季節柄、すっかり遅くなってしまいました。
結構、(予想に反して)街には人が出ていますね。
昨晩の格付け機関のユーロ諸国の格下げ警告のおかげで、マーケットは、やや動揺したようです。
もちろん、ムーディーズの言い分も分かります。
簡単に言えば、EU首脳会議では、大したこと決まっていないということです。
確かに、市場が期待している共同債の発行は、ドイツの反対で実現しそうにありません。
格下げとなると、フランスは現在の「AAA」から2段階下がるのではと言われており、「AA または Aa2」になりそうです。
となりますと、フランスの銀行の格付けも下がる可能性が強く(基本、パラレルの関係)、BNPパリバ、ソシエテジェネラル、クレディアグリコールも、もう一段、格下げの可能性があります。
ということで、これらの銀行のCDSが大きく上昇したわけです。
大事なことは、今までは、欧州の危機といえば、欧州銀のCDSも上昇したのですが、それ以上に、米銀のCDSが上昇していました。
詳細は「ガイトナーの訪欧こそ欧州危機の真実」を読んでいただければ、なぜ、米銀のCDSが高くなるのかわります。
しかし、今回は米銀のCDSは上昇するどころか低下しており、欧州銀、特にフランス、スペイン、イタリアの銀行のCDSが大きく上昇したのです。
ということは、今までと異なるパターンであることがわかります。
今までは、欧州のシステマティックリスクの存在が大きく、その結果、米銀の受ける影響が大きかったと思われます。
今回(昨晩)は、あくまで、個別の格付けの問題で、それがシステマティックリスクではないので、米銀のクレジット(信用)に影響がないのだということだと思います。
確かに、格付け会社が言うように、問題は解決していないのかもしれませんが(特に財政問題)、システマティックリスクは、以前よりも、軽減されているのも事実だと思います。
これは、やはり、ECBによる資金供給政策が大きいのではないかと考えます。
昨晩も書きましたが、ECBは3年物のユーロを、そして、3ヶ月物のドルを、無制限に供給するのです。
加えて、これが一番大きい影響があると思いますが、銀行がECBから資金を借り入れる時の担保の条件を「AA」以上から「A」以上に緩和しました、。
これで、ほぼ銀行が資金に行き詰ることは、当面ありません。
多分、格付けの格下げを、事前に織り込んだ措置だったのかもしれません。
ということは、格下げを受けて、個別では影響があるかもということで、一部の欧州の銀行のCDSが上昇したのですが、システマティックリスクは、すでに、安全弁が設けられているということです。
つまり、「金融システムは、何としても守るぞ」というECBのメッセージなのです。
そう考えると、米国のVIX指数が落ち着いてきているのも、理解できるのではないでしょうか。
もちろん、今すぐに上がるとは思いませんが、米国の経済指標を見る限り、ECBの金融システムへのコミットメントを考えると、そうそう下値ばかり見ていてはと思います。
リスクとしては、欧州の財政問題は引き続き残りますが…
よって、市場は、ECBが財政へのコミットメント(財政を支援するための国債買取)がないことへの不満が多いのですが、これは、ECBの管轄外で、バイトマンドイツ連銀総裁の言う「財政の責任はECBにはなく、各国政府にある」ということなのでしょう(頑固ですよね)。
この融通の利かないドイツ政府やECBも、もし、景気が悪くなれば(インフレ率が低下して、デフレ圧力が高まれば)、ECBが、金融政策(緩和策)として、国債の買取を行うことを許容するのだと思います。
そうせざるを得ないはずです(もし、しなかったら、恐慌行きですよ)。
今の国債買取(週最大200億ユーロまで)も、大儀は、金融安定化のためです(財政のためではありません)。
欧州の景気が悪くなって、一番困るのは、ドイツなのですからね。