連作

2019年07月30日

連作・歌集のタイトルで最近増えてるもの

こないだ短歌研究新人賞の発表がありましたけど、その連作タイトルが
「ルーズリーフを空へと放つ」(郡司和斗)

「拡張子になる」(中野霞)
だったんです。

「放つ」とか「なる」とか、動詞の終止形で終わるタイトルって、最近になって増えたような気がします。調べてみました。



短歌研究新人賞だと2000年に
「冥王に逢ふ-返歌」(紺野万里)
というのがあって、それが最初の動詞の終止形で終わっているタイトルなんです、と言いたいところですがこれは微妙なところですね。

そのつぎになると2018年の
「この人を追う」(工藤吉生)。
で、そのつぎにさっき書いた2019年の「ルーズリーフを空へと放つ」、「拡張子になる」がくる。



これではまだわからないですね。もっとほかの新人賞も見ましょう。




角川短歌賞
2007年「桃花水を待つ」(齋藤芳生)
2016年「魚は机を濡らす」 (佐佐木定綱)、
「輪をつくる」(竹中優子)。




歌壇賞はこんな感じ。
1990年 「Bird lives - 鳥は生きている」 (白瀧まゆみ)
1993年 「つばさを奪ふ」(目黒哲朗)
2006年 「夕暮れを呼ぶ」(樋口智子)
2015年 「花を踏む」(小谷奈央)
2016年 「微笑みに似る」(飯田彩乃)
2017年 「利き手に触れる」(大平千賀)



なんとなく増加傾向だなって話です。

三つの賞を合わせるとこんなふうです。
1981-1985 〇
1986-1990 一
1991-1995 一
1996-2000 一
2001-2005 〇
2006-2010 二
2011-2015 一
2016-2019 七


ほら。2010年代の後半になって急激に増えているでしょう。

新人賞の受賞作だけでざっと見ました








歌集を対象とした賞でも見てみました。

現代歌人協会賞

2003年『みづを搬ぶ』(渡英子)、
2014年『てのひらを燃やす』(大森静佳)



日本歌人クラブ新人賞

2011年『桃花水を待つ』(齋藤芳生)、
2014年『てのひらを燃やす』(大森静佳)



現代歌人集会賞

1986年『薔薇を焚く』(桜庭英子)
2013年『てのひらを燃やす』(大森静佳)
めずらしく80年代が入っていました。


2009年『ちろりに過ぐる』(森井マスミ)
っていうのがあったんですが調べたら「過ぐる」は終止形じゃないんですね。お恥ずかしいんですが、このへんのことは明るくないんです。不安なのでよく検索します。




新人賞三つ、歌集の賞三つを見ました。合わせるとこのようになります。

~1980 〇
1981-1985 〇
1986-1990 二
1991-1995 一
1996-2000 一
2001-2005 一
2006-2010 二
2011-2015 五
2016-2019 七



ほらやっぱり増えてるでしょう。
っていうか『てのひらを燃やす』って三つも賞を受賞しているんですね。
その重複を避けるなら2011-2015が「三」となります。

『てのひらを燃やす』のようなひとつの大きな作品が、後続の作品の題名に影響を与えているということも考えられます。
それを言うんならもちろん、映画や小説や音楽や、外部の影響を考え合わせないわけにはいきませんが、そこまでいくと手に負えません。


というわけで、なんとなく増えてる気がするものが、やっぱり増えてたという話でした。

Wikipediaで調べました。




このかたちのタイトルだと助詞はだいたい「に」か「を」なんですね。「は」も少しある。「が」とか「で」とかがあっても不思議じゃないんですが、ありません。
助詞がなくたっていいんですよね。助詞の代わりにスペースをあけるとか「、」や「・」を入れるとかも考えられます。
動詞だけのタイトルはありませんでした。


そう考えると、連作や歌集のタイトルには傾向があり、そこに余白が生じているように見えます。

こうした傾向というのはこれからも変化していくことでしょう。






以上です。んじゃまた。

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2018年07月29日

新人賞受賞あれこれ【4】連作のタイトル

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7/21のツイートのまとめです。


#自分の連作のタイトルを並べると本性がわかる
というハッシュタグがツイッターで回ってきたのでやってみました。




#自分の連作のタイトルを並べると本性がわかる (いいところまでいった連作)

眠り男
(「ハッピーマウンテン」採用)

仙台に雪が降る
(短歌研究新人賞候補)

魂の転落
(「新進気鋭の歌人たち」)

ピンクの壁
(角川短歌賞候補)

うしろまえ
(未来賞受賞)

ヘ音記号みたいに
(中城ふみ子賞次席)

この人を追う
(短歌研究新人賞受賞)






#自分の連作のタイトルを並べると本性がわかる (橋にも棒にもかからなかった連作)
太陽は西に沈んだ
天体とオレ
言語絶滅
もうこんなふうには生きられません
ジョーカー
先端
二重跳び
どうしても壁
ご自由に
とびおりばなし
非常識のスープ
自殺未遂のころ
おくびょうですか




いいところまでいった連作のタイトルと、ダメだった連作のタイトルをならべてみました。ここから何かわかることがあるでしょうか? もちろん連作の出来はタイトルだけで決まるものではありません。
「ジョーカー」「先端」みたいなのはダメなタイトルだとなんとなくわかります。こりゃ落ちるだろうなと。



連作のタイトルってむずかしいですよね。毎回どうしていいかわからなくなります。オレは最後にタイトルつける派です。

一時は
「タイトルなんてほかの作品と区別できればいいわけだから、クラシック音楽みたいに【作品1】みたいにすればいいんだ、それか第一首の初句を常にタイトルにすれば潔い」
と考えたこともありました。

でもすぐに、もっと考えるべきだと気づきました。

本屋にいて本をながめているときに、タイトルにひかれて思わず本を手にとってしまう、という経験があります。その逆も起こりうる。ならばプラスにはたらくようにタイトルをつけたい。できるものなら、タイトルでリード(一塁ベースからの歩数稼ぎのイメージ)したい。



オレが最近やってたのは、複数の歌から言葉をとってくる方法です。例えば連作「非常識のスープ」には「非常識」を含む歌と「スープ」を含む歌があります。
これをやると、組み合わせによっては意外性がでますが「○○と××」というタイトルになりがちです。



題の付け方にはただ一つの正解があるわけではないでしょうから、これから先、いろいろ考えながらやってみたいです。




▼▼▼



【こっちもおすすめ】
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もっと賞の話がしたい!/オレの企み
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もうひとりの中城  ~世にも奇妙な歌壇批判
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短歌連作とジェンガ
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2018年5月のオレの短歌とその余談
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第57回短歌研究新人賞候補作「仙台に雪が降る」全30首
https://note.mu/mk7911/n/n58e5f4337568




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2018年01月26日

【ネットプリント読む 7】 ネプリ「else」を読んだ  ~ハンカチを拾いたいだけ、ほか

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「else」という、檀可南子さん、上本彩加さん、川上まなみさんの短歌の掲載されたネットプリントを読んだ。デザインが奈良絵里子さん。

セブンイレブンでは 66025713
ローソン、ファミリマートでは D6RYZD46HK
2月1日まで。






ネットプリント「else」、企みというか意図は色々あるのかもしれないけど、とにかく書いてある短歌を読みました。



いい匂いなのが彼氏で臭いけど嫌じゃないのが夫と思う/檀可南子「カムホーム」



わたしにも機会があって手放して羨ましいってろくでなしだね/上本彩加 「憧れの憧れ」

→こういうことあるなあ。「て」でつないでいる。「ろくでなし」は言葉としてどこまでの鋭さがあるのか、はかりかねるところがある。「ろくでなしブルース」とか思い出す。



あなたならって 新幹線が通っても案外街はくらいものだね/上本彩加「月と日限」
→前後に月の歌があり、歌からも夜であることがうかがえる。
「あなたならって 」がわかりにくいが、なにか言いかけたところか。言いかけたたころに新幹線がくる。きても明るくない街がある。
カメラが動くんですね。会話する二人→光りながらくる新幹線→それでも暗い街。
新幹線の駅ができても街はあんまり発展しなくて暗いまま、みたいにも読めるか。



二時間の話に何度も現れた長谷川くんがマジでいいヤツ/川上まなみ「この際いいとして」
→マクドナルドで話している場面からなる連作。
一方で、徹底的に悪いキモいと言われる男もいるんだろうなあ。そっちに自分を重ねたくなる。



「東宝」のオーロラみたいな画面から切り替わるときの真っ黒な画面/上本彩加「たこパとか」



ごめんって言えたらいいのにごめんって簡単過ぎてダメな気がして/檀可南子「冷めないうちに」



#カフェ巡り#安定の#アヤカ#と#カナコ#ベリーベリーパンケーキ#幸せになりたい/川上まなみ「ベリーベリー」

→インスタを意識してるんだろうけど、タグだらけの連作。そのアイデアはおもしろいんだけど、どれも同じような典型的な内容の歌なのでアイデア以上のおもしろさはない。
その上の連作の「うすむらさきの切手を貼りぬ」とかの落ち着きとの対比がある。作品に幅がある。




物分かりいいと女は幸せになれないらしい さんまが言ってた/檀可南子「今年の流行りはバーガンディー」
→この「さんまが言ってた」にびっくりした。それまで言ってたことが、これで急に薄っぺらく嘘っぽくなる。出っ歯が浮かんでくる、引き笑いが浮かんでくる。
でも、さんまにだって重ねてきた人生があるしなあ。どれくらい信用していいものか。

で、ネットプリントの二枚目にすすむわけだけど、そこに「幸せってなんだっけなんだっけ」の入った短歌が出てきて、またさんまか!!! ってなって面白かった。分かる年代は限られるだろうけど。
"いいなCM キッコーマン 特選丸大豆しょうゆ 明石家さんま 30秒" https://t.co/6MfR3UUG9t



ハンカチを拾いたいだけ 向かい側ホームの人が落としたハンカチ/檀可南子「有休はなくなりました」
→向かい側のホーム、のようなものはたくさんあって、ハンカチ、のようなものだってたくさんあるんだろう。近くてかんたんなことでも、どうしても手が届かない。
たくさんの足に踏まれてゆくハンカチ。



そんな感じです。ひとりで短い連作を五つつくるのって、大変だったんじゃないだろうか。
このネットプリント終わり。



▼▼▼



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去年の角川短歌賞の予選通過作品 50首|note(ノート)
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2018年01月22日

noteやブログ等に発表された未来賞応募作品を読みつくす

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noteやブログなどに発表された未来賞応募作を読みます。
「未来賞」とは、未来短歌会が年に一度、二十首の連作を募集しているものです。

ツイッターの検索により五つの連作が確認できたので、それらの作品を読んでいきます。



ネットプリントやnote等で発表された「短歌研究新人賞」応募作品を読みつくす https://t.co/pLBzS137WA

ネットプリントやnote等で発表された「「角川短歌賞」応募作品を読みつくす
https://t.co/3AwspYrxVr

につづく、応募作品読みつくしシリーズの、今回は第三弾です。







https://t.co/bOpq5SZIgN

【1】価格未定さんの「夏から夏へ」を読みました。
青春、恋、夏、といったものが中心になっています。ありがちなところを、変わった比喩が彩ります。

裸単騎の役満は面白いですが、アンインストールはどうでしょうか。比喩が器用すぎると青春っぽさが薄まります。電撃文庫、自転車、横断歩道の歌がいい。

似た声が聞こえ横断歩道にて立ち止まる まだ信号は青/価格未定「夏から夏へ」








https://t.co/DGSdmBLrY5
【2】ひぞのゆうこさんの「すべてが夕陽」を読みました。
短歌研究のときは精神病が題材でしたが、今回もその内容です。ですが、歌いぶりがだいぶ変化しています。

生を売る保険屋に躁鬱病の持病を告げる午後はあかるい/ひぞのゆうこ
という歌は、
はつなつのゆふべひたひを光らせて保険屋が遠き死を売りにくる/塚本邦雄
を思わせずにはいられません。並べられると力の差が見えてしまうので、並べられるほどの距離まで寄っていくのは自覚の要ることです。
「躁鬱病の持病」って「病」が重なってますね。

ほかにも「この世はなべて黙示録」とか「受罰のごとく」とか「未だなお虚無」とか、それっぽいのが見られます。
「すべてが夕陽」というタイトルは穂村弘さんと山田航さんの共著「世界中が夕焼け」を思い出させます。
何かの借り物っぽい部分ばかり気になり、この方の苦しみはなかなかこちらに伝わってきません。


こまるのは一首目。
(千年に一度のフェスタ)地震より卑近な鬱にわれは戸惑う/ひぞのゆうこ

フェスタのことも地震のことも、これ以後には出てきません。カッコ書きもここだけで、一首だけ浮いてます。鬱も地震も千年に一度じゃありませんからフェスタとは無関係ですよね。
地震をお祭りだと言ってるみたいに見えて、そうではないと分かっていてもなんだかいい気はしません。
これから二十首つづく連作のテーマにたいして「卑近」はふさわしくないでしょう。






https://t.co/5o9TuCWj4l
【3】小川けいとさんの「ある日の出来事」を読みました。
電車で人身事故に遭遇したという内容で20首つくっています。

いつ見ても決して座らず背を向けて外を見ているマスクの女/小川けいと「ある日の出来事」

がよかったです。3-6首目はうまくいってると思います。


よくない意味で気になる表現がいくつもあって、全部つっこむとオレがいじめっ子みたいだからすこしだけ。

1首目
乗り換えの駅から駅へ階段を自動制御のよう下りてゆく
は「よう下りてゆく」がひっかかります。「ように下りてゆく」ですよね。それともまさか、「よう」で切れるのか。

14首目
亡くなったみたいですよとパソコンの画面をさして教えてもらう
という歌は、ねじれています。この書き方だと、教えてもらった人が画面をさしたように読めます。「画面をさして」が荒い。「ゆびさして」を略している。


一番賛成できなかったのは19-20首目。
わたしにはまだ続いてる今日がある遥かに続くその先がある
永遠に続く明日を断ち切った人に黙祷する更衣室


自殺した人に関してこんなことを言っているわけですが、自分の人生が「遥かに続く」と信じているわけです。
「永遠に続く明日」に至っては完全に間違っています。人は死ぬのだから、永遠に続く明日などないんです。数十年のことを永遠と呼ぶんでしょうか。「永遠」という言葉が軽すぎます。「更衣室」でおさめたのはうまい。
タイトルが弱い。






https://t.co/bJCJPMGpi0
【4】しま・しましまさんの「純白の紫陽花はもう」を読みました。
入院した親のことがテーマのようなんですが、だんだんそのテーマがぼやけて日常の歌になっていきます。

もう床に届いてしまうしおり紐 午睡の父の新潮文庫の

今届いた荷物の上で署名するゆがんでいるがわたしの名前
/しま・しましま「純白の紫陽花はもう」

といった歌などがよかったです。
しおり紐の歌は子規をふまえているのでしょうか。新潮文庫はたしかに紐がありますね。「の」の連続が長くのびた紐を思わせますが、これは百人一首を踏まえているのでしょうか。
一首単位ではいい歌が多いです。







https://t.co/JTPIUEOpPM
【5】桝屋善成さんの「忘却の景色」をよみました。

悪しきたくらみひとつ遂げんとホチキスで数枚の紙重ね留めたり/桝屋善成「忘却の景色」

などがよかったです。
安定している印象を受けました。ところどころ固有名詞がわかりませんがオレの知識教養の問題です。

A-B-Aの形になっていて、これはオレの好きな形です。オレがクラシックをよく聴くことと関係あるかもしれません。ABAは変化を出しつつ統一感をだそうとするときの、ひとつの回答例でしょう。
Aは草におおわれた廃車などの景色です。二回目のAでは霧雨がきます。回帰しつつ変化もしています。
忘却ってなにを忘れるのか、敗者ってなにに負けたのか、そのへんが気になるところです。


以上五つの連作のことを書きました。




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2017年12月29日

「未来賞」をいただきました/受賞作二十首すべて見せます

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このたび、わたくし工藤吉生は二〇一七年度の「未来賞」をいただきました。
「未来」2018年1月号に選考経過と20首連作、受賞のことばが載っています。
月詠は今月から「ニューアトランティスopera」欄に移っています。10首掲載。






未来賞をいただいて、いま書きたいこと|mk7911|note(ノート)
https://t.co/65zzY7ldyB
いまの気持ちをnoteに書きました。500円でどなたでもご覧いただけます。

一部をご紹介します。







未来賞、とりましたよ。いやはやいやはや。

10月ごろに電話で知って、それから、それを叫びたくても叫べない日々が続いた。未来の1月号が正式発表で、それが出るまでは言っちゃいけないことになっていた。

言えないけどこれについてはずっと考えていた。
待ちきれない思いだった。「オレは未来賞をとったんだーーーー!!」と叫びたくてたまらなかった。

未来賞を取ると、

【1】誌面に作品や評が載る。
【2】「彗星集」から「ニューアトランティスopera」へと欄がうつる。選がなくなり、送った歌が送ったぶんだけ最大十首は載るようになる。そんな意味で結社内での環境が変化する。
【3】







以上、一部のご紹介でした。


つづきはこちらで読めます。
未来賞をいただいて、いま書きたいこと|mk7911|note(ノート)
https://t.co/65zzY7ldyB
「note」で、500円で100の記事が読める「工藤の有料マガジン」やってます。よろしくお願いいたします。

短歌を続けていくのにもなにかとお金がかかりまして、そのための知恵をしぼっているところです。
「会費が払えなくなったから」という理由で結社を退会した方もいらっしゃいます。オレには他人事とは思えないのです。これは真面目な話です。ご理解ご協力をいただければ幸いです。



また、「おめでとう」「ありがとう」「がんばれ」などなどの気持ちで缶ジュースをおごるような感覚の記事をつくりました。

工藤に缶ジュースをおごろう|mk7911|note(ノート)
https://note.mu/mk7911/n/n0671a5876c65

ここから工藤に130円を投げることができます。投げてもお礼メッセージが表示されるだけですが、こういう応援の仕方もあるよ、ということで紹介します。








さて今回は、未来賞を受賞した連作二〇首をまるごとご紹介いたします。「未来」1月号には、そのほかに「受賞のことば」や、選考経過が掲載されています。そこまではさすがにここに写せませんが、見られる方はどうぞご覧ください。
今回は蒼井杏さんと大西久美子さんとの同時受賞でした。









「うしろまえ」  工藤吉生


泳いでる海がみるみる干上がってゆく感触の果てに目覚める

休日の朝七時から一日をなぜだかあきらめてしまうんだ

十七の春に自分の一生に嫌気がさして二十年経つ

悪口を言われてる気がすることを自己紹介の途中に言った

パトカーが一台混ざりぼくたちはなんにもしてませんの二車線

電柱を登ってゆける足がかりとても届かぬ位置より生える

うしろまえ逆に着ていたTシャツがしばし生きづらかった原因

「呪われたみたいに肩がこってる」と言ったオレだがなぜ分かるのか

自己嫌悪にうっとりとしているあいだベルトゆるめに締めている手は

おそろしい形相をした歳月がうしろからくる 前からも来た

出前用バイクは昨日見た位置の五十センチほど後方にある

あたためたはずのパスタが冷たいのも自分のせいと知るべきだった

田舎芝居「平謝り」を披露してそのブザマさにより許される

まったくの時間の無駄と知っていてなお口喧嘩必殺の法

ドブに捨てるようなものだと冗談に聞こえるように言って千円

バカにしているのを見やぶられかけて次の細工は丁寧に編む

他人への刃がクシャミしたせいで自分の胸に、ほら刺さってる

目を閉じて夜の電車に乗っているできれば耳も脳も閉じたい

ぼろぼろを渡って帰る二十二時ぼろぼろは来てくれた部屋まで

死にたくて飛びこんだ海で全身を包むみたいに今日を終わらす







以上です。

いかがでしたでしょうか。

んじゃまた。


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2017年12月11日

質問に短歌で答える試みの二日目 こんな質問がきた

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質問箱への回答、二日目。
昨日から質問箱をやってるんだけど、質問がくると幸せになる。なんなんだろう。興味をもってもらってる気がするからだろうか?




何でも質問して下さい。 | https://t.co/paXCDsHvOx
askもやっている。ときどき確認するんだけど、クレクレ言わないとやっぱり何もこないね。こっちは匿名から質問できない設定になってるけど、長めにちゃんと答える。



呼びかけて質問してもらうのはちがう気がするんだけど、質問されるとさっき言ったみたいに幸せになるから、幸せになりたくてクレクレ言っちゃうわけだな。

しかし他の人もオレみたいに幸せになってるんだろうか。これはこういうふうに楽しむものなんだろうか。
これのもっと役に立つ使い方とか、みんな幸せになる使い方があるなら知りたいものだ。質問サイトってなんなんだ、と考えるとわからなくなる。

「短歌で答える」っていうのをやってるけど、これはとにかく何か揺さぶりたくてやっていることだ。この木に実があるならそれを振り落としたい。



二日目はこんな質問がきた。



ゲームアプリでオススメがあれば教えてください。31音じゃなくてもいいです。
最近は「SMASH HIT」をやってますガラスばりばり割るゲームです
https://t.co/JVVmfTfDWO https://t.co/Z5OsXNthb6





それでは31音で質問します。もし明日が人生最後の日だったらあなたは何をしたいでしょうか?
人生が今日で終わるということに一日おびえつづけるでしょう
https://t.co/Reh3SdAwxK https://t.co/Bg5vNc9nKf




短歌について。1首は作れるのですが、連作が全く作れません。コツがあったら教えてください。
連作がべつに得意じゃないオレが書いてる「作り方」ですどうぞ→ https://t.co/Ybmnow3Szj

https://t.co/OectU2iSYa https://t.co/1L2gwquvc9



これからの短歌はどうなるのでしょうか?
馬場あき子・岡井隆が死ぬことも想像できぬオレに言葉なし
https://t.co/14dt2ANVUk https://t.co/EyalITtUhm
想像できないのか、想像したくないのか。起こってみるまで、起こらないような気がするくらい。近い将来確実に起こるものも想定できないのに、あらわれるものなんてわからない。



好きな野菜はなんですか?
棒状になった野菜が入ってる「スティックサラダ」のきゅうり・にんじん
https://t.co/X4RrlOpFJ4 https://t.co/TBxm0mz8V2



最近買った一番高いものはなんですか?
光熱費・家賃・保険料・税・食費……ときどき本を買うのがやっと
https://t.co/SIEyp4lSK8 https://t.co/VZEY6I8LH4







「これからの短歌はどうなるか」は、かっこよく答えたかった質問だ。

新鋭短歌シリーズが第三期まで出たときに、第四期に誰がくるか予想したことがある。それはどこにも発表しなかったんだけど。それが見事に一人も当たらなかったんです……。先を見る目がない。
それは有料マガジンでだけ発表しようか迷ってたんだけど、名前を出された人はいい迷惑だろーなーと思って、自分だけのメモにとどめた。それを読み直したんだけど、まあー恥ずかしい。
全部ハズレたんだから、発表しなくてほんとうによかった。予想なんかしません。



しかしみなさん、いい質問しますね。おかげで気持ちよくなりました。

いつでも質問を受け付けています。
んじゃまた。



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「誰のために詠むのか」短歌投稿と選ばれるための歌 https://note.mu/mk7911/n/n58673caf4e12

第57回短歌研究新人賞候補作「仙台に雪が降る」全30首
https://t.co/2qhYBXq6hv

2017年11月のオレの短歌とその余談【前編】
https://note.mu/mk7911/n/nc25fda0f3e41


500円ですべての記事(約100記事)が読めます。
よろしくお願いいたします。



去年の角川短歌賞の予選通過作品 50首|note(ノート)
https://note.mu/mk7911/n/nd28a52e005c7
50首連作を200円で公開しています。


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2017年10月31日

オレの短歌連作の作り方

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またツイッターがらみの記事だけど、「#私の短歌連作の作り方」というタグをツイッターで見かけた。しかしタグはあってもそのタグをつけて連作のつくりかたを書いている人はいない。
書いてみたくなった。







まず歌がありますね。あるんですよ、未発表の数百首が、常に。手帳に控えてあるし、メモ帳アプリでも管理している。それを眺めて、特にいいなというのを書き抜いていく。


30首連作をつくるなら40首くらいは書き抜いておく。手書きで書き抜いているうちに傾向があることに気づく。歌にグループができる。テーマが見えてくる。同じときに同じ場所でつくった歌のまとまりがあれば、同じことについての歌があれば優先的に抜き出す。


書き抜いて集めた歌はバラバラだ。40首から30首連作をつくるのであれば10首は余裕があるわけだから、どうにも場違いな歌は除外する。場所、時間をあらわす言葉に気をつけて、操作できるものはする。いつ・どこが舞台なのか。


歌にグループができる。Aについての歌が何首、Bについて何首というふうに。
歌を並べる。Aについての歌、Bについての歌、分類できない歌をならべる。分類できないような歌も「これとこれの間に入れたらどうだろ」と試してみる。


「分類された歌を並べる」も手書きでする。この手書きというのをオレは大事にしていて、手書きしながら「ここは〈は〉じゃなくて〈が〉の方がいいんじゃないか?」「語順はこれでいいのか?」などと考えているわけです。


人によってはそこを短冊式でやってますよね。細長い紙に歌を1首ずつ書いて、それを机の上で並べかえるやり方。
オレは全部いちいち手書きする。


あとはもう探り探りやっていく。Aの歌とBの歌の間にその他の歌を入れてみるとか、Aの歌とBの歌をわざと交互に配置するとか、やっぱりBは取っ払っちゃうとか、あらたに歌を作って足したり、とにかくいじりまくる。


一日にたくさんやらないで、日をあらためながら何度も何度もやる。そのたび手書きする。


そうやっていじってるのは苦しいけど楽しいんですよ。見えてくる瞬間がある。よい順番が見えたり、歌と歌の自然な接続、自然な場面転換、足りない部分を埋める適切な一首ができたり。


そうやって毎日のようにいじりながら、締め切りがきたらそこで終わり。「これでもう動かない! 完成!」とはなかなかいかない。何度直しても、次の日にそれを見るとどこか変えたくなる。
だから、そうやって応募して落ちたら、またいじって次に応募するんです。



オレの連作はだいたい朝の歌で始まって夜の歌で終わるんですよ。2014短歌研究の候補のも、2016角川短歌賞の候補のも、去年の未来賞のやつも、みんなそうなっている。順番を考えやすいのもあるけど、そのやり方しかオレは知らないの。

長くなっちゃったけど、そんな感じでおわります。




そういえば、去年の角川短歌賞の予選通過作品「ピンクの壁」50首が200円で読めます。
https://t.co/mraWtjv3vP

いま書いてきたやり方でどんな連作ができるのか、朝の歌で始まって夜の歌で終わる様子をどうぞご覧ください。




以上です。
んじゃまた。



▼▼▼



■工藤吉生(くどうよしお)の短歌・自選50首 +プロフィール
http://blog.livedoor.jp/mk7911/archives/52107166.html

2017年7-9月の歌まとめ・20首
https://matome.naver.jp/m/odai/2150685074540729601




さっそく角川短歌賞のことを書こうじゃないか、または、オレと新人賞の六年間
https://note.mu/mk7911/n/n6b6c4aca0c22

第57回短歌研究新人賞候補作「仙台に雪が降る」全30首
https://t.co/2qhYBXq6hv

2017年9月のオレの短歌とその余談【前編】|mk7911|note(ノート)https://note.mu/mk7911/n/nd4b539b8b11c

2017年9月のオレの短歌とその余談【後編】|mk7911|note(ノート)https://note.mu/mk7911/n/n1f14c362a021

二件のいやがらせについて|mk7911|note(ノート)https://note.mu/mk7911/n/n73db516286bb


「工藤の有料マガジン」は500円ですべての記事(約100記事)が読めます。
よろしくお願いいたします。



去年の角川短歌賞の予選通過作品「ピンクの壁」50首|note(ノート)
https://note.mu/mk7911/n/nd28a52e005c7
一年経ったので、400円だったのを200円に値下げしました。よろしくお願いします。


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mk7911 at 18:56|PermalinkComments(0)

2017年04月03日

{短歌の本読む 99} 「羽根と根」5号  ~歯ブラシが恋しくなって、ほか

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「羽根と根」5号。



「学生短歌会の会員を中心に結成された短歌同人誌」。48ページ。10人の連作が載っている。



ばあちゃんがおいでおいでの振り方で手を振るいつも見送るときに/今井心「希望の方が楽しい」
→「おいでおいで」が「ばあちゃん」の気持ちなのかもしれないね。年をとると体がいうことをきかなくなり、手を振る動作ひとつにだってそれはあらわれる。



あの森でくらしてみたって歯ブラシが恋しくなってすぐに戻るさ/中村美智「きみはファンキーモンキーベイベー」
→「歯ブラシ」がおもしろい。森が人のいない場所や自然をあらわすとすれば、歯ブラシが現代の人間の暮らしを代表しているわけだ。
「すぐに戻るさ」は人間側/現代側の声だ。おのれの優位を確信していて余裕がある口調だ。人は「森」からいかに遠くまできたことか。



あなたって人はほんとに夕映えのサル山にかがやく野菜くず/中村美智「きみはファンキーモンキーベイベー」
→二句までは、あきれた相手に対する説教の冒頭のようだ。そこから転じて遠くにあるものにズームしていく。くずではあるが汚いだけではく、夕映えにかがやいている。小言がはじまりそうだが、相手の輝きを見逃してはいない。



近況は途中で爪にある白いところがないって話に変わる/牛尾今日子「にんにくを刻む」
→ひさびさに会った人なのだろうか、近況を報告しあっている。話題はいつのまにかまったく違うものになる。この飛躍があるあるでおもしろい。
「爪にある白いところがない」は、「ある」と言ったり「ない」と言ったりする、いそがしい言い回しだ。あるはずのものがない。



マンホールの蓋を踏まずに歩いていくルールあなたと別れた後に/牛尾今日子「にんにくを刻む」
→小学校のころにそういうのやったけどね。マンホール踏むと減点で、草を踏むと得点になるとかそういうの。
自分ひとりの決めたルールで、自分ひとりが行動する。これも孤独のかたちだと思う。あるいはこれはこれで楽しいのかもしれないけれど。



髪の毛をふわふわなぞる なぞなぞに燃える水族館と答える/橋爪志保「世界中の鳥の名前」
→「ふわふわ」からの「なぞなぞ」であり、「なぞる」からの「なぞなぞ」でもある。
「燃える水族館」が答えになるなぞなぞってなんだろう。この答えが合っているのかもわからないし、謎が深い。そして詩もある。水族館はどんなふうに燃えるのだろう、そのとき魚たちは。
25年くらい前に海外ドラマ「アルフ」で、「中央消防署が火事だ」で終わるジョークを聞いたことがある。

あとになって、「上は大火事、下は洪水なーんだ」のなぞなぞだとわかったけど、わかる前のほうがこの歌はおもしろかった。
そういうことは時々ある。わからなさを愛してしまう。



ここにいていいここにいていいここにいていいと僕は僕の声で僕のために僕に/服部恵典「これは短歌ではない」
→短歌ではないと書いてあっても、流れで短歌として読んだ。そうは言っても短歌でしょうと。
「これは短歌ではない」と言われそうな長さの作品に、まえもってこういうタイトルがついている。

この歌は途中まではなんとか短歌っぽく読めるんだけど、最後のほうで堤防が決壊したみたいに「僕」があふれだす。
「て」はそうでもないけど、「こ」「に」「い」は短い線からできているひらがなで、縦書きで見ると羽根が舞っているように見える。認められたがっている「僕」の上に、羽根はやさしく舞い降りている。



自習する時間を人は窓に向くときおり鳥の眼差しをして/坂井ユリ「花器の欠片が散らばるごとく」

自らの醜さわらうおおよそのことはわらえば閉ざしうるから/坂井ユリ「花器の欠片が散らばるごとく」


ストーリーのよく見える連作だった。どこかひんやりとした読後感があった。



秋晴れの改札口を抜けてきてあなたが持ってくる自撮り棒/阿波野巧也「大技」
→どんどん狭くなってくるというか、しぼられてくる歌だ。
秋晴れはひろびろとしているが、改札口で人ひとりの通れる程度の狭さになり、人ひとりになり、自撮り棒になる。自撮り写真に秋晴れは写らないだろうなあ。



この部屋で死んだら発見者は何を避けて何なら踏むんだろうか/佐伯紺「いつでも急な雨に備えて」
→自分以外に誰も来ることのない、足の踏み場のない散らかった部屋であることが、そう言わなくてもわかる。自分の死のことは置いておいて、踏まれる部屋のことを考えている。

気の利いた返しは夜になってから出てきて湯船あわだてている/佐伯紺「いつでも急な雨に備えて」
→うまく返せずに帰宅して、お風呂のなかで気の利いた返しを考えついたんだね。そういうことはオレにもある。くやしい時間だ。

床が広がってくる代わりにテーブルが散らかってきて夏は終わった/佐伯紺「いつでも急な雨に備えて」
→連作のはじめのほうで足の踏み場のない散らかった部屋を出してあったから、終盤のこういう歌が生きる。
片付けを思い立った夏だったのだろう。掃除すると部屋が広く感じるものだが、広がったのは床だけで、テーブルは散らかった。きっと、テーブルを片付けると床が散らかり元通りになるのだろう……。

どこで区切ると自然なんだろうと考えて、「床が広がっ」までを初句ととらえればよいという考えに至った。床とともに、初句も広がった。

この連作では、物を忘れるなどのダメな生活ぶりが詠まれているが、楽しそうだ。




▼▼



2017年3月の出来事を振り返ってあれこれ言う【前編】|mk7911|note(ノート)https://note.mu/mk7911/n/n02d1ecfcd4aa

「やめたい」と書きたい|mk7911|note(ノート)https://note.mu/mk7911/n/na34b71807522

抜け出したいという話|mk7911|note(ノート)https://note.mu/mk7911/n/n3e29a2c9d9c3

成人病予防健診に行って、最悪だった話|mk7911|note(ノート)https://note.mu/mk7911/n/n825cec319cde

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工藤の有料マガジン【500円】やってます。


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2016年12月25日

角川短歌賞を予選通過した連作50首に関するお知らせです!!

お知らせです。




角川短歌賞予選通過作品「ピンクの壁」50首をnoteで有料公開しました。角川「短歌」11月号の選考座談会と合わせて読むと、より楽しめるかも?
400円。紙で縦書きで読めるネットプリントの番号付き。

https://note.mu/mk7911/n/nd28a52e005c7

よろしくお願いします。



関連記事

角川短歌賞で予選通過しましたよ : ▼存在しない何かへの憧れ http://blog.livedoor.jp/mk7911/archives/52178132.html


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mk7911 at 06:23|PermalinkComments(0)

2016年10月25日

角川短歌賞で予選通過しましたよ

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いやいやいやいやいや。
角川短歌賞ですよ。



順番に話す。


仕事はたまたま休みだった。朝からずっと角川のことを考えていた。風呂に入って身を清めてから9時50分に家を出た。
10時ちょいすぎに本屋に入った。

まだ角川「短歌」10月号があった。
がっかりするよ。なにがヒューモアだよ。なんにも笑えない。ほのぼのしない。オレがほしいのは11月号だ。
なんてこった。ぼうぜんとした。

うろうろしていたら、店員がこれからならべるらしい本を乗せたラックに11月号があった!
店員の男性はよそ見しながらおしゃべりしてチンタラやっていた。おいおい。
男性がよそ見している間に11月号をラックから取って立ち読みした。盗んだみたいでちょっと気持ちよかった。


この、新人賞発表号で自分の名前を探すときというのは、何回経験してもドキドキするものだ。おそるおそる、しかし急いでめくる。

そしたら! 
候補者一覧にオレの名前があった。○がひとつついていた。

わーっ。

ああもう、それだけでかなりうれしい。
2012、2013、2014、2015、ずっと角川では予選落ちだったのだ。合計200首をここへ沈めてきたオレだ。
新人賞ぜんぶ合わせれば700首くらい投じてきた。
20回近く新人賞に応募してきて、一昨年に一度短歌研究で候補になった以外はことごとく予選落ちしてきたのだ。編集部が予選するタイプの新人賞ではいままで全滅、予選通過率0%だった。

おお、ちょっと報われた気分。



さっそく本を買って、外へ出て座って、お知らせアカウントからツイートした。

本日発売の角川「短歌」11月号の角川短歌賞ですが、はじめてこの賞で予選を通過しました。そして東直子さんに○をいただきました。励みになる貴重な一票です。ありがとうございました。

なんと謙虚なツイート。幸せなときのオレは謙虚なのだ。


と、しみじみ本をながめていたら、オレの歌も選考座談会で議論されていた。びっくりした。
今まで言われたことないようなことを言われていた。これは時間をかけて考えていくことだ。

2014年の短歌研究新人賞候補のときにも経験したけど、こういうのはありがたいけど同時に重苦しいものだ。大きな宿題をいただいた。
2014年にはうれしさの割合がかなり高くて、喜び70、くやしさ10、重圧20くらいだったが、今回は重圧も大きい。
うれしいけど、作品は50首連作が14首抜粋されてバラバラに載っている。こういうのは「作品を発表した」とは言えないでしょう。とてもゴールにはなりえない。達成とは言いがたい。喜びは40、くやしさ20、重圧40。合計すると不満のほうが高い。
オレの歌についての座談は98~99ページで、ちょうど見開きになっている。そこばかり見ていた。そしたら肩がこった。まだこっている。


選考座談会では職業についての話が多かったな。短歌のテレビ番組に出ているタレントさんも予選に残った。おもしろいものが読めるなら歓迎だ。

そんな華やかな場でオレは「負け犬感」とか言われていて、あらためて自分の負け犬ぶりを思った。自分でなんとなくはわかってても人からは言われたことのないことというのがあり、それを言われる数少ない機会がこういう場所にはある。







辻井さんとか清水さんとか竹内さんとか、まだここに応募してくるんだな。もっと先にいる人かと思った。
歌集を出すと新人賞から遠ざかることが多い。歌集を出したら新人賞に出してはいけない、という規定はないが、なんとなくそうなっていて、そうなっていないのを見ると「あれ?」ってなる。
そのへんはうやむやで、オレにそれ以上言えることはない。オレは心のなかで「あれ?」と言うだけだ。







オレも50首載せたかったなあ。そんな量を一度に載せたことなんかないよ。
「佳作」が遠い。「佳作」がうらやましい。

ところで「佳作」の意味が短歌研究新人賞とはちがうな。


▼短歌研究新人賞の場合
予選通過(全体の8割は通過する) 2首掲載
→佳作(50作くらい) 5首掲載
→最終選考通過(10~15程度?) 10首掲載
→候補作(5~10程度?) 13首+α掲載
→次席(0~2) 30首掲載
→受賞(0~2) 30首掲載

って感じか。年によって違うけど。
オレが経験あるのは「候補作」。13首+5首掲載された。
+αっていうのは、選考座談会でだけ引用される歌もあるということ。


▼角川短歌賞の場合
予選通過(30前後?) 0首掲載
→予選通過で○あり(15前後?) 0首+α掲載
→佳作(5前後?) 50首掲載
→次席(0~2) 50首掲載
→受賞(0~2) 50首掲載

「予選通過」といっても、タイトルと作者名が小さく出るだけのやつと、○があって座談会で言及されるやつがある。どちらも同じ「予選通過」という名称なのはちょっとアレだな。○がある場合は「候補作」とか呼んで区別されてもいいのかも。

短歌研究の「予選通過」は全体の8割を超えるからショボいが、角川の「予選通過」は全体の数%だから狭き門だ。
短歌研究の「佳作」は数十人いるが、角川の「佳作」は数人だ。5首掲載と50首掲載なのも、えらくちがう。


短歌研究新人賞みたいな、ほとんどの応募者の作品が少しずつ載る新人賞は特殊で、「歌壇賞」もオレの知ってる「塔」とかの結社賞も後者の角川短歌賞に近いしぼり方をする。
つまり、20作とか30作程度にまずしぼる。そこから漏れると「さようなら 残念でした またどうぞ」だ。全部掲載されるかそれとも掲載されないかがハッキリしている。

オレは今回いいところまではいったが、掲載されない側という結果だ。あれを掲載というなら掲載されたとも言えるが。でも、タイトル「ピンクの壁」を含む歌も載っていないんだぞ。







ああ、こういうときについてくるのが「中途半端に掲載された連作はその後どうするのか問題」だ。

2014年の短歌研究もそうだったが、掲載されぬ36首をどうしようか。この50首連作をどうしようか。通して読んでみると自分ではおもしろくて、なんとかしたくなる。


2014年夏に短歌研究新人賞候補になった「仙台に雪が降る」30首は、2015年二月に印刷した「工藤吉生短歌集」に完全版30首を載せた。発表まで半年あけたわけだ。
有料マガジンには今年五月に載せた。すなわちネット公開まで1年9ヶ月かけたわけだ。

第57回短歌研究新人賞候補作「仙台に雪が降る」全30首 https://note.mu/mk7911/n/n58e5f4337568
500円ですべて読めるnoteのマガジン。


今回はどうしよう。何かの機会にあたためておこう。すくなくとも簡単に無料で公開したりはしない。
「このツイートが20いいねされたら有料マガジンで公開します。100いいねされたらブログで無料公開します」
なんてのを考えたが、考えただけだ。人を使って試すようなことはしない。自分で決めることだ。






どうでもいいけど、25年後とか30年後の新人賞は誰が審査するんだろうって考えてたよ。妄想の遊戯だけども。治郎さんも穂村さんも亡くなってるかもしれないと思うと、歌壇がえらくさびしく感じる。

考えの発端は「選考委員が応募者の職業を知りたがるけれども、たとえば斉藤斎藤さんが選考委員でもそういうことを求めてくるだろうか」ってところからだった。



オレが妄想した2040年の新人賞選考委員

というのを書こうかと思ったが、いやいや、ここには書かないよ。サブのブログに書くから、物好きな人が探してください。



いろいろ書いたけど、あなたの知りたいことをオレはちゃんと書いたんでしょうか。


んじゃまた。






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mk7911 at 21:33|PermalinkComments(0)