未来短歌会

2019年09月06日

ビューティー・トワレ  ~『未来』2019年8月号

ビューティー・トワレ  工藤吉生



ツイッターやめると言ってやめぬ人だいたいやめてもらいたい人

パイプしか吸ってないからコーヒーが好きかは不明のBOSSのおじさん

真夜中にパイの実喰ってるんだよと教えてあげるツイッターにだけ

言おうって思って忘れちゃうんだが思い出したら自慢話だ

そのへんでチャンネル桜を知ってから桜が保守の花に思える

トワレって書いてあるから調べたらトイレのことだやりやがったな

大声でひとりごと言うばあさんとすれちがい聞く「バカはバカだ」と

鏡のなか見てたら思い出したけど詐欺の電話がこないだ来たよ

「居心地のいい人」側にいるオレがうすく眺める@jiro57

エスカレーターで眠ろうつかんでる手すりの角度が変化するまで







『未来』に載ったオレの短歌のまとめはこちら。
http://matome.naver.jp/m/odai/2145087691179204501



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2019年09月01日

〈結社誌読む 153〉『未来』2019年6月号  ~ビーバーが震えているよ、ほか

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結社誌読む 153

『未来』2019年6月号



何ごとか思い遂げし者あるごとく梯子が立てり夕暮れの木に
/廣岡優



背表紙をしばしながめているところ岩波文庫はこころやすらぐ
/鈴木麦太朗



病んでゐる人たちの手は繋がつて輪つか状のチーズ味の菓子
/金尾釘男

→人が手をつないでいって輪をつくる。そこからお菓子になる。うまい棒を想像したけど、棒状じゃなくて普通に輪っかになってるやつかな。いずれにしても、そういうお菓子はもろい。それでいて歯にこびりついたりする。



本棚をどけるとシール16歳の酒井法子が保険をすすめる
/高田ほのか「最後の生家②」

→本棚をどけるとシール、がたまらない。オレも子供の頃はところかまわずシールを貼ってた。「酒井法子」は意味が強い。実際にそうだったから変えられない人名なのかもしれないが。



ビーバーが震えているよ/全世界同時株安/震えているよ
/西村曜「神戸どうぶつ王国吟行」

→株安は人の世界の話だけど、株安のせいでビーバーが震えているみたいだ。
テレビのチャンネルを変えまくっていると、こんなふうに動物番組とニュースが重なることもありうる。どうぶつ王国吟行とタイトルにあるからテレビ読みは苦しい。



炭酸を口に含んで目を閉じてうごめくものの感触を得る
/戸田響子「カーニバル」

→「シリーズ 今月の一人」というページから。塔でいう「風炎集」、短歌人でいうと「卓上噴水」かな。歌数は9首なのでそれらよりは少ない。
「うごめくものの感触」がこわいところ。口のなかに生物がいっぱいいるみたいだ。



ちりぢりに芝生を跳ねる風船を絶望的に追う老警官
/三輪晃「春のサーカス」



骸骨を刷りしシャツ着て訪れる介護ヘルパー Good Morning
/星河安友子『歳月はかへらず』



ひげを抜く癖を咎めるまなざしを察知するちから得たり夫は
/吉村桃香

→人と暮らしているうちに人が変化する、そのちょっとしたところをすくいとっている。実に小さな「ちから」だ。
癖をやめてくれるわけではないようだ。



うすく開くまなこの底へひさかたのひかりの春の流れ入るかな
/壱羽烏有

→春の陽射しのなかで目覚めている。読んでなんともいえずいい気分になる。三句からのハ行とか「の」の連続の効果だったりするんだろうか。
「春のひかりの」じゃなくて「ひかりの春の」であるところ。春という季節がじかに目から入ってくるみたいでいいな。
関係ないけど、紀野さんの欄ではこういう語順についてよく指摘している印象がある。



黄の付箋貼りて回せば地球儀にタジキスタンの位置は明らか
/かみのきみえ

→この歌の前の歌を見ると、この地域に興味があるようだ。
地球儀に付箋っていう発想がなかったので驚いた。グーグルマップで拠点に星印をつけたりはするけど。結句いいなあ。明らかにするために貼った付箋だ。



ドアのところで立って話しかける ないよね いないから探したりする
/唯織明

→一連のどの歌もひらがなと一字あけが多い。二人いるうちの一人だけを見ているような感覚だ。不思議な味があって気になる。



クレッシェンドで終わる曲きくそういった言葉に反論しなくてもいい
/佐藤真美「短歌バトル題詠」



背中押すわが手を離れブランコが空に近づくときに笑ふ子
/馬場順子



テレビにて幕下相撲ゆるらかに医院に次いで薬局に見る
/大谷ちか子





ということでこの本おわり。けっこう引いたなあ。



『未来』に載ったオレの短歌のまとめはこちら。
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2019年07月24日

〈結社誌読む 151〉『未来』2019年5月号  ~最後に出会う火、ほか

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結社誌読む 151
『未来』2019年5月号
いつものやつですね。




復讐を考えている恐ろしさサーフィン波間に隠れて見えぬ
/前川明人

→サーフィンをしている人が波の間に隠れて見えなくなる。そんなふうに人の心は動くし見えないところがある。
サーフィンってさわやかなイメージがあるんで、意外性がある。



うつ病に「鬱」の文字(もんじ)の豊かさはそぐはぬものとつね思ふなり
/高島裕「薄雪」



お互ひに褒めあひませうわたしたち綺麗な声でささいなことを
/千坂麻緒「雪とコーヒー」



花束を机と椅子によこたへつ花にも眠る時間のありや
/山川築「授賞式周辺」

→オレも授賞式の花束の歌を作ったことあるので、おお、と思って読んだ。題材が同じだとかえって作者の性質のちがいがあらわになる。この下の句はオレからは出てこない。



逆剥けをめくったときに見る肉はいつもみずみずしく濡れている
/道券はな



エロチックな誘惑という文字を見き捨て置かれたる「オール読物」に
/鈴木麦太朗



椅子があると思ってたとこにないときの尻餅くらい思い切りいけ
/戸田響子「ラングドシャ」

→読むだけで驚きと痛みがおそってくるような歌だ。思い切りいくつもりが全くないときに、思い切りいかされてしまう。何もないところに一気に体重をかけるのだ。



あさからぬ縁なれどもさはつたら凍えるやうなほほをしてゐた
/門田照子



がぼがぼの入れ歯で母が笑う秋もうすぐ死ぬからこれでいいよと
/菅原志麻



ティカティカと雪が放てるきらめきを見つめていしが長靴に踏む
/工藤光子

→なんといっても「ティカティカ」がいい。青森の方。しっかり積もった雪のきらめきだろう。



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ストーブに顔よせている 薪がいいわたくしの最後に出会う火は
/石畑由紀子

→詞書にカラーコードを置いた作品。結社誌に出す毎月の作品に絵や写真はつけられないが、このようにすれば色彩とともに作品を読むことができる。



ディストピア闇より深く輝いている宝石の名前のようだ
/三浦将崇



妖精がビビディバビディブーと唱えればシフト表から休日消えおり
/中山一朗「©️Disney」

→コピーライトの記号を初めて打った。
こういう魔法は日本のあちこちで唱えられている。そーかー妖精の仕業だったのかー、ってわけにはいかないけれども。



〈体操の例〉ではなくて〈大喪の礼〉だったとは!ラジオ聞きつつ
/山口ヤスヨ

→ラジオではこういう勘違いは時々ある。勘違いなのに、間違ってないところもあったりすると面白い。「!」が素直に驚いている。


AIがチョコっと駄洒落を言ってくる平成最後のバレンタインデー
/春原勝之

→AIが状況にあわせてしゃべったりするのはすごいけど、言ってることはどうでもいいことだ。その加減が「平成」なのだな。「チョコっと」っていうのが、まさかその駄洒落なのか……。



私どこから来てどこへ行くのかを次のページで知ることもある
/望月みく



「悲愴」ばかりリクエストする男子をり放送室のわれは十三歳
/藤田正代

→中学校の昼の放送だろうか。チャイコフスキーの悲愴かベートーベンの悲愴かわからないが、いずれにしても校内に流しづらそうな曲だ。その曲に思い入れがあるんだな。
ドラマならここから関係が発展しそう。



「楽しみでならない。」とその感情は書かれつつ消えたり浮かんだり
/鷹山菜摘「自分のかたち」





という感じで『未来』5月号おわり。思ったより丸つけた歌が多かった。




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2019年07月18日

枯れ枝と財布  ~『未来』2019年7月号掲載

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枯れ枝と財布   工藤吉生



におい付きの風がでてきて春になる虫も変態たちも目覚めて

微笑んで穴掘る人はいないのだ「のだ」なんて言うから土になる

オレ、飛沫、わりと見るかも だいたいは透明なのが多かったかな

ピンクの雲いいなさわってみたいなあ財布にいくら入ってたかな

魔王と言い枯れ枝と言う子と父で馬の手綱を握るのは父

筆くわえアシカが新元号を書くみたいな・でかい白紙みたいな

体液を拭くため置いた一箱のティッシュボックスからっぽ 祭

虹色の花火はじけてたんだよと告げてよく寝た一方的に

ゴミ箱のたったひとつのゴミなので見えたねじれてくちゃくちゃになり

持ったまま眠ってしまい目が覚めてふたたび使い始めるスマホ



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2019年06月25日

〈結社誌読む 150〉『未来』2019年4月号  ~片付けないなら捨てるよいいの、ほか

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結社誌読む 150

『未来』2019年4月号



目玉なき達磨を頭上に掲げくる人あり師走の雑踏の中
/前川明人



手のひらに当てるシャワーの水圧にここは実家とやうやく思ふ
/門脇篤史



花火とかエグザイルとか高速道路付近の気候とかを愉しめ
/細見晴一

→テレビかな。時間によっていろんなものを映すテレビの内容が、要約された。「とかを愉しめ」のおおざっぱで乱暴なところ。



本物のA4用紙だったのにコピー機くぐりコピーになった
/西村曜「永遠以降」

→本物の用紙はコピー機の上のところにはさまったままなんだけど。でもなんかよくわかる。失われず枚数が増えているのに、喪失感ばかりがある。

カメラで撮影されると魂がぬかれるとか、電話機やテレビのなかに人がいるんじゃないかとか、そういうのは古くて滑稽に思えるんだけど、コピー機のこれはそうでもないんだよな。近い感覚だと思うんだけど。



建物が高いね ちゃんと帰れること気にしてくれる人に手を振る
/竹中優子



その意味を見失うまでつくづくと信号の灯を見むとすれども
/三輪晃



人生はまだ先がある次回から表示しないにチェックを入れる
/佐原みつる

→ネットで表示される注意書きや案内を、「次回から表示しない」をチェックすることで無くすことができる。この先の人生はそれが表示されない人生だ。
実に小さな選択だが、これも人生の選択で、こうして何かを捨てながら先へすすんでゆく。



育児とは本性を暴かれるもの片付けないなら捨てるよいいの
/新原繭

→よく言われることだしオレも言っちゃうことだ。弱い立場の人のものを奪い去ろうとする「本性」が顔を出している。



書初めはもうしないから自殺つて書かなくていい有難さかな
/酒井景二朗

「脳を舐められている感覚」見えないアドバルーンは太めのポップ体
/鼠宮ぽむ「湯冷め」

奇妙な言葉が書かれる歌をふたつ。一首目、自殺と書いて一年を生きる人。
二首目、アドバルーンは何を伝えようとしているのか、ぞっとしろと言っているのか? そしてなぜ見えないのか。見えないけどポップ体なのだ。



水馬(あめんぼ)の踏んばっている細き脚いつも健気と思っているのだ
/中村重義





この本はこんな感じです。もっと印をつけた歌はあったんだけど、読み直したら別にいいかなっていう気持ちになる歌がけっこうあった。そのときの気分もある。




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んじゃまた。


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2019年06月19日

ミューズさん  ~『未来』2019年6月号

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「ミューズさん」  工藤吉生


むしゃくしゃな日でも遠景ゆっくりと近景はやく飛び去っていく

走ってる「時」に振り落とされるのは嫌だシワシワしたおでこ嫌だ

あたらしい波がいったん退いてそれを含んだ次の波くる

好きなだけ言わせといたら在日で生活保護で毛が無くて死者

消しゴムがないからツバで消したって少し離れた席で荒れてた

細ければいいのかよ!? って怒ってた脚線美コンテストのタモリ

母親の故郷と旧姓おもいだすネットバンキングのログインに

サザエさん一家みたいに一列にならんで飛んでいた鳥 火曜

何もしていないまんまで笑ってる人が子供の絵にはよくいる

ミューズって名前の子供いるかなと検索すれば実柚(みゆうず)・美夕鶴(みゆうず)・美渦(みゆうず)




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2019年06月04日

〈結社誌読む 148〉『未来』2019年3月号  ~復讐をせねばと思う、ほか

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結社誌読む148



『未来』2019年3月号
けっこう前に読んだので、どんな歌に丸をつけたか忘れている。いま読み直してもおもしろい歌だけ引いてみる。



復讐をせねばと思う星の夜林檎の皮を途切れ途切れに剝く
/前川明人

→「復讐」という強い言葉が最初にくる。「復讐」があることで、夜は暗く、星はあやしく感じられる。林檎の皮が途切れ途切れなのは、復讐心から手に力が入っているんだろうか。



この本を読み終つたら耳尖り一オクターブ声ひくくなる
/山田富士郎「握手」

→耳がとがっていて声が低いのは、まるで悪魔のようだ。読んだら悪魔になってしまう本とは、どんな本なのか。あやしい。
同じ一連に「トニオ・クレーゲル」がでてくる。



手を振ればよいのだと気づく頃合いで回転木馬は動きを止める
/本条恵「ディズニーランドは夢の国」

いつも誰かが死んでいくからいつも誰かと貨物列車を見ていたい
/細見晴一

乗り物を見ている歌が二つつづいた。
回転木馬のうたは、自然な仕草でも思いつかないときはほんとに思いつかないものだと感じる。しばし、しっくりこない時間を二人は過ごしたのだろう。
貨物列車の歌はもっとむずかしくて、「から」がどうつながっているのか、「誰か」とはなんなのか、二回出てくるけど同じ人なのかとか、考えると迷宮に入っていく。



人を不快にするこのわが性を思い切り利用してひたひたと攻め寄せてゆく
/我妻泰



ホーミーが得意だといふひととゐてそを思ひつつ話を聴けり
/門脇篤史「弔意をひとつ」

→ホーミーって「ビョワ~~~ン」っていう摩訶不思議な声だけども、それを思いながら話を聞いているっていうのが、ちょっと失礼でたのしい。



がとをの間違いという人がいて違うシラウオがヒトを踊り食いする
/小林惠四郎

→豪快さがあって、怖さが笑いに突き抜けている。三句あたりがちょっと苦しいか。



セーターを被って頭を出すまでに記憶の空地でするフリスビー
/岩田あを

→空き地でフリスビーをやったことを思い出した、っていうのともちょっと違うんだよね。空き地は記憶にある空き地だけど、フリスビーはそうじゃないわけで。



ややゆるい蛇口をしめる 水滴を暗いところに閉じ込めるように
/道券はな「あなたもいつか」



ドラマではだいたい毎朝新聞が民政党の汚職をスクープ
/高橋泰源

→たしかに「毎朝新聞」ってよくあるなあと思って、ニヤリとしてしまった。ドラマの筋を運ぶためだけのニュースで、この世の誰にも影響のないマスコミであり政党であり追及である。


発毛のサロンの予約日○(まる)をして大きく父は「ハゲ」と書きおり
/葵鉄仙



湖は表面だけが揺れている 紅葉と自撮りをしてぼくたちは
/佐藤真美



ひとりぼっちになることを なれることを知っておきながら わらう
/唯織明

→よくわかんないけどさみしくなってくる歌だ。ひらがなが多くて一字あけが二ヶ所もあって五七五七七になってなくて、バラバラにほどけていきそうだ。



白ばらの名をヴィヴァルディと教えたる花屋も町も遠き日のもの
/影山公子





ってところで『未来』3月号おわり。



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2019年05月15日

平成三首、そのほか  ~『未来』2019年5月号


平成三首、そのほか  工藤吉生


平成のはじめに性に覚醒しあくびしながら平成おわる

年号がうつるくらいじゃ変わらんよ、人は 奥から牛乳えらぶ

振り向けばうしろすがたの平成が後ろ歩きをしているでしょう

デパートとデパートつなぐ空中の通路に人っぽいもの揺らぐ

一点の撮ったおぼえのない画像でてきて知っている白い壁

筋トレじゃなくて赤ちゃんあやしてる動きも視野に信号を待つ

赤ちゃんのころのアルバムひらいたらオレがしゃべっている母の字で

なつかしの「さすがの猿飛」パンチラのページがきたらすばやくめくる

大便が起きる動機になりました寒くてやる気でないこの夜

ひとにもの教えたあとの恥ずかしさ先生たちは感じないのか



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2019年05月09日

〈結社誌読む 147〉 『未来』2019年2月号  ~飛行機の着地がきらい、ほか

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結社誌読む147

『未来』2019年2月号。



いづこからする声ならむ「泣いてもいいよ」これは夢だと確信してゐる
/恒成美代子



夜(よ)の空を映せる河はあかるくてその明るさに沿ひて歩めり
/大辻隆弘「ハイビスカス」



床に子を置かんとすればだんだんに丸まり手足が縮まってゆく

飛行機の着地がきらい日常へ機内の人ら戻りはじめて
/中川佐和子

→となりあう歌を引いたが、このならびがおもしろい。置かれようとする子は、2首目のような気持ちがあるから手足を縮めるのかも。また、飛行機の着地のときに出る車輪が、子の手足にあたる。


重大な認識をわれにもたらして後部座席に妻は眠りぬ
/高島裕「縄文の素水」



真実を書けば殺さるる国と真実を述べても読まれぬ国といづれか優る
/さいかち真



生徒から「やばい」で始まるメール届く光の粒の降る昼下がり
/阿部愛



誕生日あっしまったとつぶやきぬ額にPASMOを押し当てながら
/堀隆博

→改札を通ったときに家族の誕生日に気づいた、といったところか。下の句がたのしい。



コピー機に誰かが置いたクリップを持って帰ったさびしかったから
/道券はな

→結句でがっつり説明してしまっていて、それがなんだかよかった。オレは結句の字余りが好きなのかもと最近思っている。言いたいんだぞ、って感じが。
中原中也のボタンの詩を思いだしながら読んだ。



水陸のあわいを行き来するごとく苦しみながらソナタひびけり
/中沢直人

→ソナタの第一主題と第二主題にはしばしば対照的な性格の主題があらわれる。水と陸のようだったのか。演奏が自然じゃないのかとも思ったが、ソナタ自体に苦しみがこもっていると読んだ。



だから皆ほっといたんだわたしにはわたししかないしか言ってない
/盛田志保子



母の手がにゅっと出てきておどろいて私のだったと再度おどろく
/浅羽佐和子



メロン食べた?わたしのメロンあんたのメロン 外は地獄だハッシュタグ無しだ
/細見晴一

→「ハッシュタグ無しだ」は他の人たちとのつながりを拒もうとしていると読める。切り分けられたメロンは一人に一つずつあって、食べていいのは自分のメロン。



あまり目をあわせない人電話では少しきれいな声に聞こえる
/鈴木博太



呼ぶための名前を星につけてやりそれからはふるえながら生きている
/野樹かずみ



つまようじさせばわたしのものになるたこやき、よってたかって前夜
/蒼井杏「前夜、ビリジアンの森で」

→さっきのメロンの歌とならべてみたくなる。ほかのひとがつまようじを刺せばほかのひとのものになるとして、奪い合っているのか。「前夜」が不穏さをかきたてる。



見たように思うわたしの死後の夏あなたが椅子を塗る色なども
/氏橋奈津子



おじさんって事だけバレていたのかと月光仮面の歌に驚く
/小坂井大輔「食べられる梨」



目の端を手負ひの鹿の走り去る心地してそこだ間違へたのは
/辺見丹「はつかなる熱」

→「そこだ」に、どきりとする。「心地」のなかに隠された間違いを発見したというのか。



未使用の部品の色と思いたり鏡のなかのグレイのシャツは
/唐津いづみ

→使用されたものよりもちょっとだけきれいな状態だろう。シャツの色のことなのだが、自分で自分を未使用の部品と言っているみたいだ。なんの部品かわからないところが想像を呼ぶ。
鏡に見てはいるが着てるわけじゃない、という読みもできる。



歩いてるような気がするそこにある街が前からくるだけなのに
/川村清之介

→そんなふうになにもかもが勘違いでできていて、それに気づかずに生きているんじゃないかと、ちょっと不安になる。



先輩のおぼえよろしく杉岡のギャグは共産圏の芸術
/西藤定



高層のビルは夕陽に溶けてゆくおほくの椅子を閉ぢ込めたまま
/谷とも子「街ぢゆうのノイズ」



テーブルを滑らぬようにできているボールペンと知る夜半のホテルに
/大島史洋




『未来』2月号の特集は年間賞の発表だった。月詠、つまり毎月の作品から選考委員がおのおの三人ずつを推薦する仕組み。




この本おわり。




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2018年11月のオレの短歌とその余談  ~歌人1000人アンケート、ぴかぴかした記憶、ほか
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2019年03月27日

〈結社誌読む 145〉『未来』2019年1月号  ~くらやみはひび割れはじめ、ほか

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結社誌読む 145


「未来」2019年1月号。 https://t.co/SXUsQF0S11



ほそくつづく道を見ていてふと思う歩けなければ家路を持てず
/伊吹純



しばらく、無視してをれば短歌から立ち去るだらうこの若者も

衆目を集めむとして拵(こしら)へし歌くだくだしいぶせきまでに
/大辻隆弘



ペンネーム「パンティ仮面」の純情に泣かされている午前2時30分
/笹公人

→深夜ラジオですね。変態仮面よりも古い時代を想定して読んだ。笹さんの名前があるだけで70年代と思って読むようなところがある。



一つなのに二つっぽい桃は振子やブランコの仲間でしょう
/大滝和子

→言ってること、わからなくはないんだけどな。その「仲間」の分け方におどろく。
食べれるとか食べれないとか、誰がどういうときに使うとか、そういうことで仲間分けすることが多いけど、ここではちがう。



金を出す話になりて程もなく去りたる一人ありしを思う
/吉野亜矢



ロダン作「がんばる人」のポーズありラジオ体操第二のなかに
/鈴木麦太朗

→「あれだな」とピンときて「いやちがうだろ、そもそもそんな作品ないだろ」と頭のなかで打ち消した。
「がんばる人」ちょっとありそう。



罫線にぶつかることを避けようと小さく小さくなってゆく文字
/野樹かずみ



さて、ここで一曲。十月の町で「近くの保育園のざわめき」
/西村曜「ラジオ室」

オレはラジオの歌が好きだなあ。12月号で2首を取り上げて、1月号もこれで2首目だ。ラジオって、なつかしかったり、想像力を刺激されたりする道具だ。



半分を開いた窓と半分を閉じた窓とが隣り合わせだ
/平岡ゆめ



くらやみはひび割れはじめ口々に手持ち花火の角度を言つた
/辺見丹「亡霊たち」

→2018年度未来賞受賞作から。
花火によってくらやみがひび割れたという把握ですね。角度への着目もいい。



「渡辺が女子と下校をしているぞ」ぐらいで教室飛び出せた夏
/ゴウヒデキ「いいことがあるように」

→すごく青臭いなあ。中学生だなあ。「夏」っていう歌いおさめもきらきらしている。
「ぐらいで」に、大人の目線がある。



二次会に行けば出会いが待っているなんてことなどないのだ金魚よ
/ゴウヒデキ「いいことがあるように」

→期待して出かけて、帰宅して金魚に話しかけているのを想像した。
「なんてことなどないのだ」のもってまわった言い回し。



ドンドンドンドン・キホーテの片隅でカゴいっぱいのレトルトカレー
/フナコシリエ

→テーマソングの「ドンドンドン」が「カゴいっぱい」に響き合う。なんでも売ってるような店だけど、もしかして、こういうのがドンキホーテっぽい買い物の仕方なのかもと思った。



瞳だけ描かれなかった貴婦人と返信をただ待ってるわたし
/岩田あを



片づけのとき出てきたる取り札はふるさとさむくころもうつなり
/綾部未央



十代に通ひ続けし「陸橋前」運賃箱にSuicaをかざす
/小池美紀

→「運賃箱に」まではそうでもないけど「Suica」で現代になる。時の流れがあらわれる。



では次にロボットによる人間の解体ショーを見ていただきます
/高橋泰源

→このショーをたのしむのは誰なんだろうって思った。人間としては見ていられないけど、ロボットが見て楽しいだろうか。



歌舞伎町の「DVDどうすか」が聞こえる姪と作った糸電話から
/鼠宮ぽむ「天気予報」



感染するとトータス松本になるゾンビウイルスとそのゲームのマルチエンディング
/遠野真「巫病(八) 男の子は誰でも」

→トータス松本ってあんまりよく知らないんだけど、ガッツがあったりバンザイする人でしょう。ゾンビのイメージから離れていて、人選がおもしろい。そのトータス松本のゾンビから逃げたり戦ったりするゲームなのでしょう。
マルチエンディングってことは、トータス松本が滅んで終わるか、人類がトータス松本化して終わるか、トータス松本をやっつけたけど不安を残して終わるか、どうなるかわからたい。



映画見て夕にもどれば洗濯機のドラムに衣類へばりついてる
/小林冬海





以上でした。この本おわり。

オレの出した歌はこういうのでした。

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以上です。んじゃまた。




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mk7911 at 09:58|PermalinkComments(0)