ブルームバーグによりますと、TOPIX構成銘柄1671社は計105兆2000億円の現金を保有しているようです。
これは、時価総額の41%に相当します。
PBRは、0.86倍と20年ぶりの低水準になっています。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M7Y7FF6S972G01.html
以前もこの低PBRについては、書いたのですが、なぜ、こんなにPBRが低いのか。
諸説あります。
1、 世界的なリスクオフ状態で、日本株が敬遠されている
これは、日本株が売られ過ぎということです。
今が、異常な状態で、そのうち、例えば、欧州が落ち着けば、日本株が戻るであろうという考えです。
事実、ストラテジスト予想では、TOPIXは年末までに900に上昇する見通しだとか(今から24%UP)…
2、 現金を大量に保有しているということは、成長率が低いということ
つまり、現金を保有していても、現金を使う有効な投資先がないということです。
株主批判を回避するためにも、配当を少しずつ増やしていくのです。
配当が増えるということは、成長より安定を重視しています。
また、欧米の投資家の中には、100億円の現金を保有していても、現金の50%とか70%しか、資産として計算しないという独自のモデルを持っているところも多いようです。
3、 今後の日本の見通しが悪いことを示唆している
世界的に、企業の現金比率は高まりつつあるものの、日本のそれは、抜きん出て高く、それだけ、企業が保守的になっており、それを市場が低評価するということは、今後の見通しが、悪いことを株価が示唆しているということです。
つまり、今後、純資産が減少するかもしれないと、市場が想定しているということです。
もっとも、多数派意見は、1で、今が割安説です。
多くのストラテジストもこの説を支持しているようです。
逆に3は、少数派ですね。
株式の先見性を重視しているわけです。
2については、成長分野の欠如で、現金で持っていても、がんばっても、JGB並みのリターンしか得れないわけです。
現金の有効利用になっていないのです。
それだけ、日本の成長率が低いということで、単純に、純資産を計算するのではなく、資産の内容によって、掛け目をつけて、純資産を計算するのです。
私は、2を支持しています。
成長性がないということは現金比率が高くなりやすいということです。
それは、需要が見込めないので、設備投資も少なくなりますね。
これでは、銀行の融資なんて増えるわけがありません。
したがって、銀行は、国債を買うのです。
いずれにしても、低PBRは、単に「割安」という理由で片付けない方がいいような気がします。
もっとも、単に「割安」であれば、それはそれでいいことですが。
うたた今昔の感がありますなぁ。
うん。 このままいけば世界が日本の手中に転がり込んでくるかも、かも、かもん。