌もおもしろかったです。



焼けだされた兄妹みたいに渋谷まで歩く あなたの背中しか見ない/岡崎裕美子
#2016上半期短歌大賞 44/55

→渋谷への道なのに、焼け野原みたいです。物質ではない部分での飢えが東京の景色を消し去っているのでしょう。



お金の計算が好きなり桁繰り上がるたび胸はときめく/花山周子
#2016上半期短歌大賞 45/55

「→お金の歌がある。興奮したりときめいたりしている。それがいやらしくならないのはなんだろう。素直に表現しているからだろうか?」
と以前書きました。
字足らずが気になるところです。もしかして「桁」に五文字になる読み方があるのかと思いましたが、そんなことはありませんでした。
素直っていうのは例えば「好きなり」とか「胸はときめく」っていう気持ちの表現を指しています。



ではなく雪は燃えるもの・ハッピー・バースデイ・あなたも傘も似たようなもの/瀬戸夏子
#2016上半期短歌大賞 46/55

これを入れるのは迷いました。
「→「・」が三つある。「ハッピー・バースデイ」はわかるが、その前後にも「・」がある。結句から初句につながりそうで、そのあたりも形のさだまらないウネウネとしたものを感じる。ハッピー・バースデイが無限に繰り返されるような。」
と以前書きました。




さて最後は「ツイッター部門」です。
タイムラインに流れてきた短歌で良かったものはリツイートしたりなんらかの反応をして残しています。そのなかから9首選びました。


はじめからお菓子が撒いてある森で引き換えに兄妹のおもいで/安田直彦
#2016上半期短歌大賞 47/55

→ヘンゼルとグレーテルのあれですね。案内の立て札をたてるとかじゃなくて、お菓子を撒いておくというのがすごいですね。見た目は同じことでも、誤解がある。
便利とひきかえに思い出を失ったのでしょう。



外っすか ああ、なんかやってるんすよ いま なんだっけ、どっかの国の/はだし
#2016上半期短歌大賞 48/55

→この若い男性とみられる人物は、外の状況をきかれている。しかしなんにもわかってなくて曖昧なことしか言わない。
この曖昧模糊としたなかに不穏なものが感じられる。戦闘でもしているんじゃないか。そうだとしてもこの人物はいつも通りに過ごすのだろう。



ホームランバッターとエースピッチャーが教室にいる掃除の時間/シュンイチ
#2016上半期短歌大賞 49/55

よく「うたの日」の歌会が終わったあとに自作をツイートする方がいますが、そういうツイートから取りました。

「場によっては大活躍したりバチバチと勝負しあう二人が、自分たちとおなじように机を運んだり雑巾がけしている。掃除をしている時でも野球をしているときのまぶしい姿が見えている。
地味なことをしながら晴れの舞台を思っている、そういうもどかしさが懐かしい。授業を受けながら休み時間を待つとか、校庭をぐるぐる走りながら試合を待つとか、そういう忍耐がたくさんあった。」


と以前書きましたが、うーんこんなことが書きたいんじゃないぞと思いながら書いた記憶があります。
いろんな種類の才能や個性と一緒に過ごすというのも、学校生活のワクワクドキドキの一つだったのかなあ。



こんばんは「ODで死ぬには」というワードで検索して来たあなた/前田沙耶子
#2016上半期短歌大賞 50/55

→ブログの検索ワードを眺める趣味がオレにもありまして、よくわかります。検索ワードだけでも相手のことがわかったような気になることもあります。
ODという単語でつながった他人同士は、挨拶しあうこともなくそれぞれの精神で夜を過ごすのです。



何故生きる なんてたずねて欲しそうな戦力外の詩的なおまえ/陣崎草子「春戦争」
#2016上半期短歌大賞 51/55

→歌集の歌です。新鋭短歌シリーズのbotからです。
何故生きるのかたずねることもない、戦力になる詩的でない人間がこれを言っているのでしょうか。自分が言われているように思えてなんとも痛いです。



二十五階 おまえが飛んだ高さより高いところでおれは生きている/きよだまさき
#2016上半期短歌大賞 52/55

→うたよみんに投稿された歌で、「死を笑え短歌コンテスト」の入選作です。
生きることの厳しさがにじみ出ています。亡くなった「おまえ」を思いながらも「おれは生きている」。



茶と水を混ぜて飲みます…… ウワッ薄っ……水と水でも試してみます……/わなざわ
#2016上半期短歌大賞 53/55

→なんとも言えないです。いつか美味しい組み合わせに到達してほしいですね。



個包装クッキー砕け散っているどこもなんにも汚すことなく/若草のみち
#2016上半期短歌大賞 54/55

→クッキーをつい人間に置き換えて読みたくなります。部屋で餓死していたけどしばらく誰にも気づかれない事例であるとかを考えます。



「我」という文字そっと見よ 滅裂に線が飛び交うその滅裂を/大井学『サンクチュアリ』
#2016上半期短歌大賞 55/55

→文字の形に注目した歌です。「そっと見よ」がおもしろいと思いました。見てはいけないところを覗くようです。



以上がツイッター部門であります。
これで第5回ぬらっと!短歌大賞を終わります。ありがとうございました。

次回またお会いしましょう。


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2016年05月14日

工藤 吉生 短歌集【ブログ版】をつくりました

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工藤 吉生 短歌集〈ブログ版〉

2015年2月に55部限定で作成した32ページからなる冊子「工藤 吉生 短歌集」をブログの形で公開しました。

工藤 吉生 短歌集【ブログ版】
http://blog.livedoor.jp/mk7911-kasyuu/


冊子「工藤 吉生 短歌集」には、2011~2014年に作られた短歌から155首を選び収録しました。ブログ版では、冊子限定の15首を除いた140首を公開します。

冊子での文字の入力間違いを訂正したほか、「備考」を大幅に新しくしました。
各ページに「備考」ページへのリンクを貼りました。備考には、初出が記載されているほか、主に紙媒体でいただいた評を紹介しています。

ページをめくりながら読むタイプの通常版と、一気にスクロールして読めるロング版をご用意しました。内容は同じです。

冊子の紙面の画像をつけました。縦書きでも横書きでも読めるようになっています。



▼短歌集をつくった経緯


http://t.co/cNVU1kdIu1

短歌集を紹介したツイキャスがあるので、この歌集についてもっと知りたい方は録画をご覧ください。オレの肉声が聞けます。しゃべり方には多くの情報が含まれていると思います。



録画と内容が重なりますが、この短歌集ができた経緯を言いますと、まず2014年の秋ごろに知り合いから「安く印刷できるところがあるから短歌を印刷してみないか」と誘われたのです。
自分にはまだ早いのではないかとも思ったのですが、薄い冊子を試しに作ってみることにしました。

そして2015年2月に、5000円+交通費で30冊の印刷物ができました。そして、ツイッターで欲しい人を募って無料で送りました。また、お世話になった方に送りました。送料と手間がすごくて、有料にすればよかったと思いました。
また、オレはパソコンがほとんどできないので文字の入力を知り合いに頼んだのですが、打ち間違いが多く、すべてを訂正しきれなかったのが痛恨のミスです。校正の大切さを学びました。


すぐに30冊がなくなったので25冊を追加し、それもなくなりました。
10冊でも余るんじゃないかと思っていたので、うれしい誤算でした。



▼歌集と短歌集


歌集ではなく「短歌集」なのは、枡野浩一さんの影響です。「歌集」が短歌の本であるのを知らない方が世の中には少なからずいると思います。
まあしかし実際には短歌を自分でも作っているような方ばかりに配布したのでありますが。

「歌集」という言葉はオレにはまだ重いです。この冊子はオレには「第一歌集」という位置づけではなく、「ためしにつくってみた初めての印刷物」です。



▼ブログの形にした経緯


一年前の印刷物をブログにしてみたのは、ツイッターで歌集の話題が盛り上がっていて、自分にもあったなと思ったのが始まりです。
自分のところにももう残りがないので、何かに残しておきたかったのもあります。

これから欲しいと言っていただいても印刷物の形ではお送りできないので、せめて雰囲気だけでもお届けできればという気持ちでした。

ブログにしたのは、オレの思い通りにできるのはブログだからです。ほかの方法を知らないからです。オレが作れるのはブログとツイッターくらいなので、それでどこまで泳げるのかやってみたかったのです。


打ち間違いの多い、
無料といいつつお金のことで泣き言を言ってしまった、
むだにサイズのでかい、
手書きの解説が読みづらい、
不完全な短歌集のことはオレの中でずっと引っ掛かっていました。

これで少しだけ気が済みました。

次にいつか印刷物をつくることがあったら、この反省をいかしていきたいです(当分は作らない気がします)。







以上は短歌集の「はじめに」「あとがき」を再構成したものです。そういうものをつくったので、お知らせでした。

工藤 吉生 短歌集【ブログ版】
http://blog.livedoor.jp/mk7911-kasyuu/


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mk7911 at 05:39|PermalinkComments(0)