歌人

2018年10月18日

工藤吉生の短歌プロフィール・ダイジェスト

よろしくお願いします。

歌人の工藤吉生(くどうよしお)と申します。1979年生まれ、男です。宮城県に住んでいて、短歌つくってます。短歌をはじめたのは2011年の夏です。

オレがどんな短歌をつくる人かっていうのは、ブログのまとめページ http://blog.livedoor.jp/mk7911/archives/52127051.html を見ていただくか、ツイッターのボット @mk7911_bot を見ていただくとわかりやすいかと思います。
ブログは2009年秋、ツイッターは2010年春からやってます。 @mk7911



受賞歴
2012 角川短歌ライブラリ刊行記念「わたしの一首」コンテスト大賞
2015 NHK短歌 年間大賞
2017 未来賞
2018 短歌研究新人賞
ほか入選多数


たまたま「ドラえもん短歌」(枡野浩一選)を見て短歌に興味をもったんですよ。そこからネットで調べたりツイッターで検索して歌人さんをフォローして広げていきました。
興味をもってから、自分でも作り始めるまでは早かったです。

短歌のタグ #tanka とかをつかってツイッターに投稿してて、だんだんコンテストに投稿するようになりました。

雑誌の投稿欄にも興味をもち、そこにも投稿するようになりました。
「短歌研究」「角川 短歌」等あちこち投稿してました。

2014年に新聞にも投稿しはじめて、載った・載らないの世界をだいたい一通りやりました。

前後しますがツイッターで「結社」って言葉をよく目にするようになって、なんでも体験したいオレは2012年の終わりあたりに「塔」っていう結社に入るんです。結社ってつまり「短歌会」です。
「塔」を三年やってやめて、つぎに「未来」に入って今に至ります。
「未来」のなかに「彗星集」っていう加藤治郎さんの欄があるんです。欄って、選者のもとに集うグループみたいなものだと思ってください。


ネットで歌会をやって、実際の歌会もやりました。
新人賞に出して落ちてをくりかえしました。
大会にも何度も応募しました。賞状を何枚かいただきました。
2015年には歌を載せた冊子みたいなのを作ったりもしました。
いろいろやりました。

ツイッターで短歌関係のbotをいろいろ動かしてます。
現代短歌bot @gendai_tanka
名歌を集めた短歌bot @tankabot1

@mk7911 がメインで、短歌の本の感想を書くことが多いです。


「note」では有料マガジンもやってます。

だから、オレがどんな活動をしてる歌人かというと、なかなかスパッと言いあらわせないものがあります。いろいろやりたくてやってきたらこうなりました。
そのいろいろの活動のなかの何かの縁でこうして見ていただいているわけですね。



そんなところでしょうか。




もっとよく思い出せばまだいろいろありそうですが、そんなところでダイジェストの短歌プロフィールとしましょう。


▼▼▼





【こっちもおすすめ】
noteのほうでは、ブログでは読めない内容の記事をたくさんアップしています。




角川「短歌」2018年9月号の荻原裕幸さんの歌壇時評の感想すこし
https://t.co/CzRqDYixti



「短歌研究」2018年9月号・短歌研究新人賞のことを思うぞんぶんに書く【1】
https://t.co/9LDZrsWmr0

【2】
https://t.co/lcoeLM1kt6

【3】
https://t.co/f993MV2JHS

【4】選考座談会・前編
https://note.mu/mk7911/n/ncbc826b3e18a

【5】選考座談会・後編

https://note.mu/mk7911/n/n44d84c9e74f6
2018年の短歌研究新人賞の自分のことについて、思うぞんぶんに書き尽くしました。また、選考座談会で言われたことへの応答。




などなど、
500円ですべての記事(約100記事)が読めます。よろしければどうぞ。



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2018年09月10日

▼プロと歌人▼ネットのおせっかい  ~2018年8月

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すこし古くなったけど、八月の二つの話題について。




伊波真人さんの記事。

プロの歌人と短歌を作るin上野 - デイリーポータルZ
http://portal.nifty.com/kiji/180817203715_1.htm
伊波さんが短歌の「プロ」として短歌の指導をしている。


プロってなんだろ、と思って手がかりになりそうなツイートを探してきた。
人によって違うことを言うのは知っているけど、信用しているところから。


加藤治郎さんは書いている。

思うに、詩歌のジャンルで、プロという存在は想定しないほうがよい。
詩歌が「なまなましい傷つきやすい赤裸の肌」(三島由紀夫)、「童心の手拍子」(北原白秋)を希求するなら、それは、プロフェッショナリズムとは、別のものなのである。
#若き歌人への助言
https://twitter.com/jiro57/status/880397538116775936



短歌におけるプロとは何か。私の目指すところは、独自の作品世界をもち、短歌に深い見識のある歌人である。プロとは短歌関連収入が一定額以上ある歌人だ。仮に年収200万円を下限と置いてみる(どこで線引きするかは議論の余地あり)。私にとって収入は最上位の目指すところではない。
https://twitter.com/jiro57/status/252636615439175680

短歌におけるプロとは何か。短歌関連年収200万円以上と仮に置いた。年収5万円とか20万円では生活できない。150万円ではどうかという意見もあろう。要は生活が維持できる金額であればよい。
https://twitter.com/jiro57/status/252638087572762625




枡野浩一さんは語っている。これは古い言葉だけども。
プロの歌人って今、数えるほどしかいないから。「プロ」の定義っていろいろあると思うけど、私は「短歌の作品集を商業出版してる歌人」がプロの歌人だと考えてるので。  [◆]早稲田短歌インタビュー 穂村弘を遠くはなれて
https://twitter.com/masunobot/status/1028967408176746498





なんでプロのことにこだわっているかというと、最近オレがプロとアマの敷居をまたいだかもしれないからです。
さっきの伊波さんの記事に

「プロの歌人」の条件として
・短歌の賞をとっている
もしくは
・歌集を出版している

というのがあるそうだ。


とあった。
だとすると、見る人によってはオレも「プロ」になるわけでしょ。新人賞をいただいたわけだから。気になりますよ。

「プロ」という言葉が適切じゃないにしても、別ステージに切り替わった感はある。「つくったので載せてください」と送りつける側から「載せるのでつくってください」と連絡がくるようになる。流れるプールが逆回りをはじめた。
この変化のビフォーとアフターをそれぞれ何と呼ぶのか。「アマ」「プロ」だとわかりやすくはあるが……。



たのしく吟行して、いろんなことを教えつつ、でてきた歌をほめながら直して、自分の歌もちゃんと作れている。そういうのができているところを見ると、伊波さんはプロっぽいなあと思う。オレはできないなあ。


さっきの引用みたいに、金額で線を引かれると、プロというのはきびしいものとなる。プロともアマチュアともつかない人がたくさんいることになる。そしてオレは「アマチュア」から「アマチュアじゃないけどプロとも言いがたい」段階に入っただけということになる。

オレは「ハイアマチュア」って言われたことがある。投稿の常連として、一度だけ。
プロとアマの二つしかないから話がうまくいかないのでは、とも思ったが、「ハイアマチュア=投稿の常連」とか「セミプロ=伊波さんの定義によればプロだが、短歌での収入はある基準を下回る」とかを仮にいくつ考案して間に置いても丸くおさまらない気もする。人の考えって、活動の仕方って、ほんとうにいろいろだから。



この話、あんまり人を幸福にする気がしない。ここまで。







短歌の無断使用、作者名を記さずに使用してクラウドファンディングした人がいるというのが話題になった。
「ことばのこてん」。


togetterがあったので貼っておきます。まとめてくださる方がいると、わかりやすいですね。


「「ことばのこてん」というアトラクション」問題反応まとめ

「「ことばのこてん」というアトラクション」出典表示なし、使用未許諾、作品未許諾改変問題反応まとめ

https://togetter.com/li/1258779




@ketoka3 歌人の工藤吉生ともうします。一言ご注意いたしますが、短歌には作者がいますので、引用するのであれば必ず作者名を明記してください。金銭が関わっているなら作者の許可をとったらどうですか。それから、誤字脱字がないよう、くれぐれもご注意ください。
以上ご注意いたします。


「ことばのこてん」の件で、当事者にリプライで注意してみた。言いたいことがこれなのでこれを言った。

エアリプなんか見てるはずないんだから直接言ったらいいんだよ。じゃないといたずらにタイムラインを殺伐とさせるばかりなんだよ。……と思ったので、思った自分がいった。
(返信きてません)


一番いいのは、知られないように忍び込んでグサリとやって世をただして、朝になったら何もなかったようにヘラヘラしてることなんだけどね。
時代劇とかでそういうのあるけど、あれって難しいやつだったんだなと思う。



ながく短歌やってて「これくらいは当然知ってるよね」と思ってしまっていることがある。
最初のころ、短歌読んですげーと思ってブログに引用したとき、オレは作者名を入れてなかったんです。そういう決まりって知らなかったから。そのルールどこに書いてあります? 誰が教えてくれます?

「知らなかった」っていうケース、あると思います。お知らせしていけばいいんです。
いやーしかし、その段階で金銭の関わることまでするかなー






あと、8/20に短歌研究の誌面を転載してる人にも話しかけた。発売前だからということで注意したけど、発売後だからいいのかといったら、かなり黒に近い。







でもなんでオレがそこに関わっていく必要があるのか、と思うね。当事者がこれから対応すればいいことでも、拡散してこっちにくると、オレだって黙ってられなくなって動きたくなることがある。

オレの目の前で事故があったらオレが通報するのは自然だけど、隣県だったらしないよ。でも、その距離がツイッターだと塗りつぶされている。近所のことも遠くのことも同じように流れてくる。遠くの人が目の前で事故っている!

遠くのものがちかく見える、いないものがいるみたいに見える、そういう幻みたいなのがどんどん発達してくる世の中だ。SNSもそうだし、VRとかそういうのもでしょう。
人と人の距離がわからなくなる、遠いものが遠いものとして見えなくなるということは、いらんおせっかいが増えやすくなる。

そこで終わってはいけなくて、腹に力をいれなければ、って思う。一秒ごとにだれかの生存率が下がるわけでもなし、他人のことは他人のこととして、呼ばれてもいない自分がどこまでいくべきか冷静に見極めたい。




前例があってもなくてもやるやつはやるし、やらないやつはやらない。
同じジャンルだからってみんなオレの出る問題とは限らない。短歌=工藤吉生、ではない。あたりまえだ。


知らない人に注意するの、リスクあるよ。聞いてくれる相手とは限らないじゃん。
逆恨みされてつきまとわれたり、事実でないことを言いふらされるかもしれない。


煽りにのらない強い気持ちが大切だ。







インターネットでカッとなったときに自分に言い聞かせること七点をまとめた。

1.ここで飛び出していくメリットとデメリットは何か? いかないことで発生するメリットとデメリットは?

2.限りある時間を大切にしよう。なにかもっと大事なことを忘れていないか? いまやるべきことを思いだそう

3.無駄だとわかっていることはやめよう

4.名前を出されても冷静さを失うな

5.互いに尊敬できなければ前向きな話し合いにならないよ

6.自分は自分なりによくやっている。だから落ち着いてて大丈夫。自分の畑をたがやそう

7.それは自分がやらなきゃいけないことか? どれくらい自分に関係あるか? 今すぐじゃなきゃだめなことか?




そういうことを考えてから行動したい。

これからは気をつけます。




▼▼▼



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「短歌研究」2018年9月号・短歌研究新人賞のことを思うぞんぶんに書く【3】
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2017年04月19日

続・歌人がマストドンをやってみた話

昨日はマストドンをやってみた話を書いた。
: ▼存在しない何かへの憧れ http://blog.livedoor.jp/mk7911/archives/52189608.html


そのつづき。
内容がかぶるところも多いだろう。

「歌人が」とわざわざ言っているのは、ほかの歌人がほとんどマストドンをやってないから(おこがましくも)オレが代表しているのだ。また、短歌の外の人に読まれることを意識している。


今のマストドンの状態は、短歌をどうこうって状態ではない。なにか工夫すれば使いようがあるのかもしれないが。
中心になっているインスタンスのひとつ、mstdn.jpを使っているが、高速で下ネタが流れていくだけの場所だ。それがオレにはおもしろいけども、ツイッターに戻ってきちゃった。


文学関係でインスタンスを立ち上げる人があらわれると、そこから何か起こる可能性はある。
だが短歌にしぼって立ち上げるんであれば、あんまり新しい面白いことは起こらないんじゃないかと見ている。ツイッターと同じような人しか集まらないでしょう。登録の手間や覚えることを考えたら、敷居が低いとは言えない。

タイムラインにはホームのタイムラインと、ローカルタイムラインと、連邦タイムラインの三つがある。ツイートのことを「トゥート」といい、リツイートは「ブースト」と呼ばれ
……みたいなことに、めんどくさがらずについていけるかどうか。



はじめは面白くて夢中になったけど、だんだん不安になった。頭の中でNOKKOが「狂ったゲームはいつ終わるの」って歌い出した。

なにもかも速すぎる。あらゆるトゥートは、一瞬で星がつき、一瞬でブーストされ、しかし次の瞬間で彼方へ飛んでいってしまう。ハッシュタグはあるが本文検索は無い。


自動で流れるタイムラインの速さが、読み手にものを考えさせない状況をつくる。それが下ネタにつながるんだとわかった。短くて、書く方も読む方も考えなくてよくて、それでいて面白がろうとしたら、単語レベルでの下ネタが多くなる。「膣」とか「おっぱい」とかになる。



31文字をさまざまな角度から見て考えて味わってというようなことと、マストドンの相性がいいとはちょっと思えなかったんだよね。
それでも新しいもののエネルギーがあるし、面白そうな気配があるし、せっかく覚えたから、なんとかならないかと二日くらい考えているところ。



書き込んでるとどんどんフォロワーは増えるし、短歌を書くと反応してくれる人もいる。
そういう、従来にもあったような地味な広がり方ならここにもある。
新しい場所だから、できればマストドンの特性を活かした新しい展開がほしいんだが、難しいものだ。




▼▼



短歌と公募と賞金のこと|mk7911|note(ノート)https://note.mu/mk7911/n/n47a017bcce69

2017年3月に発表した/掲載された短歌といただいた選評まとめ|mk7911|note(ノート)https://note.mu/mk7911/n/n1dba7a62c361

短歌に関するbotをつくった|mk7911|note(ノート)https://note.mu/mk7911/n/n7f59d9cbbfeb

2017年3月の出来事を振り返ってあれこれ言う【後編】|mk7911|note(ノート)https://note.mu/mk7911/n/nc83bca0ffcd2

2017年3月の出来事を振り返ってあれこれ言う【前編】|mk7911|note(ノート)https://note.mu/mk7911/n/n02d1ecfcd4aa


工藤の有料マガジン【500円】やってます。


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2016年10月17日

後にのこる活動、のこらない活動【2016.10.17】

10/17。月曜。くもり。



たまに見るドラマで、金髪のうるさい調子に乗ったやついると邪魔で見たくなくなるな。どのドラマとは言わないけどさ。髪の色でキャラクターを分けるとか、実写でやるのはどうなの。







最近は、ツイキャスとかネットプリントとか、後に残りづらい活動をしている歌人が増えたという指摘をツイッターで見た。ツイッターも速度があって、残りづらいのかもしれないな。
一瞬のものには一瞬のものの楽しさがあり、記録し積み上げてゆくのは地味で根気が要る。どちらを選ぶかだ。



ブログというのは「ウェブ」+「ログ」からきているくらいで、記録のためのものだ。サービス停止の危険はあるが、無期限に公開されていて検索すればすぐみつかるし、いくらかは後に残りやすい。

オレだってブログで後に残ることをやってるつもりなんだが、実際はあんまり参照されていないのだ。
篠弘の短歌史の本の要約とかもやってるんだが、ほとんどアクセスされない。 http://blog.livedoor.jp/mk7911/archives/cat_10055363.html



小高賢の本の「はやわかり短歌史」はYahoo!知恵袋で紹介された関係で、よくアクセスされる。 http://blog.livedoor.jp/mk7911/archives/52001584.html


ウシジマくんとか、ドラクエ3とか、奨学金裁判の記事はながく読まれているんだが、肝心の短歌の記事があまりパッとしない。うーむ。



山田航さんの「現代歌人ファイル」みたいな、ながく続くシリーズものがあるといいのかな。穂村さんの作品鑑賞も長いシリーズだった。

それに比べると、オレはけっこう行き当たりばったりなところがある。読んだら記事にするけど、読まないこともある。結社誌と「うたつかい」だけはいつも届くものだから欠かさずに感想を書いているが、それ以外はやったりやらなかったりで、徹底していない。「短歌研究」は数年間欠かさず感想を書いていたが、最近定期購読をやめたので、これからは欠ける号もあるかもしれない。

いろんなことを徹底してながくやれるといいんだがな。
「ぬらっと!短歌大賞」は半年に一度の企画だが、なにかそういう企画があるのもいい。

おっと、ブログを語りはじめると長くなる。







昨日は日経、今日は読売と、短歌が載っている。載ると機嫌がよい。
世に出てるって感じがする。
もっといろんな角度から出てみたいものだ。
読売新聞の一面の「編集手帳」ってところに、読売歌壇の短歌が引いてあった。こんなふうに引用されたらうれしいだろうな。そして、こんなところは毎日チェックしてないから、誰か親切な人が教えてくれなかったら気づかないかもしれない。
オレのいないところでオレがほめられていたら悔しいなあ。けなされてたら聞かなくていいんだけど。






有料記事のご案内。

noteの「工藤の有料マガジン」は500円ですべての記事が読めます。ここでしか読めない記事がたくさんあります。

汚染歌人|mk7911|note(ノート)https://t.co/57jUdAW2xN
歌人ではオレにしか書けない領域のことを書けたとおもいます。



2016年9月に発表した/掲載された工藤吉生の短歌まとめ|mk7911|note(ノート)
https://t.co/eMiUGEBofR
さまざまな場所に出した28首。


決めつけは「持論」ではない もったいないお褒めの言葉へし折ってやる|note(ノート)
https://t.co/WFGFmcJ8KG
むちゃくちゃに毒づきました。


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2015年04月22日

NHK短歌2015年5月号「「NHK短歌」投稿者から歌人になりました」のこと

NHK短歌2015年5月号を買った。佳作でひとつ載った。佳作は今年初。佳作もなかなか入らない感じだった。
これで、短歌研究・角川「短歌」・歌壇・現代短歌・NHK短歌のそれぞれに同時に歌が載ってる状態になった。……いずれも小さく。投稿家って感じ。
ウォーリーならば有名でみんなに愛されているから、いますよと言うだけで小さく細かくても探して見てもらえる。
でもオレはそこまでではないから小さく載ったからってどうにもならないのだ。工藤を探せ、とはならない。大きくいかないと見てもらえない。



「「NHK短歌」投稿者から歌人になりました」に注目した。飯田和馬さん、龍翔さん、武富純一さん、松村正直さんの4人の投稿期間はそれぞれ五年、三年八ヶ月、三年、四年。3~5年にかたまっている。なるほど。そのへんなのか。

オレはそろそろ三年半で、みんながもっと短かくてオレばかり長かったらはずかしいなと思っていました。でもまあ、三年半ってことはそろそろ何か見えてきてほしい、メドがあったほうがいいかなという感じです。



左のページのお二人、武富純一さんや松村正直さんはかなり積極的に投稿していたようで、親近感があります。
酒の席で、松村さんの投稿はすごかったと聞いたことがあって、でもネットでしらべてもあまり出てこなかったので、そのへんが少し読めてよかったです。
月に50首投稿って多いんですよね。オレは今年に入って月80首投稿をしたまわった月はありません。かなり多いかと思うんですが、出口王仁三郎について読んでから自分は別にたいしたことない中途半端なやつだと思うようになりました。目標にするにも遠すぎるし。



武富純一さんの名字の話は、身に覚えがある。オレだけじゃないんだなと思った。
入選欄に名前があったと思ったら、似た名前の別の人だったというお話。

何度か書いてるけど、工藤という名字は東北に多くて、「宮城県 工藤……」まで同じで名前だけ違って、一瞬ぬか喜びすることがある。

工藤さんだけならそこそこいるんだけど、投稿でみかける工藤さんのことは特に意識する。
読売新聞の要五郎さん、重雄さん、総合誌では章さん。

あと、武富さんはボツに凹まされたことや悔しい思いをしたことを書いているので好感をもった。
なかなか言えないんだよね、投稿で載らずに悔しいとは。オレも思ってるけど言えないもん。
でもそれは、もう投稿してないから過去形で言えることだ。リアルタイムで、ツイッターで「○○に載らなくてくやしい」とか人目につくところに書くのは、共感できるけどちょっとだけ恥ずかしいことだと思う。


これは半分言いがかりなんだけど、「「NHK短歌」投稿者から歌人になりました」ってことは、NHK短歌に投稿してたら歌人じゃないみたいだよね。
どこから歌人なのかとか、どこからプロなのかとか、いつまでも決着つかない問いがぶり返す。

旅人みたいなもので、歌を作れば歌人ですと、オレの作ったbotは言っていた。
いったいだれが、どのような権限を持って、「歌人」と「歌人じゃない人」を、区別するんだろうか。 私は、短歌を詠む人はみんな歌人だと思う。旅する人を旅人と呼ぶのと一緒で。旅をやめたとき旅人でなくなるのです。  [★]かんたん短歌blog──枡野浩一のbot @masunobot


プロアマ問題については、この間「ハイアマチュア」と知らない人に言われたことがあって、そんな階級があるんだなと思った。それはそれで、どっからハイアマチュアなんだって話になるんだけど。

どこからどう線を引いてもうまくいかなそうだから、このへんはもういいかなと思ってはいます。
みんなが納得できる線引きのしかたが出てきてもおもしろいけどね。あるいはゲーム感覚で。フローチャートでわかるとか、いくつか質問に答えると歌人度がパーセンテージでわかるとか。



NHK短歌5月号については、後でくわしくやります。んじゃまた。


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2012年11月27日

小高賢編著「現代の歌人140」を読む【6】[51]辺見じゅん ~ [60]黒木三千代

【51】辺見じゅん

はあー難しいです。


もち歩く貌のひとつを映し出し鏡の向かう五月の過ぎつ



【52】大河原惇行

ねがへりをわが妻うてりいかならむ形に幸を願ひをるにや

寝返りが、眠りの形、夢の形をこねて変形させる行為のように感じられました。夫の視線が優しいと思いました。



【53】三井ゆき

紅鶴はある日とつぜんその紅を恥としはげしく羽ばたくならむ

アダムとイヴの物語を思い出しました。つまり人間にもその紅はあり、逃れることができない。
鶴って静かなイメージなんですが、激しく羽ばたくのも絵になりそうです。


わが歩むことなき道はいくすぢも秋の車窓にあらはれ消ゆる



紅鶴はある日とつぜんその紅を恥としはげしく羽ばたくならむ

アダムとイヴの物語を思い出しました。つまり人間にもその紅はあり、逃れることができない。
鶴って静かなイメージなんですが、激しく羽ばたくのも絵になりそうです。



【54】玉井清弘


われよりも背のたかき生徒にぶつかればむにゅとつぶやき顔あげずゆく

こんなことあるんでしょうか。あったら短歌にしたくなるでしょうけど。アニメか何かの影響で「むにゅ」って言ったんでしょうか。面白いです。


厠なるスリッパうるわしく整えり明治の男いでたる後に

便所のスリッパに「うるわしく」と言ってる面白さですね。明治の人だからスリッパを整えるんでしょうか。キチッキチッとしたお爺様なのが想像できます。



【55】藤井常世

自然に疎いため、よくわからない歌が多かったです。


化けるまで生きよと言ひきかせ言ひきかせゐしがどの子も猫のまま死す

「どの子も」に愛情を感じました。死ぬ間際になっても猫はあくまでも子供という扱いみたいに読めました。


いましづかに夕日がしづむ鳥よりも風よりもとほき旅をしてきて

これはただただ美しいです。



【56】柏崎驍二


雪道のひとすぢを行きゆふぐれにその道かへり短きひと日

いいですねえ。淡々としてる中に静かな味わいがあります。


こんなどごさなんで菫が咲えだのがはだげさ捨てだ鉄鍋んなが

私は仙台なのでちょっと違うかもしれませんが、耳に聞こえてくるような、声に出して読みたいような一首だと思いました。私的には「菫が」を「菫さ」に、「なんで」を「なして」にしたくなります。


わがまへに枝豆の緑うつくしく酒席のいまだ喧騒ならず

はっきりと枝豆の色なんかを見てるうちは盛り上がってない時ですね。盛り上がると酒と人しか見えなくなりそうです。



【57】田村広志

戦争と父の歌が中心になってますね。


ピンポイント爆撃をするミサイルの誘導装置のなかの日本

ものを見る位置や角度や距離、という点で個性的だと思いました。自分が上空から日本を見ている、それも破壊しようとして見ているような不思議な感覚になります。



【58】高野公彦

あれはどこへ行く舟ならむいつ見ても真つ新なるよ柩といふは


玄関に靴並びをりみどりごは抱かれくるゆゑまだ靴はなし



ちょっとした気づきの中に詩がひそんでいます。こういうの好きです。
歩けるようになるまでは母親に揺られ、歩けなくなると柩が舟となる。どこかつながってる気のする二つの歌です



【59】成瀬有

誰も受話器を耳に押し当てさまよへば時をり笑ふ現代飢餓

携帯電話のことでしょう。話す相手を求めて飢えてる、笑っててもやはり根底では満たされてないみたいで、グロテスクな強い印象をもちました。



【60】黒木三千代

夢のふかさ 断崖のやうな脳の闇 こひびとで父でわたしであるひと

夢の中で自分がどういう立場なのかわからないことがありますが、そんな不可思議な状態がよくでてます


衝突させてくる歌が目立ち、難しく感じました。

それにしても、小高さんは歌集を出せ出せとうるさいタイプなんですね。百万円とかかかるんでしょう。たいして売れないんでしょう。自分は謹呈してもらうつもりなんでしょう。

あちこちに発表した作品が散らばってしまうのは困るでしょうが、何をやいやい責める必要があるのか。


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2012年11月23日

小高賢編著「現代の歌人140」を読む【5】[41]志垣澄幸 ~ [50]春日井建

【41】志垣澄幸

日常のさりげないところを歌にしていますね。こういうの好きです。

音楽は聞こえざれども三階の窓に拍子をとる少女みゆ

→三階、がいいですね。主体は何階にいるのでしょうね。見上げているのでしょうか。


わが齢までかぞへたる石の段なほのぼりつめ一生越えたり

→こういうことあります。階段一段一段が一年だったりするんです。
人生とは階段を登るようなもの、みたいな意味が含まれてるのかもしれません。



【42】松坂弘

松坂弘は角川短歌の短歌公募館の中で私の苦手な選者です。アンケートに松坂弘を外してほしいと書いたこともあります。
なぜといえば、「今の若者はなっとらん」「今の社会はなっとらん」という主張が強すぎるからです。自分の思想を選歌にもろに反映させているのです。

この本の話をしますと、小高さんの解説を読むと疑問形「だろうか」が多いです。共感も理解もできないのをマイルドに言い表しているように見えます。
そんな先入観を抑えて短歌を読むと、良い歌もあります。


口紅のややに濃ゆしと思へども久々の逢ひに触れずにおかむ

→私もよくデート中にそういうの言いたくなって我慢します。相手も我慢してるかもしれないので。

しかしこの主体は口紅の適切な濃さの基準を過去の中に持っていて、それを信じて疑わないようにも見えます。


夕ぐれに涙を流してゐるやうにうつむく妻は竹の子を輪切りす

→歌集のタイトルはここからでしょう。夕ぐれに、うつむく妻。泣きたくなっているのはそれを見ている主体かもしれません。



【43】杜澤光一郎

面白いと思った短歌に丸をつけながら読む習慣があるのですが、「爛熟都市」に集中的に丸がつきました。


「個人」といふ灯をともせるタクシーが驟雨のなかにまぎれゆく見つ

→一人の人が雨の中を去っていったみたいで味わいがあります。


たちまちに喰ひたひらげて口紅を塗りなほしたる女おそろし

→食べ物を食べた次は男をたいらげる、みたいなことでしょうか。
「喰ひ」と口へんの文字を使ったところ、または「喰ひたひらげて」という独特な表現がおそろしさを演出しています。



【44】奥村晃作


転倒の瞬間ダメかと思ったが打つべき箇所を打って立ち上がる

→転ぶ瞬間の恐怖と、転んだあとの痛みというのは、こう言われてみればどうも釣り合っていないように思います。


踊り場に貯まれる埃淋しくも見つつのぼりぬ自分の部屋に

→たまには掃除しないと、と思いながらもなんとなくやらないでしまうことがあります。
「淋しくも」に特徴を感じます。長い間かまってもらえないから淋しいのでしょうか。


【45】青木昭子


ふりつもる筑紫の雪の新の雪踏めばくくくく歓喜の足裏

→雪を踏んだ感触を「くくくく」と表現してるのが面白いです。確かにそういう感じでめり込んでいきます。
その後の「歓喜」はカ行を引き継いでいます。そういう見方をすれば、前半の「の」も(古典的で)リズミカルです。


極まりてかういふ色になりました赤唐辛子しみじみと言ふ


→「しみじみと」なんて言葉がくっついておかしみが増しています


渾身といふ降りかたをせぬ雪をあふぎて立ちてゐるばからしさ

→雪の舞う様子を、チンタラやる気なく適当に降っているかのように見ているのでしょうか。そんな雪を立って見上げるのはばからしいと。

玉葱も赤唐辛子もこの雪もそうですが、命ないものに人間らしさを貼り付けるのが得意な方のようですね



【46】秋葉四郎

玄関の靴の短歌が一番いいと思います。
今ぬぎし靴玄関の灯を浴びる自画像に似てさびしわが靴


全体的には良さがあまりわかりませんでした。特にパソコン、臍、俺俺詐欺の歌は平凡で、雑誌の読者投稿欄みたいだと思いました。



【47】小中英之


梅雨いまだ気配のなくて夕日さす勝手口より蛇の入りたり

→蛇は人の家などおかまいなしに這って暮らしている。夕方の美しさが重なり、なんともいえずいいです


年月のゆきつくごとし鉄橋を渡れば枯野 すぐ無人駅

→わびしいものを並べてきました。良いです



【48】浜田康敬

この顔、誰かに似てると思ったら、のび太の学校の先生ですね。

日常の些細なところを見ています。ただごと歌に近く、またかなり薄味な印象です。特に後半。


友の家に泊まり目覚めしその部屋にあまたの額の表彰状あり

私の母方の祖父母の家が表彰状の多い家で、なんかわかります。よそに泊まって目覚めた時のあの感じと、他人の表彰状へのあの感じ。「あの感じ」って言いたくなりますが、それくらい微妙な小さなちょっとした印象をとらえてます。



【49】佐佐木幸綱

酒やジャズなど、男らしさみたいなもの、まっすぐなものを感じます。

特に選んで言及したくなる歌はなかったです。ネグリジェの大群は面白いですね

立春の日の夜空飛ぶネグリジェの大群明日の天気は晴



【50】春日井建

枡野さんの「ショートソング」の伊賀寛介は春日井建さんのアナグラムだと気付いたのは最近でした。あまり知らない歌人なので興味を持って読みました。若い頃の作品も読みたくなりました。


亡きひとはことば持たねど亡きひとを話すあまたのことば聴きをり


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mk7911 at 18:49|PermalinkComments(0)

2012年11月03日

小高賢編著「現代の歌人140」を読む【2】 [11]武川忠一 ~ [20]前登志夫

【11】武川忠一


ページのはじめの方に良いものが多いと思いました。


傘さしてしぐるる池を描く男くらき水面をしばらく見つむ

これいいなあ。



その後の戦後を扱った2首も好きです




【12】安永蕗子


男来て釣れば釣らるる魚一尾沖の岩場の石濡るるなり

がよいと思いました。
亡くなって雑誌で追悼特集が組まれたりしましたが、そこで読んだ

老いの歌病ひの歌も断れり阿蘇の噴火をいま思ひをり

という一首が印象に残ってます。




【13】竹山広


面白いです。一本取られた、という感覚が何度かありました。

往きに轢きし花びらの上あたらしき花びらをまた轢きて戻りく

残酷なような、コミカルなような良さがあります


全九州を暴風圏にをさめたる台風の目の中なる急須

大小のコントラスト。



まちがひと咎めても咎めてもかかりくる電話のごとく或日死は来む

あるあるに死が結びつき深みが出ています。





【14】塚本邦雄

私なんかが塚本を云々してよいのか、という気がします。それくらいの人物であり作品群です。
難しいしよくわからなかったりもするんですが、迫力を感じました。突き刺さる言葉を持っています。

夢の沖に鶴立ちまよふ ことばとはいのちを思ひ出づるよすが

この人については別に本を買って勉強したいと思います。




【15】安立スハル

全然知らない人だったんですが、むちゃくちゃいいですね。


馬鹿げたる考へがぐんぐん大きくなりキャベツなどが大きくなりゆくに似る

私は八百屋に働いてるし、よくわかります。野菜って大きくなるとふてぶてしいような間抜けなような不気味なような、なんとも言えない感じになるんですよね。



芭蕉にも凡々の作なほありと読みゆくときに勇気こそ涌く

思っても言えなかったことをズバリと言ってくれました。



死ぬ人の臓器すばやく移し植ゑて生き延びることも人間はする

当たり前のようになっていることでも別の言い方で再構築すると発見があったりしますが、これはすごいです。



「お母さんに会ひたい」と泣く真夜中の母を泣きやむまでさすりをる

こんなにかわいそうな悲しい短歌は初めてみました。




【16】

北沢郁子

印象に残った歌。

親鳥の嘴より魚を奪ひたる子の鳥の罪永久にして



戦争を知る人わづかに混じれるかラグビー場にあふるる観衆


ラグビーと戦争の様子が重なったのでしょうか。たくさんの人を見て「この中に自分と共通する○○のある人が何人いるか」と考えることは私にもあります。



浮き沈み漕ぎたる舟の湊なる老人病棟の昼はもの憂し





【17】岩田正

読みやすかったです。


人生のかたはらとほり去るごとし雨の茶房の窓過ぎる傘

よくある風景ですが、うまい人がやればいい短歌になるんだと思いました。



川沿ひのアパート住まひの夕べ夕べトランペットの鳴つてゐた空

これも、ベタな景のようですが生きた短歌になってます。「夕べ夕べ」って見慣れない表現ですが「夜な夜な」の夕方バージョンなのでしょう。



抱き合ひて落下をしたりそのままにしておけばいいに軍配上がる

相撲なのでしょうが、男女のことのようにも見えて面白いです。



最近の総合誌に、岩田正さんのこんな短歌が載っていて印象に残りました。
いかなときも救ひあるべし廃墟背にヴアイオリン胸に抱ふる少女



角川『短歌』編集部編「決定版 短歌入門」4章「表現するために」に岩田正さんの文章があり、その書き出しにインパクトがありました。
見ることです。よく見ることです。なおよく見ること。再度見ることです。対象のものに執することです。飽くなく見ることです。




【18】岡野弘彦

なんともコメントしづらい、かといってなに食わぬ顔で通過するのも難しい作品群です。
一字あけ多用って初心者くさいと思ってましたが、必ずしもそんなことはないですね。偏見でした。
総合誌などでよく見かける方ですが作品をあまり読んでこなかったので勉強になりました。



かくむごき戦を許し しらじらと 天にまします 神は何者

「神がいるならこんなひどいことは起こらないはず」っていうのはよく聞く主張です。が「何者」という言い回しにただならぬ疑いを感じました。


近ぢかと浮きて流るる 幼な児のむくろ かすかに眼をあきてをり

かすかな眼のあき、近ぢかと。臨場感があります。



【19】山中智恵子

わからないなりに美しさは感じます。心を動かされました。ドキドキします。うつろってゆくものを見つめる、見送る情感、といいますかなんといいますか。



記憶こそ夢の傷口わが夏は合歓のくれなゐもて癒されむ

つねに虚の側より希へばわがことばいつか大虚につきぬけゆかむ





【20】前登志夫


茶髪逆立て塵紙呉るる若者ら前鬼の裔か後鬼の裔かも

最近の若者はなっとらん系(たった今命名)の短歌の中ではうまくいってると思います。



もう少しお待ちくだされ、何ひとつ悟ることなく過ごし来つれば

年下の上司に「先輩なんだからしっかりして下さいよ!」と仕事の不出来を責められる私は共感するんですが、さてこの共感の仕方で良かったのか……。



できるだけ文明の速度に遅れつつ生きて来しかど誉められもせず

流れができると逆らいたくなるわけですが、それは何をもたらすでしょう。誉められたがってるみたいな口ぶりにおかしみを感じます。




 


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2012年11月02日

小高賢編著「現代の歌人140」を読む【1】  序文、 [1]小暮政次 ~ [10]浜田蝶二郎

序文

これは某掲示板(承認制)で行われた企画から、自分の書いたものを抜き出し編集を加えたものだ。その企画とは、小高賢編著「現代の歌人140」を一日一項目読み140日かけて読み感想を書く、という内容のものだ。
リンクを貼ろうかと思ったが、承認制なのでそれもどうかと思う。(一応。 http://tanka140.bbs.fc2.com/ )鍵のかかったドアを指さし「あちらへどうぞ」なんておかしいことだが。もし興味のある方はコメントくだされば掲示板の管理人の方とコンタクトをとる方法をお教えします。
オレは全てのページを読みコメントを書いている。まだ終わったわけではないが、9割ほど終わったので終了するメドがついたと判断した。


いくつかに分けながら更新していく。
読みのなってない部分も多々あるだろうけど、この時はこう読んだ、という記録として残す。




この本について

第一回目だから、まずこの本について書いておく。

この「現代の歌人140」は140人の現代歌人の歌をそれぞれ30首収録し解説をつけた本だ。「現代短歌の鑑賞101」の続編ということで、そちらに入ってない歌を収録している。したがって、よく知られた名歌が入っていなかったり、新しい歌集の作品が多い、という特徴がある。

収録順は生年順になっている。つまり最初の方ほど古い生まれの歌人で、徐々に若くなっていく。



では最初の小暮政次から。引用する短歌はいつものように赤い文字にする。30首から気になる歌を引いて感想を書くようにした。





【1】小暮政次

キャバレーの入口深く花輪ならび尚行きて陰惨なる飲食のさま

こういう、醜さを写しとった歌に惹かれます。表の華やかさと裏の醜さ。
音韻にも仕掛けがありますね。三句から「な」が繰り返されます。
は〈な〉わ〈な〉らび〈な〉お~
そして下句の
〈い〉ん〈さ〉ん〈な〉る
〈い〉ん〈し〉ょく〈の〉
はI、S、Nという音の並びからなります。

字余りは目立ちますが、それを補うかのように韻があります。


歌集よみくれし一人が恋愛をせざりし人の歌といひしとぞ

「これは恋愛をしたことない人の作った歌だね」とかなんとか言われたんでしょう。この知ったかぶりめ、と思ったかもしれません。
その一方で、歌に反映されない(らしい)自分の恋愛がある。実はもしかしたら本当に自分は恋愛はしてなくて、恋愛だと思い込んでいる記憶があるだけなのだろうか。
いいや自分は恋愛をした、と思っても自分の歌集の読者に申し開きをするわけにもいかない。


何かしておらねばならぬ気持ちにて飯炊き飯は黒く焦げたり




【2】齋藤史


この本のいいところは、歌人の顔が見れるところだと思っています。作品と直接関係ないものの、作者の顔を見ると親しみが増すように思います。
プロフィールの「若山牧水にすすめられて作歌を始める」に歴史を感じます。

携帯電話持たず終わらむ死んでからまで便利に呼び出されてたまるか

携帯電話があると、便利になるのと引き換えに、本当にひとりになれる時間を失うのだと思いました。



引きずれる過去を持たざる人のうた 気がきいてワンタッチ開く蝙蝠傘

ワンタッチのコウモリ傘はなめらかに颯爽と開きます。その様子は過去に引きずるものがないようだ、と。「気がきいて」は傘のワンタッチ機能への擬人化ですね。傘に意思があるかのようです。マイナスなニュアンスがありそうですね。ワンタッチの軽薄さ。
そんな傘と、鼻歌でも歌ってる屈託のない人が重なって見えたのでしょうか。
それとも実際にワンタッチの傘をさして軽薄な歌を歌ってるやつがいた、ということかも。

ぐじやぐじやのおじやなんどを朝餉とし何で残生が美しからう

私はおじやが嫌いなので、老いてそんな食生活をするのは嫌だと思いました。おかゆも苦手です(え? そんな情報いらないって?)
朝におじやを見て感じたことなのか、弟子か何かに「美しく老いてらっしゃいますね」みたいに言われて感じたことなのか。
若い人と同じものを食べられないことで、老人はみじめな思いをしたりするのかと考えました。





【3】近藤芳美

読みましたが、今日はどうもよくわかりませんでした。

ベートーヴェン、シューベルトらの墓碑のあいモーツァルトには葬る何もなく

モーツァルトは共同墓地に埋められたといいます。そのことなんでしょう。



手さぐりにフェルトペンありなお吾に表現という残るよろこび

私は枕元にいろいろ置いておくタイプで、親近感があります。枕元とは書かれてませんが、そんな気がしました。





【4】岡部桂一郎


なかなか面白かったです。

灯りたるジュースの自動販売機コイン入れれば枯野広がる

押すと商品が出てくるランプを枯野に例えたことで、無機質な自動販売機に情緒を生み出しています。


2瓦の分銅のせし秤ありこの物体は考えている

秤の傾きを、首をかしげる様子に見立てています。わかりやすい。



魂の近づくごとく霧の夜の車のライトかたわらを過ぐ

ライトの光を浮遊する魂に例えています。人工物の中に情緒を見いだした作品が目立つように思います。



とめどなく心乱れているわれを「よいしょ!」と抱え人運びけり

精神的なものと肉体的なものの対比が効果をもたらしています。





【5】加藤克巳


下の解説にもある通り、活発なものがあります。
日本の自然を楷書でくっきりと描いている印象です。
引きたい歌はないです。




【6】清水房雄


面白く読みました。


何の木かわからぬ迄に枯れはてし四五本を見る朝々の道

こういうの好きです。さびれた風景、いいですね。



なみだ垂れて見送る夢は野を遠くはこばれてゆく吾のなきがら

誰か大切な人を見送っているかと思えば、自分自身だと結句でわかる。
そんな夢を見たことあるような、淡く哀しい一首。



碧眼の羅刹が降らせし火の雨の記憶も風化しゆくというのか

戦争というのはこれほどの時間を越えても消えない悲しみや苦しみやうらみを残すものなのですね。平成になっても、この方の戦争は終わっていないようです。



野暮くさき歌詠みちらし過ぎゆかむ妙巧短歌汪溢の世に

野暮くさいと自虐しているようですが、こう書かれてみると巧妙な短歌がむなしい表面的なものに見えます。





【7】森岡貞香

難しく感じました。
もんがまえに月でも「間」の意味らしいと知りました


行間にすきまもあらず赤えんぴつに書きこみてありき作戦要務令





【8】宮英子


雪国に雪二夜三夜降りつげば今夜は帰るなと言はるるに似る

あるあるなんですが、格調高いです



ショパン命日十月十七日雨降れりぱらぽろろろんしとしとろろん

ピアノと雨のオノマトペが重なるのがいいと思いました。





【9】田谷鋭

良いと思った3首

男ごころは幼なごころか大海の朝日に向きてもの投ぐる人

何ゆゑに世に姿なき妻なりや四十七年身に添ひたるを

茫とゐること多くなり亡き友もなほ在るがこと思う折々



身近な人の死を詠んだ作品がつーんときます。





【10】浜田蝶二郎


3首選

臨終まで用いられたる酸素管でくのぼうのごとくかつがれてゆけり

わたしとは一体何かわたしとは世界へ投げられし一つの問いぞ

わたし死んでゐなくなったと感じたらそれはわたしがまだゐることだ



時間、世界、存在についての短歌が並び個性的です。ところにより剥き出しになりすぎるのが気にはなりますが、私は好きですこういうの。




【つづく】 


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2012年10月12日

[総合誌読む13] 「短歌研究」2011年12月号 ●特集 二○一一年歌壇展望/歌人アンケート

年鑑

短歌研究2011年12月号を見てびっくりした! なんだこの厚さは。450ページくらいある。そのうち100ページは住所録・歌壇名簿だ。タウンページみたいだ。良純が間違えるよ。

値段が4690円だ。毎年こうらしい。12月号だけやたら高いわけだ。これが『年鑑』か!

名簿とか雑誌のうしろにくっつける必要あるのかよ。そんなんで定価高くなったらたまらん。4690円って、それが雑誌の値段かよ。当然非難ゴウゴウ(出ないぞこのクソ変換め)かと思ったがググっても文句言ってるやつはいない。

調べてみるとこの名簿、本を送る時など、けっこう役に立ってるらしい。いろんなつながりがあるんでしょうなあ…………


そこで定期購読ってか



短歌研究2011年12月号には220ページの「綜合年刊歌集」がついてる。編集部が把握した限りのあらゆる歌集歌書雑誌から作品が選ばれ載っている。すげえ量だ。短歌研究新人賞の2首選みたいなのが220ページぶっ続けなのだ。大雑把に計算しても1万2千首以上がぎゅう詰めにされてる。

12000首ってピンとこない。「現代の歌人140」30×140=4200首の約3倍。 
全部読んだ人いるのかな。オレは読むつもりでいるが

そのタウンページもどき+すし詰め12000首に加え、さらに対談やら展望やら140ページが同居している。

こんだけの内容なら4690円もわかるが、いやはや雑誌っていうか事典だよこれは。






展望

短歌研究2011年12月号、冒頭の対談を読んでいる。震災について。そこに引かれた

<花束>は太平洋をただよへり一つ一つの<花>に分かれて/高野公彦

はものすごくいいと思う。今でも津波の不明者がいることを思う。




対談の後半は、現在の評論の不振について語られる。昔は必読の評論があって読まないと恥をかいたが今はそれがない。文献の名前が出てくる。篠弘さんの著作が重要らしい。短歌史か……




特集2の、総合誌作品展望、総合誌評論展望、総合誌特集展望、を読んだ。それぞれいろんなことにサラリと触れているわけだが、面白そうに見える。やっぱり震災の話が多いな。震災の一年だった。




歌集歌書展望

引き続き歌集・歌書展望を見ている。この年に出た歌集から3首ずつ引かれている。



寝そべって海を見てゐた幼年の一睡さめて老人である/小谷博泰「海辺の街から」       
オレは夢ものに弱いようで、夢を扱った歌に面白いものを感じることが多い。   




逢えばくるうこころ逢わなければくるうこころ愛に友だちはいない/雪舟えま「たんぽるぽる」

→自分の過去の恋愛の苦しさを思い出してため息がでる。これだよなあ。この感覚だよなあ。
「愛に友だちはいない」でアンパンマンを思い出したが、関係ないのかもしれない。





眠りなさいねむればあすはなおるからもうなおらないんだ母さん/上野久雄「雪の甲斐駒」

遺歌集とある。病気が治らないのは母さんではないようだが





生年に付く <~> 生きゐるはなべて尻尾を揺らしさまよふ/大塚寅彦「夢何有郷」

<~>には なみきがう とルビがある。
記号とその見立ての面白さ。さまよっているのは、死の年を探ってのことか。




歌人アンケート

特集3は歌人アンケートだ。『私の「今、立ち帰る歌」』というテーマで、「迷ったとき、苦難のときに私を支えてくれるこの一首」をアンケートし、その結果が載っている。

一位は若山牧水の

白鳥は哀しからずや空の青海のあをにも染まずただよふ

で26票。




歌の横に投票した人のコメントと年齢性別が書いてあるんだが、どうやらアンケートの対象年齢がだいぶ高いらしい。大正生まれから昭和三十年代生まれまでが中心だ。一番若くて昭和50年生まれ。だいたい50代~80代の人が答えている。



2位に馬場あき子の「さくら花幾春かけて老いゆかん~」
3位に茂吉「たまきはる我が命なりけり」
4位寺山「身捨つるほどの祖国はありや」
、と続く。
で、5位の歌と、10位の歌3首が、なんと知らない歌だった。まだまだオレは名歌というものを知らないんだなあ。



歌人アンケート『私の「今、立ち帰る歌」』5位は16票でこの歌。

死の側【がは】より照明【てら】せばことにかがやきてひたくれなゐの生【せい】ならずやも/齋藤史「ひたくれなゐ」

今知った歌だけど、はずかしいからずっと前から知ってたふりをしよう。




それから6.7.8.9位.と幾山河、百房の葡萄、蟹とたはむる、のど赤き玄鳥、とくる。

茂吉は「死に近き母に添寝のしんしんと~」が一番だと思っていたが、それは7票で小さく載っているにすぎない。確かに「支えてくれる一首」とは違うのかもしれない。



10位以下になると知らない歌がかなり増えてくる。半分くらいは知らない。勉強になります。  


居合はせし居合はせざりしことつひに天運にして居合はせし人よ/竹山広「千日先夜」

歌人アンケート「今、立ち帰る歌」10票で10位。
知らなかった名歌。何にでも応用が効きそうだ。




塚本邦雄は「馬を洗はば」が9票で最も票が集まっている。河野裕子は3首入っているが永田和宏はひとつも入っていない。

俵万智さんは「サラダ記念日」ではなく「あたたかさ」だけが入っている。





茂吉って人気あるんだなあと思うアンケート結果だ。歌人別に見たら一番票を集めたんじゃないか。上位から下位までまんべんなくいる。



濁流だ濁流だと叫び流れゆく末は泥土か夜明けか知らぬ/齋藤史「魚歌」

昭和15年。
4票入ってた歌。これは震災の年だから票が入った歌だと思う。昭和の戦前の濁流がすごい迫力で歌になり、平成の今も心に訴えかけてくる。泥土か夜明けか、というのは、生か死か、ってことだろう。




上位の歌にはコメントがついてるんだが、それを読むと、皆さん苦しい時に名歌を思い出すようだ。そしてなぜか敗戦と震災を重ねたがる。コメントが震災ばっかりだ。同じ人が全部書いたのかというくらいおんなじおんなじだ。

短歌ってそんなに人の苦しみ寄り添うものなんだ、と思った。「青汁のおかげで毎日に生き甲斐を感じてます」みたいに「この歌が私を支えている」的なコメントが並ぶ。

オレとこの人達とは温度差がある。オレも年を取ったらこんなふうに人生人生した人になっていくんだろうか、と思う。



もっと若い人に同じアンケートをとったらどうなるだろうか。票が割れまくってアンケートにならないかもしれないな。




短歌研究詠草今年度結果発表

短歌研究詠草の結果発表がある。一位の人は48点取ってる。1ヶ月平均4点ってすごいな。特選10点準特選7点を考えてもすごすぎる打率だ。
20点以上だと名前が載る。Twitterで知ってるような人は一人もいない。

短歌研究詠草で高得点だと何があるのか気になっていたが、初めて知った。上位六氏に三ヶ月見本誌送呈って書いてある。6位の人は38点だ。定価1000円×3冊か。いやいや、載ったりコメントがあるだけでも名誉だし報酬みたいなものだ。

ちなみにオレは現在まで8点な! それも4ヶ月かけての8点。

今年はもうなくなるから来年がんばります。



綴じ込みの年刊歌集も読むけど、それについては別の記事でやります。



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