ご存知の通り、イタリア国債の暴落の影響は大きかったようです。

私は、イタリア国債の7% 超えについては、多くの方が予想していたであろうから、それほど驚くことではないのではないかと考えていました。

が、ちょっと、考えがあまかったようです(すいません)。

現実的に、イタリアは、このままですと、調達コストが高いままですので、ますます、累積債務が増えますし、市場からの資金調達も容易ではありません。

 

過去のギリシャなどのパターンでは、ここから、催促相場的に売られて、9%から10%ゾーンに達して、ようやく、金融支援を要請していました。

イタリアは、巨大ですから、簡単に金融支援とはいかないのかもしれませんが、短期的処方箋としては、ECBがイタリア国債を買うしかありません。

大事なことは、オバマ大統領も言っていましたが、ユーロが一丸となって、このイタリア問題を解決するかどうかです。

ECBEFSFIMFが協調して支援するしかありません。

ECBの購入は継続してもらうとしても、その間に、IMFEFSFにより、短期的に、低利で融資して、調達コストを下げて財政を立て直すというのが最良策だと思われます。

そもそも、プライマリーバランスが黒字の国ですからね。

ただ、そうは言っても、イタリアの国債発行残高は200兆円もあるので、できるだけ早期に市場調達できるように、市場の信認を得る必要があります。

そのためには、今のイタリアの信用力では、お話になりませんから、ECBEFSFIMFに信用供与してもらうしか方法はありません。

ともかく、このイタリアの混乱を落ち着かせるには、

  1. ECBによるイタリア国債の買い継続 =====>先週の約1兆円のソブリン債の購入では十分でない
  2. イタリア国内の政治の安定      =====>マリオ・モンティ元欧州委員が首相候補(暫定政権)
  3. EFSFの拡充案の決定        =====>月内に決定する予定

が必要です。

逆に言えば、これらが実現できなければ、先行きは暗いですよね。

特に、政治に対する信用回復は急務かもしれません。

 

もう一点、期待できることと言えば、上記3に関わるのですが、中国やロシア、そして日本などの域外の資金がEFSFのレバレッジの資金を融資することを宣言することでしょうか。

こちらは、外交問題(特に中国やロシアなど)も絡むので、どうなるのか分かりませんが、融資の資金を出すということを宣言すると、効果があるとは思います。

 

最後に、くどいのですが、この混乱を招いている原因は、言ってしまえば、欧州の合意事項にあるのです。

つまり、銀行のコアTier19%以上にするということを決めたことが元々も原因です。

銀行は、公的資金の注入を嫌い、市場からの資金調達が困難ですので、資産圧縮をして、配当を減らし、ボーナス減らすなど内部留保が厚くなるように努めています。

その資産圧縮こそが、ソブリン債の売却につながっているのです。

(もちろん、ドル調達が困難ですからドル資産も売却しようとしています。)

ユーロの失敗は、銀行に強制的に公的資金を入れなかったことかもしれません。

もちろん、各国政府にそんな資金がないので、そんな大量の公的資金を注入することができないことこそが問題なのですが。

 

変な話、お金がなく食べ物を買えず、たこが自分の足を食べているようなものですね(ちょいと喩えが変か?)。

 

今後のスケジュールですが、EBA(欧州銀行監督機構)は、前回6月末の市場価格を基準に1060億ユーロの資本増強が必要と試算しましたが、11月中旬には、9月末の値段を基準に資本増強額を算出して、各銀行へ通達します。

 

また、各銀行は1225日までに、各国政府に資産売却計画を提出することになっています。

ここで、提出する計画で承認されたものは、実行しなければなりません。

逆にこの計画で、たとえば、イタリア国債50億ユーロ売却とか出すと、もちろん、承認なんてされないでしょうから、売却することが出来なくなります。

ですから、銀行は、それまでに、出来るだけ資産を売却しておこうと必死なわけです。

1225日が期限ということは、ほぼ11月中、遅くとも、12月初旬には、資産売却を終えているはずです。

 

このような11月中旬に出てくる増資額、1225日に提出する資産売却計画というスケジュールを考えますと、資産売却も、78合目かなとも思いますね。

欧州の銀行の流動性資産の売却が峠を越える頃には(多分、11月下旬)、EFSFのレバレッジ案も発表されますし、中国なども手を上げるかも知れません。

 

目先、年内の市場は、ダウンサイドリスクよりも、アップサイドのリスクの方が大きいような気がしています(相変わらずですが)。