短歌研究

2019年08月11日

[総合誌読む 135] 『短歌研究』2019年5月号  ~花に溺れて、ほか

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総合誌読む 135


短歌研究 2019年5月号



表紙からしてなかなか古典の色が濃い内容なんですが、そうでもないと古典について触れる機会がかなり少ないので、勉強と思って読みました。




水泳の苦手なわれは夢のなか花に溺れてワッと目覚ます
/栗木京子「鈴振るやうに」

→夢の歌ってけっこう好きでわりと丸をつけます。
水泳の得意不得意が夢のなかにまで影響している。花のなかでも水泳のスキルがものをいうようだ。得意だったら目覚めることなく泳いでいたろうか。



青空よミスを重ねし人間がAIに面罵さるる日来るや
/栗木京子「鈴振るやうに」



びっくりと言って頭上に栗の絵を思い浮かべている女子会で
/武田穂佳「エンジェル」

→「びっくり」と言ったってことは、びっくりしている自分を自分で把握できているので、ほんとに驚いてるのとはちょっと違うんだろうね。しかもそのことじゃなくて栗のこと思い浮かべてるし。この栗は実物じゃなくて絵なんだね。

ノートに丸をたくさん書いて怒られた中学校の晴れていた外
/武田穂佳「エンジェル」

→怒られたってことは教室で授業している。外が晴れていてたくさんの丸っていうと、シャボン玉みたい。
丸を書いてるし、外が晴れてるっていうし、この歌もその場からちょっと外れている歌だ。上の空な歌ふたつに丸をつけていた。



身をのべてまた身を折りて思ふなり棺よりややベッドは広し
/稲葉京子『紅を汲む』

手足なきものはつくづくさびしけれましてキャベツのまなこなき貌
/稲葉京子『紅を汲む』

「稲葉京子全歌集」を読む特集があった。60代から晩年の歌がおもしろく感じた。



眠りゐし黒猫が起(た)ちてゆきたればその下に繊(ほそ)くありたる亀裂
/真鍋美恵子『玻璃』



店頭のテレビのプロレス見る吾らクラクションにも道開けざりき
/小野雅敏『アルゴンキン』



ガラスへとぶつかったあと目を覚ましきっと何度も忘れるメジロ
/くろだたけし

→「うたう★クラブ」から。



丸をつけたのはそういう歌でした。

この5月号では歌集評を3ページぶん書きました。

この本おわり。
んじゃまた。



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2019年07月13日

歌壇名簿とアンケート関係の郵便物が今年もきました

歌壇名簿とアンケートのハガキがきた。



毎年、短歌研究社から『短歌研究年鑑』という本が出ていて、そこに歌壇名簿というのがある。歌人団体や歌人の名簿が載る。また、毎年なんらかのアンケートがある。オレはそこに2013年くらいから載せていただいている。

今年も、名簿の掲載内容の確認などを求める郵便物がきた。


それなんだけど、オレって歌壇名簿的にはなんもしてないことになるんだなあと思った。




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というのはつまり、「短歌活動」5項目に当てはまるものがない。活動してないわけじゃないのに。
「3」だけど、結社誌っていまどれくらい創刊されてるんだろうか。


ひらきなおって「ぬらっと!短歌大賞」の選考委員を務めましたと言い張ったりしてみるのもいいかもしれないが、そういうのは「オレのことはなんとでも言ってくれ」という異常な高さのテンションじゃないとできない。勢い。



この5項目に何も書けないのは久しぶりなんです。
2018年は「中城ふみ子賞次席」と書いた。
2017年は「仙台っこ歌壇 俵万智賞 準賞」、
2016年は「未来賞」、
2015年は「NHK短歌 年間大賞」、
と書いた。毎年なにか受賞していた。2019年はなーんもない。



アンケートは、万葉集の一首と、結社誌の評論についてだったが、どちらも推したいものがない。っていうか熱心に読んでないし知らない。だから回答できない。

つまりオレという歌人は、特筆するほどの活動をしてないし、アンケートに答えられるほど古典も評論もわかってない歌人というわけだ。
そう考えると、自分のなかに無いものの大きさを感じずにはいられない。

角川短歌にも年鑑の名簿があるけど、そっちは呼ばれないなあ。そういうのは関係の度合いだろうな。




今回はそんなところで。




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2019年07月07日

[総合誌読む 133] 『短歌研究』2019年4月号  ~何でも抱え込みすぎる貴女よ、ほか

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総合誌読む133

短歌研究 2019年4月号。



酒鬼薔薇聖斗のなかに薔薇ありて日ごと怖れきあかき夕雲
/小島ゆかり「花束とピストル」



ツイッター止めてと念を送りつつ口に出さない日々は過ぎゆく
/穂村弘「一太郎」



想定内ではあるけれど想定をしなかったので想定外だ
/俵万智「密林の風、負け犬の空」

→そういう流行語があったなと思って検索したら2005年だった。
屁理屈みたいだが、こんな感じでマイナス面が隠されて出回っているものがあるんでしょう。



。わたしにはやりたいことは、やりかただ。どうにも右折が苦手なら

五分早く家を出、三回左折すればいい。情報を集め分析すれば、少し

/斉藤斎藤「私がオバさまになっても」

→1首単位で引かれることを嫌がっている作品だなと思いながら引いた。
詞書にはなにやら皇室関係のことが書かれている。この二首のあいだには
「緊張を隠せなかったようだ。乾杯のときに手袋をしたままで一気に少量の杯を空けられ、皇太子よりも早く杯を降ろされてしまった」
とある。
事情のわかっている人がそういうことを書くんだろうけど、なんとも息苦しい。一挙手一投足をどうこう言われてしまう。現代にこういうものがあることにギョッとした。
詳しく知るとかつぶさに見るってことは、間違えると「乾杯のときに手袋をしたままで」「皇太子よりも早く杯を降ろされてしまった」と書いて発表するみたいなことになるよなって思った。誰も幸せにならないよこれは。

右折が苦手でもそれがしきたりで決まった道筋ならば、左折三回でというわけにはいかないだろう。息苦しい。

短歌の部分をつなげて読んでみると、短歌を始めたところから書き起こされているから作者が自分のことを言っているのかと思うけど、だんだんそうではなくて、皇室に入った人の言葉に見えてくる。
「わたしは、じぶんの希望は、ない。」
「わたしは、じぶんの意見は、ない。」

内容もそうだが、句読点の不自然さも、まるで人間じゃないものがしゃべっているみたいだ。
もっと考えたけどこれについてはここまで。



子の前にはいてごらんとくつを置く時代が終はるといふ朝(あした)にも
/澤村斉美



福のなき世かさまざまな福袋そのふくらみを指で押す人
/馬場あき子

→しょうもないハズレの福袋もあるもんだから、買うほうも疑いをもってしまう。「福袋」という名前はありがたそうでたのしそうなんだけど。



大きな桃抱えられたのおばあさんなんでも抱え込みすぎる貴女よ
/高橋よしえ

→「うたう☆クラブ」の佳作から。
「抱える」ということで上の句と下の句がつながっている。昔話の嘘っぽさを言っているようで、誰かほかの女性をいたわっているようでもある。
おばあさんと「貴女」が同じ人っていう線も考えてみたけど、つかめなかったな。「なんでも」っていうけど、別にほかの何かを抱え込んでる様子がないから、昔話のおばあさんと同じ人とは思わなかった。
昔話のおばあさんから今くるしんでいる誰かへ飛躍するのをおもしろく読んだ歌。




ってところでこの本おわり。

歌集評のページにオレの文章が載っています。といっても四月号はもう書店にはないことでしょう。



んじゃまた。




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2019年06月21日

『短歌研究』2019年7月号に作品20首が掲載されています

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はいお知らせです。


6/21発売の『短歌研究』7月号に、オレ、つまり工藤吉生の「バラバラ事件」20首が掲載されています。








20首が4ページにわたってゆったりと載っています。編集後記に
「行組をゆったりとし、一作品あたりのページ数を増やしました。作品世界に、より浸れるようにと考えてのことです」
とあります。こうして少しずつ変わっていくわけですね。

字が大きくなると読みやすくて気持ち的に助かります。




今回の20首では、詞書、みたいなのをちょっとだけ使いました。








作品20首には今回7人の作品が掲載されています。年齢順でオレは4番目。浦河奈々さんと山田航さんの間です。
川谷ふじのさんの新作がありますが、だいぶ久しぶりな気がします。


7人のなかで年齢順で4番目、というのはつまり真ん中です。39歳で真ん中にいるということは、平均年齢がだいぶ若いってことですね。

8月号の予告では作品20首で10人が載るようですが、オレより年下のかたが6人もいます。過半数です。若手の大きめの連作が載る機会が増えています。








自分の作品のページをずーっと見ていました。総合誌のはじめの方の作品欄に20首も載るのって、なんかいいですね。オレもここまできたんだなって感じがします。

実はオレは5ヶ月連続で短歌研究に載っているんです。
3-5月号で歌集評を書いていまして、
6月号では男性歌人特集に出ていて、
今回の7月号では作品20首が出ています。
次回の8月号には出る予定がないのでここで打ち止めです。短歌研究さんにはお世話になっています。








それにしても短歌研究は令和が好きですね。今月も年号の特集です。オレはそこまで年号に興味ないんですよ。一応目は通しておきますが。

年号といえば、天皇の短歌のムック本が短歌研究社から出るそうですよ。

若手のチャンスを広げながら、天皇に近づいていく短歌研究です。








来月の予告の「AI歌人、歌壇デビュー!」が気になるけど、楽しみな感じではないです。



暴走するバーチャル歌人・星野しずるとは? | 時事オピニオン | 情報・知識&オピニオン imidas - イミダス
https://imidas.jp/jijikaitai/l-40-121-12-10-g379

バーチャル歌人・星野しずるは2008年に出たそうです。歌壇は星野しずるをデビューさせなかったわけです。それからけっこう経っていますので、おのずからハードルは上がります。
十年でどこまで進んだのでしょうか。もし今までに見たことがある星野しずるや偶然短歌botと同じようなものかそれ以下だったら、しょうもないです。逆にすごかったら応援するかというと、しないような気がします。



あ、そんな感じで告知でした。
んじゃまた。




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2019年06月10日

[総合誌読む 132]『短歌研究』2019年3月号  ●現代代表女性歌人作品集

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総合誌読む 132



短歌研究 2019年3月号




音のこと光のことを語る人家電量販店に集へり
/島田幸典「浅き水」

→たしかにそういう話をする場所だ。それを語るために集まってはいないんだけど、そうなっている。上の句が抽象的で、まるで宗教の本のなかの一行のようだ。



二十分あまりにてみかんひとつ剝く子供の時間は木立の時間
/山木礼子「花籠に花」

→みかんひとつ剥くのに二十分あまりかかる。いつまでやってるのか、と思うのは大人だからで、子供には別の時間が流れている。「木立の時間」という表現がゆたかだ。



友だちはできたかと子に問うてゐる友だちをらぬ母はさびしく
/山木礼子「花籠に花」





3月号の特集は、現代代表女性歌人140人作品集。テーマは「節目」になっている。そういえば男性は「進路」だった。
そこから引いてみましょう。


海いろの絨毯の上(へ)に骰子(さい)を投げ朱点ひとつの行方見てゐつ
/春日真木子「待つ」

→なんの数字が出るかな、ではなく赤い一の目だけを見ている。「海いろ」に「朱点」があって色あざやかだ。朱点を日の丸に見てもいいんだけどあんまりそういう読みの方向にはいかないようにしたい。



きのう踏み今日踏む落葉の感触のややに異なり冬深みゆく
/奈賀美和子「これからの話」



見つめ来る犬の居らねば命令形声にすること一生(ひとよ)なからん
/長澤ちづ「触媒」



牡蠣フライ壊れる音す言い訳をせぬと決めたる口の中にて
/松平盟子「牡蠣フライ」



三分の電子レンジを待ちながらこの三分の行方の知れず
/森藍火「単純明快」

戻らざる時間くるくる手繰るごと姑は虚空に指を回せる
/武下奈々子「くるくる」

→時間の歌をふたつ。見えないものをつかまえようとしている。



惑星の水はときおりしゃっくりを起こして虹とホエールを吐く
/井辻朱美「宇宙とは眩しきところ」

→作者名がなくても井辻さんとわかりそうな歌だなあ。
虹はレインボーにはしなくて、ホエールは鯨にしない。このあたりの使い分け。



目をあけてセーター脱げば編み目たちきゃあきゃあいいながら上昇す
/雪舟えま「くものすグラフ」

→こういう題材の歌はなぜかけっこう丸をつけてしまう。
それにしても独自なものがある。「目をあけて」で始めるところからすでに。編み目に「たち」をつけるところ。「きゃあきゃあ」もそうだし「上昇する」もそう。編み目がたくさんのかわいい生き物みたい。



焼畑のソバ粉のソバの挽きたての打ちたて茹でたて塩でいただく
/俵万智「時の消印」

→「山鳥の尾のしだり尾の」みたいな連想をするわけだけど、調子を保ったまま、どこにも飛躍せずにソバの話をつらぬいた。



パーテーションの隙間に見えるてのひらがマウスを包(くる)むオフィスの頃は
/小島なお「オフィスの頃」



曇天とちらちら光るアスファルトどちらが嘘とより親しいか
/馬場めぐみ「電気毛布と嫉妬」

→曇天もアスファルトもグレーだ。白黒どちらともつかないところに嘘があるということか。色は似ている一方で、状態はまったく異なるふたつだ。空高くつかめないもの、地面の硬いもの。
「より親しい」にも注目したい。曇天もアスファルトも嘘そのものではない。親しさから嘘の状態が探られていみたいだ。



特集からは以上です。うたうクラブからひとつ引いておわります。

豆電球ほどの閃き明日には忘れてしまうほどの悪口
/青山祐己

→うまいことを言えればそこにポッと灯りがついたようになる。悪口のちっぽけさや暗さ、あるいはさびしさが「豆電球」から感じられた。



この本おわり。


歌集評のページにオレの書いたものが3ページ載っているが、文章がへたくそで恥ずかしい。恥ずかしいけど、これが実力なのだ。



んじゃまた。




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2019年05月21日

『短歌研究』2019年6月号の男性歌人作品集に7首掲載されています!

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みなさんこんにちは。

こっちはけっこう雨が降ってたんですが、みなさんのところはどうでしたか。


短歌研究新人賞の締め切りが5/20だったんですが、今年は出しませんでした。
なんて。






短歌研究6月号が発売になりました。
「現代代表男性歌人130人作品集」という大きな特集があるんですが、そこに「あの女」というタイトルで短歌7首を出しています。
性別で分けられている特集でして、性別のことを意識しながらつくりました。



短歌を始めて間もないころから見ている特集なので、おー、ほんとにここにオレの名前と作品が載ってるんだー、へー、ってまじまじと見つめてしまいました。

隣に永井祐さんがいました。すごい人ばっかりいる特集です。ほんとにオレでいいのかって感じです。いいんですけども。


男性歌人特集はおおむね年齢順の掲載になっています(エッセイの有無で多少前後します)。オレはケツから11番目という順番でした。若くもなんともありませんね。

一昨年の同じ特集では、1980年以後に生まれた歌人は4人だけだったのですが、今回は10人います。4→10ですから、若い人を増やしてきたなっていう印象です。人数も増えています。
(去年と比較したかったんですが見つからなかったので一昨年と比較しました)



短歌研究6月号にはほかにもいろいろ特集があって、1180円でちょっと高いんですが、よかったら手にとってみてください。




宣伝でした。



ネクスト工藤ズヒントは


一ヶ月後に20首


です。


んじゃまた。





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依頼こなし日記 2019.3/7-3/20  ~物足りなさの理由
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2019年05月04日

短歌研究新人賞をいただいたときのことを書きまくる【4】授賞式・後半

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令和の特別企画「短歌研究新人賞をいただいたときのことを書きまくる」第四回です。
第一回 受賞の知らせ
第二回 発表号
第三回 授賞式へ
第四回 授賞式

という流れで全四回にわたって書いていきます。

これは、2018年の夏に「工藤の有料マガジン【500】」というnoteの有料コンテンツのなかに書いたものを抜粋・訂正したものです。
短歌研究新人賞をいただいたときに書いたものを一部無料で公開いたします。完全なものはこちら↓

工藤の有料マガジン【500】|mk7911|note(ノート)https://note.mu/mk7911/m/mecb8b79





▼▼▼▼






\つづき/




▼控え室


受賞者控え室に行ったところまで書いたのでした。
控え室は講談社の26階。金屏風のある会場のすぐそばです。講談社は、とにかくでかいりっぱなビルなんです。控え室は会議室みたいなのを想像してたんですが、高級なかんじの一室でした。

……やはり、オレの語彙があまりにも貧弱なせいで、どんな部屋かまったく伝わらないのではないでしょうか!!

でもまあしょうがないんです(あきらめた)。



前提としてもっと早く書いておかなきゃいけなかったんですが、この式は
短歌研究賞、
短歌研究新人賞、
現代短歌評論賞
の三つの合同の式でありまして、新人賞は二人同時受賞なので、受賞者はあわせて四人いるわけです。短歌研究賞は小島ゆかりさん、現代短歌評論賞は松岡秀明さん。

控え室にはもうすでに、ほかの受賞者の方たちが来ていました。

おお、小島ゆかりさん。
おお、誌面に写真のなかった川谷ふじのさん。こういうお顔だったんですね。
おお、評論賞の松岡秀明さん。




千葉聡さんが「もし緊張してたらギャグを言うから必要だったら声をかけてね」と言ってました。
声かけなかったけど、一つくらい何かやってもらえばよかったですね。一体何が飛び出すのか……?



受賞者四人の控え室のつもりでいたらそうじゃなくて、これはもっと広い意味での関係者の控え室ということのようで、選考委員の方も入ってきました。

ちなみに選考委員というのは、

短歌研究新人賞だったら
栗木京子さん
米川千嘉子さん
加藤治郎さん
穂村弘さん
だというのはすでにお分かりかと思いますが、

短歌研究賞の選考委員は
佐佐木幸綱さん
永田和宏さん
馬場あき子さん
高野公彦さん
小池光さん


現代短歌評論賞の選考委員は
篠弘さん
佐佐木幸綱さん
大島史洋さん
三枝昴之さん
藤島秀憲さん

となります。
そしてこの人たちみんなが関係者であり、関係者の控え室に来るわけです。
また、講談社の関係者の方もいらっしゃって名刺を配っていきました。社長とか代表とかが、オレみたいなわけわからない馬の骨にも名刺をくださいました。


特に早めに来ていたのは篠弘さんで、篠さんは評論賞の選考を第一回からやっているという話をしていらっしゃいました。
短歌研究社社長と篠さんがいるだけでもオレが緊張しているところに、馬場さん永田さん小池さんとかがどしどしくるわけです。

想像してください。さっき名前を挙げたような人たちがどんどん入ってくるところを。とてもリラックスどころではありません。誰か入ってくるたびに「ビクッ!!!」とします。
大物ばっかり!!! 顔を知ってる人ばっかり!!! そのたび挨拶しました。

緊張をほぐし待ちたい一室に社長、代表、馬場、篠、永田……/工藤吉生




川谷さんは誰かに会うたびに若いなあ若いねえ若いねえ若いなあと言われてまして、オレは特になにもありません。あらよろしく、おうよろしく、といった感じです。

そうこうしていると、外が騒がしくなってきました。本番です。



▼授賞式



金屏風のほうに向かいます。決戦、といった気持ちです。
決戦は金屏風(どうです?)


式のながれは、この記事の冒頭に貼った画像の通りです。

開会の辞では、例年と会場がちがうという話をしていたような、オレの記憶です。

賞の贈呈。
オレの前に小島ゆかりさんが賞を受け取っていたので、それを参考にすればいいんだろうと、観察しました。小島さんはマナーがととのっていて、それと同じようにすればすべてうまくいきそうです。

それから、穂村弘さんからオレに賞状の授与がありました。穂村さんが賞状を読み上げます。

賞状を穂村弘が読み上げる様子眺める一番近くで/工藤吉生

賞状を読み上げる穂村さんの目を「負けないぞ」という気持ちで見ていたら、三度、目があいました。どきどき。負けちゃう。

賞状と目録をいただきました。
目録はホテルに帰ってから開けて中を見ましたが、普通のことが書いてありました。普通とはいっても、オレには初めてのことです。

工藤吉生様

贈 

一、金弐拾万円也

第六十一回短歌研究新人賞
副賞として贈呈いたします


とかです。



式に戻ります。
それから加藤治郎さんから選評をいただきました。
大勢の前でほめられて満足しました。
「何もなくても短歌を作れるのだから、こういう人はずっと続けていける」というようなことをうれしく聞きました。



選評のあとはスピーチです。緊張しましたが、ほかの人はゆっくりと話していることに気づきました。そうだ、ゆっくりやれば大丈夫だ。

金屏風背負ってしゃべるオレが見る壁は遠くでぼやけるばかり/工藤吉生





短歌研究新人賞の受賞スピーチ
https://note.mu/mk7911/n/nfa684d6cde7f
スピーチの内容はこちらです。300円。
この機会に無料公開することも考えましたが、恥ずかしいのでやめました。価値があるから有料なのではなく、恥ずかしいので限定公開なのです。価値があるかどうかは中身を知っている人だけが判断できます。
ちなみに、あとで「よかった」と言ってくださった方が何人もいらっしゃいましたよ。


自分の声がいつもよりひしゃげて、まるでスネ夫(旧。肝付兼太さん)の声みたいになっているような気がしましたが、言うことは言えたと思います。
二ヶ所くらいで薄い笑いをとりました。
「米川さんや栗木さんの言ったことを覚えているんですよ」
のところと
「あとで訊かれたら別のことを言うかもしれません」
のところ。

メモを見るのは良くないことのような気がしてメモは見ずにまっすぐ壁を見てしゃべりましたが、ほかの方はメモの紙を見ていたので、オレも見ればよかったです!!!




花束贈呈です。未来短歌会からと、未来短歌会彗星集からということで二つ大きな花束をいただきました。おお。これが花束の手応え。見た感じほど重くも軽くもない。見た感じはとても大きい。

花束をかかえることに適してる腕だと思う右も左も/工藤吉生



それから写真をとられまくりました。パシャパシャ。
人を入れ替えてまたパシャパシャ。
受賞者であつまってパシャパシャ。
結社ごとにあつまってパシャパシャ。
たくさんのカメラのなかにオレのくだらないツラが入り込んだ一日です。


白黒になってどこかに載るだろう今こころから笑ってるオレ/工藤吉生




▼懇親会



そうこうしてると懇親会の準備ができていまして、食べながら挨拶挨拶また挨拶でした。
知ってる歌人の方とたくさんお会いできてテンション上がりました。名刺をたくさんもらいましたがオレは持ってないので気まずかった。あったほうがいいんだろうなあ。
歌人のほかには、新聞社の方とご挨拶しました。

活気があって素晴らしかったです。

奥村晃作さんの身のこなしが軽かったのが印象的でした。「考えてるより、歌を作っちゃえばいいんだよ」とアドバイスをいただきました。

式の翌日の奥村さんのツイート
https://twitter.com/okumura80kousak/status/1043304888959029248
のなかの
目覚めの短歌

「案ずるより産むが易(やす)い」と若者の群れに入(はい)りて我も語りき/奥村晃作

は、このことを詠んでおられるのだと思います。



受賞者の関係で、「未来」「心の花」「コスモス」の方がやや多いようでした。
言い忘れてましたが、受賞者は受賞式に人を招待できるんですよ。だから受賞者の所属する結社の人が多くなるみたいです。オレは、招待とかって言われてもどうしていいかわかんなくて、問い合わせのあった歌人の方一人と、彼女しか招待しなかったんですけど。
あと、これまでの受賞者も呼ばれてたみたいですね。っていうことは来年以降はオレも呼ばれたりするのかなあ。

そうして楽しくしていたら蛍の光がながれてきました。そろそろおひらきです。
彼女は外のロッテリアにいました。パーティーにはみんな出られるわけではなかったのです。

いろいろお辞儀して、そうして花束やらなにやらを抱えて26階から1階に降り、有楽町線に乗りホテルに向かいました。



▼宿泊



受賞式がおわって、待たせていた彼女を連れて、ホテルメトロポリタンに向かいました。

チェックインを15時にしていたのに21時を過ぎていたので心配していましたが、普通に泊まることができました。16階の部屋になりました。

受付の接客がめちゃめちゃ丁寧で、恐れ入りました。「とんでもないことでございます」っていう、レアな相槌を繰り返し打たれました。

どんな部屋なのか入ってみたら、べつに広くはなかった。テレビはでかかった。もうリラックスしたので「ですます」をやめる。

自由につかえるスマホがあった。使わなかったけど。
あとは特におどろくような設備はない。照明のボタンがなんか変な感じだったな。四角くて大きくて。


喉の違和感に気がついて、何度もうがいした。それは結局だめで、このあと一週間くらい風邪をひくことになる。

歌人からもらった風邪かスピーチをもうしないかもしれない喉に/工藤吉生




目録を開けてみたり、賞状をあらためて読んだり、もらったものをニヤニヤとながめたりして、寝た。



▼翌日



9/22
起きて二人で朝食をたべるためにホテルの下のほうの階までいったが、探しかたが悪いのか、安くても3000円とかなので、外に出てモスバーガーで食べた。

外国人の方が商品をはこんでいた。
レジは日本人の男性だけど、英語で外国人の従業員と会話していた。雇うほうも外国語が必要になってくるとなると、大変だねえ。ほんとに東京は外国人が多いよ。

TOKYOは外国人の多い街いずれにしてもみな他人だが/工藤吉生


モスに朝のメニューがあるんだね。知らなかった。

コンビニに寄って栄養ドリンク買った。
ドリンクに「かぜ」って大きく書いてあるから風邪薬かと思うと、そんなことないんだよね。かぜなどの病気で低下した体力を回復させるためのドリンクなのだと、よく見ると書いてある。要するにコンビニに風邪薬はない。なんか騙されている気がするドリンクだ。賞金に気を大きくして、いちばん高い909円のドリンクを買った。パブロンプレミアムっていうの。名前が風邪薬だ。


ホテルの部屋にもどって、彼女がたのしみにしている朝ドラ「半分、青い」をでかいテレビで見るのに付き合った。
そのタイミングでかぜのドリンクを飲んだら、すごい味がした。甘いぞと思ったら苦くて辛くなる。まずい。効き目がありそうな気がしてくるが、それは出費とまずさに対して損したくないからだろう。

半分、まずい(どうです?)。

ヒーヒー言いながら水を飲み「半分、青い」を見た。

ドラマのなかではなにやら自然な風のでる扇風機を開発している。その宣伝の映像を離婚した旦那に依頼するんだね。(前の旦那のりょうちゃんという男は、雨のなかでプロポーズしたんだけど、映画をつくる夢のために妻子を捨てたんだよ。そのあたりは見てたからわかる。)

その宣伝がなんだかうまくいって、青い蝶が舞い込んでくる。そのときに東日本大震災がおこってこの日の放送は終わり。

ほかの場面でもそうなんだけど、このドラマは落ち着いてくると衝撃的なことを入れて変化をつけようとしてくるんだよ。
脚本家って「神」なんだなあ、毎回おもしろくするためには手段を選ばずなんだってやってのけるし、わざとらしくなるのもいとわない。震災ですらも、ドラマに奉仕させられている。

彼女は文句言いながらも毎日真剣に見ている。オレは文句言いたくなったら見るのをやめる人なので、しばらく見てなかったんです。



帰りの新幹線は15時で、余裕があるからもう少し休もうとか言って、それからダラダラして、彼女がチコちゃんやってるよと言ってまたNHKを見た。彼女はナイナイの岡村が好きなんですよ。チコちゃんって初めて見た。でかい。


翌朝はホテルのものすごくでかいテレビにとどろきわたるチコちゃん/工藤吉生


日本の中心はどこにあるかについて放送していた。日本の中心はたくさんあるそうだ。



……覚えてることを全部書いていると話がなかなかすすまないねえ。


▼帰路




出かけた。かんたんにチェックアウトできた。
15時の新幹線までのあいだに、彼女の行きたい吉祥寺の店に行くことになっている。

歩いていたら駅がどこかわかんなくなった。昨夜はスムーズに駅からホテルにきたのに。

ドラッグストアでちゃんとした風邪薬を買って飲んだ。

池袋のジュンク堂があったのでぶらりと入った。短歌のコーナーはすごい品揃えで、地域格差を感じた。「現代短歌」に「短歌往来」まである。「塔」もあるし。それぞれバックナンバーもある。すんげえなや。オラたまげただよ。

迷ったすえ『シンジケート』と『日本の中でたのしく暮らす』買った。
自分は新人賞の受賞者なんだと思うと、有名どころは読んでおかねばならないという気持ちになる。

そのあと丸善も見かけたが、やめた。



電車に迷いながら吉祥寺に行き、彼女の目的地の「カレル・チャペック紅茶店」に行った。
なかなか着かないし人混みがつらくて殺伐とした気持ちになっていたが、紅茶のアイスを食べて、お姉さんに試飲をすすめられて元気になった。


それから新幹線に乗るために東京にもどった。
昼飯は駅のなかの弁当屋で1080円のてきとうな弁当を買った。人混みが嫌すぎて、人が少ない店で済ませた。
となりに座ってた人が食べていた小岩井農場のアイスが美味しそうだったので真似して買って食べたら美味しかった。


新幹線で帰った。
来たときと同じようなことしか起こらなかったな。
斜め前の人がタブレットとノートパソコンを同時につかって交互に見てゲームしていたけど、どんな仕組みなのかはわからなかった。

疲れたねえと言いあって、うとうとして仙台まできた。

お互い疲れていてあんまりしゃべらず、「じゃあ」といって仙台駅で別れた。たぶんどこにも寄らずに帰宅した。

どうやって帰ったかあんまり覚えてない。
家に帰るまでが授賞式と言ってもいいけど、だとするとこのように授賞式は尻すぼみにおわっていった。

翌朝仕事だったので、すこしでも体調を整えるためにすぐに寝た。

今回もらった賞状をかざってみると、今までにもらったどの賞状よりもでかいことに気づいた。やっぱ新人賞はちがうね。



\おわり/





これで「短歌研究新人賞をいただいたときのことを書きまくる」は終わりです。
どうもありがとうございました。





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2019年05月03日

短歌研究新人賞をいただいたときのことを書きまくる【3】授賞式・前半

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令和の特別企画「短歌研究新人賞をいただいたときのことを書きまくる」第三回です。
第一回 受賞の知らせ
第二回 発表号
第三回 授賞式へ
第四回 授賞式

という流れで全四回にわたって書いていきます。

これは、2018年の夏に「工藤の有料マガジン【500】」というnoteの有料コンテンツのなかに書いたものを抜粋・訂正したものです。
短歌研究新人賞をいただいたときに書いたものを一部無料で公開いたします。完全なものはこちら↓

工藤の有料マガジン【500】|mk7911|note(ノート)https://note.mu/mk7911/m/mecb8b79





▼▼▼▼





7/14に電話で第一報がきて
7/18にツイッターで速報がながれて
8/21に短歌研究9月号がでて誌面でも発表されました。

そのつぎにあるのが、9/21の授賞式です。講談社で行われます。




▼出発まで




短歌研究新人賞の受賞のお知らせの電話のなかで、9/21の受賞式にぜひおいでくださいと言われて、そこから事は始まっています。

7/17にさっそく短歌研究さんからメールがきました。受賞式当日は宿泊するのか・しないのか、プランはどうなっているか、を確認するメールでした。
受賞に動揺してる段階だし、そんなにすぐに九月のことまで計画してられないので曖昧な返事をしましたが、早めに決めないと宿の予約がとれなくなる可能性があるということでした。

それから、マスコミ発表であるとか、受賞第一作とか、受賞のことばとか、顔写真のこととかについてメールでやりとりをしてまして、8/9にまた、受賞式へはどのようにして来るのか、宿泊の予定はどうなっているかの話になりました。
新幹線の予約とかホテルの予約とかについて、恥ずかしながらオレはよくわからないので、短歌研究さんの方からおしえてもらいました。ネットで予約できることとか、会場に行くのに便利なホテルはここですよとか、宿泊費はオレのぶんだけは出してもらえることとか、いろいろ聞きました。
親切におしえてくださいましたし、そういったやりとりを通して、オレは短歌研究さんから大事にされているんだなと思いましたよ。


それで、ホテルと新幹線を同時にとれるプランを、ネットで予約しました。二人で45200円。新幹線やまびこに乗って東京に行き、ホテルメトロポリタンに泊まって帰ってくるプラン。

彼女と二人で行くことにしたんです。彼女が東京で見たいところがあると言っていたんです。それに、オレ一人じゃ不安なので。
未来賞のときにはひとりで東京に行ったんだけど、高速バスだったし宿泊もなかったし東京のなかでも別の場所だから、ほとんど経験としてはノーカウントになってました。




せっかく東京に行くので、枡野書店にも行くことにました。枡野浩一さんのお店です。聖地って感じです。

とにかく行き来が不安なので、Googleマップでみたり、ジョルダンで乗り換えを確認して、メモをつくりました。新幹線の乗り方が不安で、YouTubeも見ました。



持ち物は何が必要か考えて、

招待状
スマホの充電コード
切符と宿泊券
Eve(頭痛薬)
イヤホン

の五つとなりました。招待状は使いませんでした。のこりは使いました。


着るものに関しては、革靴とスーツがひとつだけあるのでそれにしました。もらったけど着けたことのない派手なネクタイがあるのでそれを使うことにしました。ワイシャツを2000円で出発の前日に買いました。スーツの胸ポケットにハンカチかなにかを差すといいねという話があったけど、話だけに終わりました。


下準備の話はこんなところでしょうか。当日のことを書きましょう。



▼出発


いよいよ授賞式当日の朝です。授賞式は18:00からで、朝に出発しました。


慣れない革靴だったので、家を出るときからとても歩きにくかったです。そんなこともあろうかと前日に革靴を履いて夜を過ごしたけど、やはり歩きにくい。水中でも歩いているかのようで、それを歌にしました。

革靴になじまぬ足で歩いてるいつもの道が水中みたい/工藤吉生



手持ちのお金が不安だったので駅のATMでお金をおろしました。そのときに急に残高が増えていて、それにより賞金20万円が振り込まれていたことに気づきました。ククク……と含み笑いをしました。

いや、含み笑いはしてません。あやうく「盛る」ところでした。ほんとうは、満足感があっただけでした。

その前日に、賞金は受賞式の当日に振り込みますというメールが短歌研究からきてたのでした。だから、分かっていたことです。意外と賞金の授与って味気ないもんだなという感想もありますが、金額の大きさがそれを乗り越えていきます。

今年から短歌研究新人賞の20万円は振り込みになるということでした。オレが短歌研究新人賞の賞金振り込まれの第1号なのですよ。って、べつに自慢することではないけど。
手渡しもいいんだけどなあ。

20万増えた残高を心に感じながら地下鉄のカードを1000円チャージして仙台駅に向かいました。水中を歩いているような革靴のぎこちなさは、まったく感じなくなっていました。



▼新幹線



駅で待ち合わせして、新幹線に乗りました。
指定席だから、どこの椅子なのか番号が書いてあります。

このへんの記憶があんまりないなあ。

乗ろうとしたら、指定席なのに先に座ってるおじさんがいて焦りました。どうしようと思っていたら自分で気づいて移ってくれました。


新幹線 何年ぶりに 乗ったかな 「ん」が3つある しんかんせんに/工藤吉生


記憶がないのは、スピーチのことで頭がいっぱいだったからでしょう。何も見えてないし聞こえてないのです。
新幹線のなかでは何度も頭のなかでスピーチの練習をしていました。彼女は退屈らしくて、本でも持ってくればよかったと言っていました。車内販売のじゃがりこを170円で買っていました。

新幹線なんてほんとうに久しぶりです。修学旅行以来じゃないでしょうか。
といっても、乗っているぶんには特に変わったことはないんです。普通の電車よりは静かです。ガタンゴトンいわない。それに速い。人生みたいになにもかもひゅんひゅん過ぎてゆく。
目の前には電光掲示板があってニュースが流れています。新潮45の件でえらい人が批判したとか、なんかそんなようなニュース。
「短歌研究新人賞の受賞式が今日開催される」というニュースが流れてきたらいいと思いましたが、思っただけです。ここまできて、オレはニュースになって目立ちたいと思っているのです。目立ちたいという欲は、オレをどこまで追いかけてくるのでしょう。新幹線の速度くらいでは、欲からは逃れられませんね。

仙台。福島。郡山。宇都宮。大宮。上野。東京。

二時間で東京につきました。



▼東京

さっそく人ごみです。今のオレは、人ごみを思い出すと疲れてしまうのですが、そのときのオレは気力に満ちていて平気だった、ような気がします。


つぎの予定は15:00の枡野書店。まだだいぶ時間があります。
ホテルのチェックインを15:00にしてしまったので、それをどうしようかということも考えていたんですが「大丈夫じゃないの」と言われたので忘れることにしました。
でも内心は、指定の時間にチェックインしないと予約が取り消されたりするんじゃないかと心配でした。中島みゆきが書いた小説の主人公が海外のホテルでそんなようなトラブルに遇うんですよ。



とりあえずなんか食おう、ということになりました。
東京駅を歩き回りました。
ぐるぐるして、ちょっとしたおしゃれな店に行き着きました。パンを主力にした店のようでした。店の名前は忘れました。
狭い。なんとか二人ぶん座れる、といったところです。「5種のデリ盛り合わせ」というのを頼みました。コーヒーつけて1200円。

ひとつひとつが洒落た味がしました。すっぱいものがあったり甘いものがあったりしました。見かけから味が判断しづらい盛り合わせでした。

……と書いていますが、オレの語彙があまりに乏しいために、どんな料理なのかまったく伝わっていないのではないでしょうか!

丸い皿に、なにやら五種類のものが盛り合わせになっているのです。それに加えてパンが二切れと、チキンが乗っています。
五種類のもののなかには、すっぱい細かいニンジンとか、すっぱいドレッシングのかかったレタスとか、なんかありました。語彙。

食べてみると甘い、赤紫色の切れがあったんですが、なんなのかわからないので少し残しました。彼女もこれがなんなのかわかりませんでした。隣の人を見たら、隣の人もコレを残してました。

あとで妹にきいてみたら、この赤紫色の謎の野菜は「サトウダイコン」だと言ってました。検索したらサトウダイコンは一般的には白いもののようで、サトウダイコンの一種であるビーツという野菜は赤いんです。たしかにそれでした。

狭くて、値段が高くて、それほどおいしいわけでもないけれどおしゃれな昼食をともかく済ませました。

狭くって高くて不味い東京のうすぐらい店も旅の思い出/工藤吉生





それからどうしたのか、よく思いだせませんが、順番からいって、丸ノ内線に乗って枡野書店にある南阿佐ヶ谷に向かったのです。
けっこう長いこと電車に揺られていたのです。



▼枡野書店



南阿佐ヶ谷から、うろうろして枡野書店まで行きました。

このあたりは旅の目的ではありましたが、受賞式とはあまり関係ないのでサックリいきたいと思います。

会いたい人には会えるうちに会っておきたい、という気持ちで枡野浩一さんに会いにいきました。



会いたくて会えない人はあなたには会いたいなんて思ってません/枡野浩一


会えて、お話できて、よかったです。
緊張しました。



▼講談社



ここで時間は午後四時前です。
式は18:00から。講談社へは17:20に行くことになっていました。

丸ノ内線で南阿佐ヶ谷から池袋へ行き、有楽町線で池袋から護国寺までいきます。

余裕あると思ったら、けっこうやばい時間でした。

早過ぎと思っていたが遅刻する危機に気がつき心いれかわる/工藤吉生




護国寺の雨のなかでスマホのグーグルマップを出して、講談社への道をしらべました。ファミリーマートを目印にしてたら、ファミリーマートが二つあったせいで少し道に迷いました。


でっっっかいビルがありました。講談社です。


ビルの前でネクタイをしめました。オレは肩がこりやすくて喉をしめられるのが嫌いで、ネクタイをなるべくしないようにしていたのです。

これまでは吊らずに済んでいた首にネクタイ巻いて受賞者オレは/工藤吉生



外からビルの内部を見ると、入り口ではなにかミーティング的なことをやっているようでした。


それでいよいよ講談社に入りました。
名前を書いて、赤いバラを胸につけられて、あれよあれよと受賞者控え室に連れて行かれました。

「愛情」「美」「情熱」などの花言葉もつ赤バラがスーツの胸に/工藤吉生


彼女とはここで別行動になります。


メールでやりとりをしていた短歌研究編集部の方にはじめてお会いしました。これから短歌研究とメールするときは、一通ごとにこのお顔を思い出すのだろうと予感しました。
気がつくとそばに千葉聡さんがいて、なにやら冗談を言っていました。
おお。講談社で最初に会った歌人はちばさとさんでした。




さあいよいよ講談社に入りました。さてさて、どうなってしまうんでしょうか。つづきます。





\つづく/



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2019年05月02日

短歌研究新人賞をいただいたときのことを書きまくる【2】受賞のことば、青春について

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令和の特別企画「短歌研究新人賞をいただいたときのことを書きまくる」第二回です。
第一回 受賞の知らせ
第二回 発表号
第三回 授賞式へ
第四回 授賞式

という流れで全四回にわたって書いていきます。

これは、2018年の夏に「工藤の有料マガジン【500】」というnoteの有料コンテンツのなかに書いたものを抜粋・訂正したものです。
短歌研究新人賞をいただいたときに書いたものを一部無料で公開いたします。完全なものはこちら↓

工藤の有料マガジン【500】|mk7911|note(ノート)https://note.mu/mk7911/m/mecb8b79





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\つづき/



前回は、短歌研究9月号を入手したところで終わってました。中身の話をしましょう。

順番に見ていきましょう。

表紙の自分の名前の大きさにビビったっていうところまでは書きました。

で、ひらくと目次なんだけど、目次にまたオレの名前がでっかく載ってるんですよ。おどろきました。


27ページに受賞作と候補作が載っています。オレの名前もあります。
28ページにオレの「受賞のことば」があります。

最初にオレの写真に目がいくことでしょう。この写真は雰囲気のいい洋食屋さんで撮ってもらいました。いいでしょこれ。オレにしてはちゃんとした顔に撮れているなあと思います。

でもよく見ると、目ヤニついてない? それに気づいてから不安になった。大丈夫ですよね。目ヤニじゃないですよねこれ。


「未来賞」のときと同じ写真を使い回しています。





▽受賞のことば



「受賞のことば」では、とにかくあらゆる「場」にありがとうを言いました。これからどうなりたいとかはちょっと考えられなかったから、「これから」ではなく「これまで」に向かって書きました。
たくさんたくさんやってきたことが、あちこちにお邪魔してきたことが、積み重なってこの受賞になったんだろうなと思います。




受賞のことばを全文書き写します。

 このたびはこのような賞をいただき、まことにありがとうございます。選考に関わってくださったみなさま、ありがとうございます。
 発表と研鑽の場を与えてくださった、塔短歌会、未来短歌会、うたつかい、短歌結社ネガティヴ、俳句と短歌の文芸誌「We」、うたの日のみなさん、ありがとうございます。
 参加させていただいたさまざまな歌会のみなさん、ツイッターで応援してくださるみなさん、ブログ「存在しない何かへの憧れ」の読者のみなさん、有料noteの購入者のみなさん、ありがとうございます。
 そして……これまでに参加してきたさまざまな投稿欄には、お別れを言わなければなりません。
 「短歌研究」うたう★クラブ、短歌研究詠草。「角川短歌」公募短歌館(角川歌壇)、題詠。「歌壇」読者歌壇。「現代短歌」読者歌壇、特別作品欄。NHK短歌、短歌de胸キュン。
 「ダ・ヴィンチ」短歌ください。「公募ガイド」短歌の時間。「野性時代」野性歌壇。「大衆文藝ムジカ」短歌衆。「仙台っこ」仙台っこ歌壇。
 「毎日新聞」毎日歌壇。「日本経済新聞」日経歌壇。「読売新聞」読売歌壇、よみうり文芸宮城県版。「河北新報」河北歌壇。
 うたらば。歌会たかまがはら。ネットプリント毎月歌壇。ポエクリ。
 投稿欄のおかげで楽しくやってこれました。お世話になりました。そして、さようなら。




まず、「研鑽の場を与えてくださった」場として、塔短歌会の名前を未来短歌会よりも先に出しているでしょう。これは、塔に先に入ったというのもあるし、塔にいた時間のほうが長いというのもあります。
選歌欄評(二ページの評を半年間、毎月書く)のような重い仕事をしたし、ガンガン歌を削られたし、研鑽という意味ではほんとに塔に世話になったんですよ。
「未来」はそれよりも、自由な発表の場、という側面が強いかと思います。歌はあんまり削られないし、タイトルが自由につけられるし。




「参加させていただいたさまざまな歌会のみなさん」と書いたけど、もし字数が足りなかったら参加した歌会の名前を綴っていく考えでした。
●天下一短歌会、
●東北歌会(現在の「アルデバラン歌会」)、
●空き瓶歌会
●東北大学短歌会の歌会、
●山形歌会、
●「塔」仙台支部の歌会。
たぶんそれがオレがお世話になった歌会の全部だと思います。名前のついていない歌会は除いています。



受賞のことばの終盤は投稿欄のラッシュです。量の力で押していきます。

投稿欄って「はじめまして」も言わなければ「さようなら」も言わないんですよ。はじまりもおわりもない。
勝手に来て、勝手にいなくなる。そんな気軽さが投稿欄の長所なんです。

でも、オレはちゃんとピリオドを打ちたい。礼をして下がりたい。いつのまにかいなくなってるの、なんだかさみしいと思う。
自分自身への「もう戻らないよ」というけじめでもあります。決意、というほど力強いものではないですが。

あとから来た人が、こんな発表の場があるのか~っていうことで参考にしてくれてもいい。「大衆文藝ムジカ」はもう発行されないみたいだし「ポエクリ」はもう募集してないけど、それ以外は続いている。



略歴は100字以内だったんですけど、短くて困りました。馬鹿正直に高校の名前や学科を書きましたが、隣のページの同時受賞の川谷ふじのさんは「高校生」としか書いていなくて、あー学校名まで書かなくてもよかったんだーと思いました。

オレが(ネットで)調べたかぎり、高卒で短歌の新人賞を受賞した人はオレのほかにいません(大学中退ならいる)。あと、清掃業とかなんとかって人もめずらしいでしょうね。歌人に多い職業は、教師とか医師とか研究者とか事務とかライターとか「会社員」とか。



▽同時受賞の川谷ふじのさんのこと



同時受賞の川谷ふじのさんの受賞のことばを見ていて、若さとか青春について考えました。
たしかに若い人のほうが楽しいみたいに思われるけど、なぜなんだろう。

いろいろあるでしょうけど、オレが思ったのは「体力」です。思いっきり走ったり飛んだり声出したり徹夜したりできなくなると、あるいは胃とか腰とかあちこち痛めると、青春っぽい言動ができにくくなります。やりたいことを全力でできなくなります。

あとは「経験」です。あれはやっても無駄だったなとか、あれが正解だよなとか、経験があるとチャレンジが減ります。いちかばちかで動かなくなります。知ってることにはドキドキワクワクしないんですよ。

あとは家庭とか仕事とかお金とかのこともあるでしょうけど、まあとにかくいろいろあって、年をとると学生みたいに全力で青春ができない。

健康であるということと、未知や未経験がたくさんあるということ、それは尊いですよ。

それと、時間というのは一方通行になっていて通りすぎるともう戻れないっていうのが、若さが美化される原因なんじゃないでしょうか。失ったものは良いものに見えますから。



高校生の考えるアンチ青春ってなんでしょうね。健康的であることや未知のものへのドキドキを封印してなおかつ高校生であるという、そういう感じですかねえ。
そう考えると、「自習室出てゆけば夜」のはじめのあたりはたしかにそういうふうになっている。

たとえば6.7首目。
ポカリとかアクエリアスのCMにくそ食らえって床で寝ている

ドトールの大テーブルにいつのまにか一人残され夜を知りたり
/川谷ふじの「自習室出てゆけば夜」




「きみ」が出てくるとだんだん青春っぽくなる。22.23首目、このあたりが絶頂。

その時のその表情をしてほしい瞼にしまって一生見るよ

シリウスはあんなに遠いのに光る遠い約束すら愛せそう
/川谷ふじの「自習室出てゆけば夜」





ラーメンとアイスとテレビがでてくるのはオレの連作と同じだなあ。

ラーメンをすすってると青春っぽくないのは、なんなんだろう。ポカリやアクエリアスは体を動かすイメージがついてくる。






さっき作者の写真のことを書きましたが、おもしろい感想を読みました。


短歌研究2018年9月号その2 : 短歌と緑茶とお茶菓子と
http://blog.livedoor.jp/thnskrknkw-book/archives/52420745.html
奥村知世さんのブログ。

オレの作者近影を作品の一部として読んでくださっています。
オレとしては全然そうではないんですが、このように味わってもらえることはうれしいです。

「全然そうではない」というのは、この近影はそもそも「未来賞」のためにとった写真だからです。
あと、せいいっぱい良い顔をしようとして撮ったからです。無為や無表情のつもりがないんです。
ただ、それを言っても興ざめになるでしょうから、正解をこちらからはお伝えしません。



今回は「受賞のことば」について書きました。
講評でいろんなことを言われましたが、それについてはここでは書きません。有料版では、選考で言われたことについて全力で書いています。

短歌研究2018年9月号・短歌研究新人賞のことを思うぞんぶんに書く【4】選考座談会・前編
https://note.mu/mk7911/n/ncbc826b3e18a

次回は受賞式のことを書きます。


\またね/



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2019年05月01日

短歌研究新人賞をいただいたときのことを書きまくる【1】受賞の知らせ

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令和の特別企画「短歌研究新人賞をいただいたときのことを書きまくる」第一回です。
第一回 受賞の知らせ
第二回 発表号
第三回 授賞式へ
第四回 授賞式

という流れで全四回にわたって書いていきます。


これは、2018年の夏に「工藤の有料マガジン【500】」というnoteの有料コンテンツのなかに書いたものを抜粋・訂正したものです。
短歌研究新人賞をいただいたときに書いたものの一部をこのブログで(無料で)公開いたします。

完全なものはこちら↓

工藤の有料マガジン【500】|mk7911|note(ノート)https://note.mu/mk7911/m/mecb8b79



それではどうぞ。




▼▼▼▼





えー、あらためまして、工藤吉生です。





「短歌研究新人賞」とGoogleに打つと
「短歌研究新人賞 連絡」
というのが上のほうに出ることがあります。

いったいいつ、どのように連絡がくるのか。それを知りたい方が多いということではないでしょうか。
それを書きましょう。




2014年に短歌研究新人賞の候補になりましたが、そのときは連絡がありませんでした。
もっと上にいかないと連絡はきません。候補の上には、次席と受賞しかありません。



2018年7月、連絡がありました。








7/14 17:38
着信がありました。090ではじまる番号からでした。
オレの名前を確認して、連作「この人を追う」が受賞しましたおめでとうございますということでした。

7/20までに
ポートレート、
受賞のことば600字、
略歴100字を用意してくださいということでした。
8/20までに受賞第一作30首を用意する。
9/21に受賞式がある。
それはあとでメールや文書でも伝える。

それから、選考の様子のおおよそのところを聞きました。
選考委員の意見が分かれてもう一人の川谷ふじのさんという方と同時受賞になったことを聞きました。
選考委員の加藤治郎さんと穂村弘さんが推薦してくれたことを聞きました。
オレの連作がどういった評価だったか、おおよそのざっくりしたところも教えてもらいました。

それからまた、おめでとうございます・ありがとうございますを交わして終わり。

うしろでほかの人がしゃべっていて、忙しい印象を受けました。

「短歌研究としては工藤さんを前から注目して応援していた」とおっしゃっていただいたのがとてもうれしかったです。








「短歌研究新人賞 連絡」
で検索する人たちは、こうしたことが知りたかったのでしょう。
要約とはいえ連絡の一部始終を文字にしたのは、もしかしてオレが最初なのでは?

と、あんまり自分を前に押し出しすぎてはいけませんね。









そのときの心境は以下のような感じでした。





2018/07/14(土) 18:04

受賞直後の心境


うわあ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ




大変なことになりました!!!!





!!!
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!







この時期といえば!

そう!

あれです!







18日火曜日正式発表!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!




▼▼▼▼





2018/07/17 00:25

受賞三日後の心境


このまえの「うわあああああああああああああ」っていう出来事から三日たった。

初日はとても最高で飛び跳ねたいくらいだったが、二日目は頭痛がつらかった。はやくもプレッシャーでつぶれそうになった。
気持ちがたかぶっているのに、肉体は疲れている。その結果、眠れなくてつらいという事態になった。横になっているだけでも体が休まるというから、ずっと横になって寝ていた。失敗や批判の幻影がモニャモニャとまとわりついてくる。頭痛薬でのりきった。



三日目、まだうれしい。わくわくする。
ワールドカップで優勝したフランスの選手たちは、どれくらい嬉しさがつづくのだろう。翌日になってもうれしいでしょう。じゃあ三日目は? 四日目は?
そういう人たちの次くらいにオレは幸せだと思った。



それは火曜日に発表される、と前回書いた。曜日の関係でそうなるのだろう。月曜が祝日だったしな。

そうなると次は「火曜日の何時何分に発表になるんだ」ということが気になる。発表のその瞬間、ざわざわざわ、ぐわぐわぐわーって波がたつと予想される。それは何時何分なんだ。

過去のそれを調べてみたら、早くて11時、遅いと17時ごろになるようだ。
ということは、あと11-17時間。
オレが川のこちらがわにいられる残り時間がそのくらいなのだ。
あちらにいったら、もう戻れない。「あっちに渡った人」としてやっていくことになる。こっちにいても「あっちに渡ったのに今はこっちに来てる人」になる。



火曜日は、こちらがわからあちらがわへ「またぐ」日になる。





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2018.7.18 15:49


短歌研究編集部のツイート

本年度 第61回短歌研究新人賞は工藤吉生氏「この人を追う」、川谷ふじの氏「自習室出てゆけば夜」の2作に決定いたしました。
工藤吉生さんは「未来」所属、川谷ふじのさんは2016年度毎日歌壇賞を受賞されています。
本年もたくさんのご応募ありがとうございました。

https://t.co/l1fpVWW7ky

https://twitter.com/tankakenkyu/status/1019474334442708992?s=19






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7/14に受賞を知らせる電話があったわけですが、
7/18にツイッターで速報がでました。




それからは、とにかくオレは短歌研究9月号の発売を待っていたのです。
知っていたのは上に書いたことだけで、それ以上の詳しいことは聞いていなかったのです。



でも、容易に想像できます。
同時受賞ってことは、選考委員二人と二人で意見が分かれたと。川谷さんを推した二人はオレを推さなかったわけで、オレの作品を受賞するにふさわしくないものと判断したわけだよなと。
栗木京子さん・米川千嘉子さんからいったいどんな厳しいことを言われるのだろう。

オレって、あんまり批判に慣れてないんですよ。心ない人から悪口を言われることはあっても、ちゃんと読める信用できる人からしっかり欠点を指摘されることは少ない。
投稿欄だって結社誌の評だって、限られたスペースのなかで、ほめる・はげます方向でコメントされるのがほとんどですよ。
そう考えれば「歌会」は批判を受けるチャンスなんだなと思えてくるけれども。

栗木さん米川さんって、言うまでもなく「読める」人ですよ。それも、新人賞を決めるという大一番ですから、何ページにもわたって本気でマジの批評がぶつかりあうことが予想されるわけですよ。
警戒しないわけがない。身構えないわけがない。

オレ史上初のことが起ころうとしていた。



落ち着かない気持ちで過ごしました。

トイレに入るとカレンダーが貼ってある。職場にいけばシフト表が貼ってある。それを見るたび、短歌研究9月号が発売される8/21まで、あと○日……ということが思われるわけです。
とにかく短歌研究9月号を見るまでは、何があっても死ぬわけにはいかない。







実は、
「これは長い深い夢なんじゃないか」
「なにか重大な間違いが見つかって受賞が取り消されるのではないか 」
といった根拠のない不安がずっとありました。
雑誌の実物を見るまではわからないと思っていました。






待ちに待って暮らしていると、8/18に短歌研究社のホームページに、「書影」っていうんですか? 本の表紙が公開されたんです。
(それがこの記事の冒頭の画像です)

それを見ると、表紙にすでにオレの名前がでかでかと書いてあってビビった。
でかくない?
去年まではここまで大きくはなかった。誌面リニューアルで表紙もリニューアルされてこのようになったわけだけど、いやあ、堂々としている。

オレの名前が、本の表紙にある!!!
わー!!!!







そういえば確認し忘れていたけど、オレのところには雑誌は送られてくるのだろうか?
受賞者だから、送られてくるよねえ? どうかなあ? 送られてくるとすれば、発売日の21日よりも早く来る可能性がある。
以前2014年に「新進気鋭の歌人たち」に掲載されたときは、18日に雑誌がとどいた。

そうなると、18日の時点で「今日くるかもしれない」と考えるようになる。
でも18日にはこなかった。19日にもこなかった。
18日とか19日とか、このあたりはほんとに長かった。時間の流れが遅かった。







8/20

短歌研究9月号が届いた。発表号!
定期購読していたときと同じ茶色い封筒に、間違いなく短歌研究がきていた。

おお。




そのころちょっとツイッター上でトラブルがあって、短歌研究どころじゃない嫌な精神状態で読んだ。だから「ふーん、いっぱいオレのことが書いてあるなー」という感じだった。

それから落ち着いて読んでいろいろ気づいたこともあるので、それを次回書くことにします。





●このシリーズは全4回で、四日連続で更新していきます。
またあした。





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