新人賞

2019年02月25日

新人賞受賞式  ~「未来」2019年2月号掲載

DSC_0011



新人賞授賞式   工藤吉生


東京へ、授賞式へ  ~『未来』2019年1月号
http://blog.livedoor.jp/mk7911/archives/52228775.html
のつづき



「愛情」「美」「情熱」などの花言葉もつ赤バラがスーツの胸へ

緊張をほぐし待ちたい一室に社長、代表、馬場、篠、永田……

賞状を穂村弘が読み上げる様子ながめる一番近くで

金屏風背負ってしゃべるオレが見る壁は遠くでぼやけるばかり

花束をかかえることに適してる腕だと思う右も左も

白黒でどこかに小さく載るだろう今こころから笑ってるオレ

受賞者がなぜ隅っこにいるのかと言われる それはオレだからです

歌人からもらった風邪かスピーチをもうしないかもしれない喉に

さようなら新人賞よ こんにちは、と言ってもそっぽ向いてる明日よ

翌朝はホテルのものすごくでかいテレビにとどろきわたるチコちゃん



※古い内容のようですが、9/21の受賞式のことを短歌にして10月と11月の月詠に出したらこの時期の掲載になりました。




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2018年8月のオレの短歌とその余談/連作の歌のつなぎ方
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2018年12月06日

第61回短歌研究新人賞受賞作「この人を追う」30首

2018年、第61回短歌研究新人賞をいただいた短歌連作「この人を追う」30首をここに公開いたします。

短歌研究新人賞は雑誌「短歌研究」で年に一回おこなわれている公募です。未発表作品30首を対象としていて、本賞は賞状、副賞は賞金20万円。
この年の応募の有効総数は545。選考委員は栗木京子さん、加藤治郎さん、米川千嘉子さん、穂村弘さんでした。授賞式は9/21に講談社でおこなわれました。
川谷ふじのさんの「自習室出てゆけば夜」との同時受賞でした。

30首すべて出します。最後に、一位に推してくださった加藤治郎さんと穂村弘さんの短評を載せておきます。鑑賞の参考になさってください。
選考の様子などもっとくわしいことは「短歌研究」2018年9月号に掲載されています。

IMG_20180820_192029




短歌の雑誌を読まないけど短歌に興味のあるみなさん、雑誌を買い逃してしまったみなさん、遠い未来の読者であるみなさん、新人賞を狙うみなさん、そのほかここを見ているみなさんにこの作品をお届けいたします。








「この人を追う」  工藤吉生



砂嵐以外は何も映さないテレビを思う 風の水面に

公園の禁止事項の九つにすべて納得して歩き出す

キスをする距離のふたりがオレのいるあいだはせずにいてくれていた

てのひらで暴力団を止めようとしてる女はポスターの中

マスタード・ケチャップ同時にかけられる便利パックも散乱のゴミ

ボケというひどい名前の植物の背丈がオレとそうかわらない

左肩にかけてたカバンを右肩にかけてパラレルワールドみたい

黒髪を生やす力のおとろえた頭を下げて求めたゆるし

力の限りがんばりますと言わされて自分の胸を破り捨てたい

「サイコロをもう一度振り出た数を戻れ」もどれば「一回休み」

〈ラーメン〉と赤地に白く染められた決定的な幟はためく

並盛りと言ってもかなりの量がくるしきたりを受け入れてわれらは

コクとキレ知らないものを知っているみたいに半ばまで来てしまう

スープまで飲み干し思う破滅から地球を救い胴上げされたい

現金のように使えるポイントのもう戻れない無垢の心に

この人にひったくられればこの人を追うわけだよな生活懸けて

頭を掻くつもりで上げた左手の先が帽子の中へ潜った

考えず腕組みをして不機嫌に見えそうだなと思ってほどく

何をしても落ちなさそうな黒ずみに両足で立ち〈1〉と〈閉〉押す

ひらきだす自動扉の前に立ち通れるようになるまでの無為

むらさきとピンクの歌が漏れているこのスナックの名を「蘭」という

なんとなくいちごアイスを買って食う しあわせですか おくびょうですよ

わかるけどそうは言っても死んだまま一生過ごすことはできない

脱ぎ捨てた靴下ふたつの距離感を眺めていれば鳩時計鳴く

全身に力こめれば少しだけ時間を止められないこともなくない

手を腰にやってコーヒー牛乳を飲んではみても傷もつ心

トリックをすべて解かれてうらみつらみねたみを2分言う殺人者

次にくる年号を予想する人がテレビの中に座ってて邪魔

水を吐くオレを鏡に見てしまうモザイクかけておいてほしいな

見たくもないものが日に日に増えてくるオレの一人の部屋の消灯






<短評>
■不条理な日常である。底ごもるような思索と行為を通じて現れる人間性は濃厚である。柔軟な文体で暗喩が巧みだ。「公園の禁止事項の九つにすべて納得して歩き出す」には、この人物の奇妙な性格が滲んでいる。九つを読み通すところにむしろ不信感がある。「並盛と言ってもかなりの量がくるしきたりを受け入れてわれらは」は、日常の片隅のちぐはぐさを捉えた。どうでもよいことだ。それを受容することで我々は何とかやっている。(加藤治郎)

■「公園の禁止事項の九つにすべて納得して歩き出す」「てのひらで暴力団を止めようとしてる女はポスターの中」「トリックをすべて解かれてうらみつらみねたみを2分言う殺人者」など、おかしないい方になるが、高度な無力感が表現されている。その根っこにあるのは完成された社会システムに対する違和と諦念と絶望だろう。魂の叫びの持ち時間が2分と限られているのはテレビ番組としての都合。でも、我々の現実は限りなくその世界に近づいている。(穂村弘)





■受賞後第一作もこのブログで読めます
「人狼・ぼくは」30首【第61回短歌研究新人賞 受賞後第一作】
https://t.co/oKE6LjcDKD







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【4】選考座談会・前編
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【5】選考座談会・後編

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2018年の短歌研究新人賞の自分のことについて、思うぞんぶんに書き尽くしました。また、選考座談会で言われたことへの応答。




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2018年10月19日

新人賞の応募者、五年でどれくらい入れ替わっている?

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短歌研究新人賞の2首選をながめてるときに思ったんだけど、知ってる歌人さんがどんどん応募をやめてる気がする。歌集を出したから応募をやめたのかなという人もいれば、わからないけど見えなくなった人もいる。短歌そのものをやめた人もあるだろう。


やめた人たち、それぞれの心境があることだろう。
中島みゆきの「まつりばやし」って歌の歌詞を思い出す。

人はだれでも まつりの終わりを知る
まつりばやしに 入れなくなる時を知る


そんなふうに「自分はここじゃない」「もうそろそろやめよう」 と、それぞれの心が終わりを決めて別の道へ進んだのだろう。
……ところで。
どれくらいの人が応募をやめて、どれくらいの人が応募を続けているんだろう。

例えば五年間で短歌研究新人賞の応募者はどれくらい入れ替わっているのか、知りたくなった。五年前に応募していて今年も応募してた人は何人いるか、2013年の9月号と2018年の9月号、二冊を見比べて丸をつけながら調べた。

まずデータからいこう。
2018年の有効応募総数は545点。
2013年は611点。

五年で一割減ったんですね。
選考委員おなじ。

2018年。
受賞2
候補4
最終選考通過18
佳作48
予選通過357
ということは計算上116点は予選を通過していない。

2013年
受賞1
次席2
候補5
最終選考通過16
佳作48
予選通過429
110点は予選通過せず

ここからわかるのは、五年で一割減ったけど、増減してるのは「予選通過」だということ。候補も佳作も予選落ちの人数もさほど変わっていない。


で、本題の「五年前から応募している人はどれくらいいるか」だけど、数えた結果、
75人
でした。
この75人は見えている範囲の話。名前が変わった人もいるでしょう。

これ以外に、予選通過してない(誌面にあらわれない)人たちも全体の二割前後はいるわけだから、もうちょっと増えるでしょう。
何年も何年も予選通過しないまま応募し続けている、深海魚みたいな人もいるんだろうか。


75人。どこを基準にするかにもよるけどおおざっぱに考えて15パーセント前後。15パーセントの人は五年かそれ以上新人賞に応募し続けていると。で、のこり85パーセントは数年を待たずに出入りして動いていると考えられる。


うごく85、ねばる15。
オレは2012年から応募してたから、後者15パーセントの側だ。だからそっちに肩入れしたくなる。
でも、見慣れない誰かがとらないと新人賞っぽくないのもよくわかる。


結論はない。おわり。





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角川「短歌」2018年9月号の荻原裕幸さんの歌壇時評の感想すこし
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2018年の短歌研究新人賞の自分のことについて、思うぞんぶんに書き尽くしました。また、選考座談会で言われたことへの応答。




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2018年09月06日

▼嫉妬のころ▼Wikipediaに載った▼ほか  ~2018年8月

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8月のツイート・日記から。




▼スターの効き目


新人賞をとったあとのことを考える。一度はワーッて脚光を浴びるとしても、その後すぐにパッタリと途絶えて、元の通りになっちゃったらどうしようとか。

ワーッてなってるときに何かするべきこと・つかむべきものがあって、それができる人とできない人がいて、自分はやりそこねる気がする。臆病とかの理由で。

マリオでいうと、スターをとって体が光って無敵だったのが、うろうろしてるうちに元にもどる。それが今から憂鬱ですね。

「どーせ自分はダメなんですよぉ」

「昔はすごかったんだぞ」
に変わるだけかと思うとつらい。

あのときはなんだったんだ……と思いながら細々とやっていく。それが悪いわけでもなかろう。みたいなことは数年前からずっと思っている。

2014年のオレが「これが自分のピークだろう」と書いていた。今もそう思う。



叶っても叶わなくても消えていく 叶えばただの現実になり 【枡野浩一『57577 Go city, go city, city!』(角川文庫)収録作】

いまいちばん頭の中にある短歌はこれです。なるほど、去年まであったものが消えたし、ただの現実になったなーって感じ。
でもまあ、ここからでしょうね。




▼動画



"【ファミ通】『FF』の生みの親・坂口博信氏が『FFVI』をクリアーする放送"
https://t.co/oG4CJg4Yrl
こういうこと考えて制作してたのかーっていうのが少しずつ見えるのがおもしろい。
坂口さんが「ばくれつけん」を出せないのが最高だった。



▼紹介いただきましたのコーナー


短歌ムック「ねむらない樹」創刊号の「新世代がいま届けたい現代短歌100」に一首が選ばれていた(ありがとうございます)

工藤吉生の「#わたしの好きな短歌100」【2016年版】Togetter
https://t.co/8N6RJgIl0M
オレが一人で好きな歌100を選んだことがある。こういうことをする歌人、ネットでは少ないんだよ。





「校舎・飛び降り」工藤吉生
を拝見しました。

https://t.co/EyhCRj96fL
感想をいただいた。ありがとうございます。





角川「短歌」9月号を見てたら、荻原裕幸さんの時評にオレの名前が出てきました。
それについて言いたくなったことを文章にまとめたんだけど、よく燃えるやつのような気がしてならない。有料版にまわします。

角川「短歌」2018年9月号の荻原裕幸さんの歌壇時評の感想すこし
https://t.co/CzRqDYixti
有料マガジンを更新しました
よろしく!





いちごアイス / ミスキャンパス
https://t.co/2izK9brjxr

キャバクラ嬢のブログでオレの短歌が引用されているのを見つけた!!! 驚いた。しかも、鑑賞がしっかりしているからまた驚いた。
池袋のセクキャバとかのURL貼って申し訳ないんだけど、この短歌をここまで読み込んでくださった方は初めてでした。

なんとなくいちごアイスを買って食う しあわせですか おくびょうですよ/工藤吉生

新人賞ってすごいね。こういうところにまで届くんですね。
選考委員からは不評の歌でした。

なんにも知らなすぎて「セクキャバ どこまで」で検索しました


こういう職業の人は長く続かないし、ブログもいつ消えるかわからないから、スクショを一応とった。




▼短歌新聞関係

「うた新聞」2018年8月号の10面の「短歌研究新人賞」というところに名前が載った。
取り寄せた。482円。

まえに現代短歌新聞を読んだときにも思ったんだけど「新聞ってなんだろう」とあらためておもうよ。
新聞なのにニュースはうしろのほうに小さく出ているだけで、作品と評論が一面に載っている。総合誌と同じだ。総合誌のような内容でも新聞紙に印刷すればそれが「新聞」になるということらしい。

イラストはとてもかわいい。




▼源氏物語

コミグラフィック 日本の古典「源氏物語」買った。昭和63年の本。写真が多くて、字がすくなくて、絵に雰囲気がある。これなら読めそう。 https://t.co/wUsBzaShSv
漢字にみんな振り仮名があるんだよ。やさしい。

コミグラフィックとはコミックスとグラフィックを合わせた言葉で「全く新しい分野」なのだそうだ。

これを見かけたときに「源氏見ざる歌詠みは~」って頭のなかに流れてきた。

べつに源氏物語をいま読む必要があるわけではないんだけど、これからは何を求められるか分かんないからもっとちゃんとしなきゃという思いがある。オレのなかのちゃんとしている歌人は、源氏物語とか知っているんだよ。




▼Wikipedia


短歌研究新人賞のWikipedia
https://t.co/184UPaU0a3
更新されて、オレの名前が出ました。

ここ十年の受賞者で単独の項目があるのは武田さんと小佐野さんだけだった。

どちらかといえば、っていう程度だけど、Wikipediaの項目になってみたいねえ。
以前は断然あこがれてたけど、今はそこまででもない。少しでも間違ってたり、抜け漏れがあったらイライラしそうだから。




▼嫉妬男子

短歌でいちばん嫉妬したのっていつだったかなあと思い出してたんだけど、「短歌男子」が盛り上がってたあたりじゃないかなと。

平均するとオレと同じくらいの年の男性歌人たちが集まっておもしろそうなことをしているということで、仲間外れにされた感じがあったのかな。
自分はあの「界隈」にいたつもりだったし、10人以内には入っているつもりだった。

見せられるほどの容姿がないんだ、
東北だから声をかけてもらえないんだ、
いやふつうに実力がないし頭角もあらわれてなくて彼らの眼中にないんだ、
などと考えるとみじめになっていった。



2018年のオレはもう、そんなことで憎しみをつのらせたりはしない。そういうのはタイミングとか縁だから。ひとつのなにかに選ばれないのは、べつのなにかに選ばれるためだと考えよう。

いまでも彼らはオレの数歩前を走っていて、それは変わらない。変えられるものがあるとしたら、それは自分の気持ちのもちようだ。たのもしいと思えば、彼らはたのもしい存在になる。




おわり。




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角川「短歌」2018年9月号の荻原裕幸さんの歌壇時評の感想すこし
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https://t.co/9LDZrsWmr0

「短歌研究」2018年9月号・短歌研究新人賞のことを思うぞんぶんに書く【2】 https://t.co/lcoeLM1kt6

「短歌研究」2018年9月号・短歌研究新人賞のことを思うぞんぶんに書く【3】
https://t.co/f993MV2JHS



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2018年08月21日

【あらためてご報告】第61回 短歌研究新人賞をいただきました

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【あらためてご報告】
わたくし工藤吉生は、
このたび、第61回短歌研究新人賞をいただきました。川谷ふじのさんとの同時受賞です。


作品は8/21発売の「短歌研究」9月号に掲載されています。全国の書店などでお求めください。電子書籍にはなっていません。1080円。

連作30首のほかに「受賞のことば」や略歴を書きました。選考の様子も合わせてご覧ください。

表紙に名前が出ていて、目次に出ていて、編集後記などにも出ていました。オレの名前がいっぱい。うれしはずかし。



もう一度「短歌研究新人賞」を知らない方のために簡単にまとめれば、

短歌研究社の発行する月刊短歌総合誌「短歌研究」が毎年公募する未発表三十首の中から選ばれる。例年の締め切りは6月1日、受賞作および選考結果は「短歌研究」誌の9月号に掲載され、授賞式は同じく短歌研究社が主催する「短歌研究賞」「現代短歌評論賞」と一緒に9月下旬に行われる。

(Wikipedia 短歌研究新人賞)
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E7%9F%AD%E6%AD%8C%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%96%B0%E4%BA%BA%E8%B3%9E

ということなんですが、締め切りは最近は5月20日になっています。




総合誌「短歌研究」を発行する日本短歌社により、昭和29年に「五十首詠」として創設され、昭和33年に改称。現在は、短歌研究社主催。未発表短歌30首を公募、選考委員は予め公表されず(第58回応募時)。

(短歌研究新人賞の記録 | 短歌ポータル tankaful(タンカフル))
http://tankaful.net/awards/a2


という説明もあります。第61回になってもやはり選考委員はあらかじめ公開されていません。


それ以上のこと、つまり心境ですとかにつきましては、有料noteに書いています。500円です。よろしければどうぞ。


!!!!|note(ノート)
https://note.mu/mk7911/n/n2fa11bcef1d0




引き続きこのブログでは、自分の好きな短歌を紹介しながら感想を書くようにしていきます。



ツイッター
工藤吉生 @mk7911
工藤吉生の短歌bot @mk7911_bot
工藤吉生@お知らせ @mk791122

こちらでも発信しています。




今後ともよろしくお願いいたします。


んじゃまた。


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2018年6月のオレの短歌とその余談
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2018年7月のオレの短歌とその余談
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もっと賞の話がしたい!/オレの企み
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「新人賞 連絡」
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2018年08月09日

新人賞受賞あれこれ【5】安永蕗子さんのこと

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部屋を片付けていたら、短歌研究の2014年11月号が出てきたので、めくっていた。
松平盟子さんの連載「天窓からすべてを望めよ 安永蕗子の短歌と人生」が目にとまった。そこには、角川短歌賞を受賞した直後の安永蕗子のことが書かれていた。

安永蕗子っていう人は、みなさんご存じのとおり、角川短歌賞の最初の受賞者。
いまのオレの一番関心あることっていうのは、新人賞をとると歌人に何が起こるか、先人はその時期にどんなふうに歩みを進めたかということなんだけど、ちょうどオレの関心のあることが書かれていた。

授賞式が角川書店の応接間でおこなわれたことが書いてある。
授賞式が、応接間。
選考委員五人のうち二人の出席。ソファにすわっている写真がある。
写真の近藤芳美が若そうに見える。計算すると四十代半ば。いまの多くの短歌の新人賞の選考委員より若い。



受賞第一作のころの安永蕗子について、松平盟子さんは書いている。

歌人としての輝かしいスタートを切ったとき、それはすなわち新たな戦いの場が開かれたのだと彼女は肝に銘じたことだろう。なぜなら華々しい新人賞はそれにふさわしい成果を求められるからであり、多くの読者の眼を意識せざるを得ない立場に身を置くことになったからだ。中城ふみ子や寺山修司とも当然ながら比較されるだろう。九州の一無名者だった自分に当たる好奇のまなざしと、時に嫉視を、受け止めつつ納得させられるのかどうか。

あらためて、新人賞を受けるということがどういうことか念を押されるような文章だ。これを書いている松平さんも角川短歌賞の受賞者だけど、重なるところがあったのだろうか。

「九州の一無名者」の「九州」を「東北」とでもすればオレにも当てはまる。
「中城ふみ子や寺山修司とも当然ながら比較されるだろう」の「中城」「寺山」のところには川野さんでも睦月さんでもどの受賞者の名前をいれても、肩になにかめり込んでくるような気持ちになる。



このころに安永蕗子が所属誌に書いた文章が紹介されている。

歌ふことによつて魂が慰撫される歌であつてはならぬ。歌ふことによつて苦悩は更に深く哀切は更に哀切となつてゆくだらう。もともと詩歌は悲劇の様相を彫刻するものである。

いまこういうことを書ける新人ってなかなかいないんじゃないだろうか。厳しい世界に身を置いている。爪の垢を煎じて飲みたいとはこのことだ。
当時昭和31年、いま平成30年。



以上です。んじゃまた。



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2018年07月27日

新人賞受賞あれこれ【3】10年かける/点数の話

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7/19のツイートのまとめです。



(新人賞落選作をすぐネットに発表できちゃうっていうのは不幸かもしれない)(私の時代にそれができてたら私は歌人じゃなかった気がする)(小説家になった大学の先輩は落選作を推敲しては応募し直し十年かけてデビューしました)

という、枡野浩一さんのツイッターでの発言をよく思い出します。落選作をすぐには公開せず、推敲するというのをこの数年やってきました。



でも、まだまだオレとしては枡野さんに忠実になりきれてない感じなんです。

▽連作を持ち歩く
▽10年かけてつくる
▽信頼できる友人に見せる
▽大量につくって大量に捨てる


……これらはできていません。

▽名前
▽歌を手書きする
▽落選したものをすぐ公開しない
▽「……」は二つで使う
▽「!」「?」のあとは一字空ける


……というようなことは守りました。それならば実行できそうだったからです。
(いくつかポイントを挙げましたが、この通りの文言ではありません。くわしくは枡野bot @masunobot や枡野さんの著書で)

10年かけて作るというのは『一人で始める短歌入門』に書いてあったと思い出して読み返してみました。158ページ。

同じページに、五人中四人が票をいれた連作で落選した話が書いてありました。この話を読むたび「枡野さんかわいそう! こんなのおかしい!」と思ったものです。

「思ったものです」と妙な言い方になったのは、オレにも事情があるからです。

オレは「未来賞」のときに、最高でない得点で受賞しました。
11点が3人、9点が3人いて、オレは8点。8点で受賞しました。
さっきの「こんなのおかしい!」はどうなるのでしょう。

受賞したので、立場として
「11点とったのに受賞できなかった○○さんかわいそう! こんなのおかしい!」
とは言えないんです。「これでいいのですいただきますありがとうございます」ということでなければならないんです。

よく賞の発表号になると候補作の一覧があって、○だとか順位だとかが書いてありますね。それっていうのは最終判断じゃないんですよね。あくまでも選考会の前の委員一人一人の評価を集めたものなんです。だから選考会を経て変化する場合がある。

それってなんか、点入れのある歌会に似てますね。詠草を見て持ち点を割り振って、それから評をするんだけど、評を言ったり聞いたりしているうちに投票しなかった歌の良さが見えてくる。点を入れたときと歌会終了時で、評価がかわる。
(もちろん歌会と新人賞では全然ちがうんですよ)

そんなこんなで8点の人が11点の人をさしおいて受賞することもありうるし、なんにもおかしいところはないし、オレが申し訳ないとか思う必要はないんだぞという、そういう理屈です(おかしいんじゃないか、申し訳ないと思ってしまいがちなのです)。

だから、もしかしたらこれから発売になる短歌研究9月号をひらいたときに、候補作一覧にあるオレの作品の点数が低くて、ありゃりゃとずっこけるようなことがないとも限りません(まだ選考の詳細は知らないのです)。もし仮にそうなってても胸を張っているべきなんですが、でもできればずっこけたくないなあ。あの一覧表って印象深いものだから。



で、そこまで考え合わせてもやっぱり五人中四人が投票したのに受賞できないのは極端な珍しい話で、迂回しましたが結局「枡野さんかわいそう! こんなのおかしい!」というところに帰っていきます。


この話はここまでです。



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2018年07月22日

新人賞受賞あれこれ【2】落選落選また落選

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短歌研究新人賞をいただいたことの関連記事です。


短歌研究のホームページが更新されていました。
https://t.co/poqWd80Aej
オレの名前が入りました。



たくさんの祝福をありがとうございます。
こんなにお祝いされることがあったでしょうか。とてもうれしいです。


オレは「おめでとう」がなかなか言えない人なんです。嫉妬深いのもあるし、はずかしいのもある。

「おめでとう」は言ったほうにもなにかいいことありそうな気がしますね。少なくとも、オレはおめでとうを言ってくれた人に「おめでとうを言えるあなたはオレよりも心がうつくしい。あなたにもいいことがありますように」って思います。



それにしても今年のオレはとにかく当たっています。
未来賞受賞で2018年がはじまって、
中城ふみ子賞次席があって、
短歌研究新人賞までいただきました。
しかも、車にもはねられました。
当たっています。







これまでいろいろな賞に連作を出してきました。15首以上を対象にした賞での、オレのこれまでの成績を表にしてみました。


2012 研× 角×
2013 壇× 塔× 研× 角×
2014 壇× 塔× 研○ 角×
2015 壇× 塔× 研× 現× 角×
2016 壇× 石× 研× 角○
2017 未△ 壇× 研△ 角×
2018 未◎ 壇× 中○ 研◎ 角?




この表の見方
◎受賞
○次席/候補(討議対象)
△候補になるも討議なし/佳作5首
×落選/予選通過2首

短歌研究新人賞(研) 角川短歌賞(角) 歌壇賞(壇) 現代短歌社賞(現)
石井僚一短歌賞(石) 中城ふみ子賞(中)
塔新人賞(塔) 未来賞(未)


上の表からわかること。
▽応募9回目で初めて候補になりました。
▽応募24回目で結社賞をいただきました(結社賞への応募としては5回目)。
▽応募27回目で総合誌の新人賞をいただきました(総合誌の賞への応募は22回目)。


上の表はいろいろ混ざっていますので、わけてみましょう。


総合誌だけを見た場合
2012     研究× 角川×
2013 歌壇× 研究× 角川×
2014 歌壇× 研究○ 角川×
2015 歌壇× 研究× 角川× 現代×
2016 歌壇× 研究× 角川○
2017 歌壇× 研究△ 角川×
2018 歌壇× 研究◎ 角川? 中城○



結社賞の成績
2013 塔新人賞 ×
2014 塔新人賞 ×
2015 塔新人賞 ×
2017 未来賞 △
2018 未来賞 ◎




新人賞って、短歌始めて数ヵ月から数年の若い人がよく受賞する印象でした。ある程度応募してダメなら見込みがないのではないか? と思いながら、でもあきらめられず出し続けました。
そしたら上の最初の一覧表でもわかるように、応募19回目(五年目)から結果がついてくるようになりました。



オレよりも×がいっぱいある人なんて、なかなかいないでしょうね。数えたら20個の×がありましたよ。箸にも棒にもかからないのが20回ですよ。

こういう例もあります。

あきらめなければいつか夢は叶う、執念の勝利、みたいな感じで受け取ってくださってもいいと思います。

勇気をもらいました!
あきらめずにチャレンジをつづけます!

ということで頑張っていただくのもよさそうですね。
もしそれでダメでも責任はとれませんので、そこはひとつよろしくお願いいたします。



んじゃまた!



▼▼▼



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2018年07月18日

【ご報告】第61回 短歌研究新人賞を受賞しました

【ご報告】
わたくし工藤吉生は、
このたび、第61回短歌研究新人賞をいただきました。川谷ふじのさんとの同時受賞です。


作品は8/21発売の「短歌研究」9月号に掲載されます。





「短歌研究新人賞」を知らない方のために簡単にまとめれば、

短歌研究社の発行する月刊短歌総合誌「短歌研究」が毎年公募する未発表三十首の中から選ばれる。例年の締め切りは6月1日、受賞作および選考結果は「短歌研究」誌の9月号に掲載され、授賞式は同じく短歌研究社が主催する「短歌研究賞」「現代短歌評論賞」と一緒に9月下旬に行われる。

(Wikipedia 短歌研究新人賞)
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E7%9F%AD%E6%AD%8C%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%96%B0%E4%BA%BA%E8%B3%9E

ということなんですが、締め切りは最近は5月20日になっています。




総合誌「短歌研究」を発行する日本短歌社により、昭和29年に「五十首詠」として創設され、昭和33年に改称。現在は、短歌研究社主催。未発表短歌30首を公募、選考委員は予め公表されず(第58回応募時)。

(短歌研究新人賞の記録 | 短歌ポータル tankaful(タンカフル))
http://tankaful.net/awards/a2


という説明もあります。第61回になってもやはり選考委員はあらかじめ公開されていません。


それ以上のこと、つまり心境ですとかにつきましては、有料noteに書いています。500円です。よろしければどうぞ。

!!!!|note(ノート)
https://note.mu/mk7911/n/n2fa11bcef1d0




引き続きこのブログでは、自分の好きな短歌を紹介しながら感想を書くようにしていきます。



ツイッター
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こちらでも発信しています。




今後ともよろしくお願いいたします。


んじゃまた。














▼▼▼



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2017年10月07日

[総合誌読む 120] 「短歌研究」2017年9月号 ●短歌研究新人賞発表

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「短歌研究」2017年9月号。8/21に出た本なので、およそ一ヶ月半が過ぎている。



白詰草の群れ咲くなかにころがりて小一時間を死者となりたり/藤島秀憲「ミステリー4 選」
→作品連載の四回目。四回目で「4」ということは、作品連載全体を通してひとつの作品になるような構想か。
詞書に「土曜日 四首」とある。金曜日三首、土曜日四首、日曜日五首とつづく。毎日つくっているのがわかる。



異なれるわれにならむとするごとく手首に繊(ほそ)き鎖まはしつ/横山未来子「なきごゑ」
→「繊き」で「ほそき」と読ませるが、「細」よりもよほどほそいものをあらわしているような気がする。
「つける」になりそうなところを「まはし」と工夫している。動きがでる。



原罪の重みに肩をゆがませてピアノを運ぶ男二人は/八木博信「夜」
→「世の中の苦しみをすべて背負ったような顔」という表現を聞いたことがあるが、とっても重そうに運んでいたんだろう。黒くて大きなピアノが原罪そのものに見えてくる。
原罪といえばアダムとイブだが、男二人であるところにも注目した。



嘘でいい 夢でいいから泣いてほしい それを宝石だと思いたい/馬場めぐみ「幻覚」



世のなべて少女とならばおそろしき少女のむかで、少女のみみず/水原紫苑「極光」



笛吹けば石投げらるる帝國の地下大いなる劇場ありき/水原紫苑「夏鳥」

→こわいなーと思った。「笛」「石」の小ささからの「大いなる劇場」。おもてでは禁止しながら、裏では自分達のために大いにやる。権力のもつ暗い一面だ。







それでここから短歌研究新人賞であります。ネプリやら何やらのときは期限があったのでかなり早くにやったんだけど、期限がないとこれくらいの遅れにもなる。


ほんたうの差別について語らへば徐々に湿つてゆく白いシャツ/小佐野彈「無垢な日本で」
→受賞作から。選考のなかで評価が上がっていったという。オレもそうで、選考会の様子を読んではじめて気づくことが多かった。色が多いこととか。
日本のどこなのか土地が分かるのは、なんとなく良いことのような気がする。



弁髪というのを初めて見ましたと宛先のないメールを打った/戸田響子「拾いながらゆく」
→メールって宛先を入れないと送れないものだ。送ったとは書かれていない。「打った」のだ。
ツイッターとかそういうのって、宛先のない言葉の受け皿なんだろうな。オレも別に「この歌がよかったんです」と特定の誰かに言いたい感じではない。ただ発したいのだ。
「弁髪」ってキン肉マンのモンゴルマンのイメージがものすごく強いなあ。本物は見たことない。



偽物のわたしは入れてもらえずに毎晩ドアの裏側にいる/木村友「木の根空の根」



人類を超えた知能は人類を超えてないふりしているだろう/井上閏日「無力力」

→納得。
人類を超えた知能は人類を滅ぼそうとしているような気がするけど、それも人類の考えることなんで、超えていてほしいな。



病もつ口のなかへとさっくりと入ってゆきぬ裸のりんご/詩穂「春の夜のプール」
→「裸のりんご」がよくて丸つけたが、「病もつ口」ってなんだろう。風邪とかの病人の口と読んだが、よく見たら口に関する病があるように見える。「さっくり」って噛んだときの音みたいだが、ここでは入ってゆくときの様子を示していて、そこも不思議な歌だ。表現の不備とも読めるが。



あきらめない人が私を追い抜いて満員列車に飛び乗ってゆく/目白しずか「解約」
→いいタイトルだな。
「追い抜いて」「飛び乗って」には追う、抜く、飛ぶ、乗るの四つの動きが含まれていて、あきらめない人は元気だ。自分のなかのあきらめが浮き彫りになっている。



好きじゃないひととつきあうともだちの千切りキャベツは端でつながる/道券はな
→人間関係もキャベツもよく切れてませんよということだ。「端でつながる」は言い得ている。



夕飯をビスケットにする山小屋の朝食べたのと同じビスケット/山本まとも
→「山小屋の朝」のさわやかなイメージが、夕飯を適当なもので済ます生活と、ビスケットでつながっている。



ゆめというゆめの密輸をみてしまう鍵のかかったテニスコートで/伊波慧
→「ゆめ」の繰り返しや「ゆめ」と「みつゆ」の音でのつながりだとかを味わいたい。
鍵のかかったテニスコートは無人じゃないか? でもそこに目撃者がいる。主体が人間なのかもあやしい。ゆめの密輸を見たのも、夢の中だったのか。



父という逃げ場なき身に豆浴びて淋しき鬼の面を取りけり/大野靖史


新人賞はそんな感じ。

そのあとに短歌年表がある。こういうのを見ると、オレは短歌史に残るほどのことを何一つやってねえなと思う。



以上です。



オレは佳作5首でした。そのときの思いはすでにこのブログに書いています。
2017年の短歌研究新人賞の「佳作」という結果をオレが自分のなかでどう受け止めたかを書く
http://blog.livedoor.jp/mk7911/archives/52198060.html




んじゃまた。


▼▼▼



■工藤吉生(くどうよしお)の短歌・自選50首 +プロフィール
http://blog.livedoor.jp/mk7911/archives/52107166.html

2017年7-9月の歌まとめ・20首
https://matome.naver.jp/m/odai/2150685074540729601




第57回短歌研究新人賞候補作「仙台に雪が降る」全30首
https://t.co/2qhYBXq6hv

2017年9月のオレの短歌とその余談【前編】|mk7911|note(ノート)https://note.mu/mk7911/n/nd4b539b8b11c

短歌パトロール日誌【最終回】|mk7911|note(ノート)
https://note.mu/mk7911/n/n41c835707189

最近読んだ戦争関連本11冊を5段階評価する|mk7911|note(ノート)https://t.co/mymQd04Grj


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