2007年01月15日

野田地図『ロープ』

野田地図『ロープ』ですが
さてさて今回は2度目の観劇。(^ω^)


前回は初めてで何もかもに付いていくのに必死で、終わった後は呆然→帰宅→パンフと『新潮』に載ってる戯曲で復習→頭ゴチャゴチャになる→歴史について調べる→部分部分理解できる
の流れ。

それでいっぱい勉強したし、いろんな人の感想とか新聞の劇評とか読んで知識も身につけた(つもり)ので、少しは気を楽にして観ることができました!


私はベトコンという蔑称も知らず、ベトナムでこんな虐殺があったなんてことも、全然知りませんでした。学校で少し学んだくらいで印象には残ってなくて。
ベトちゃんドクちゃんのことは聞いたことがありましたが、何らかの病気でああなったんだなぁとしか思ってなくて…それがアメリカが撒いた枯れ葉剤の影響だったんだと最近知りました。

学校の年輩の先生にあれこれその時代のことを伺って、『ロープ』でまざまざと表現された虐殺の全てが本当に行われていたんだと知り、どよ〜んともなりました…しばらくはその内容が頭から離れず。

その辺の予備知識を頭に入れて挑んだ2回目の観劇。

どんなに重い意味が隠されているとわかっていても、やっぱり序盤から中盤にかけてはいっぱい笑ってしまいました(^ω^)単純に野田さんの動きや竜也くんの真顔のツッコミとかがおもしろくて!案外ツッコミがうまいのかも…渡辺えり子さん演じるJHNDDTがノブナガに近寄って純情だなんだと言うところも、「誰ですか?」のタイミングも最高で、言い方がもうなんとも嫌そうというか、本気で疑わしげな表情で、巧妙だなぁと(笑)顔中の筋肉を駆使してますよね。

竜也くんの、スパイダーソリティアをやってたって下りの『シュシュシュシュ!シュシュシュシュ!』ってやつは効果音と声と動作がピッタリ合わさっていてそれがまたおもしろい(^ω^)一瞬、アニメを見ているような感覚になりますねー

竜也くんと橋本じゅんさんの絡みもおもしろい。それはオイルのときもそうでしたが♪
カメレオン「お祭り?」
ノブナガ「擬音だよ。」
カメレオン「やっぱ、お祭りじゃねぇか」
二人「うん、擬音祭り。」という掛け合いが(笑)野田さんの言葉遊びの能力が発揮されてます?というかただのギャグ?(゜_゜)


リング上での暴力がだんだん激しくなっていくところも、まだ笑い声が聞こえます。カメレオンの、「今は若いから許されるつもりでいるかもしれない、」の「かもしれない」のところで金八のモノマネが何気に動作つきで入っているところもツボ(笑)。
ところが本物の銃声がしたあたりから、一気に重苦しい、恐ろしい雰囲気になります。
そしてこの場面のカメレオンとノブナガのやり取りが一層深く心にくる。
カメレオン「みんながみんな八百長をしているのに、なんでこんなひどいことになってるんだ?」
ノブナガ「誰もがなんで闘っているのかなんて、わかっていない。」
カメレオン「じゃあ何故闘うの?」
ノブナガ「あいつらが敵だからだ。」
(中略)
ノブナガ「こんなことってあるか、この戦いは仕組まれているって誰もが知っているのに、最前線にいる俺たちだけはガチンコでやるしかないって。」

そして二人は仕組まれた戦いとわかっていながらも、「やられる前にやれ」精神で攻撃を開始する。
いつしかプロレスのリングだったはずの場所が、ベトナムのミ・ライ村での大虐殺の戦場に変わっていく。
何故ここで闘っているのか、その理由は戦場では必要性を失い、ただひたすら兵士たちは自分は殺されまいと敵を攻撃し続ける。相手を「敵」としてでしか判断せず、同じ人間であり、同じ気持ちで闘っていることを忘れる。プロレスラーが覆面をしただけで、顔が見えなくなって「敵」というものになってしまうように。

「見てくれ!見てくれ!俺の顔を。俺には顔がある。顔があるんだ!」そう叫ぶ人がいる。

そうして戦場にいる兵士たちは闘い続け、流れている血や死体が見えなくなり、臭わなくなり、麻痺していく。催眠術にかかったかのように「力」を使い続ける…。

が、そこでノブナガがハッと、自分のやっていることの恐ろしさに気付き始める。「俺たちは勇士だ!」と叫んでいたのが、「俺たちは勇士か…?」と呟くようになる。
そこで私は、竜也くんの一瞬の細かい演技に注目しました。ひたすら撃ち続けていた銃を持つ手にも力が入らなくなって、銃身が下に傾きかけたところを、一瞬左手で再び持ち上げたんです。気を抜いてると俺もやられる、持ち直せ!という心の声が聞こえてくるかのようでした。なんか、本当に自分の中で葛藤している兵士を見ているようでした。すごかった。

結局ノブナガは、自分のやったことの恐ろしさに怯えて、その場を逃げ出します。
このあたりまではとても悲惨な流れですが、私はノブナガが自分を取り戻したことと、タマシイを受け取ったことで野田さんはこの先の未来にわずかながらも希望を持っているんじゃないかと思いました。
「人はいつも、取り返しのつかない『力』を使った後で『無力』という力に気付く。」その『無力』を語るために棲みついているタマシイ。
そんなタマシイをこうして新たにノブナガが受け取ったことで、まだ希望が持てるのだと野田さんは伝えたいのではないのでしょうか…。
うーん…。
ノブナガが「誰ひとり、君(タマシイ)のことを語ろうとしない。まるで君はいなかったことになっている。」と言うのも、ノブナガだけが催眠術から抜け出し、戦場というリングから逃げたことで、タマシイの言う『無力』に気付けたからですかね。
それに気付くことのなかったカメレオンやTVクルーの人たちにはタマシイの存在さえ忘れてしまうんですね、おそらく。違うかな(笑)
まだ解釈はしきれていませんので…。自分の中でもゴチャゴチャしてるのを、こうやって書き出しながら整理していってます。

次の観劇ではどんなところに気付けるかなー!(^ω^)ロープ、飽きないなあ。。。
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mnslhn at 19:36│Comments(0)舞台・1 

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