NTTについて17で書いた一件は、解決まで大分時間がかかり長くNTTと話し合うようになる。
その間に、I総務課長当時からこんな話しをされる。鴻池さん、うちはボールペンや鉛筆を大量に使うんですよ。鴻池さんが仕入れられるならうちでいくらでも引き取りますよ。
私はカッとなり、ふざけるな、俺は文房具屋じゃないと言うとI課長は意外な顔をして、それでもすみませんでしたと言った。
後でわかったことだが、総会屋や右翼、同和関係者から何か問題があると、そんな風にして解決していたようだ。だから私が断ったことが不思議だったらしい。
残念ながら、私は商人の真似事はしない主義だから仕方ない。しかし、NTTから見れば金になることなら何でもするのが、闇社会の人間だと認識していたらしい。
当時は、そんな私にI課長は新鮮なものを感じていたらしいが、それが後に腐れ縁とNTT内で言われ、グルだと言われる私とI課長(後の部長)の関係になるとは想像もしていなかった。
その後彼は、部長になりNTTの分割に伴い持ち株会社に所属する。不思議なのは、十年前に五十五歳で早期退職し、子会社に再就職しても、いつも肩書は持ち株会社の部長であったこと。
本人は、本籍〇〇子会社、現住所持ち株会社なんですなんてとぼけていたが、時々真顔で、これも鴻池さんのお陰ですと言っていた。どういう意味だったんだろう。
そういえば、かってある役員が言っていた。うちの(持ち株会社)総務はゲシュタボだと。
また話しがそれたが、三浦部長とはこんな約束をする。
林哲也は切る。林哲也の会社のお弁当自販機がNTTグループの各社ビルに入っているが、一年以内に全て契約を打ち切り撤去する。いきなり全て契約を打ち切りるのは、まわりから不自然と思われるのでと。
私は、間違いなく林哲也との関係を断つことを条件に、了解する。
これにより、林哲也のビジネスは崩壊してしまうが、ここまでしたのは私なりに訳がある。
林哲也とは、これ以前に旨くいっていないことは書いた。理由は、しばらく前に私がヤクザ現役時代の兄弟分を林哲也に紹介したことに端を発している。
林哲也の会社に、大勢の暴力団が乗り込んできたことがあった。連絡を受けた私は、すぐに林哲也の会社に行った。会社は鍵が掛かって誰も居ない。携帯に連絡すると、怖くて社員と共に近くの喫茶店に隠れていたとのこと。
私はすぐに、その暴力団が置いていった名刺の電話番号に連絡を入れ、話し合うことにした。
相手の暴力団は、とにかく林哲也と直接話しをさせて欲しいと言ってきた。私は私が一緒にいるかぎり手足を出さない(暴力を振るわない)ことを条件に、日時を決め林哲也とその暴力団が話し合うことにさせる。この場合、この話し合いの場で如何なる話し合いになろうとも暴力を振るわないという掟がある。
しかし、林哲也は気が小さくて私一人の付き添いに、不安がっていた。私も話し合いさせると約束した以上、約束の場に林哲也を連れて行かなければ恥をかいたでは済まされない。
林哲也を安心させるため、昔の兄弟分に約束した相手の会社ビル一階にある喫茶店に、若い衆数名と居てもらうことにした。
私達がそこに到着すると、兄弟分らが喫茶店のガラス越しに屯しているのが見えた。林哲也も幾分安心したようであった。
この話し合いの内容は、ここでは省く。とにかく解決は後にさせる。
これを期に、兄弟分にも幾らかの顧問料を貰えないか相談すると、林哲也はすぐに了解した。その代わり顧問料は払うが、兄弟分とは一切会わないと言われる。その筋の人とは私を介してしか付き合わないとのこと。
それから暫くして、林哲也と児島NTT社長(当時)の銀座にある愛人の店で待ち合わせした時、私が銀座のカフェでお茶をしていると、兄弟分から電話があった。
何してるのかという、何気ない会話であったが、私が林哲也と待ち合わせていると言うと、大変な勢いで兄弟分は林哲也に顧問料の礼を言わせてくれと言ってきた。魂胆は分かっていたが、私は会わせたい気になっていた。
林哲也に電話すると、不承不承承諾した。兄弟分に待ち合わせの店と時間を教え、現場で直接会うことにした。
約束の時間に、児島社長の愛人の店に行くと、兄弟分はすでに来ていた。そんなところに、気をつけろと友人から日頃言われていたが、私にはそんなところが、兄弟分の稚拙なところと気にならなかった。むしろそれでは、優秀で常識ある人の信頼は得られないと、鷹を括っていた。
だからそれ以後、ゴルフをしない私に代わって兄弟分が林哲也とゴルフをするのも、良かったと思ったくらいだ。
それがいつの間にか、私を外して二人でコソコソするようになる。私の耳に二人が様々な悪口を言っているという話しも入ってくる。
お弁当の自販機を売ろうとしない私に対し、この自販機販売に意欲的な兄弟分に現役ヤクザなら色んなコネがあるだろうと期待したようであった。
二、三のトラブルがあった。中でも、私が林哲也との仁義から、NTT幹部らとどんなに親しくなっても、決して足を踏み入れることのなかったNTT本社に足を踏み入れる原因となったこと、公衆電話のプリペイドカード特許権で三浦部長が林哲也を通して使ったヤクザがその兄弟分であった。
だから私は、林哲也の会社に行き、現役の兄弟分が良ければどうぞ、私は手を引くからと言った時、林哲也が宗さん、うちは今まで通り顧問料を払うんですよと言った時、ふざけるな、俺は犬じゃあない、目の前に肉をぶら下げられても尻尾を振ったりしないぞと言って、縁切りを宣言した。
これ以降、NTTを介して私と林哲也、私の元兄弟分連合との戦いが始まり、私が勝利することになる。
これにより、林哲也の会社潰れ、夜逃げすることになり、林哲也が大金持ちと勘違いしていた兄弟分は林哲也に言われるまま、方々から金を借りてやり借金だらけになる。
見苦しかったのは、夜逃げした林哲也を探し、若い衆を使って追い込みをかけた元兄弟分。その後、自分が借金で追い込みを掛けられ破門になり、非業の死を迎える。