本日の話題は、米銀のCDSに注目が集まっています。

BBGによりますと、今朝の時点での各銀行のCDSは下記のようになります。


MS
  555

BAC  463

GS  359

C   359

JPM   181

WFC   176

となっています。

 

では、なぜ、米銀のCDSが悪化しているのか、説明してみます。

昨日もちょっと書きましたので、基本は同じなのですが、多少詳しく説明してみます。

 

まず、よく言われているのが、MSによる欧州関連の資産を大量に保有しているから、CDSが高いのだということです。

が、これは、おかしな話で、もし、事実であれば、欧州が悪いということになり、そうであれば、欧州勢のCDSがもっと悪化しているはずです。

だから、これは、理由としてはおかしいのです。

 

 

問題は、やはり米国の住宅問題だと思います。

FHFA(米連邦住宅金融局)が、MBSの販売に不正があったとして、17社を提訴しました。

つまり、ファニーメイやフレディマックは、これらのMBSの引き取りによって莫大な損失を抱えているので、彼らに代わって、FHFA17社を訴えたのです。

この訴訟が、今回のCDSに大きな影響を与えたわけではありません。

影響があるとすれば、BACくらいです(総額303億ドル:メリルとバンカメの合計金額)。

JPMは、ベア・スターンズの分がありますが、こちらは、買収時に約3兆円分まで、政府が保証してくれていますので、問題になりません。

 

問題なのは、住宅ローン関係のCDOを組成して販売していたのですが、これも、販売に関して不正があったのではと訴訟される可能性があるようです。

CDOのプライマリーでの販売に熱心であったのは、証券大手5社でした。

GSは、あまり熱心ではなく、リーマンは、すでに、存在せず、ベアはJPMが買ったのですが、上記理由で問題がありません。

残るは、メリルリンチとモルガン・スタンレーです。

どうも、この辺に、住宅問題による信用力の低下の原因があるようです。

 

もっと簡単に言えば、住宅価格が戻らないからこそ起きている問題といえます。

 

次に、地方債のデフォルト懸念があります。

州は、基本的に、連邦政府からのミルク補給によって、最終的に不足分を埋め合わせています。

が、連邦政府にお金がないことが、ばれてしまい、簡単に、連邦政府から地方政府に資金が融通されないとの懸念が大きいのです。

もちろん、予算ですから、国会を通す必要がありますから、話が厄介なわけです。

これは、米銀全体のリスクを押し上げます。

 

最後は、関連しているのですが、連邦政府にお金がないため、TARPのようなセーフティネットを作れないかもしれないという懸念が大きいわけです。

CDS300を超えてきますと、資本増強が視野に入ります。

しかも、SWFとかが資金を出してくれれば良いのですが、市場からの資金調達は、極めて困難な状況です。

となれば、公的資金しかありません。

が、米国では、その公的資金すら、簡単には出てきません。

債務上限の問題がここでも効いています。

加えて、ウォール街の座り込みというかデモが問題に拍車をかけています。

このデモは、鎮静化するどころか、拡大しているのです。

こんな時に、ウォール街に税金投入なんて、それこそ、GSのビルに火炎瓶でも投げられかねません。

 

ということで、MSやらBACやら、大変なことになっているのだと思います。