末次由紀『ちはやふる』25巻『逆転裁判』で英会話 (2)

2014年07月26日

『逆転裁判』で英会話 (1)

そんなわけで、『逆転裁判123』を買ってしまいました。英語版だと「異議あり!」が「Objection!」に変わります。

『逆転裁判』最初のエピソードの幕を開けるのは、おなじみ、「刑事コロンボ」的なオープニング。倒叙ミステリーというやつです。
???:誰か‥‥誰かが
    やったことにするんだ‥‥!
    I-I've gotta find someone
    to pin this on ...
おお〜、教科書で見たことがないような英語が最初からバリバリ全開です。まあ、教科書に殺人者の独白が出てきたら大変ですが(笑)。have gotta = have got to = have to「〜しなければならない」、pin 〜 on …「(罪の責任など)を…に負わせる」ですね。何かをピンで刺して留めるイメージから転じて「押し付ける」の意味になるわけです。
ナルホド:こ、こんなにドキドキするの
     小学校の学級裁判のとき以来です。
 チヒロ:‥‥それはそれは。
     ずいぶん、ごぶさたしてるのね。
「学級裁判」って英語ではどう言うんだろうと期待していたのですが、このやりとりは英語版ではまるごととばされており、英訳されていません。ゲームの第4話につながる伏線の一つなのですが…? もっともこのセリフ、『逆転裁判3』と矛盾している気もします(成歩堂は大学時代にも裁判の被告席に立っている)。まあ、考えてみると「学級裁判」って何なのか、日本人にも正体が分かりません。子供同士で勝手に子供を裁いちゃダメでしょ、普通に。
チヒロ:初めての法廷で殺人事件をあつかう
    なんて、すごい度胸ね。
    Not everyone takes on a
    murder trial right off
    the bat like this.
    感心するわ。
    あなたにも、あなたの依頼人にも。
    It says a lot about
    you ... and your client as well.
またまたイディオム。right off the bat=「いきなり」。hot off the bat とも言います。It says a lot about 〜 というのは、「〜が大したものだということを表している」みたいな感じ。「いきなり殺人事件の裁判をこんなふうに引き受ける人、いないわよ。大したものね、あなたも…あなたの依頼人も」

さて、矢張のことを表した、あの印象的なフレーズはどうなっているのか。
ナルホド:”事件のカゲに、ヤッパリ矢張”
     と言われつづけて23年。
     Our school had a saying:
     "When something smells,
     it's usually the Butz."
Butz というのは英語版での矢張の名前(Larry Butz)。「何かが臭いと思ったときの原因はたいてい矢張」=「あやしいところに矢張あり」みたいな感じでしょうか。Butz は butts(bottocks「お尻」の俗な言い方)と同じ発音なので、「臭いときにはケツを見ろ」的にも聞こえる駄洒落になっているのかも?
チヒロ:な、なるほどくん。
    ‥‥私、帰ります。
    Wrong, Wright.
    Look, I have to leave.
    そういえば今日、宅急便が
    届くから‥‥。
    I have to go home. I'm...
    I'm expecting a delivery.
裁判の最初に成歩堂が裁判長から事件の「被害者」「被告」などの基本的な情報の確認をとられるパートがありますが、そこで間違えると千尋が言うセリフ。「宅急便が届くから」なんて日本的なセリフがどうなるのかと思えば、"I'm expecting a delivery." でした。expect は一般に「期待する」という訳語があてられますが、「(〜が来ると)予定している、予期している」イメージでとらえていたほうが思い違いが少なくて済むと思います。
アウチ:どうやら彼女には、“パパ”が
    たくさんいたようです。
    It appears that she had
    several "Sugar Daddies."
“パパ”にあたる英語は "sugar daddy" です。わかりやすい。
チヒロ:‥‥さあ、なるほどくん。
    いよいよ本番よ。
    Alright, Wright, this is it.
    The real deal!
証人への尋問を前にした千尋のセリフ。"the real deal" =口語で「ホンモノ」。ここからが本当の勝負、ここからが本当の仕事、という感じです。
ヤマノ:のぞきたくなるのが
    人情でございましょ?
    Isn't it only human
    to want to... peek?
怪しい証人・山野星雄が登場。被害者宅のドアが少し開いていたので覗いてしまったという言い訳のセリフです。「〜するのが人情」は "it is only human to 〜" と訳されています。human は「(弱味や欠点が)人間にありがちな」という意味。
ナルホド:2時に死体を見つけられる
     はずは、ゼッタイにありません!
     There was nobody to... er...
     no "body" to find at 1:00 PM!
 ヤマノ:‥‥いや、私もその、
     どういうことなのか‥‥。
     I... er... well, I...
     Gee, that's a really good
     question!
目撃証言の時刻の矛盾を突く成歩堂。英語のセリフでは、「死体を見つけられるはずはない(no body)」と言うところを「誰も見つけられるはずはない(nobody)」と言い間違えて、言い直しています。また、日本語版と英語版では成歩堂たちのいる場所と被害者の旅行先などの設定が違うためか、時刻も全部少しずつ変更されています。ローカライズの面倒な部分ですね

…今回はこんなところで、気力があったら次回に続きます!



mnumasaki at 16:19│Comments(0)TrackBack(0) ゲーム | 翻訳

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