バーナンキ議長がミシガン大学で講演しました。

3点ほど面白いことを言っていましたので、ちょっと書いて見ます。

 

まず、FRBの独立性についてです。

米国には、FRB監査法案というのがありく、FRBの決定に対して不服申し立てのようなことができ、その結果、監査をすることができる法案だそうです。

バーナンキ議長が言うには、金融政策は、目先の政治的配慮で決めるのではなく長期的な視野で決めることが望ましいという考え方が全世界で非常に強く支持されているとのことです。

中銀には、金融政策の決定における一定の独立性が必要だということ主張していました。

したがって、この法案が可決すれば、FRBの独立性が侵されると考えているようです。

 

2つ目は、量的緩和についてです。

3度のQEについては、一定の効果がでているとしています。

その効果は、長期金利の大幅な低下だということです。

この長期金利の低下により、住宅ローン金利(30年固定)は、3.4%と信じられないほど下がったということを強調しています。

この結果、住宅投資、個人のバランスシートの改善が進んでいるということです。

 

最後は、債務上限問題です。

財政面で、きわめて重大な分岐点が多数迫っていると指摘しています。

債務上限問題は、債務の上限を引き上げ、債務の支払いを可能にすることだと言っています。

もちろん、分別のある歳出計画と分別のある歳入計画が必要だとも言っています。

 

中銀の独立性については、当たり前のことを言っていると思います。

日銀も独立性が重要であれば、はっきり言えばいいのですけどね。

 

量的緩和については、短期金利は下げる余地がないのだが、資産購入によって、長期金利を下げることができたと言っています。

また、FRBは、マネタリーベース(紙幣と貨幣と当座預金の合計)を拡大させることによって、長期金利の低下を実現させたということで、インフレを懸念する声はありますが、その兆候は見られないと言っています。

インフレの兆候が見えたら(物価上昇率が2.5%を超えれば)、量的緩和をやめると言っていますので、物価を重要視していることには違いありません。

 

債務上限問題は、基本的に、ノーチョイスだと言っているように聞こえます。

上限を引き上げるしかないのですが、歳出削減も考えた方が良いと。

 

こう見ますと、今の日本とは、「中銀」の威厳というか強さというか、なんか違うな~って思いますね。