漫画

2019年02月19日

オカヤイヅミ『ものするひと』1巻を読んだ  ~賞とは点である、ほか

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ひさしぶりに漫画読んだ。

オカヤイヅミさんの『ものするひと』1巻
KADOKAWAのビームコミック。


【雑誌の新人賞を受賞後アルバイトをしながら小説を書いている杉浦紺( 30 )。出版は不況でも、言葉で遊び、文学を愛する若き純文作家の日常をのぞいてみませんか?】
と裏表紙に書いてあって、そういう漫画。

短歌で新人賞をいただく前のオレだったら、とても読めなかったと思う。嫉妬で。文壇バーに居合わせた見知らぬ中年男性客に自分を重ねるだろう。







小説の新人賞受賞者が主人公で、受賞のあれこれがすでに済んでいて、それから、っていう状況から始まる。
主人公のスギウラはわりと口数がすくなくて、警備員のバイトをしていて、よく言葉のことを考えている。まわりには編集者とかの知り合いがいて、「たほいや」という遊びをする相手がいる。



「たほいや」ってオレはまったく知らなかったんだよ。この漫画に教えられた。広辞苑をつかって、知らない言葉の意味を考えだしたり、本当と嘘を見抜いたりする遊び。

「たほいや」をやってるところを見て、歌人や俳人には歌会や句会があるけど小説家やほかの文学の人達にはなにがあるのか、という問いがはじめて思い浮かんだ。







新人賞のパーティーの様子が描かれていて、自分の時のことを思い出した。
浜口さんという人の受賞スピーチが、すごくよかった。賞とは点であり、点は時として文章の意味を大きく変えるって話。
これは「賞とはなにか」っていう話だね。オレは受賞式で「新人とはなにか」っていう話をスピーチした。新人賞の「新人」か「賞」か、どっちに注目するかの違いだ。



主人公はおとなしくてパーティーになじめないように見えるが、冷静に状況を判断して溶け込んでいく。動きも言葉も少ないけどみんなとうまくたのしくやっている、この感じはいいなあ。







さっき文壇バーの見知らぬ中年男のことを書いたけど、バイト先のおっさんというのもいて、世代の感覚の差が描かれる。

オレは主人公より年が上で、もっとギラギラしているが、バイト先のおじさんよりは下だ。

バイト先のおっさんみたいにオネエチャンと遊びたい・若いやつは連れていこうとまでは思わないが、主人公ほど落ち着いてもいない。
落ち着いた若い人達から見たらオレはがっついてて醜く見えるかもしれないと思うと、恥ずかしくてたまらないと同時に、その若さも落ち着きも憎い。







主人公が菱田賞という賞の候補になって、そわそわするところで1巻が終わる。
候補になったのを知らされて、それから受賞者発表までしばらく時間が空いているのかあ。たまらんだろうなあ。



賞のことが出てくると盛り上がるし華やかにもなるんだけど、ほんとの中心はそこじゃないんだっていう感じがする。生活しながら、書いて考えて、考えて書いてっていう毎日が肝心なものとして描かれているように見える。

そういうコツコツしたところを見せられると、妙に後ろめたい。オレだってそれなりにはやってんだけどさ。ぜんぜん言葉のことを考える量がすくないかもって思った。
この主人公はSNSやってないっぽい。ですよねー。



喜怒哀楽が薄いようにみえて、内側には創作意欲だったり思いだったりを秘めている、魅力的な主人公だ。
続きも読もう。



そんなところかな。オカヤイヅミ『ものするひと』1巻の感想でした。




▼▼▼



【こっちもおすすめ】

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一枚の年賀状を見て考えた
https://note.mu/mk7911/n/n5e11b36a2ce8

依頼こなし日記 2019.1/25-2/4
https://note.mu/mk7911/n/nf9243b63581a

2018年8月のオレの短歌とその余談/連作の歌のつなぎ方
https://t.co/A139XJ2pSk

2018年9月のオレの短歌とその余談
https://note.mu/mk7911/n/n51fbc96372ea



などなど、
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2018年05月23日

工藤のごった煮・2018年5月前半▼今まで全部で何首つくったか、ほか

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工藤のごった煮・五月上旬。






質問箱やってまして、相変わらずツイッターに57577で答えてます。オレのことに関しては答えられる質問にはだいたい答えてしまったので、今後はどういう使い方をされるのでしょう。使われなくなるかもしれません。


質問箱
https://t.co/SbZxvead0h
マシュマロ
https://t.co/JDokJg62g1
お題箱
https://t.co/n131ynwaPj
ラブレター
https://t.co/pAGwjxiScf

マシュマロ……やさしい質問サイトで、悪い言葉があると届かなかったりする。オレも、より優しく(当人比)答えるんじゃないかなあ。
お題箱……つくってほしいものをリクエストする場所のようだ。よくわからないで登録してしまったけど。

ブログ http://blog.livedoor.jp/mk7911/ のコメント欄も開けてるけど、IPアドレス、っていうんですか? それがこちらには見えてますし、場合によってはIPでNGリストに入れたりします。







大金を受け取ってください系の迷惑メールがこないと思ったら、利用料金を支払え系のメールがくるようになった。どうせ同じ迷惑なら、命令よりもお願いがいい。







藤岡拓太郎さんの『夏がとまらない』読んだ。おもしろかったなあ。
この藤岡さんって人はネット大喜利をやってた方なんですね。
いろんな気持ち悪さをもつおじさんが出てくるんですよ。知らない人になれなれしくするタイプが多いみたいなんだけど、バリエーションがすごい。なかには、目が綺麗なおじさんがいるんですよね。

いやあ、オレもけっこう不審なほうだよなあと。

電車でこれを読んでたら、右の女子高生と左のスーツの男性が、ちょっとずつ見てきました。

オレが好きなのは、登り棒を登ってる子供の下から登ってくるおじさんと、自販機の下をのぞいてる子供を上から押さえつけてくるおじさんです。







この動画の45分くらいにオレが出てます

石川典行さんのチャリ旅。
https://t.co/SzuPAC8EpX
隠すことでもないが、おおっぴらに言うことでもない







こはぎさんが7年で9800首つくったという、その数で話題になっていた。オレって何首なんだろうかと気になって数えてみた。

2011年8月に短歌を作りはじめて、6年9ヶ月で既発表2300首の未発表600首で、合わせても2900首でした


既発表2300首の内訳が、ざっと、
結社500、
うたつかい150、
短歌研究と角川短歌で250、
NHK短歌とかその他雑誌で100、
ネットプリント関係とうたらばで100、
新聞と各種大会で150。
残りがツイッターやブログに書き込んだもの。

1050首もツイッターに書き込んだっけ。
ドラクエ3短歌が150、
質問箱150、
7days100tankaで100。
「歌のある短歌コンテスト」100。
のこり500は初期の思い付きの衝動的な歌とか、ハッシュタグに乗ってつくった歌。

そうやって数えてみると、その場の思いつきで書き散らした歌の数が多い。今でも人前に出せる歌は少ないなあ。




▼▼▼



【こっちもおすすめ】
noteのほうでは、ブログでは読めない内容の記事をたくさんアップしています。

2018年4月のオレの短歌とその余談 https://note.mu/mk7911/n/n312ada1a7ec2


未来賞をいただいて、いま書きたいこと
https://note.mu/mk7911/n/n0b1f389aea2f



などなど、
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キリンビバレッジの「午後ティー女子」のツイートが話題になっている。
宣伝がうまいとか下手とかどうでもいい。紅茶は紅茶。紅茶をのみたい時に飲む。それ以上でも以下でもない。
いちいち批判するのは簡単だけどさ。不買運動しようとする人まで見たけどさ。

もういいよそういう「正義」は。全部のっからないといけないのかよ。そういうのがダサくなればいいな。

炎上商法だと批判するのも炎上への加担だ。大きな会社が相手だから何を言ってもいいと思っているんなら、小人の発想だ。いつまでも決して大きくならない人間の発想だ。
「スルースキル」って言葉、最近は言われなくなったよな。





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2017年12月22日

近況▼ピーナツと痛風▼角川短歌年鑑などに短歌が掲載されました▼ほか

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近況記事です。毎月上旬に一回、下旬に一回やれるといいなと思っています。




▼短歌が掲載されました・1
▼短歌が掲載されました・2
▼読んだ漫画
▼読んだ本
▼バターピーナツと痛風
▼カプリコのあたま
▼ウッてなる
▼ちょっといい知らせ
▼ジャルジャル

というメニューでお送りいたします。






▼短歌が掲載されました・1

「ネットプリント毎月歌壇」に短歌が掲載された。なんとなく、一番上の一番最初に載るのはうれしい。

四人の選がほとんど割れていた。今まで二人の選者によって選ばれなかった歌にもおもしろいものはあったんだろうなと思った。



▼短歌が掲載されました・2

角川短歌年鑑を確認しに行った。近くの大きめの本屋を二件まわって見つからず、仙台の中心のほうまで行った。

想定どおり、角川歌壇で香川ヒサさんから特選をいただいた歌と題詠「林檎」の歌の二首が載っていた。



短歌年鑑ではAIの座談会があったが、どうもおもしろくないなあ。こちらとしては、それに対して何をすればいいのか。次なるAIの誕生を待つだけなのか。
あんまり自分に関係ある気がしない。すごいことをしてるわりにはオレのこころに響いてくる歌が少なすぎる。夢中になれるところがない。
「偶然短歌」なんてあっという間に忘れ去られた。
短歌つくるよりも前にAIがやるべきことは山とあるだろう。

ばらばらな単語をくみあわせて俳句や短歌をつくるアプリもあるしサイトも見てきてるけどさ。なかなかおもしろいのは作れないし、そのときだけですぐ飽きてしまう。そういうのにはもう飽きてます。
もっとわくわくするようなことが出てきてくれないと。



▼読んだ漫画

今日マチ子『みかこさん』1巻を読んだ。
今日マチ子さんの書いたもの、ダ・ヴィンチでしか見たことなかったんだけど、一度まとまった形で読んでみたいと思っていた。読んでみて、とてもよかった。
思いが言葉にならない感じ、将来が決められない感じ、街を歩いても欲しいものが見つからない感じ。



漫☆画太郎が好きで、読んだことないのを見つけたら買うようにしている。『くそまん』っていうの読んだけど、たしかにくそみたいな内容だ。
ジャンプで読んだことあるやつだった。『学校』は今でも思い出す。『家なき子』流行ったなあ。



森名リリー『ちよちよ』四巻を読んだ。りぼんマスコットコミックス。これ好きなんだよ。トリがふっくらとしていて。




▼読んだ本

『松本人志の怒 青版』っていう本を読んだ。今は叩かれてるけど、オレは松本人志が好きなんですよ。
それにしてもよく怒る。良いやりかたがよく見える人だから怒るんだろうなあ。


『ビギナーズクラシックス 中国の古典 論語』を何日もかけて読んでいて、今日読み終わった。前半で孔子の生涯について解説していたのがよかった。
「小人の過(あやま)つや、必ず文(かざ)る」にドキッとした。




▼バターピーナツと痛風

バターピーナツ、ものすごく好き。柿ピーもキャラメルコーンも、ピーナツが好き。
バターピーナツだけ500グラム入って258円の大袋を買ってから、幸せでたまらない。
ポリポリしちゃう。



とツイートしたら、ピーナツの食べ過ぎは痛風の原因になるとリプライをもらった。こわくなって調べた。


病気の名前がでてくると「怖い」と感じるようになった。「まあ自分には関係ないでしょ」っていう気持ちが二十代のころはあったんだけど。


で、検索してみた結果、ピーナツは適量ならばまったく問題ない。痛風になりやすくなる食品ではまったくない。

尿酸値があがると痛風になるんだそうだ。尿酸値を上げないためにどうするか。食品ごとの尿酸値の表があり、それによるとピーナツは比較的下位の食品だ。



痛風にわるいのは、酒、運動不足、ストレス、肥満。レバー、あん肝などの一部の食品。プリン体と呼ばれるもの。
よいのは、水、牛乳、ヨーグルト、緑黄色野菜、適度な有酸素運動。




さまぁ~ずの三村が痛風になったと聞いたが、三村はかなり酒を飲んでいる。ピーナツよりも酒が問題なんじやないか? ひどい酔い方をしている動画があった。
"「さまぁ~ず三村の痛風がヒドイ」松本人志の放送室333 3"
https://t.co/NlSV1NmcUx


酒のつまみにピーナツを食べるからピーナツが悪いみたいになっているが、ピーナツは体によい効果がいくつかある。カロリーがそこそこあるので食べ過ぎるとよくない。


そんわけで、知ってみれば、特にピーナツが危ないわけでもなかった。でも知らなかったら食べ過ぎていたかもしれない。
気をつけていきたい。



▼カプリコのあたま

はじめて「カプリコのあたま」食べた。うらないは大大吉だった。お菓子についてるような占い、ちょっと好き。

おいしいし、見かけよりも食べごたえがある。
オレの好みとしては、コーンも好きだし、大きなジャイアントカプリコにかぶりつくのも好きだけど。




▼ウッてなる

「~を見るとウッてなる」っていう否定の仕方がある。
そういうのは不快なので見えないようにしてます。「ウッ」で否定するの、乱暴すぎでは。

そういう便利ワードを疑うのが「知」というものではないか。ウッて思う自分はどうなのか、というところまでいかないとオレには届かない。

「ウッてされたから、ウッてされないように変わろう」というのは危ういよね。なにか欠落してるよ。そっちに「ウッ」てなる人もいるかもしれないじゃん。


Aだねと言われてBへ歩み出すオレの進路は危ういだろう/工藤吉生




▼ちょっといい知らせ

このまえ、「ちょっといい知らせがきた」と書いたけど、それがもうちょっといい知らせになった。でもまあ、こんなもんかー。オレの欲深さからすると物足りないんだけど、とりあえずはよろこんでおきたいところ。
欲が深くてなかなか満足しないんだけど、謙虚に見せたい気持ちもあるので、ちぐはぐが起こる。



▼ジャルジャル

ジャルジャルのコントをいろいろ見た。これが好き。
"ジャルジャルコント『演歌』" https://t.co/NPJ1X83aLz

歌ものは耳にのこり、記憶に残る。






以上です。


■■■



バリウムを初めて飲んできたんだけど、その話をします|mk7911|note(ノート)
https://t.co/e47IQcoRpo
noteのマガジンを更新しました

成人病予防健診に行って、最悪だった話|
mk7911|note(ノート)

https://t.co/enpVDnopTQ
バリウムの記事はこれの続きです


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2017年10月13日

【近況】▼にゃんこスター▼アイドル妄想漫画▼結社をつづけるむずかしさ▼ほか

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九月末から十月上旬までに、オレが見たもの読んだものをまとめた記事です。

▼にゃんこスターとキングオブコント
▼古泉智浩「アイドルヲタ長谷川大介のバッド・キャンディ」
▼ヒトラー演説
▼ホロコースト
▼心霊ドキュメンタリー
▼落書き
▼結社をつづけるむずかしさ

といったメニューでお送りします。





▼にゃんこスターとキングオブコント

キングオブコントを最後のほうから見た。ツイッターのタイムラインが「にゃんこスター」ばかりだったのが気になってきたから。

決まりがあるんだけど決まりじゃないやり方でやって、それにはじめは違和感があるんだけどそれが良くなってくると。普通は取れないようなどえらいものを取れちゃうんだけどすぐ捨てちゃって、かわいさ楽しさで押しまくって寄りきる。オレが見たにゃんこスターはそんな感じ。

神様の縄跳びとか神様のフラフープをもらったら、オレはありがたがって大事にするほうだなと思った。
そのまえに、縄跳びなりフラフープを手離しもしないだろうな。

もってる縄跳びを投げ捨てるのが新しくて楽しくて強いことになるとする。そうすると次は投げ捨てないで使い続けるほうが新しくなる。きっとその交互の繰り返しなんだ。

なんか考えちゃうんだよね。なわとびの縄は縛るもので、フラフープの輪は閉じている。それを短歌定型や短歌の内輪の問題に重ねてしまう。

にゃんこスターはキングオブコントで優勝をのがした。
審査員っていうのは「神さまの縄跳び」をあげる側にいるわけで、それをすぐぶん投げるかもしれない人たちにはあげられない。ぶん投げられていいという選考委員も世の中にはいるだろうが、このコンテストにはいなさそうだしいなかった。

輝かしいし楽しいし圧倒的なんだけど、遠いな、っておもった。いい映画見たあとによく「それに比べて自分は小さくてしょうもないやつだ」って思うんだけど、それだった。
「すごい」と「快」が結びつかないときがある。


それにしても、さまぁ~ずとバナナマンと松本人志ってことは、審査員は実質三人じゃない? 長年やってるコンビってことは、役割のちがいはあれど同じコントをやってきたんだからさ。同じ作品の作者なんだからさ。片方いれば充分なのでは? 
全員中年で、全員男性で、全員二人組というのは偏ってるんじゃないの? 点数や意見がまっぷたつに割れたらおもしろいのに。
M1グランプリの立川談志や、ものまね王座決定戦の淡谷のり子のことを思い出している。



▼古泉智浩「アイドルヲタ長谷川大介のバッド・キャンディ」

https://twitter.com/koizumi69/status/912883726161371137
このご時勢では単行本化不可能と言われたアイドル妄想漫画が、ほぼ全ての人物名を伏字で電子書籍となりました!!→ 古泉智浩 『アイドルヲタ長谷川大介のバッド・キャンディ』 https://t.co/1WlKjC4PNE



というのを買って読んだ。500円くらい。
「長谷川大介のバッド・キャンディ」には小粒な話がいっぱい入っている。どの話を見ても長谷川がアイドルとの関係でいいポジションにいるのがおもしろい。どのアイドルの近くにもいる。ジョブズとまで仲がいいのを見て笑ってしまった。仲良くなるような要素がないのに、当たり前のように仲良くしている。
自分勝手な妄想でも、ここまでやると立派だ。

妄想ってけっこうむずかしいと思うんだよ。頭の中だったらなんでも自分によいように考えていい、とわかっててもすぐ自制のブレーキがかかってしまう。この作品は走りきっている。拍手。
オチの弱い作品もあって玉石混淆だけど、楽しい一冊。



▼ヒトラー演説

高田博行『ヒトラー演説』読みおわった。

演説にレトリックがあることを知った。平行法、対比法、漸層法、マイナスイメージの言葉を別の表現に言いかえる「婉曲語法」、「頭韻法」など。

また、演説がこんなに分析されてるところを初めて見た。よく使われる言葉の時期ごとの変化、言葉とジェスチャーの関連、音の高さの変化。
ラジオとの関連。演説を聞くのが義務になったこと、海外の放送を聞くのが禁止になったこと。ナチはすぐ義務と禁止で縛ろうとする。

演説と関係ないが、パン屋のパンに「パンを持てるのは総統のおかげ」と書かれたシールを貼るのが義務づけられた話にぎょっとした。

チャップリンの「独裁者」のラストの演説のレトリックを指摘しているところがおもしろかった。主張は違うのにレトリックは寄せている。
そんなところまでパクっていたとは。見事。



▼ホロコースト

芝健介『ホロコースト』160ページまで。ナチのもとでユダヤ人がどうなっていったのかを書いている本。
追放、隔離、虐殺。
苦しめているはずのナチまでもが徐々にユダヤ人によって苦しみはじめているように見える。隔離する場所をつくるのに苦しみ、殺した者はトラウマを持つ。誰も得しない。まったく愚かだ。

ゲットーのなかにユダヤ人による支配があったのを知った。その代表、ルムコフスキという人の写真はインパクトがある。見いってしまった。

終盤はだんだん場所と数字と実行者の羅列になってきて、心を動かされなくなってきた。何万人を殺害したというのが何度も出てくる。
220キロを休みなく歩かせたとか、一日に20グラムのラードしか与えなかったとか、想像がむずかしいくらいの惨状だ。

ホロコーストの全貌をさぐる研究は今なお続いているそうだ。



▼心霊ドキュメンタリー

はじめてGoogleplayで映画というか映像作品をレンタルした。「not found」っていう心霊ドキュメンタリーみたいなシリーズが昨日から気になっていて、それをひとつ。300円で。

ネットから削除されて見れなくなった動画を追いかけるというやつ。現代のホラーだなあ。

「本当にあった!呪いのビデオ」も興味ある。二本くらいしかまともに見てない。

ドキュメンタリーがいいんだよな。
「隅に顔みたいなのが映ってましたキャー」で終わりにしないで、映ってた人が不幸になったとか、撮影者が変わった人だったとか、そっちまで怖さを広げていくの。



▼落書き

近所の政治家のポスターに激しく落書きされていた。

実質死刑囚
ツイッター@(ID)
確認してもらえば
わかります


って黒いペンで書いてあった




▼結社をつづけるむずかしさ

最後に短歌の話。

未来の九月号を読みはじめた。そしたら振り込み用紙を見つけた。ああ、思い出した。支払わなきゃな。
結社の振り込み用紙を見るたびに、支払わずにやめちゃおうかと一瞬思う。でも今回はやめるわけにいかない理由がある。

半年ごとにやめちゃおうかと「一瞬」思ってきたが、ふとしたことで「首輪がはまる」ようなこともある。



五年前の「未来」を見て、人のうつりかわりを見た。
五年前の「彗星集」の会員52人のうち、今も彗星集にいるのは12人。
17人は無選歌欄「ニューアトランティスopera」に移動している。
22人は出詠していない。
1人はほかの欄に移った。

つまり、5年のあいだに4割弱の会員が誌面から消えている。名前を変えて続けている人もいるのかもしれないが。
結社を五年続けるというのは大変なことだ。






▼▼▼



■工藤吉生(くどうよしお)の短歌・自選50首 +プロフィール
http://blog.livedoor.jp/mk7911/archives/52107166.html

2017年7-9月の歌まとめ・20首
https://matome.naver.jp/m/odai/2150685074540729601




第57回短歌研究新人賞候補作「仙台に雪が降る」全30首
https://t.co/2qhYBXq6hv

2017年9月のオレの短歌とその余談【前編】|mk7911|note(ノート)https://note.mu/mk7911/n/nd4b539b8b11c

2017年9月のオレの短歌とその余談【後編】|mk7911|note(ノート)https://note.mu/mk7911/n/n1f14c362a021

最近読んだ戦争関連本11冊を5段階評価する|mk7911|note(ノート)https://t.co/mymQd04Grj


「工藤の有料マガジン」は500円ですべての記事が読めます。
よろしくお願いいたします。


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2017年09月02日

古泉智浩『サマーブレイカー』を読んだ

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歌人の枡野浩一さんと漫画家の古泉智浩さんの「本と雑談ラジオ」 http://booktalkradio.seesaa.net/s/ っていうポッドキャストが好きでよく聴いている。枡野さんがいるから聴いてたんだけど古泉さんのトークも好きで、古泉さんの「映画の感想ラジオ」っていうのもたまに聴いてる。映画見ないのに。

でも古泉さんの漫画って読んだことがなかった。いつだかに「君の名が。」っていう短い漫画がツイートで流れてきて、それを読んだくらいだ。
その古泉さんが「サマーブレイカー」という漫画の単行本を出したというので、読んでみた。

http://amzn.to/2gugKBC

「サマーブレイカー」は432円。これくらいの価格ならためらわずに買える。このまえ初めてKindleで漫画(漫☆画太郎の)を買ったんだけど、一度買って買い方を覚えたので抵抗がない。サッと買った。






「サマーブレイカー」はうだうだした予備校生を描いた漫画。まわりにヤンキーが多くて、童貞で、真面目なようでパチンコもする。童貞の悶々がよく出ている。消しゴムを落としたことで女の子と会話して、それをずっと覚えてるのとか、あるある。

聞いたことないような地名がでてきて方言が出てきて、そういえば古泉さんは新潟だったなと。自伝的だそうだけど、時代は現代になっていて、むかしの回想ではない。そういう「自伝的作品」の書き方があったのか。
逃走劇もあれば喧嘩もおっぱいもある。見せ場がある。

なんといっても沢尻というニートのキャラの印象がつよい。古いことを根にもってたり、趣味に関しては詳しくなって排他的だったり、学生時代より太っていたり、変なルールの決闘をふっかけたり。妄想がとても強い。

夏なのに長袖なのも沢尻の特徴だろう。主人公の桜井は長袖でいるためになぜ長袖なのかきかれている。沢尻には誰もきかない。
決闘の場面で桜井は沢尻に対して腕まくりしている。

人とあまり関わらないでいると人はガラパゴス的に独自に変化するっていうのがあらわれていて、沢尻は見事だった。

伏線が回収されてないようで気になる。無人のホールはなんだろう。
回収しないのが現実っぽいとも思う。コンビニの店員とか、出たらそれっきりのキャラたち。やりこんでたと思ったらパタリとやめているゲーム。

古泉さんのほかの漫画もそうなんだろうけど、手書き感あふれる字体のオノマトペがとてもいい。千円札が飲まれていく「べー」。消しゴムが落ちて「ころりん」。

「サマーブレイカー」はタイトル通り夏の漫画で、セミは「ジュワジュワ」と鳴き、花火は「しゅー」と出て、アイスを「シャクシャク」と食べる。ごくありふれたオノマトペだけど、字体のせいなのか味わいがある。

サマーブレイカーは何をブレイクしたのだろう。オシリーナの腹?

なんかまとまらなくなったけど、ほかの作品も読んでみたいと思いました。



Amazonから、買ったもののレビューを求められるんだけど、こういう文は違う気がして書かずにいる。

おわり。
んじゃまた。


▼▼▼



#2017上半期短歌大賞 50首 Togetterまとめ https://togetter.com/li/1126231
今年の上半期に読んだすべての短歌から50首選んでまとめました





第57回短歌研究新人賞候補作「仙台に雪が降る」全30首
https://t.co/2qhYBXq6hv

2017年7月に発表した/掲載されたオレの短歌まとめ|mk7911|note(ノート)
https://note.mu/mk7911/n/n3dc9e6680faa

短歌パトロール日誌【最終回】|mk7911|note(ノート)
https://note.mu/mk7911/n/n41c835707189

最近読んだ戦争関連本11冊を5段階評価する|mk7911|note(ノート)https://t.co/mymQd04Grj

工藤の有料マガジン【500円】やってます。よろしくお願いいたします。


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2016年11月08日

古泉智浩『君の名が。』/猫川柳、ほか【2016.11.8】

2016.11.8


11/5.6.7.8の四日分の日記から主なものを選んでまとめる。主なものじゃないものは、「くどうのぬらっ日記」というブログを参照。



ようやく今年の角川短歌賞を読み通した。
予選から、なかなか面白い歌がつづいている。こんなおもしろい歌のなかに混じっているということは、オレの歌もそうとうおもしろいのだ。







こういうの好きでしょ、と言われて「猫川柳」というムック本を誕生日にいただいた。第12弾ということだ。

内容は、猫の写真に川柳のキャプションをつけたもの。猫はまあまあかわいい。川柳は、キャプションとして見るならば適切。文学としては話にならない。
途中にはさまる「解説」は全くの無駄だ。読んですぐわかるものを解説してどうする。「猫はかわいい」というだけのことがダラダラダラダラと書いてある。五七五だから我慢できるのだ。
巻末のほうに、飼い猫を亡くした人あるある、みたいな内容の四コマ漫画があり、しんみりした。







ふたたびインスタグラムを始めてみたが、やはり画像が投稿できない。アプリが強制終了するという程度のものではなく、スマホが故障するかというくらいの大きな落ち方をする。危険すら感じる。ふたたびやめた。

「ピンタレスト」開始。
このみの画像を手軽に収集できるアプリだ。ここにためしに手書きの短歌をアップしてみる試みをはじめた。
アップするより、画像をあつめるほうがたのしいかもしれない。まあいい。そういうアプリだから。






【お知らせ】うたらばBP過去採用歌のbot( @utalovot )に第75回 第101回の採用歌900首弱を一気に追加しました!収録作品数は計2500首ほど。botの方も合わせてよろしくお願いします ! https://t.co/GjI6Jw4f9g

という「うたらば」からのツイートが流れてきた。

その900弱の短歌のなかにオレの歌がどれだけあるか数えたら、10首あった。
足、続、下(2)、年、中、無、笑、本、投。
下がふたつあるのがオレらしいところだ。年中無笑、本投。笑いがない一年とはさびしいものだ。本は大切にしよう。

うたらぼっと2500首のうち28首がオレの歌だ。1%強ってところです。

うたらばブログパーツに短歌が採用されました/今までの採用歌・発表歌の総数 : ▼存在しない何かへの憧れ https://t.co/PaUuFaRkA3
2015.11.9の記事。ちょうど一年くらい前に、今まで出してきた歌の数を数えていた。今年もそろそろやるか。




botといえば、「短歌botだお」というアカウントにオレの短歌がでてきた。

https://twitter.com/m_8b_2c_6/status/795740485738369024

作成者の水沼さんはオレの短歌を評価してくれて大変ありがたいんだが、まあ、その、ねえ。フォロワー18って。フォロワーがこの100倍いるならば素直に喜べるんだけど。

「だお」って、とてもダサい。はずかしい。今どき言わないだろう。近づき難い臭気を発する語尾だ。アイコンや説明など見ても「だお」の必然性は感じられない。
すでに瀬戸夏子さんの作ったすごいクオリティーの短歌botがあるわけだし、なにかもっと独自色を出してもらったほうがいい。






全く知らない男女がある日突然入れ替わってしまった! そんな斬新な設定の青春コメディマンガです。

【漫画】君の名が(古泉智浩)https://t.co/BUO1iMnYbn https://t.co/ke7qoWb9FY


というオモコロのツイートが流れてきた。「君の名が。」が正しいタイトルだろう。
古泉さんのことは、枡野浩一さんとのポッドキャストで知っていた。でも漫画は初めて読んだ。

おもしろかった。
異性の体になって、異性の性欲やそれにともなう心身の変化に動揺するところなどは本当に素晴らしい。興奮した。
映画レビューでは古泉さんの声が聞こえてきた。鐘の音もした。
ドブ美はオレの好みのタイプだ。こういう女の子、大好きなんだよ。ドブ美の笑顔が見たいな。

関係ないけど「ドブ美」って、ブルーハーツの有名な歌詞を略したような名前で、これもいい。ドブネズミみたいに美しくなってほしいという願いがこもっていたりして。








ツイッターでその名前を聞いて、仕事場でも名前を聞いたので、気になって「ピコ太郎」を調べて動画を視聴した。おもしろいね。

ついでにラッスンゴレライを見直したくなって見て、
ダンソンを見て、
右ひじ左ひじ交互に見て、
ズクダンズンブングンゲームを見た。

同じ種類の音が連続するとおもしろいのかなとか、なんか分析めいたことをしたくなるが、半端なものになりそうだから遠慮しておく。



"第35回(2012年)大須大道町人祭  金粉ショウ/金粉ショー(大駱駝艦) Street performance japanese golden bodypainting butoh dancers"
https://youtu.be/g6PefN_yHsc

という動画に衝撃を受けた。金粉で体を覆うと、人間ではないみたいだ。仏とか観音を思わせる。それが生き生きと動いていて、テンションが上がるような音楽が鳴り響いていて、頭が混乱を起こす。神々しさと官能がせめぎあう。









自分の宣伝します。
広大なフロアにあってぎすぎすと痛みをかばいながらのダンス|mk7911|note
https://note.mu/mk7911/n/n3818238166a9
有料マガジンを更新。500円ですべての記事が読めます。


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mk7911 at 11:57|PermalinkComments(0)

2016年09月21日

ドリヤス工場「有名すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む。」を読んだ

ドリヤス工場「有名すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む。」を読んだ。

ドリヤス工場さんという方は、水木しげるそっくりな絵を描くことが話題のようだ。それが最初気になってしょうがなかったが、そういうもんだと思ったら慣れた。

名前だけは聞いたことあるけどなかなか手が出せない文学作品をたくさん読めた。よくわかんないのもあったが、まあ、また読んでみよう。

水木しげる風のショボクレた(古い言葉だ)人物やさびれた風景が、文学によく合っている。

「三四郎」の美禰子だけはキラキラした目で描かれていたのが印象的だった。

次に読んでみたい作家を探すのにも役立ちそうだ。

それよりなにより、水木しげるそっくりな絵ってところがオレには一番のインパクトだった。
誰かの作品にそっくりなものを描き続けるってどんなだろう。どんなプレッシャーを感じながら生きているんだろうと思う。

プリティ長嶋や、アントキノ猪木とかのことを思い出したりした。この人たちの場合は芸名がひとつの芸をしめしていて、まるで縛りがかかっている。みずから退路を断っている。







絵だけじゃなくて、中身のことをもうすこし。


25作品あるうち、知ってるのが12。半分くらい。

ひさしぶりに読んで、記憶になかったのが「人間失格」「舞姫」「イワンのばか」。初めて見るように楽しんだ。

「モルグ街の殺人」は味わいがほかと違っていて、トリックにおおいに関心した。

ページがやや多い「ドグラ・マグラ」はずば抜けたヤバさがあって、これはとくに気になる。




漫画にした時に地味なのもある。
「墨東綺譚」「蒲団」「たけくらべ」「浮雲」は、さえない。このような漫画にならないものこそ原作を読んでみたく思う。

果たして、漫画でじゅうぶん読んだ気分になるのと、原作にあたってみようと思えるのでは、どちらがこの漫画が成功したといえるだろうか。両方があった。



このシリーズはもう一冊くらいでてるようなので、そちらも読んでみたい。


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mk7911 at 09:38|PermalinkComments(0)

2016年07月31日

四冊の本の感想

最近読んだ、ちょっとした本についての感想。

短歌以外の本を読む時間をつくりたいと、うすうす考えていた。週に一度くらい短歌のことを考えない日を設けたい。


そんな気持ちで、

「王様はロバ」4巻 なにわ小吉
「ちびまる子ちゃん」5巻 さくらももこ
「帰ってきちゃった 発作的座談会」椎名誠ほか
「ばかなおとっつぁんにはなりたくない」椎名誠
「苦役列車」西村賢太

の五冊を先週買った。
これらのうち「苦役列車」以外の本を読んだのでかんたんに感想を書く。






▼「王様はロバ」なにわ小吉
ジャンプで90年代後半に連載していた漫画。
王ロバを久々に読んだが、こんなんだっけ。
シュールな笑いだったような気がしていたが、あらためて見てみるとこれは論理の積み重ねからくるユーモアだ。
アイデアがすごいが笑いになかなかつながらない。女の子によって(下心によって)男がうごくのが前提になっている。そこがポイントなのだろう。

笑ったところ無し。
でもアイデアと妄想がすごい。頭よさそうと思った。あと、作者が人気者だったのがわかる。



▼ 「ちびまる子ちゃん」5巻 さくらももこ

文庫版。むかし「りぼん」で読んだエピソードもあった。
かなり笑える。たのしかった。
「友蔵 心の俳句」がしばしば5.7.7になっているのが気になった。

アニメだとナレーションがキートン山田という男性の声だけど、このツッコミ部分は元々はさくらももこ自身が過去の自分に対して言っているわけだよな。そう思って読むとちょっとちがった味がでてくる。



▼「帰ってきちゃった 発作的座談会」椎名誠ほか
以前「発作的座談会 いろはかるたの真実」を読んでおもしろかったので読んだ。
同じ四人のメンバーの座談会の集大成にあたる。「帰ってきちゃった」が最後になる。帰ってきたと思うとすぐいなくなってしまうのは残念なことだ。

これもとても面白かった。話の脱線ぶりがすごい。みんな気ままだ。
下の解説はなくてもいい。流れが悪くなるし、ほとんど余計な話だ。




▼「ばかなおとっつぁんにはなりたくない」椎名誠

高校生のころから椎名誠さんが好きで思い出すと読んでるんだけど、タイトルのつけかたがうまいんだよなあ。著書もそうだけど、小見出しも、ちょっとひらいてみたくなるのがいっぱい。そのセンス分けてほしい。

「ばかおとっつぁんになりたくない」のなかから。
「ダンゴ女の叫び声」
「ベンザに座った振りむきオババ」
「黙って自分の頭を叩きましょうね」
「ガニメデ語まであと一歩」
「葦はゆれ足はむれた」
七音や五音が調子をよくしてるのかね。いやはや。


本の話が多いが、世の中に怒ったり不満を言っている部分もある。

「悪魔の締切り七大直列」に書いてあった、十日で原稿用紙300枚の仕事がすごい。それも、自伝的な小説、SF小説、エッセイと内容がばらばら。連載のつづきや一回きりのものと、形もバラバラ。作家のすごみを垣間見た。



これから「苦役列車」も読むけれども、今の時代の表現になるべく触れていきたい。


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mk7911 at 17:58|PermalinkComments(0)

2016年01月30日

「バクト」というギャンブル漫画を読んだ

志名坂高次「バクト」っていうギャンブル漫画を読んだ。面白くて一気に読んだ。
読み終わってしばらくしてから、あれは無理があった、あれも強引だった、と思い返した。
いいよいいよ読んでる時に面白かったから。

カイジを薄めたような漫画。
「圧倒的殺意!」っていうのが出てきてちょっと笑ってしまった。
巨額の金を賭けて変則的なルールの麻雀をやって、巨大組織に挑むの。

負けて払えなくなったら、死ぬまで組織で働くとか、男娼として仕えなきゃいけないとか、体の一部を切り落とすとか、なんかそういうの見たことある気がした。
わるもののボスが海原雄山みたいなの。

何が違うかというと、学生なんだよ。あと、主人公と苦楽をともにするサブキャラがいて、友情の要素がある。
家族が組織に不幸にされた設定があって、友情だの家族だののそういう情の部分がある。

一番よくなかったのは、負けたらチンポを切り落とす勝負に負けた敵がチンポ切り落とさなかったところ。
よかったのは、メガネ君が裸になってチンチンだして、勃起してみせたところ。たいした度胸だよ。


とにかく人名がよわいんだよ。主人公が「大村」で悪者のボスが「岡部」だから、どうしても地味だ。「バクト」ってちょっといい名前だけど、あんまり呼ばれてなかったな。名前って大事じゃない?


でもやっぱしなんといってもギャンブルのなかで相手の腹をさぐりあったり裏をかきあったりするのがおもしろい。
絵がアレでもあちこち変でもそこがおもしろいからいいのよ。四冊でビシッと完結するのもよい。

オススメはしづらいけど、オレはすごく面白かったと思うよ。


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mk7911 at 11:54|PermalinkComments(0)

2014年11月13日

闇金ウシジマくん「戦慄のマインドコントロール! 洗脳くん」内容と感想

コンビニで「闇金ウシジマくん」を二冊買った。「洗脳くん」は二冊に分かれている。各500円。

それを読んだ。おもしろいけど途中でくどく感じてしまった。

詐欺師の典型みたいなのが出てきて、すごくうまく人のなかに入ってくる。はじめはそれに感心してたんだけど、電気ショックを使うあたりになってから嫌になってきた。
あれだけ口が達者で頭の回転も速いのに、結局は暴力に頼らなければ人を動かせないのかと。エンドレスで何か音を聞かせ続けるのもそう。
二冊にまたがっていたけど、一冊でまとめていたらよかった。長い。
ウシジマくんを正義の味方みたいに待ち望んでしまった。あーそろそろ出てきて殴って終わらせてくれないかなあと。







「洗脳くん」の話の主役はなんといっても神道大道という男だろう。一見パッとしないように見えるこの男がめきめきと頭角をあらわして、一家をつぶしていくのが物語の主軸といえるだろう。「巨悪」という言葉を思わせる。

まずは長女にとりいって婚約する。そこから周りにひろがって、妹と関係し母と関係し父にはゴルフクラブで機嫌をとり、妹の旦那にも世話をやく。

長女のまゆみが主役のようになってるが、だんだん神道の存在感が強くなり脇役になる。
まゆみはスピリチュアルカウンセラーにハマっているが、この占い師は服が小綺麗なだけであんまりオーラがない。これは後に重要になる。
この占い師は「頭に豚肉をのせてコッペパンをもって鳩の真似をしなさい」などという。馬鹿馬鹿しいようだが、これは思考停止へのステップだ。なぜそうするのかわからないまま言われたことを実行してしまう習慣がつくられる。

神道は一家の主導権を握るようになる。その過程にちょっと甘いところがあるように思う。ちょっとの恩や弱みを利用して神道は誰にも有無を言わせないポジションにのぼりつめる。

神道の目的は一家の財産をしぼりつくしわがものとすることにある。自作自演が得意で、何かトラブルを起こしてそこから救って恩を売る。
頭の働きはずば抜けていて、現実離れしているといっていいレベル。

神道はいちいち理屈を言うんだけど、それがくどくて、活きてない部分がある。いつまでたっても敬語だし。
神道というキャラがどれだけよく描けているかがこの作品の成否を決めるだろうが、そこに難があるような。

自分でよく考えないこと、ダメなものはダメと言えないところ、そういった弱さがこうしたモンスターを生む。

ガランとした部屋にいるのとか、インスタントのごはんをあたためずそのまま食べるのとか、袋を頭にかぶらされるのとか、どっかで見たような拷問があって、そういうのはちょっとダメだなあ。ネタ切れじゃないんだからさ。

話の運びはおもしろいんだけど、「ありえねーよ」って部分が多いし、なにしろ二冊に分かれていて長いのが欠点だなあ。


神道は理屈を言うが、ウシジマくんには理屈が通じない。それがここでは活きている。すぐ殴る。それが神道みたいなやつにはよく効く。ウシジマくんの活躍が痛快だった。
ウシジマくんも悪いやつのはずなのに、なんだか正義の味方の役回りになっている。それがいつもこの漫画の不思議であり、皮肉であり、面白さだ。







小さいつじつまを合わせようとするのがだめなんだろうね。
「飲酒運転を肯定するなら麻薬もいいはずでしょう」と言われて麻薬をやってしまったらダメだ。「やらないと言ったらやらないんだ」というのを見せていかないと。
麻薬をすすめる前には、飲酒運転はだめだと言ってカズヤをおんぶする場面があった。言ってることやってることがむちゃくちゃだ。それとの矛盾に誰も気がつかない。神道の話は理屈が通っているようだが、それはその場限りの理屈だ。

それに、一人の口先の言葉を信じたらダメで、「裏をとる」というのをしなきゃだめだ。実際、ウシジマくんはそれを忘れない人だ。
そういう疑いの心を麻痺させるための「信仰」なんだろう。
でもまあ宗教ってほんとはそういうものじゃないんだけどね。オウムの影響が強いのかなあ。もう20年くらい前の事件だが、いまだに宗教というとああいうイメージだ。

まあとにかく「なんでそこまでエスカレートしてしまったんだ、なんで途中で止められなかったんだ」と思う。

脅しに屈して言いなりになったり、痛みを恐れて従ったり、そうして人間性を失っていく過程はグロテスクだった。


関係ないかもしれないけど、これを読んでからしばらく頭痛がしてやまなかった。


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mk7911 at 07:49|Permalink