カテゴリ: cinema
欲望の翼.
香港に旅行中に友人に「花様年華」が一番好き、と話したら、「欲望の翼」を勧められて、そのまま観てしまった.
雨の多さ.
ウォン・カーワイのクローズアップ!ピックアップ!自分の好きなところしか撮らない姿勢が、いいよね.
珍しく昼間のシーンも多い作品.
Xavier Beauvois《チャップリンからの贈りもの》
フランス映画祭2015年.
日本での本格上映が始まる数か月~一年くらい前に、最新フランス映画が観られる素敵な4日間.
最終日駆け込み.
Xavier Beauvois監督.
邦題は《チャップリンからの贈りもの》.原題だと《La Rançon de la Gloire》(栄光の身代金ーここでは、直接的に訳すと、栄光を手にしたチャップリンの身代金を指します).
実話をもとにしたストーリー.
ベルギー人とアルジェリア人の主人公二人組が、チャップリンの死後、彼のお墓をあばいて、棺&死体の身代金を要求しちゃうお話.
登場人物には、フランスのジョークでよくある類の各国の人物像が、愚直なまでに当てはめられている:
監獄から出てきたばかりの放蕩ベルギー人(本は読むけれども頭は良くない、道化)、
経済的にぎりぎりな日々を送るアルジェリア人(生真面目で不器用)、
警察のスイス人(博愛…?)、
チャップリンの執事である高圧的なイギリス人(なんとも鼻につく感じ!笑)で、フランス人は一人も出てこない.
舞台がスイスなので、さほど不自然ではないにしても、フランス語圏社会の抱える格差問題を、常に入れ込んでくるタイプの映画.
「道化」という言葉の変化、指し示すところは注意しておくべき.
フランス語でclownは「ピエロ」.
Faire le clownだと「馬鹿をやる、おどける」の意味がある.
ただの放蕩者が、本当のピエロとしてステージに立つ瞬間.
日の当たらない場所で生活する人たちも、光の中に飛び込んでいける.
監督自身が「簡単ではない幼少期を過ごした」こともあり、 希望のメッセージを込めて撮った作品.
(と、Xavier Beauvois本人は語っていたよ!)
上映後、監督へのQ&Aタイムもあり、途中、映画の音楽監督を務めたミッシェル・ルグランに気まぐれ生電話!
ワンコールで出るミッシェル.《Oui! Où es-tu?(やぁ、どこからかけてるの?)》とハリのある元気な声が、会場十に響き渡った.ざわざわ!ちょっとした興奮ですね.
(↑ミッシェル・ルグランとつながっているケータイをマイクに近づける監督)
ミッシェル・ルグランは昨年、4度目の結婚をしたばかり.
お相手は女優のマーシャ・メリル.
それまで彼が担当した映画の音楽は、すべてハリウッドのスタジオで制作されていたのだけれど、
「フランスを離れないでよ、二人でゆっくり過ごしましょうよー」という妻の一言で、アメリカ行は取りやめ.
フランスのお城のような自宅で、制作が行われたのでした.これは、彼の制作上、初めてのことだとか.
80歳を超えても、ラブラブな新婚生活.チャーミングな国だと思う.本当に.
日本での本格上映が始まる数か月~一年くらい前に、最新フランス映画が観られる素敵な4日間.
最終日駆け込み.
Xavier Beauvois監督.
邦題は《チャップリンからの贈りもの》.原題だと《La Rançon de la Gloire》(栄光の身代金ーここでは、直接的に訳すと、栄光を手にしたチャップリンの身代金を指します).
実話をもとにしたストーリー.
ベルギー人とアルジェリア人の主人公二人組が、チャップリンの死後、彼のお墓をあばいて、棺&死体の身代金を要求しちゃうお話.
登場人物には、フランスのジョークでよくある類の各国の人物像が、愚直なまでに当てはめられている:
監獄から出てきたばかりの放蕩ベルギー人(本は読むけれども頭は良くない、道化)、
経済的にぎりぎりな日々を送るアルジェリア人(生真面目で不器用)、
警察のスイス人(博愛…?)、
チャップリンの執事である高圧的なイギリス人(なんとも鼻につく感じ!笑)で、フランス人は一人も出てこない.
舞台がスイスなので、さほど不自然ではないにしても、フランス語圏社会の抱える格差問題を、常に入れ込んでくるタイプの映画.
「道化」という言葉の変化、指し示すところは注意しておくべき.
フランス語でclownは「ピエロ」.
Faire le clownだと「馬鹿をやる、おどける」の意味がある.
ただの放蕩者が、本当のピエロとしてステージに立つ瞬間.
日の当たらない場所で生活する人たちも、光の中に飛び込んでいける.
監督自身が「簡単ではない幼少期を過ごした」こともあり、 希望のメッセージを込めて撮った作品.
(と、Xavier Beauvois本人は語っていたよ!)
上映後、監督へのQ&Aタイムもあり、途中、映画の音楽監督を務めたミッシェル・ルグランに気まぐれ生電話!
ワンコールで出るミッシェル.《Oui! Où es-tu?(やぁ、どこからかけてるの?)》とハリのある元気な声が、会場十に響き渡った.ざわざわ!ちょっとした興奮ですね.
(↑ミッシェル・ルグランとつながっているケータイをマイクに近づける監督)
ミッシェル・ルグランは昨年、4度目の結婚をしたばかり.
お相手は女優のマーシャ・メリル.
それまで彼が担当した映画の音楽は、すべてハリウッドのスタジオで制作されていたのだけれど、
「フランスを離れないでよ、二人でゆっくり過ごしましょうよー」という妻の一言で、アメリカ行は取りやめ.
フランスのお城のような自宅で、制作が行われたのでした.これは、彼の制作上、初めてのことだとか.
80歳を超えても、ラブラブな新婚生活.チャーミングな国だと思う.本当に.
藤井三千監督「鏡」.
大切な友人、藤井三千(ふじい みゆき)が脚本•監督を務めた、「鏡」.
K's cinemaで公開.
重荷を抱え込み続けた身体だからこその、
飛翔.
浄化と希望.
創作物における作為的なカタルシスって、あまり信じていないのだけれど、これは本当に、心地よく涙と一緒に持っていかれる感覚だった.
最後に、希望を選んだあたり、少し、作風が変わったね.
併せて上映されていた作品とは対極的で、こういうことを言うと三千は憤慨するかもしれないけれど、やっぱり三千の作品には、フランス文学を専攻していた人の薫りがする、気がしたんだよね.
けれども終わり方は、全然フランス的じゃない.もはや.
「希望」や「救い」を描くことを、許容できるようになったのかな.
確かな思想の手応えがある作品は、好きだ.
海、行こう.