先日も書きましたが、1617日に欧州財相会議がありますが、そこに異例なのですが、米国のガイトナー財務長官が参加します。

異例なくらい、欧州の状況が切迫しているということの裏返しでしょう。

 

昨日は、ガイトナーからの一つ目の贈り物が届きました。

それは、ECBと他の4つの中央銀行によるドルの3ヶ月物無制限供給です。

これは、安全弁のようなものです。

 

ずばり言えば、欧州の銀行は、意地でも、この制度を使わないと思います。

中央銀行に「うちは、自力でドル調達できませんから、ドルを貸してください」なんて言いません。

そんなことが世間にばれたら、「あそこは、やばいんじゃないの!」って陰で言われ、株価は下落し、信用力が落ちてしまうのです。

ですから、この制度は、あくまで安全弁に過ぎません。

唯一、可能性があるとすれば、(根回しでもして)欧州の主要銀行がすべてこの制度を利用する場合は、問題になりません。

そんなことがあるかどうかわかりませんが。

 

ここまでは、すでに、皆様も、市場も知っており、マーケットにも織り込まれています。

 

しかし、ガイトナーさんは、ワシントンからわざわざポーランドまでやってきて、他国の財相会議に参加するのですから、これだけでは終わりません。

ガイトナーからの二つ目のプレゼントがあるのではと言われています。

 

それは、欧州版TALFを提案すると思われます(なつかしいですね)。

 

TALFTerm  Asset-Backed Securities Loan Facility)とは、資産担保証券融資制度というものです。

これは、学資ローン、自動車ローン、クレジットカードローンなどを担保にした資産担保証券(AAA格)を持っている投資家には、その資産担保証券を担保にして、NY連銀が融資をしますよという制度です。

この投資家は、ノン・リコース・ベースで資産担保証券の市場価格分の融資を受けることが出来るのです。

この制度によって、今まで、この資産担保証券が売れなかったので(誰もリスクをとらないため買い手が不在)、結果として、新たに各種ローンを組むことが出来ず、消費者などが各種ローンを利用できなかったのです。

これを正常化しようと、TALFなるものが登場したのです。

メリットは、資産担保証券があれば、連銀がすぐにノンリコで融資をしてくれることでした。

 

これを欧州で行おうというわけです。

要は、イタリアとスペインに必要な資金提供できるようにユーロ圏でのTALFを作ろうということです。

具体的には、EFSFECBから融資を受けて国債を買うのです。

そして、購入したイタリア国債などを担保に入れるのです。

であれば、議会の面倒な(時間のかかる)手続きも必要ありません。

ポイントは、機動性を増すことです。

ただ、そうなるとEFSFの機能が問題になってくるのですが、EFSFEMF化すれば問題は解決するでしょう。

 

ともかく、重要なことは、市場の動きを見てから対策を考えるのではなく、市場の混乱に対応できる制度を作ることです。

そのためには、イタリアとスペインの国債を大量に購入する仕組みを作ることです。

 

これが、ガイトナーが提案する贈り物だと思います。

もちろん、こんな簡単にはいかないでしょうが、安全弁を多く作っておくことが、2008年の金融危機の教訓なのです。

 

安全弁が出来たとしても、マーケットはどう反応するのでしょうか。

長期的に、問題が未解決なのは、分かっているのですが、短期的に、ここ12週間をどう考えるのか。

次の市場の動向に注目しています。

VIX30割れるかどうか。

S&P5001230を超えるかどうか。

 

良い週末を。